2017年6月10日土曜日

「サイコ」はサイコーなんちゃって

 「サイコ 」(字幕版)を Amazonビデオで観ました。昔みたときの記憶がない。郷里の映画館で観たのだろうが具体的なことを何も覚えていない。怖いので忘れるという自己防衛反応が働いたのか?

 おかげさまで、新鮮な気持ちで観ることができた。やはり、凶器を振り回す場面は怖い。

 しかし今回は、有名なシーンの前後のサスペンスの部分の作りの上手さに驚いた。わりに短い映画だが、中身がぎっしりと詰まったエンターテインメントだった。ヒッチコックを見直した(エラソーに)。

 こうなると、他のヒッチコック作品も観たくなってくる。「鳥」は何回も観ているので、それ以外で何がいいかなあ。

 と思って、また植草先生に相談することにした。



 植草甚一スクラップブック2巻「ヒッチコック万歳」(1976年 晶文社)の目次。

1 ヒッチコックの秘密 9(ページ)
 ヒッチコックは、ほんとうによく映画を知っている
 ヒッチ・タッチの誕生
 ヒッチコック映画の特色と魅力
 アルフレッド・ヒッチコックをよりよく理解するために
 ヒッチコックからキャロル・リードへ
2 ヒッチコック名画館 55
 「レベッカ」
 「汚名」
 「見知らぬ乗客」
 「裏窓」
 「ハリーの災難」
 「泥棒成金」
 「北北西に進路を取れ」
 「鳥」
 「サイコ」
 「マーニー」
3 ヒッチコック・スクラップ・ブック 133
 ヒッチコックの秘密
 罠にかかるのも愉快だなあ!
 ヒッチ短章
 ペンギン鳥だといわれたヒッチコック
 ぼくのヒッチコック会見記
 座談会 スリラーとヒッチコックを語る
4 ヒッチコック物語 191
5 ヌーヴェル・ヴァーグの神様 229
 フランスにおけるヒッチコック研究
 トリュフォーとヒッチコック
 ヒッチコックの演出技法
解説 :ヒッチコック・プロット 小林信彦
初出一覧

 映画の邦題名にも、ネタバレさせずにしかも観客に訴えかけるような工夫がなされている。なので、植草先生の文章の題名もそれを活かすような工夫がされている。

 こうして目次を読むだけで、(中身は大体読んでいるのでだが)、植草先生がいかに材料を観、読みこなして、個々の文章を綴ったかが見えてくる。20世紀の文化遺産だ。

 つぎは「レベッカ」かなあ。

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