2019年12月19日木曜日

栃折久美子さんの『美しい書物』はもちろんスバラシイ造本である



『美しい書物』を全部読んだ。


栃折さんの本らしく、造本がすばらしい。特に綴じ方。無線綴じでなく、糸かがり。本を開いて、置いたときに、勝手に閉じてしまうのは嫌なものだし、手で抑えながら読むのはストレスがかかる。糸かがりならその心配はない。気持ちよく読める。手に持って読むときにも、力がいらない。

糸かがりかどうかは本を開いてみるとすぐわかる


近い将来、古い本を自分で製本し直そうと思っているが、糸かがり本であることはほぼ必須の条件だ。(と、栃折さんの他の本『ワープロで私家版作り』で教わった。

ところで、まだ、製本に関する術語はピンとこないので、学習が必要だ。
たとえば、こんなビデオが参考になろう。
https://youtu.be/0UAyPMOeVx4
https://youtu.be/fDkLMmljfZ4
https://youtu.be/RqJWfpuF2Ec



室生犀星との交流が「ギプスの昔」に書かれているが、そのなかで栃折さんの昔の病気に関するエピソードが出てくる。コルセットをはめている筆者が、座敷ではうまく会釈ができないのを、犀星が知らずに咎めてしまい、そのことを後で平謝りするというお話。少し哀しくて、少しほっこりする。



森有正の『バビロンの流れのほとりにて』を読んで感激して、その中に出てくる場所をヨーロッパじゅう旅行しまくって、最後に森有正のパリの住居で、オープンリールのテープでバッハを聴かせてもらう話も良い。



昨日気づいた、堀辰雄の『牧歌』は恩地孝四郎の娘の恩地三保子に捧げられているが、恩地三保子とも栃折さんは友達だ。宮城まり子さんとも。

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