2021年11月30日火曜日

『異常論文』とはなんだかよくわからないが、わかるとかえってアブナイ


山崎正和『「厭書家」の本棚』(潮出版社)を図書館で借りてきた。書評本です。辛口で面白そう。

https://allreviews.jp/reviewer/31
https://allreviews.jp/reviewer/31/book/7570

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この小田さんのサイトを真似してみたい。

https://odamitsuo.hatenablog.com/search?q=%E6%9B%B8%E8%A9%95

それとは別に(?)書評総合情報サイトを立ち上げたい。理想は全世界の書評情報を集めること。全書評の検索もできる。検索エンジン?

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今日のTweet

人はみな、実世界とVR世界(執筆・読書・研究・趣味・妄想など)の両方に住んでいる。どちらをどの程度優先するかは人により時間により異なる。といままで信じてきたが、実世界がVR世界ではないと言い切れる自信がなくなった。

ともかく両方の世界に行き来する手段がエッセイ。

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明日朝のTweet文案。

韓国ドラマ『賢い医師生活』にハマった次は、AR書評の導きによりコニー・ウィリス『航路』を読む。やすだともこの今週号巻頭言はますます冴えています。私も『航路』を読むことにしました。ドラマを観るほど時間は取られないと期待。その時間で来週の巻頭言『祖父・小金井良精の記』を書く予定です。(hiro)

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音楽。

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『金沢』の41頁。

東京で暇にならないと金沢で暇を楽しむことはできないのだと。
暇になるには仕事していちゃいけないわけか。

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『異常論文』の異常な世界。いろいろ読んでいると、異常が日常と思えてくる。 



2021年11月29日月曜日

吉田健一の『金沢』が面白くなるのは第二章から、第一章はななめ読みで充分?

朝SNSで見つけた情報。
「寺田寅彦 ─ 理研学術講演会で取り上げた異色のテーマ | 理化学研究所」
https://www.riken.jp/pr/historia/terada_torahiko/index.html

寺田寅彦の『物理学序説』を腰を据えて読まなくてはならない。物理学への「哲学的」アプローチ。

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昨日姪に教えてもらったゲーム「ぷよりんご」をやってみた。各種のりんごが登場するので、りんご好きには嬉しいゲームだ。でも落下系ゲームは不得意なのでなかなか高得点をあげられない。まずは絵に書かれたりんごの種類を識別できる目を養わなければならない。

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プルーストの良さを語っているうちに目が覚めたという、夢に関するツイートを今朝しておいた。いいね!してくれた方が、私としては多い。なのでここに貼っておく。

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書評の収集と公開Slackチャンネルを開始したので、まずはチャンネル参加者が偶然遭遇した書評情報を交換しようと呼びかけてみた。このさきどのようにすすめるべきかのギロンも始まった。ゆっくりしているがまずは動き出したと思っていいだろう。先の見えない船出のような感じがする。ちょっと不安だが期待も大きい。チャンネル内のコミュニテイ・マネジメントはまだうまく行かない。始まったばかりで皆遠慮があるらしい。

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吉田健一『金沢』の続きを読む。前回と合わせて第一章を読み終えた。晦渋な書きはじめをなんとかやり過ごすと、徐々に物語が見えてきて、登場人物のイメージが立ち上がってくる。ただしその人物たちのイメージの顔ははっきりしない。金沢の薄暗がりのなかで、顔はシルエットになっており、人格を表さない。主人公「内山」の顔には吉田健一の顔をあてはめればいいのだろう。第一章の最後では飲み歩いたあげく、泥酔して「骨董屋」に金沢の自宅に担ぎ込まれている。そして、これから読むのだが、第二章の冒頭では翌朝目覚めて、大したことはないと強がりを言っている。


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我が家のふたりとも、カゼは快方に向かったのだが、あいかわらず食欲不振。美味いものを食べれば治るかも……という人もいる。はて、どうしたものか。

