2022年7月12日火曜日

〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉のドネーション本棚で私にとっての貴重本を発見

 『正宗白鳥全集第13巻』には「日記」が含まれています。たとえば、93ページに「二十歳の日記(抄)(明治31年)」があり、日記を書く意義についての考察が記述されていて、興味深いのです。「日記・紀行」の書棚をPASSAGEで持っている私としては手に入れたい一冊です。昨日、ドネーション本棚に搬入された本で、私が値付けしました。「日本の古本屋」さんなどで調べると意外と高価で、それなりの価格をつけて棚に置きました。買いたい気持ちを抑えるために、一晩考えることにしました。探してみたら、国会図書館デジタルコレクション(個人送信)で見つかりました。これを読めばいいのですが……


それで眺めているうちに、やはり紙の本が欲しくなりました。なぜだろうか?

寄付(ドネーション)にもなるし、明日PASSAGEで買おうと思います。雀百まで踊り忘れず……

***

「文舵会」の7月課題をなんとか完成させました。視点を固定した具体性を持った記述から、神の視点をもった抽象的記述へ、なんとか移行することができた、かもしれません。

こうしてみると実はこの「文舵会」はグインの『文体の舵をとれ』の読書会であると言えます。グインさんの教え方の良いところを味わう必要があるのです。すべての本を、このように読むことはできませんが、でも実は頭の中でこの操作(練習問題を解く)をしながら読むということを、めぼしい本について、本能的に人はしていると思います。金曜日の合評会が楽しみです。

***

昨日PASSAGEである書棚主の方と話していて、ふと頭にうかんだ疑問、サフォンの『風の声』4部作の最終作は、いつ翻訳が済むのか。数年来の疑問がまた気になり始めたので、今朝30分ほどインターネットで情報を探りました。

集英社文庫で8月に出る予定の、『精霊たちの迷宮(上・下)』。出たら、即買いです。楽しみ。

読書の楽しみは個人的なものですが、その良さを語り合う楽しみも捨てがたい、そして発見に満ちた行為なのかもしれません。

2022年7月10日日曜日

反町茂雄の勉強雑誌『玉屑』の作り方・姿勢は参考になるだろう

反町茂雄の『一古書肆の思い出 1』の268ページに書影がある、『玉屑』(ぎょくせつ)誌。これは反町茂雄が中心で、一誠堂の店員が終業後おこなっていた勉強会から発生した、「勉強雑誌」です。1931年に第一号が出ています。それまで、取り扱いの経験がなかった和本・古典籍の勉強をして店で正当に取り扱うことが出来るようになっていく勉強の過程での成果をまとめたものです。当時は店員は皆店に住み込んでいたため、寝る前の自由時間を勉強に費やした、その結果一誠堂は不慣れだった、和本や古典籍を取り扱えるようになり、しかもそれを主力商品に育て上げたわけです。

国会図書館で読めます

〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉でも、今取り扱っている本のジャンルに甘んじることなく、もっと違う種類の本を取り扱うようにできないか。単なる例にすぎませんが、理系の本とか、広い分野の専門書とか、漫画、美術書、洋書、和書など。スタッフのみの力ではできませんが、現在・未来の棚主さんたちの協力を仰ぐ必要があるのは、言うまでもありません。この方向が正しいのかという議論も含めて、考えていきたいです。

 

2022年7月9日土曜日

『文体の舵をとれ』の練習問題回答の合評会は楽しい


ALL REVIEWS友の会有志でやっている「文舵会」は『文体の舵をとれ』の練習問題の回答を持ち寄っての合評会です。今年1月にはじめ、今月は7回目。毎月1回開催のペースは守られています。

今回の練習問題は「〈練習問題⑦〉 視点(POV)」、一つの物語の記述を「視点(POV)」を変えて行ってみるというものです。

今、回答作成途中だが「視点」を変えると書くべき内容が、かなり違ってくるのに、改めて驚きました。例えば、『吾輩は猫である』の猫の視点と苦沙弥先生の視点は違うので、それをうまく書き分けないといけないわけですが、原稿を書きながらそこを的確に書き分けるのはまさしくプロの技です。練習問題をやってみるとそこがクリアになってくるようです。

