2019年11月14日木曜日

世間を無視したい研究者にも時代(1933年)の荒波は押し寄せる(『量子の海 ディラックの深淵』)

11月9日の高遠弘美・鹿島茂両先生の対談「『失われた時を求めて』を読む」のYouTubeビデオ(ALL REVIEWS友の会会員以外にも一般公開中)は、今日も視聴数を伸ばし、800回を超えた。一時間半のビデオだが、内容が濃いので飽きずに観られるからだろう。

ビデオへのリンク。

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夕方、また図書館に行き、新たに三冊借りた。
『夢の操縦法』は上記ビデオで紹介があったから。
『パリ左岸』は前回の月刊ALL REVIEWSの課題本。リクエストして新たに図書館で買ってもらった。一ヶ月かかったが。
『たゆたえども沈まず』は以前から読みたかった本。
これで今夜も眠れない。

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『量子の海 ディラックの深淵』をまた、続けて読む。やっと半分を超えた。
263頁。1932年。コッククロフトとウィルトンによる原子核破壊実験。E = mc^2が実証されてアインシュタインは喜んだ。
ディラックはこのころルーカス教授職へ推薦された。ニュートンに次ぐ年少の抜擢。
266頁。このあとのディラックの年収は、現在に直すと25万6千ポンド。レート130円とすると3000万円を超える。妹の大学の学費を4年分出してやってくれとの、母親の願いもかなえてあげた。ちょっと優しくなったわけだ。
7月末。パサデナでアンダーソンが霧箱で宇宙線由来の陽電子を発見したようだ、サイエンス誌に記事がのる。
274頁。キャベンディッシュ研でブラケットが宇宙線の霧箱撮影を「自動化」する。感に頼らなくても観測ができる。
でも、ディラックは実験にはあまり興味がない。このころの関心の対象は「ラグランジュ力学」。やはり、古典力学手法を量子力学に対応させたい。
276頁。ヒトラーの台頭、F. D. ルーズベルトの当選。にはさすがに関心を示す。
278頁。1933年1月。陽電子の存在は確実になった。一方ヒトラーが首相になり、アインシュタインは亡命する。
280頁。ディラックはフランス語とドイツ語ができた。フランス語を父親の専制への反発で喋らなくなり、今度はヒトラーへの反感でドイツ語会話をも捨てた。

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庶民の魚、98円のサンマを図書館の帰りに買い、焼き立てを食べる。旨い。

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