2021年11月28日日曜日

好きなことで飯が食える幸せな人もいる……誰でもそうなれるような世の中にしたい

お祝い事があり、森下駅の近くまででかけた。この駅に行くのは初めてだ。

森下駅に行くには数多くのルートが有る。会社や仕事をリタイアしてから、特にコロナ禍の日々には、遠出をほとんどしていなかった。なので、どのルートを取るのがいいかの判断がつきにくい。すぐ決められないのも老化現象のひとつなのだろう。

自分のなじみのある路線や駅を経由していく方が安心できる。往路のルートを決めるにあたっては、一番最近の仕事でお付き合いのあった企業の最寄り駅上野広小路駅を経由地に選んだ。というより、選んでみてから思い返すとそこで乗り換えることが容易そうに見えた。

中央林間→表参道→上野広小路(上野御徒町)→森下、このルートで所要時間1時間20分かかった。帰りは他の人の意見を入れて、

森下→神保町→中央林間、で帰った。なぜ、行きにこのやさしいルートを思いつかなかったのか疑問だ。うかつだったのか、判断力不足か。料金は同額。時間も大差ない。

「いいわけ」ではないが、行きに使った銀座線はレトロな雰囲気があり好きな路線なので、朝の自分を許す。いややはり「いいわけ」だ。半世紀たっても都会の交通には詳しくならない田舎者の私。

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ところで、姪孫(てっそん)君の就職祝いに行ったのだが、学生時代にくらべて言動が立派になったのに驚いた。本当に好きなことを仕事に活かせるようになったからだろうが、幸せなことだ。ここまで育ててくれた両親にも感謝すべきだと言っておいた。老婆心だが。

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食べたシチリア風ランチは美味しかった。姪孫くんの伯母さん(私のやはり姪)のおごりだったので恐縮した。





2021年11月27日土曜日

吉田健一の文章と高野豆腐の味わい

11月20日の朝日新聞beの記事(「歴史のダイアグラム(原武史さん)」)で紹介された、吉田健一のエッセイ「超特急」は、手持ちの単行本だと『酒肴酒』に掲載されている。単純に「こだま」や「ひかり」が速すぎて旅情がうすれると言っているのでなく、搦手からの言説。忙しい人は超特急に乗ってもらえると、東海道線がその分空いてのんびり旅を味わいたいヒトに好都合だという。こういう風にへそ曲がりなことを言うので、吉田健一を嫌いな人と好きな人がいるのではないか。

世の中では単純なヒトが愛されるのだが、それだけでは無味乾燥な社会が出来上がる。ゆっくり噛みしめるといろんな味がしてくる高野豆腐の煮物のようなヒトや文章が好きだ。

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「極私的Slack使用法」文案。

@を使え。名指しのメッセージを書け。通常の会話では相手の目を見ないと話を聞いてもらえない。@でメッセージを読むヒトの関心を引き、そして話す。副次効果として誰向けのメッセージかを考えて書くことにより内容がはっきりする。

使うのは、@channel,@here,@hogehoge(特定の個人)。@channelと@hereとつけたメッセージには注意喚起がされるが、はじめのうちは遠慮しなくてよい。(うるさがられるかもしれないが、無視されるよりはずっと良い。)

@のつかないメッセージは単なるつぶやきにすぎない、下品に言うと風呂の中のオナラみたいなもので他人には何の効果もない。

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AR書店「PASSAGE」の開店が迫ってきた。

個人的にも開店応援ツイート、応援ブログ執筆、応援Facebook記事執筆、応援note執筆などやりたい!

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文舵会の開催準備。練習問題の回答集めにGoogleフォーム使えそう。形式・文言は@Fabioに教わったものを真似する。

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12時15分、(田園都市線の)駅に孫たちを迎えに行く。快晴だが風が冷たい。小田急線の駅の前を通ったら新しい「東口」出来ていた。年寄りには、下り電車の乗り降りに便利。エレベーターまで遠回りせずに済む。



 

2021年11月26日金曜日

風邪症状が改善してやっと気分も前向きになってきた

「書評の収集と公開」というSlackチャンネルを作るアイデア。いつもの癖で、先に皆に宣言してしまった。
ARのSlackでは、友の会Slackと違い、自分ではチャンネルを作れない。シゴトの順序は逆だが、管理者にチャンネル作成のお願いをしてみた。

