2022年4月13日水曜日

PASSAGE by ALL REVIEWSに行くのは楽しいし、神保町の150軒の古書店をめぐるのもとてつもなく楽しい

岩田徹さんの『一万円選書: 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』(ポプラ新書 Kindle版)を読む。前の会社で隣の部署にいらしたK先輩から、昨夜、メールで紹介してもらったもの。「いわた書店」では午後3時から5時まで店のシャッターを閉めて、店主が一万円選書に専念する。1万円分10冊程度を選ぶが一日に何人もできない。選書希望者バックログは数千件、すでに一万人に対して選書サービスを実施している。売上は選書と店頭売りの比率が2対1だという。岩田徹さんはこれまでの本の流通形態では、この業界の衰退は免れないとして、新しい本の流通を創造したいとおっしゃる。

選書のポイントは、選書サービス希望者からの自己紹介のアンケート内容。その人となりと「将来やりたいこと」をアンケートから推し量り、過去の店主の1万冊・60年の読書体験から推薦する本を選ぶ。すでに読んだ本があれば交換にも応じる。

巻末に過去に多く選書した本のリストが付いている。これだけ読んでも良い。選書サービスをただで受けているようなものだ。


PASSAGE by ALL REVIEWSでも選書サービスができないかと考えた。経験豊かな店舗スタッフが専任すれば出来るだろう。ただし、「いわた書店」なら売上の2割近くが粗利となるが、PASSAGE by ALL REVIEWSではそうはいかないので難しい。棚主本人がそれぞれやるのが良いだろう。よく考えると店主が書棚に本を納めること自体が、不特定多数に対する選書サービスなのだろう。複数の一棚店主が、複数の読者に対して選書サービスをしていると考えればいい。岩田徹さんのおやりになっている、読者のニーズや特性に応じた選書のかわりに、書棚中のそれぞれの本に「推し」の理由を書くときに、どのようなヒトが読むのが良いかも書き添えるといいだろう。読者側のモチベーションをいかにして高め、かつ捉えるかが大問題。

***

最近神保町に行く機会が増えた。古書店を見て回る余裕はごく最近少しずつできてきた。これを良い機会として多くの古書店を見て回りたい。目的は2つ。読みたい本をさがすことと、PASSAGEの書棚にいれる本をさがすこと。この2つは別々なことがらではなく、お互いに影響し合う。

「古書店マップ」を手に入れたので、これを片手に多くの古書店を訪れたい。神田古書店連盟に参加している(古)書店は150店強。各店舗にたとえば1万冊の本があるとすると、150万冊の本が存在している。これを全部見て回るにはどのくらい時間がかかるか。一日一店舗を見ると仮定すると、延べ150日間。現在の予定だと月に8日間神保町に行くが日曜日もあり、行けない日もありそうなので、月に4軒とすると、28ヶ月、2年4ヶ月で一通り見て回れる。10年で4サイクル。10年後にはある店に入った時に、棚の内容の変動がすぐ解るようになろう。これは楽しみだ。国会図書館300万冊の本は直接背中を一覧できないが、神保町では出来る。読書好きの天国が手に届くところにある。足は鍛えておきたい。 

ところで、神保町の歩き方は植草甚一さんに習ったようなものだ。

この本には神保町の話がかなりまとまっている


0 件のコメント: