『雲』、最後まで読んだ。
以下、今日の読書中に印象に残ったことをランダムに記す。
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重要な役割を果たす古本をめぐる謎解きの試み。書物の出版の歴史的知識があれば、もっと楽しめるのかもしれない。(376頁)
このあたりを読んでいると、「予定調和の大団円」はこないだろうという予感がした。(ここを書いているのは全部読み終わってからなのだが、その時の手書きメモを元にして書いている。)
雪と霧の中、深刻な問題を抱えた作家たちのいる館で、主人公はゆかりの深い女性と会う。(401頁)
三人称表現から一人称表現へと変わると躁病のしるし、タイプライターを叩き続けて指から血が出てくる。(405頁)
昔(1800年代)の英国ではやった会員制図書館(サブスクリプション・ライブラリ)。(437頁)
このあと、今まではなんとか平静を保ってきた主人公は、次第に狂気に取り憑かれていくのではないだろうか。逆エディプス・コンプレックス。(460頁 訳者あとがき)
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今週金曜日(1月30日)に月刊ALL REVIEWSフィクション回があり、『雲』は課題図書になっている。というより、課題図書だから読んだのだが、面白くて悶絶した。
やはり柴田元幸さんが訳したポール・オースターも気に入って、ほとんど読んだのだが、どちらの作品もよく似ていてそれをもう少し幻想的にしたという感じ。米国人とスコットランド生まれのカナダ人(マコーマック)のちがいか。マコーマックはこれしか読んでいないが、他の本も読まざるを得ない。柴田さんはこれからもマコーマックを訳すのだろうか。
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今日の文章はOmm Writerのお試し機能で書いてみた。
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