『人物叢書 塙保己一』(太田善麿 1966年 吉川弘文館)を読み終える。昨日借りてきた本。50年以上前の本だが、文章に古さは感じられない。自分も古いからか。
病弱な幼年期を母の愛情で乗り越え、若くして国文学の道を志す。鍼灸の修行はしたが、自分で不器用なのでダメと判断した。違うのぞみがあったから。目が不自由なので、書物は他の人に読んでもらって暗記してしまう。このあたりに尋常でないものがあったのだろうが、この本ではあまりその部分のことは書いてない。他の本にあたるべきか。参考書は巻末と序文に紹介されている。探して読んでみるべきだ。
92頁。水戸藩の「大日本史」の校正を委嘱され、見事にやり遂げたのを始めとして、彼の綿密な設計通りと思える堅実な生涯が続く。財政が逼迫している幕府からもうまく予算を獲得している。本人には私的な蓄財の意志がまったくなく、すべて典籍を集めて読みやすい形で出版したいという目的だけで動いている。
結局、660冊を超える『群書類従』を、和学講談所で編纂刊行する。このときの版木は今でも渋谷の往古館に保存されている。これを元にして『史料』(年月日で史的事実を並べて典拠を群書類従のなかの本をもとめる)を作り続ける。この『史料』は、今でも東京大学史料編纂所で『大日本史料』として延々と作り続けられている。200年以上続きいつ終わるかも判然としない壮大なシゴト。世界に誇れるものだろう。
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/index-j.html
『群書類従』は国会図書館で読める。『大日本史料』は作成元で読める。索引もある。
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まったくのついでに、「国立映画アーカイブ」にも興味を持った。京橋にある。
https://www.nfaj.go.jp/
ここも気になる。国立公文書館。
https://www.digital.archives.go.jp/
東京大学史料編纂所にせよ国立映画アーカイブにせよ、シニアなら安い金額で入場できる。ぜひ訪ねたいが、交通費がネックとなる。香港のようにシニアの交通費も安くしてほしい。もっと、出かける老人が増えて経済は活性化するだろう。
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