……

よる九時過ぎ、管理者様のご好意によりチャンネルが開設された。今後メーッセージの活発なやり取りが行われるようにして行きたい。当面メッセージを頻繁に投入するつもり。

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AppleTV+で『フォー・オール・マンカインド』の続きを2エピソード分、観る。月面でついに「ソ連」宇宙飛行士への発砲事件。どう解決するのか。大型スペースシャトルで火星に向かうことはうまく実現するのか。目が離せない。エピソードのストックが尽きそうなのも怖い。


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吉田健一『金沢』(河出書房新社)を読み始める。(再々読。)出だしの文章が重々しすぎる。省略できなかったのか。出来なかったのだろうが、その理由はもっと読み進めないとわからない。今18頁。 

2021年11月25日木曜日

リタイア・ライフを楽しむにはToDoリストは有害だ

新入社員の時買った能率手帳に米国のコンサルタントが、鉄鋼王に仕事のリスト化と優先度付けを教えて多額のコンサル料をもらった話が書いてあり、それを真似することにした。この方法は一般に普及している(たとえばToDoリストとして)。ビジネス上は極めて有効なのだが、会社をやめて10年以上経ついまでも、うっかりするとこの方法をとろうとしてしまう。今朝もそれをやりそうになった。

リタイア・ライフにとっては危険極まりない落とし穴だ。楽しくあるべき生活が、やるべきこと地獄におちる。別の言い方をすると、ToDoリストの麻薬の圧迫から逃れる修行を積まなくてはならない。ToDoリストを書いて、実行していけば何事かをなした気持ちになれる、安心する、しかし実際に行われたことは自分の幸せになるのか。「やるべき」とか「リスト」とかを排除して、好きなことをきままにダラダラとやることが自分を取り戻すための、迂遠に見えて実は近道の方法である。

「やるべき」ことを忘れてしまったとしても、それは自分にとっては「どうでもいい」ことだったとあきらめる。忘れてしまうということは、「あきらめる」必要も伴わないスバラシイ方法である。痛みも伴わない。会社員時代に尊敬していた上司のTさんとは今も酒を酌み交わす仲だが、40歳ごろ(不惑なのに)の悩める私に、「問題解決のベストなやりかたは問題がなかったことにしてしまうことだ」とおっしゃったのを今でも覚えており、人生の指針としている。なかなかその境地には達しない。日々修行にとりくむ。(このとりくむこと自体、いけないのだろう。

元上司の墓所は円覚寺の墓地の中の一等地にある。まだ元気でご存命だが、俺が死んだらここに来て墓参りするように、とのこと。

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朝起きビデオ。

『フォー・オール・マンカインド』傷をおった宇宙飛行士たちはデスクワークを行うが、宇宙への夢をすてきれず、再び宇宙へと旅立とうとする。

夕方ビデオ。


『メッセージ』(ヴィルヌーブ監督)。AmazonPrimeVideoで見始める。Webで見つけた解説に触発されたので視聴することになった。

「因果論的に世界を認識しているが、ヘプタポッドの認識は過去・現在・未来を同一視する、いわゆる同時的認識様式に基づいていた。」( https://fansvoice.jp/2021/02/05/arrival-physics/ Joshuaさんの解説記事 )。「「解析力学」や「変分法」も関連している」のだそうだ。

とりあえず夕食前に初めて宇宙人と意思疎通ができたらしいところまで観た。面白いので、これからまた続きを観る。

家族皆がまた大勢で会う日が何回あるかわからないが、ともかく楽しい一日

朝6時半に中川駅で姉の車にピックアップしてもらい、稲毛の兄を拾って、牛久近くを経由して東海村の墓所へ。近所の菩提寺で旧知の猫ちゃんアンジーくんに歓迎してもらう。いつものうどん屋さんで6名でアルコールなしのマスク会食。帰りは東名高速工事渋滞に巻き込まれて1時間以上も時間ロス。途中腹痛を起こしたので大変だった。大事には至らず、夜10時半帰宅。

