2017年6月6日火曜日

当時はミンクのコートが「大女優」のステータス? 野蛮だったな。

 映画、「旅愁」を観た。(今更ですが)




 ピアニスト役の主演女優はジョーン・フォンテイン。どこかでみた顔立ち。と思ったら、「風とともに去りぬ」のメラニー役のオリヴィア・デ・ハヴィランドの妹だった。二人共、生まれたのは東京。仲が良いとはいえないが二人共アカデミー主演女優賞を貰っている。ハリウッド女優通なら常識だったですね。スミマセン。

 私はハリウッド映画に詳しくない。ハリウッド以外も詳しいとは言えないけれど。でもちょっと勉強したいので、植草甚一先生に教えてもらうことに。余談だが、淀川長治先生の方がオーソドックスなことを教えてくれそう。こんど入門するかな。

 植草甚一スクラップブック4巻 「ハリウッドのことを話そう」(1976年 晶文社)の目次は以下の通り。



1 これがハリウッドだ 9(ページ)
これがハリウッドだ
 1 椰子の生えているシベリア
 2 エリア・カザンの眼に映ったハリウッド
 3 チャールズ・フェルドマンの物語
 4 ハリウッド・ドクターとノイローゼ患者
 5 マイケル・トッドの身上調査
 6 ジェリー・ウォルド氏がマジメに語る
ハリウッド揺籃時代
プロデューサーって苦労するなあ
「トラ・トラ・トラ!」で揉めた二十世紀フォックスの上層機構をシネマ・ヴェリテふうに暴露した「スチュディオ」をめぐって
バス停留所まで行ってくれ!
トリートメントの段階をめぐって
2 ハリウッドの人々 79
セシル・B・デミルの伝説
エルンスト・ルビッチを偲んで
キャプラ雑談
「わたしはマーク・ヘリンジャーです…」
典型としてのフランク・ボザーギ
レオ・マッケリーという監督
キング・ヴィダー物語
ドア・シャーリーをとおしてみたMGM映画
3 『外国の映画界』 139
マルセル・カルネの立場からみたフランス映画界
シネマ・スコープで立ち直ったアメリカ映画界
ベン・ヘクトの「或る世紀児」から
小説家がみたハリウッド社会
ミンク・コートと女優
映画製作と監督の立場
 1 アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの映画
 2 マックス・オフュルスの映画のつくられかた
 3 「河の女」の描かれたイタリア映画的なもの
 4 北欧映画「激情」の解釈のしかた

解説 :ハリウッドのあのころ 淀川長治
初出一覧

 初出一覧によると、3 の『外国の映画界』は同名で1956年に同文館で出版されている。さすがに、そのころは植草先生とお付き合いがなかったので、著書として買い漏らしていた。ずっと残念だったが、内容はこれで読めたわけだ。でも実際の本が古本屋で見つかったら、即購入します。

 冒頭にかいた、ジョーン・フォンテインだが、『外国の映画界』のなかで、植草先生が紹介した雑誌記事のなかで、ミンクコート好きな女優として登場する。本人はステータスシンボルとして大真面目にはおったのだろうが、他の「大女優」も含めたエピソードを読むと、腹が立ったり、カワイイもんだと思ったりします。今では神話に近い話ですが。

おまけ 買い物の途中で毎年みかける紫陽花。今年も咲き始めた。



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