クライバーンは、他の(たとえばグールドのような)ピアニストに比べて、金銭的な成功もおさめ幸せな人生後半を送ったと言ってもよいだろうと、この伝記は言っているようだ。共和党支持のテキサス人。冷戦下で、ソ連の要人ともつながりのある(ーーゴルバチョフやその夫人もクライバーンの演奏を聞き好感をもったーー)クライバーンを米国政府は粗略に扱わなかった。そして、クライバーンの楽天的性格が決定的な不幸を避ける上で役に立ったのだろう。
読み終わってみると少し名残惜しくなった。ブーニンやキーシンのようなロシアのピアニストのことも知りたくなった。とりあえず、ブーニンの弾くショパンのコンチェルトなど聴きはじめた。
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ブーニンを聴きながら、「小松左京さんと日本沈没 秘書物語」(乙部順子 2016年 産経新聞出版)をさらりと読み終えた。
乙部さんは小松左京の秘書でありマネージャであり残された会社「イオ」の社長である。秘書の回想録かと少し軽く見て読んだが、しっかりした文章で驚いた。小松左京の豪快に見えて繊細な人柄が見事に活写されている。
小松左京が東日本大震災のあとの心痛でうつ病になったと言う話を読んで、気の毒に思った。自分の母のことも考え合わせるとなおさらである。
福島の原発を加圧水型でなく、安価だが爆発しやすく危険な沸騰水型にしたことを怒っていたのは初めて知った。
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朝ドラで福ちゃんのお母様(松坂慶子さんが好演)が言っていたみかんの皮をむかないで、中の房の数をあてる方法を実践してみた。子供のような房があると難しい。
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