牛久観音


習志野PA:工夫をこらした「歯磨き用洗面台」

72歳から82歳までの兄弟姉妹が2年ぶりの再会を果たした、快晴の一日。みんなお疲れさまでした。 


(11月24日分のブログ)


2021年11月23日火曜日

「『文体の舵を取れ』の練習問題を楽しくやる会」は実現に向けて大きく舵を切った

明日の墓参りの準備と

(1)お線香
(2)お供えと家族用お菓子荷造り
(3)孫写真回覧用にセット(AmazonPhotoだけいいかも)
(4)将棋世界誌をかばんに入れる

今夜の「文舵会」の準備でおちつかない。

(1)Ovice作動確認
(2)Ovice初心者向けスタンバイ 14時―15時誰も来ない(ToT)
(3)『文舵』の「はじめに」と「合評会の運営」のみ読んだ。あとはでたとこ勝負。

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思いついて、AR友の会の「黙々と読書する部」の皆が読んだ本の書籍情報のみを全部まとめることにした。できないといやなので、後に引けないようにチャンネル内で皆に宣言しておいた。今日までのトラフィックをひとまず自分のPCのSimplenoteに保存。2万6千文字。書籍数にして400冊ぐらいか?

note(かGoogleDocument)とスプレッドシート二本立てにする?ARへの書籍リンクつけたいが、工数が2倍になりそうだ。

年末年始のシゴトとしよう。

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『埋れ木』第五章を読む。

田口さんの新聞社へ行き、近所の地あげ計画への反対活動の経過を聞く。社長が土地の一角を買うといい出す。新橋の飲み屋へ行き、その後クラブへ行った。今回は酒の上の会話がほとんどだ。連載小説なのだろうがここだけ読んだ人は??となるだろう。その後昼寝した。

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昼寝をやめてテレビで大相撲(とマドンナ様)をみて、夕御飯は簡単にして「文舵会」の直前準備へ。

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「文舵会」(ブンカジカイ)顔合わせ終了。なんと8名参加。多くの方に来てもらえてホッとした。

練習問題回答を無記名でGoogleDocumentに書いてもらう。オンラインミーティング(Zoom)で口頭でコメントしあう。

第一回(1月14日20時)のモデレーターは私が務めることに……できるだろうか。まあ、やればできるの精神でがんばろう。

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明日はお墓参りで早いのでもう寝ることにする。車を手放したので、運転は今回からやらないが、78歳のヒトが運転するので多分眠れない。アクセル踏み間違い防止装置はたしかつけたと言っていたが。 

2021年11月22日月曜日

朝日朝刊連載中の「また会う日まで」の主人公秋吉利雄海軍少将は福永武彦の伯父さんで天文学者だった!

連載がまとまって出版されたらぜひ読みたい小説がある。

池澤夏樹さんの。 主人公が昨日は水路図を米国占領軍に引き渡す。今日は福永武彦登場。主人公は海軍少将で天文学者、クリスチャンでもある秋吉利雄だ。福永武彦の(母方の)伯父さん。

著書に『航海天文学の研究』(1951)がある。

少し調べただけだが非常に興味が湧いてきた。

いくつか論文のpdfをダウンロードし、『天文月報』や『日本航海学会誌』なども覗いてみる。

国会図書館デジタルでのキーワード「秋吉利雄」の検索結果はこれ。


ともかく、秋吉利雄は、「天文学」、「航海」、「海軍将官」、「福永武彦」、「クリスチャン」など私にとって魅力的なキーワードの塊のような人物だと思える。

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「文舵会」の準備。1🍅。
明日の打ち合わせ(第一回顔合わせ)の資料を作って、チャンネル内で配布。

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風邪気味に付き午後寝床でiPhoneを使っていたら、急に思いついた。正岡子規にもこの環境があったらどんなに喜んで、もっと多くの素晴らしい著作を残してくれただろうか。この仮説をもとに正岡子規を見直してみたい。

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その後『埋れ木』第4章を読む。

以前銀座の地下のバーで知りあった「上村さん」と田口さんは知りあいだった。上村さんを案内して近場の鮨屋で飲んだあと、上村さんに連れられて代々木(?)方面の住宅地の一角の「クラブ」に行く。気に入ったのでそのクラブに入会手続きした。会員制クラブは日本ではいつごろから一般的になったのだろう。