昔勤めていた会社にYさんという超優秀な幹部社員の方がおられて、社内研修などでお話を伺う機会も多かったのですが、つぎのようなお叱りを受けたことがあります。「あなたの言っていることは具体的すぎてわかりにくい……」、つまり自分の狭い体験だけを振り回していると、他の人には通じない・役に立たないということのようでした。「具体的」にではなく、それを皆にわかるように「抽象化」して話さないといけないのです。

「視点」を変えて記述をすると、各「視点」ごとに「具体的」な書き方がまずは必要になります。そして練習問題の回答は最後に、「潜入的」視点で書くことが求められます。「潜入的」視点で書くには、各視点で書いた「具体的」な文章を全部吟味して、そこから「抽象」された全体的な意味を持つ文章を工夫しなければなりません。夏目漱石ではない私達は、各センテンスをどの「視点」で書くか意識するという困難で神経を使う書き方をしなければなりません。「書き下ろす」のとはちがい、一語一語を最新の注意をはらって書かなければなりません。

森有正先生の「体験」と「経験」のちがいも、この練習問題をやることで、わかるような気がしてくるようです。『文体の舵をとれ』の練習問題をやることには、とても大きな意味があると、毎回気づきます。これは素晴らしい、気付きやヒント満載の本だと思います。私のような素人でもそう思わせるのは、著者のアーシュラ・K・ル=グウィンさんの偉大さのおかげです。またそれを(特に練習問題を)訳した大久保ゆうさんも素晴らしい。

***

と、偉そうなことを言っていないで、早く問4をやれと、誰かが叱ってくれているような気もします。 

2022年7月8日金曜日

『一古書肆の思い出』は〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉の関係者の必読書と思い始めた

反町茂雄の『一古書肆の思い出 1』を、238ページまで読み進めました。珍しい東大出の古書店員として当時の「一誠堂」に入った反町茂雄は、数年で書店主が認める存在となりました。そこには子供の頃からの豊富な読書体験が大きな役割を果たしていたらしいです。「東京古書会館」で行われた古書のセリの模様の描写には興味深いものがあります。販売に関しては、「目録」を充実させて、それを持って大学図書館など、大口の注文の取れる顧客のもとに出かけていく積極セールスをはじめました。大震災後の図書不足により需要が多かったのは幸運だったらしい。販売が好調になると、仕入れが問題となってくるが、新聞に大広告を出して、こちらも積極的に大口の仕入先を開拓するなど、とても野心的だったようです。

いわゆる古本や、洋古書などは、反町茂雄個人の過去の読書体験を生かして販売・仕入れを行えたが、和書の古書に関しては、経験が不足しており、仕入れ・セリ・販売に支障をきたすことがわかったようです。それを実務経験でどう解決していくかというのが、230ページ以降の読みどころでしょう。経験の深い他の先輩古書店主や、専門学者に教えを請う、というのが解決策の手がかりとなったようです。


ともかく、偶然に「虔十書林」さんの均一棚で見つけたこの本は、鹿島茂さんや荒俣宏さんが最近の公開対談でおっしゃっていた通り、とても示唆に富むものでした。良い買い物でした。 

2022年7月7日木曜日

「BOOKS HIRO通信 創刊号」のプロトタイプを作っています

 明日から配信する予定のメルマガがまだできていないのです。作成経過をブログに書くという禁じ手を使わざるを得ません。


昨日考えた項目案。

(0)〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉における活動報告(一日店長、お店番など)

(1)今週入荷品(書影・説明付き)

(2)今週販売品

(3)次週入荷予定品

(4)在庫目録(書名、価格、状態、入荷日、数量)

