2020年8月13日木曜日

幸田露伴の死の直前の記述が凄絶――『父――その死――』(幸田文)

連日の夕立と雨上がりの虹。ここまではいいのだが、その後の蒸し暑さが余計だ。風が吹けば過ごしやすいだろうと思うが、そうならない。やむを得ずエアコンに頼る。エアコンのない方は大変だろう。


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『太陽王ルイ14世 ヴェルサイユの発明者』をなお、50頁ほど読み進む。

232頁。ルイ14世は愛姫に「ドーダ」と言いたいがために、ヴェルサイユ造営だけにとどまらず、戦争を仕掛ける。モンテスパン夫人に「ドーダ」するためにはフランドル戦争を仕掛けた。実はスペイン領なので、スペインとの戦い。

234頁。戦争を仕掛ける前に、軍隊を近代化していた。貴族の私兵だった軍隊に国王直轄の仕組みを付け加えた。

244頁。フランドル戦争の成果として、毛織物業の盛んなリールを手に入れ、この結果フランスの産業の近代化を進める。知恵師がついていたらしい。

248頁。ヴェルサイユ新宮殿は建てるが、旧宮殿はコアとして残す。建築家泣かせ。このアイデアはデカルトを読んだせいか?(251頁)

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『幸田文全集第一巻』(岩波書店)のなかの「父――その死――」を読む。幸田露伴の死の直前の様子は、少し前に小林勇の『蝸牛庵訪問記』で読んだが、身内の記述は生々しくて迫力があり、怖くなる。自分ももうすぐ行く道だろうから。ただし、死後の回想では、幸田文にとって、厳しくも思いやりのある父親にもどる。ALL REVIEWSで、森まゆみさんがこの書評を書いておられるが、まったく同意。そして、森まゆみさんの書評群を見ると。私の趣味とぴったりあっているような気がして、書評で取り上げている他の本も読みたくなる。ここが書評家の真骨頂だろう。

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午後は、『頼山陽とその時代』を読み進める。55頁まで。中村真一郎の筆が冴え渡る。


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盆の入りなので、夕食は精進料理風にした。


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