2019年11月28日木曜日

『パリ左岸』の面白さには哀しさが潜む

『パリ左岸』を読み続ける。ますます興味深くなってきた。先日の鹿島先生との対談で、ポワリエさんは「書評や評論は、フランスと違って、英国や米国では面白くないと受けない」とおっしゃっていた。それだからか、原著が英語で書かれているこの本は、結構重たい政治的話題を取り扱うときも、どこかに笑うところを、提供している。ポワリエさんがフランス語でなく、英語で書いたのには理由があったわけだ。





212頁。カトリック教会は抽象美術を受け入れたが、共産党は拒絶する。しかし、ピカソや、マティス、レジェらの入党は宣伝材料に利用した。
215頁。「レ・タン・モデルヌ」では1946年にイタリア特集号を出すことにした。ボーヴォワールやサルトルは、イタリア共産党の多様性を探りに、つてを頼ってイタリアに赴く。
216頁。ボーヴォワールは早速、「フランスの挙国一致は外国の占領軍に対する戦いを通じて達成されたため、平和が回復されると弱体化し、右翼と左翼はそれぞれの道を進み始めた」と分析した。イタリアの場合、「ファシズムと戦った誰もが民主主義と自由を求めた……その目標は状況ではなく原則に基づいたから、終戦後も存続できた」のだという。
217頁。独ソ不可侵条約の突然の締結はフランス共産党を傷つけたのだった。
224頁。カミュは貨客船オレゴン号でニューヨークへ。アメリカの文化にはあまり関心を示さなかった。
225頁。1946年5月5日。国民投票。共産党提案の改革案は52%の反対票で否決された。『真昼の暗黒』がその前にベストセラーとなっており、その影響だったかもしれない。

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夜は、節約料理。ニラ玉を作ってみた。この料理のために新たに購入したのはニラのみ、90円。このレシピを参考にしたが、割と美味しく出来た。
https://delishkitchen.tv/recipes/176151634785599846

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このところ、毎晩『空間と時間の数学』を9頁読んでは寝ているが、よく眠れる。睡眠薬(ってあまり飲まないがそれ)よりよく効く。あくまでも個人の感想なり。

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