前編は、ジークフリートの活躍がめざましく、明るい印象の映画だった。
producer Fritz Lang.Siegfried by Paul Richter.Restoration by Vitold Muratov [Public domain] |
最後に命を落とすところまでは、楽しく観ることができたが、妻クリームヒルトのあさはかな言動のせいで、ジークフリートが亡くなると、雰囲気が一転する。クリームヒルトの表情も鬼気迫るものとなる。この表情は、後編でますます恐ろしいものとなる。
フン族の王アッティラと意に沿わぬ結婚をするのは、アッティラの力を利用して、ジークフリートを殺めた自分の親族も含むニーベルング族に復讐するためだ。アッティラとの間に王子が誕生するが、これもニーベルング族を祝宴に呼ぶための口実にしてしまう。
紆余曲折を経ながらも、最終的に1000名のニーベルング族を殺害させ、最後に宿敵ハーゲンを自らの手でニーベルングの宝剣(ジークフリートの形見)で殺害する。自らも非業の死を迎える。
昨日も書いたが、無声映画であるからこそ、役者の豊富な感情表現で、ストーリーは追いやすく、最小限の字幕の効果もあって、伝わってくるものが大きい。
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この『ニーベルンゲンの歌』に関して勉強したくなった。
『ニーベルンゲンの歌 前編』(ちくま文庫)を、図書館で予約した。
トーマス・マン大先生の「リヒャルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」、「リヒャルト・ヴァーグナーと『ニーベルンゲンの指輪』」も読んでみようと、『トーマス・マン全集 第9巻』も出してきた、が時間切れ、夕食の支度にかかる。
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嬉しいことがあった。高遠弘美先生から、「壺中の天を求めて」と、「仏文学者の休日」、2件の原稿(pdf)をメール添付で送って頂いた。木村蒹葭堂や吉田健一や、植草甚一も登場する。ちょっと早いが最高のお年玉だ。
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