次の章で地上げ問題にかたがつきそうだが、先回りするなど「筋」を追うのは本来の読み方ではない。筋は物語描写の中に時間をかけて現れて来るものだとしないと、師匠である吉田健一に怒られそうだ。

2021年11月21日日曜日

『埋れ木』で吉田健一は理想的な酒の飲み方を披露するが実際にはどうだったのか

「体験的Slack使用ガイド」を構想し始める。

「友の会新入会員のために書く。

ポイントは次の3(?)点。

(1)@を意識的に使用する
(2)通知機能をうまく使う
(3)チャンネルの流れを見極める」

その上でSlackの「使い方」よりも「何を」「どう」伝えるかに集中する。」

午後、図書館でSlackのハウツー本を借りてきたので、それに大急ぎで目を通してから我々の実情にあわせて具体的に書くことにする。

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昼寝の前に『埋れ木』を10頁読む予定だったが、結局は第3章全部35頁を読んでしまった。第3章で主人公の唐松は新聞社勤務の友人の田口と一回痛飲している。この田口というかたは散々飲んだ後、新聞社に仕事に戻るのがスゴイ。唐松は別れた後別の寿司屋で飲んでいる。彼らは楽しく議論しながら飲んでいるので悪酔いしないという建前だろう。

午後から夜にやろうと考えていた「文舵会」の明後日の資料作り、これは明日回し。下記のようにテレビの観すぎだ。

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TBSTV『日本沈没』第二編第一話を観る。今度は日本(全体)沈没が予告される。対策としての移民計画に、反対する実力者副総理の暗躍。今の日本の状況を風刺しすぎると、本題がぼやけると思うが、視聴率を考えると仕方ないかも知れない。

その前に観たNHKBS大河ドラマ『青天を衝け』でも同じようなことが言える。

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夜の就寝前に『タイムラプス』の続きを観る予定。これはこれからやる。

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孫の熱は下がったと連絡があった。パートナー殿の熱も下がったが胃腸をやられたらしく食欲なし。食事の準備は簡単になって楽ではあるが、少し心配。

2021年11月20日土曜日

吉田健一『埋れ木』は50年くらいかかって読んで味わいがわかるようになった

NAXOSで『アロイス・ホーフシュトラッサー - アンソロジー(ライヴ録音集)』を聴きつづける。ハイドンの天地創造の続き。休日向きか。孫のお世話という「勤務」がないので楽ちん。転んだヒトも元気になってきた。具合が悪いと怒りっぽくなるので困るけど。

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昨夜やっとARのCMのタスクを登録した。運営スタッフなのだが「働く」感覚を排除して、ともかく「楽しむ」態度でシゴトを進めたい。これは意外にムツカシイことでもある。年寄りにならないとできない、高度な隠居仕事なのだ。

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昨夜AmazonPrimeVideoで見つけた星空と雲のタイムラプス映画『Flow of Time』、これを観ていると時間の経過が感じられ、必然的に眠くなる。「時間」を考察する材料になるし、入眠誘発剤として優秀だ。時間と眠りは切り離せない。眠りのないところに充実した時間は存在しない。

「Flow of Timeは、空のタイムラプス画像を特徴とする美しい1時間のワイルドウィンドウです。

 https://amzn.to/3x3TMo3 

@amazonより 」

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やっとベートーヴェンの「合唱」がはじまった。12時。『文舵』」をまじめに読み始める。ひたむきで才能もある書き手に「航海技術」を身に着けさせるためのワークショップ5日間が手始め、これを個人向けに自学自習セットにした。ワークショップもやってみたいが、また後にして、ひとまず仲間と助け合って(どちらかというと私が助けられて)、勉強会をはじめたい。

