2019年11月11日月曜日

50年前からプルーストは読みたくて読めなかった、しかし失われた50年ではない

高遠先生と鹿島先生の『失われた時を求めて』対談の衝撃はすごい。今日も続いている。
(YouTubeビデオの人気は衰えず、500回以上観られている。)

手持ちの関連資料を漁ってみた。『増補決定版 現代日本文學全集 梶井基次郎・三好達治・堀辰雄集』(1973年 筑摩書房)には、「プルウスト雜記」(1932年)と神西清の解説文が載っている。前者を読んで、プルウストという人がいて、すごい小説を書いたのだなと学生の私は初めて知った。神西清は堀辰雄は「フローラ型」の作家だと言っているのだが、なんのことかはよくわからなかった。後に、堀辰雄の「フローラとフォーナ」(1933年)という文章を読んで少し納得した。



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『世界文學体系52 プルースト』(1960年 筑摩書房)はその後に、古本で手に入れた。淀野隆三と井上究一郎訳の「スワン家のほうへ」を読み始めたが、途中でストップして以来40年ほど挫折状態。今回の高遠先生訳でやっと軌道に乗った。もう落ちたくない。閑話休題。

この本の月報に「(プルースト)研究書目・参考文献」(2頁)がついているのに初めて気づいた。一番目の項目に重徳泗水の[「彼女の眠り」(《明星》4月 大12)]が載っている。高遠先生に教えていただいたことが、実際に載っていたのでわけもなくうれしい。




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週刊ALL REVIEWS、メールレターの巻頭言を書いた。『収容所のプルースト』の話題にも触れた。明日の夜9時に発刊。まだの方は、無料購読の手続きをしてください。購読手続きはこの(PC)画面の右上にあります。


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追記
夜9時のNHKニュースで、「AIでくずし字を解読」という報道をみた。素晴らしい。体験してみたい。未発掘の資料がぞくぞくと出て、そして誰でも読めるようになるといい。

追記その2
ビデオに出てくる、『プルウスト随筆』(堀田周一 訳 1930年 森彩雲堂)も国会図書館デジタルコレクションにあるがインターネット非公開(ToT)

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