書棚は壁に片寄せて、間の高さを九尺列ねて戸口まで続く。組めば重ね、離せば一段の棚を喜んで、亡き父が西洋から取り寄せたものである。いっぱいに並べた書物が紺に、黄に、いろいろに、ゆかしき光を闘わすなかに花文字の、角文字の金は、縦にも横にも奇麗である。(虞美人草 青空文庫より)
鬱屈した主人公は、手紙と日記を暖炉で焼き、虚飾に満ちた家を出ようとする。その後友人の活躍により、事態は急を告げる。そこの緊張に満ちた叙述がたまらないのだが、プレストの前のアダージオのような書斎中のシーンの記述も捨てがたい。
書斎の良し悪しよりも、書斎の持ち主の気持ちが重要であると漱石は言っているわけだが、自分も同様ながら気の毒なのは、書斎貧乏(>_<)
ところで、はやく終わらないかなあ、エイプリルフール。落ち着かないこと夥しい。
よく考えると自分は毎日がエイプリルフールなのですが。
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