(5)オンライン販売の案内

なかなか、いい。自画自賛しながら、これを膨らませばいいですね。

***

日記・紀行文学専門のBOOKS HIRO、「BOOKS HIRO通信」を週イチ、金曜日22時に配信することにしました。神保町すずらん通りの〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉内の店舗にいらっしゃる方と、オンラインで注文したい方、どちらにも読んでいただきたいと思っています。

(1)みなさまこんばんは。BOOKS HIRO店主のhiro、今週は月曜日の12時から19時までお店番(バイト扱い)をやりました。以下今週(創刊号)の内容です。

(2)今週入荷した本は2冊です。

①『岩合光昭デジカメ日記』(1,000円)

岩合さんのお得意は、猫や動物だけではありません。自然をありのままに切り取る写真が秀逸です。

②『デジカメで記録する海野和男の里山日記』(500円)

写真日記は読んで(見て)楽しいですが、真似をして自分でも写真日記を書くのはもっと楽しいです。

(3)次週入荷予定品は以下の3冊。紀行文学です。価格はこれから決めます。

①『入唐求法巡礼行記』1〜2(東洋文庫)

②『法顕伝・宋雲行紀』(東洋文庫)

(4)在庫目録(7月6日 21時現在)


(5)オンライン販売の案内

https://passage.allreviews.jp/store/ZSJMWHNBS7PEHUP3UVHHTALJ

***

以下にメールアドレスを入力し登録ボタンを押して、その後の指示に従ってください。無料配信登録できます。明日金曜夜22時に創刊号を発信します。

***

2022年7月6日水曜日

「BOOKS HIROメルマガ」を作りつつあります

できるだけ早く、以下のメルマガを作って毎週配信することにします。記事は同時にWebサイトにも掲載します。


「BOOKS HIROメルマガ」 (古書店の目録的なものにしたい)

週刊(金曜日夜発行)

内容案

(0)〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉における活動報告(一日店長、お店番など)
(1)今週入荷品(書影・説明付き)
(2)今週販売品
(3)次週入荷予定品
(4)在庫目録(書名、価格、状態、入荷日、数量)
(5)オンライン販売の案内

以下で配信登録できます。はやければ今週金曜夜に第一号を発信します。

***

他に、ブログを週単位・月単位でまとめた電子書籍を作りたい。(プライオリティまだ低い)

***


ただいま読み終わったばかりのアーチャーの『遥かなる未踏峰』(新潮文庫)。面白かったです。

この本によると、マロリーは登山や旅の途中にたくさんの本を読んでいます。

ジョイス『ユリシーズ』(下巻243ページ参照)

ウェルズ『タイム・マシン』(下巻220ページ参照)

ホメロス『イーリアス』(下巻239ページ参照)

他にトマス・グレイの詩(下巻254ページ参照)

このあと、反町茂雄の『一古書肆の思い出 1』を読み始める。50ページまで。裕福な家に生まれた若き反町茂雄が小遣いをすべて書籍購入に使い、読みまくるのが痛快です。 

2022年7月5日火曜日

〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉の棚主コミュニティの発展を考えていきたい

暑さは一段落ですが、本格的な夏はこれからです。
架空避暑(自宅安楽椅子避暑)について考えています。

過去の架空避暑先と関連書籍は以下のとおりです。

ダヴォス(トーマス・マン『魔の山』)

ブルターニュ(コレット『青い麦』)

野尻湖(堀辰雄『晩夏』)

今年はこれで決まりです。

エヴェレスト(ジェフリー・アーチャー『遥かなる未踏峰』)

***

昨日虔十書林さんで購入した『一古書肆の思い出』(1〜4巻)を読み始めたら、反町茂雄さんの事績の素晴らしさに感激しました。第5巻もぜひ欲しいので、TwitterのPASSAGE棚主コミュニティで、棚主さんたちにお持ちではないか尋ねることにしました。Amazonで安易に手に入れるより、PASSAGEで購入したいのです。