しばらく聴いてなんとか最後のブルックナーで終了。全部聴くのに4日ぐらいかかったことになる。

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『埋れ木』の56頁の文章論めいたところを読み返す。昨日ピンとこなかったところだが、今日は少しながらわかるようになった。繰り返し読むうちに薄紙を剥ぐように、吉田健一がなにを言いたいのかがわかるようになる。なったつもりかも知れない。ともかくこうして少しずつしか読み進められないのが彼の本の特徴だろう。時間をかけて読むべき本だし、読むこと自体が「時間」を意識させる。その後、10数頁読み進めた。もっと読めそうだったが、あえて読むのをやめた。これも一つのやりかただ。

今朝の新聞の「天声人語」にラスキンの〈すべての本はつかの間の本と生涯の本の2種類に分けられる〉という言葉が紹介されていた。吉田健一の本は私にとって〈生涯の本〉なのだろう。〈生涯の本〉は決して捨てずに書棚に保管すべきだ。これも「天声人語」に書いてあったが物理的な実体も含めての本が問題なので、買い替えもしてはならない。新版が出たら追加購入が筋だ。

これは「新版」(持ってないが)


2021年11月19日金曜日

樋口恭介編『異常論文』(ハヤカワ文庫)は異常にオモシロイようだ

朝、仕事始めに、1🍅だけ、「Slack地図」の改訂を行う。作業開始。
……
結局2🍅かかった。これはコンピュータ・リテラシーの問題だ。

NAXOSで『アロイス・ホーフシュトラッサー - アンソロジー(ライヴ録音集)』を聴きつづける。
今、84番目の曲。天地創造の途中、残りはベートーベンとブルックナー。CD12枚分なので長いね―。

AppleTV+の『ファウンデーション』シリーズ1のエピソード10まで観た。アシモフの原作への思い入れが強すぎて「やや不満」のままここまで来た。シリーズ2になったら、このTVドラマなりの良さを発見できるだろうか。こちらとしてはそう努めたい。

ハジメちゃん発熱・早退。でも、こちらも発熱してそれなのに無理してでかけて転んで帰ってきたヒトがいるので、明日土曜日は手伝いに行けないと伝える。ハジメちゃんはすぐ保育園で病気をもらって来る。まだ1歳になったばかりだから仕方ない。はやく大きくなって丈夫になってほしいものだ。

夕方、皆既に近い部分月食を見る。雲が邪魔をして肝心な時間はよく見えなかった。今は中天に見事な満月が見えている。ままならないのが人生なり。

買い物に行き帰ってきたら、郵便受けに届いていた。樋口恭介編『異常論文』(ハヤカワ文庫)。ポトフを煮込みながら一編(「SF作家の倒し方」)読んでみた。オモシロイ。




2021年11月18日木曜日

様々な「時間」の経過を眺めていると時間を忘れるのかもしれない

薄雲に覆われた一日。快晴よりも美しい空。

パートナー様に提供いただいた写真
(ブログ掲載許可をとってあります)

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『異常論文』 (ハヤカワ文庫 JA ヒ) https://amzn.to/3DtCm6G

購入手配した。楽しみだ。著者の一人円城塔さんの他の作品『文字渦」と『Self-Reference ENGINE』も読み直したい。
「散文の可能性はもっと広い」。朝日新聞掲載の山崎聡さんの『異常論文』評より。

私のブログ・エッセイの表現の幅も広げたいものだ。

そのことに役に立ちそうだし、面白いサイト発見。「日本語表現インフォ」

https://hyogen.info/

ここも、「あなたの文章の表現力が劇的にアップする便利ツール11選」(上記を含む)

https://swingroot.com/expression-tools/

ついでに見つけた、学士会アーカイブスに、小松左京の〈「SF学部」の提唱〉というエッセイ(講演要旨)がある。学士会会報のNo.860(平成18年9月)号。

https://www.gakushikai.or.jp/magazine/archives/

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Slack全体地図の書き直し。1🍅、開始。
いろいろ知らないチャンネルがあるのに気づいた。このシゴトやってみて良かった。

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午後、布団で寝ながら、吉田健一の『埋れ木』を読む。

戦後少し落ち着いたころの東京暮らしの「時間」を描写する技の連続。
cf. 『金沢』(金沢の「時間」はまた異なる。)

