2018年6月7日木曜日

オースター熱の病膏肓

 昨夜読み始めた「幻影の書」、なんと今日の3時頃までに読み終えてしまった。



 ストーリー展開の上手さが目立つ。以前休日の娯楽としてよく読んだディック・フランシスの小説に似ている。精神的ダメージを受けた主人公の描写は、村上春樹を思わせる。

 主要な題材は、はるかな過去に消えたと思われた喜劇俳優の無声映画(とその後の喜劇俳優の幻の自作映画)だが、もう一つの話題はシャトーブリアンの回想録「墓の彼方からの回想」(Mémoires d'outre-tombe、没後出版)を主人公が翻訳するという話。これを「死者の回想録」という名前で再翻訳しようとする。そしてこれは幻の自作映画や、その他の作中作品の伏線となっている。

 「Mémoires d'outre-tombe」は一応、仏語版と英語版を眺めてみようと、Kindleでダウンロード。仏語版は無料、英語版はサンプルだが…



 当時のベストセラーだったようだ。

こんな本も見つけた


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 このシャトーブリアンを調べようと松岡先生のサイトに行ってみたら、少年版の「巌窟王」の懐かしい書影を発見。この本をたしかに私も手に汗を握って読んだ。カバーの絵(フェンシングの絵)や挿絵に見覚えがある。子供用の本では挿絵がいかに大切かわかる。この本を古本屋さんで捜してみたい。

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