森有正先生の著書の装幀をなさった栃折久美子さんのことを最近思い出したので、栃折さんの著書(一冊だけだが)と森有正先生の著書(単行本ほとんどと、全集が数冊)を、手近な本棚に移そうと画策した。息子の書棚が廊下にあり、今は読んでいない漫画(両さんの全巻!)が場所を取っているので、入れ替えようかとやってみた。ダメ。漫画本のサイズに合った本棚なので、森さんの本ははいらない。
仕方ないので、名ばかりの書斎の学生用スチール本棚に移すことを考える。サイズは大丈夫そうだが、時間がなくなって明日以降に作業することにした。Jのやっている自治会役員のお仕事(小学生の卒業祝いチラシ作成)が降ってきたので、そちらをやった。明朝頑張る。なぜ、森さんの著書を身近に置きたいかというと…
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高校の現代国語の教科書に、森有正先生の「バビロンの流れのほとりにて」の、マントンへの旅行記の部分が載っていて、これにしびれたのが、傾倒の始まり。澄んだ青い海の描写に憧れた。学生時代と会社就職後に森さんの著書はほとんど集めて目を通した。「読んだ」と素直に書けないのは、当時は書いてあることがすべて理解できないと思い込んでいたせいだ。何回読んでも、理解できないことが残る。著書の読書を「体験」しかできなくて「経験」に昇華できない自分。
今でも読み返しては、考え込むことが多い。
先日ALL REVIEWS友の会のイベントで豊崎由美さんに、「(本は)ゆっくり読みなさい…」と助言してもらったが、その通りだし、プルースト翻訳の高遠先生には「わからないところは遠慮なく読み飛ばしましょう…」という意味の助言も頂いた。いや、あとがきでそうお書きになっていたのを読んだ。
頭では、わかっている。自分の分かる範囲でしか理解はできないと。でも、やはり森有正先生の著書に隠れた人生の指針を探し続けるのをやめられない。多分死ぬまで。
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自分としては珍しく、先日の旅行でお世話になった方に礼状を書いた。
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以下は今日の作文練習。まだ下手だなあ。
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