『モンテーニュの書斎 『エセー』を読む』を読み終えた。面白くてためになりしかも読みやすい、素晴らしい本だ。
270頁。
「なにかを書いてみようという心境に彼を追いこんだ孤独の源をなおも深ってみるとき、隠棲生活のはるかかなたにラ・ボエシーの死が秘められていたのである。」若くして死んだ私の友人K君を想起する。
286頁。
「読んでみてもすぐには腑に落ちなくて肝腎の愉しみを味わえないときは、さっさとそこを飛ばして読む。あるいは別の本を読むかして自在に本とその読み方を操った。」たとえばⅡの十を見よ。
297頁。
プルースト『読書の日々』。創作の前には本は読まないつまり「反読書論」。298頁。。
書くことの意味。自己との対話。300頁。
書くという営みの「異常な楽しみ」。『エセー』最後の引用。「アポロンよ、どうか私が手に入れた幸福を、たくましい健康と、願わくは私のいっさいの知力をもって愉しむことを許し給え。また私の老年が恥多きものでなく、これからも竪琴を奏でられるように計らい給え(ホラティウス)」
自分もモンテーニュのように「愛した(塔のなかの)書斎に寛いで」、平静な死が迎えられるように準備をしておきたい。
これは意外に大切なことと思えてきた。死から目を背けないことが、よりよく今を生きることとつながるはずだ。
とりあえず、堀辰雄全集7巻上(筑摩書房)を図書館で予約し、自分の本棚から、『ドゥイノの悲歌』と、プルーストの「読書の日々」の入った本を取り出してきた。
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「Internet Archive で懐かしのLPを聴く」プロジェクト
Symphony No. 4 In E Minor, Op. 98
by Johannes Brahms; Eugene Ormandy; The Philadelphia Orchestra
Columbia Masterworks (ML 4017)
そしてAppleMusicから。
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