2020年9月11日金曜日

『鷗外の坂』を読むと理想的父親像が明確になる


森まゆみさんの『鷗外の坂』(新潮社)を読み終える。

244頁。
『澁江抽斎』も掃苔小説説。

247頁。
鷗外は同窓生冨士川遊を経由して医学史研究のため池田京水の墓碑銘のいくつかを得る。迂遠だが楽しい方法。また、実碑文を使った対校は時間がかかるがこれまた楽しい。今なら写真を使おうと考えるかもしれない。

255頁。
「万朝報」に、児玉せきのことが書かれる。明治31年。

「鷗外の坂」は人生の坂でもあると思える。人はみな一歩ずつ坂をのぼる。

344頁。
森鷗外は60年の人生のうち50年以上本を読んでいる。

347頁。
葬式饅頭が手に入ると饅頭茶漬けを食べる。

348頁。
森茉莉も読みたくなってきた。他の親族の著書も。小堀杏奴の『晩年の父』(岩波文庫)は、いま発掘してきた。レシートが挟んであったが、1981年に名古屋で購入したらしい。当時の文庫新刊。

358頁。
理想的な父親。

365頁。
「闘う家長」よりも「微笑する鷗外」を森まゆみさんは書きたかった。それは成功している。


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