2022年5月12日木曜日

〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉も読書家にとっての「移動祝祭日」としたい

来週開催予定の「文舵会」。(ALL REVIEWS友の会の執筆研究部内でやっている、執筆の勉強会。『文体の舵をとれ』の練習問題の回答を各自持ち寄って合評する。)

今回の課題はこれだ。(訳文 大久保ゆう さん)

〈練習問題⑤〉簡潔性

1段落から1ページ(400〜700文字)で、形容詞も副詞も使わずに、何かを描写する語りの文章を書くこと。会話はなし。

(中略)

すでに書き上げた文章を、磨いて〈簡潔に〉仕上げるのもよい。それも面白そうだ。


ということで、5年ほど前に書いた「フランス旅行記-アヴィニョンからパリへ」

( https://hfukuchi.blogspot.com/2009/10/blog-post_21.html )

というブログの文章から形容詞や副詞を剥ぎ取ってみることにした。元の文章は長すぎるので、贅肉(正岡子規の言うところの「写生文」になっていないところ。例えば個人の感慨。)も剥ぎ取る。

一応できたので、これは明日朝テニヲハを直して回答用フォームで送ることにする。

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新宿のIデパートに買い物に往くことになり、途中の電車で読むものを探した。『移動祝祭日』の文庫本がよさそうだ。翻訳ではあるが今回の練習問題を考える上で参考になりそうだ。『日はまた昇る』も良さそうだが、全集の端本しか持っていないので、重いということで却下。第5章のはじめの文章(以下)のみ目を通しておいた。

晴れた朝だった。リュクサンブール公園のマロニエの木は花ざかりだった。暑い一日の早朝らしいさわやかな気分があふれていた。(訳文 大橋吉之輔)

『移動祝祭日』では、ヘミングウェイが感じたシェイクスピア書店のシルヴィアのやさしさ。無名だがみどころのある作家とひと目で見抜いた眼力。一見にもかかわらず身元も確かめずに本を何冊も貸し出す大胆さ。これらにしびれる。PASSAGE by ALL REVIEWSでも参考にしたいものだ。と考えて読んでいたので文体の勉強にはならなかった。


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