こんな形の棚主間交流があっても良さそうです。 そしてもっといろいろなアイデアを出しながら、自然な形で棚主コミュニティを盛り上げていきたい。

2022年7月4日月曜日

〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉のお隣の「虔十書林」さんのお店にも掘り出し物が……

今日は〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉のお店番アルバイトと、新規の本2冊の搬入を行いました。その行き帰りの道すがら、『遥かなる未踏峰』(ジェフリー・アーチャー著 戸田裕之訳 新潮文庫)を200ページまで読み進めました。さすが、名手のジェフリー・アーチャーです。ストーリー展開がうまく、主人公のジョージ・マロリーが驚くほど生き生きと描かれています。映画を観ているような感じ、これにはどんな記述上の秘密があるのか、どこかで立ち止まって考えてみたくなります。でも一回目はひたすらその魅惑的な感触を楽しみながら読みたいです。

***

お店番は12時から19時まで。途中一時間の休憩があります。体調を崩して以来、初めての出勤だったので、後半のスタミナが心配でしたが、杞憂でした。顔なじみの棚主さんたちから、ねぎらいの声をかけて頂いたおかげで、かえって後半に元気が出てきた感じです。ありがとうございます。

***

休憩時間には遅い昼食(親子丼)を店の向かいの「小諸そば」で頂きました。美味しい。食後の腹ごなしに「虔十書林」さんの店頭200円本のなかから、『一古書肆の思い出』(1巻〜4巻)を買わせてもらいました。1冊200円、3冊まとまると500円。計700円。これは安い。全5巻で、第5巻が無いので安くなったとご説明いただきました。日曜日の荒俣宏さんと鹿島茂さんの対談で、神保町の(つまり日本の)古書店を語るなら、反町茂雄さんのことを知らなくてはいけない、とおっしゃっていたので、今日のこの本との出会いを演出されていたような感があります。

本来は5巻本です。

***

なお、平台に陳列して頂いた本『どくとるマンボウ航海記』が売れました。ありがたい限りです。この本の魅力がまた評価されて欲しいです。 

2022年7月3日日曜日

荒俣宏さんと鹿島茂さんの対談『天使はほほえみ、悪魔はささやく-終わりのない古書探しの旅(2)』を聴きに行ってきました


日比谷図書文化館で行われた、荒俣宏さんと鹿島茂さんの対談『天使はほほえみ、悪魔はささやく-終わりのない古書探しの旅(2)』を聴きに行ってきました。楽しかったです。

他人の目から見たら「ゴミ」でもコレクションしていくと大切な(自分にとってだが)ものになるというお二人のご意見に賛同します。私の本のコレクションはまだ「ゴミ」かもしれません。これを「お宝」に変えるのは、目的(テーマ)を持った意志的なコレクション作業だろうし、そうなるには「読み方」をもっとかえなくてはなりません。漫然たる読み方ではいけない、これは以前から気づいてはいました。集めたものや読んだものについて「書く」ことは、ここでも重要な役割を果たします。

最後に荒俣宏さんがおっしゃった、コレクションの究極のコツは「長生き」という言葉に、周囲から笑いが漏れていましたが、荒俣さんと二歳しか離れていない私としては切実な問題と捉えざるを得ません。長生きしたい。

途中で出てきたパリ・マレ地区の「ギカンテ GICANTE」という古本屋さんにはぜひ行ってみたくなりました。また長生きのための目標がひとつ増えました。

https://www.niche-museums.com/29

***

『そして謎は残った 伝説の登山家マロリー発見記』(文藝春秋)を読み終えました。ほぼ一気読みです。謎がもっと深まってしまったマロリーの事績に関してはもっと知りたくなり、今日も買い物ついでに図書館で借り出した本を読みます。


***

PASSAGEには明日(7月4日)に行く予定。体調がやっと治ってきました。お店番はしばらくぶりです。 

2022年7月2日土曜日

7月1日の日記です

 『そして謎は残った 伝説の登山家マロリー発見記』(文藝春秋)を半分まで読みました。

いよいよ、マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したのかがわかりそうです。でも題名はネタバレじゃないですか。:-(