2021年10月3日日曜日

『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』とオリンピア・プレスと植草甚一さんの関係

朝読書。『最終飛行』。佳境に入ってきた。

この本は、サン・テグジュペリについて何を問題にしたいのか。サンテックスの「明るい」性格、しかし中年になるにつれて衰えてくる能力、その克服には、嫌いな軍務であろうともパイロットとして飛びたいという意志。なのだろうか。

197頁。

コンスエロを埠頭で侍つ……
「サン・テグジュペリ……太い柱の陰に隠れながら……片目だけ出して、……」
漫画か。

209頁。

『アラスへの飛行』は、『アトランティック・マンスリー』に三回に分けて掲載され……嵐のような反響を巻き起こした。単行本も売れ、フランス語版『戦争飛行士』も。

223頁。

コンスエロの部屋に来ていたのは、ダリ、エルンスト、ミロ、タンギー、デュシャン、ブルトンという面々。

247頁。

「その坊ちゃんをお書きになられてはいかがです」とエリザベスが言った。

268頁。

犬好きのシルヴィア・ハミルトンのプードル犬が「羊」のモデルで、彼女にプレゼントされたボクサー犬が「虎」のモデル。

「薔薇」のモデルは折り合いの悪い妻コンスエロだった。

285頁。

「あらゆる場所にいるフランス人へ」。ラジオ、雑誌で発表。

292頁。

『小さな王子』は1943年4月刊行される(のか)。

***


『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』を、改めて最初から読む。

「あとがき」から読むのは、(そしてその内容をBlogに書くのはルール違反とやんわりたしなめる方もいらして、恐縮したけれど)、この本を楽しむにはよい選択だったと自分では思った。物語にすんなり入り込めるからだ。ともかく、昨日のBlogにはネタバレ注意の但し書きを追加した。

1953年、『ネオ・サチュリコン』を雑誌に発表し、顰蹙をともなう称賛を得、1954年ふたりはパリへ。

その後、時代は戻り、学生時代へ 。その後もっと戻り、「著者」の祖父についての子供時代の記憶へ。読書の想い出がふんだんに語られる。第II章の冒頭には、ゴア・ヴィダルが登場するようだ。

自分と孫との関係に置き換えて、(まだこれからだが、)考えてしまった。本の与え方の参考にしたい。

与えてはいけなさそうな、オリンピア・プレスの本たち。これらは巻末の参考文献表に出てくるが、高校生の時田舎の本屋さんで、テリー・サザーンの『キャンディ』を買って読んだのを思い出した。清水正二郎訳となっていたような気がしてきた。オリンピア・プレスのことは、まともな事典などでは出てこないが、植草甚一さんの文章には出てきていたのを思い出した。物置から掘り出してきた『スクラップブック9 ポーノグラフィー始末記』にはいくつか出てくる。河出書房の「人間の文学」シリーズの話も。


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オリンピア・プレスのことを調べているうちに、「Z-Library」というサイトを発見。

https://jp.jp1lib.org/

懐かしい本の原書もあったが、大学卒業後なくしてしまって、また読みたかったT先生の『解◯◯論』もあるのには、嬉しいと同時に驚いた。自分だけで楽しむことにするので、ここは読まなかったことにしてほしい。

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