26頁。

「或る年までにしたいことを皆してしまって後はただゆっくり時をたたせて行くというのはいい考え……これだけはという気になることもなくて今の年になってここまで来るとそのことにも不満はなかった。」

年とったら、本当は1日出かけないで窓から入る光をぼんやり見ていなさい、というのを小説にするとこうなる、のか。(笑)
日本語テキストだけで「時間」を表現するのは吉田健一でなくてはムツカシイ。別の方法があれば簡単になるのでは、と不遜なことも考えてしまう。

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61番 「アントン・ブルックナー

交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 WAB 104 (1886年稿・ノヴァーク版) - 第1楽章 Bewegt, nicht zu schnell
パノニア・フィルハーモニー管弦楽団, アロイス・J・ホーフシュトラッサー (指揮)」

NAXOSで聴いている『アロイス・ホーフシュトラッサー - アンソロジー(ライヴ録音集)』。このCDも「時間」を表している。 

2021年11月17日水曜日

備忘録的記事

NAXOSで『アロイス・ホーフシュトラッサー - アンソロジー(ライヴ録音集)』を聴きつづける。

 https://ml.naxos.jp/album/Gramola99257 

同じ部屋にいる風邪気味な方から、「静かにして」とリクエストがあったので、48番目の曲で中断。先は長い。


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「ALL REVIEWS 友の会」についてのページ、

https://allreviews.jp/news/2936

の改訂を考えて提案するべき。

タスクはどんどん増える。

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ARのCMの一環で「Slack全体地図」のプロトタイプを、まずテキストだけで作った。Slack内部に置いておくにはSlack 内リンク付きのテキストタイプが適当だろう。しかし一覧性、視認性に欠けるのでもっと美しいものを作って外部(Googleドキュメント?)に置き、テキストと連動させるのがいいかも。その前にテキストの文言をリファインしないといけない。初心者会員向けでいいだろう。

このタスクを12月10日までに登録しておかないといけないようだ。🍅さんにも同期してもらわないと。

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Twitter Proにアカウントを変更した。ではあるが、特に何ということもない。一応カテゴリーは「ジャーナリスト」にしておいた。少し嬉しいかも。

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『神保町書肆街考』が欲しくなった。



2021年11月16日火曜日

企業体のシゴトの全体俯瞰像を知るのはとても大切

NAXOSで『アロイス・ホーフシュトラッサー - アンソロジー(ライヴ録音集)』を聴く。

 https://ml.naxos.jp/album/Gramola99257 

11月15日の新譜。長大なCD。


昼前にここまで聴いた。

16 「シャルル=フランソワ・グノー
聖チェチーリアのための荘厳ミサ - サンクトゥス - ベネディクトゥス
ニコラ・プロクシュ (ソプラノ), ヤン・ペトリカ (テノール), グラーツ・コンサート合唱団, パノニア・フィルハーモニー管弦楽団, アロイス・J・ホーフシュトラッサー (指揮)
Gramola Records」

夕方になってもおわらない。まだ

33 「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
合唱幻想曲 ハ短調 Op. 80
ヨハネス・クム (テノール), ゲオルク・クリムバッハー (バリトン), マルティン・アハライナー (バリトン), グラーツ・コンサート合唱団, グラーツ・コンサート・ユーゲント合唱団, ゴットリープ・ヴァリッシュ (ピアノ), パノニア・フィルハーモニー管弦楽団, アロイス・J・ホーフシュトラッサー (指揮)
Gramola Records」

全体は109曲だ!!!

明日も聴く。

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『ウンベルト・エーコの小説講座』(筑摩書房)を拾い読む。

『薔薇の名前』を書くのに何年かかったのか。わずか二年、と言っているがその前の学者としての蓄積がすごいのだ。

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AR友の会のオシゴトに手を付ける。

Slack全体の地図を書く準備(60弱のチャンネルの名前を列挙した)だけでもおもしろい。というか、自分の役に立つと痛感。

そもそも全体地図を誰でも書けるのが素晴らしい。大昔、会社に入った年に休日出勤してファイル・キャビネットの中のキングファイルに収まった過去書類をチエックしまくったのを思いだした。危ない資料も読んだが秘密は守った。20年ほどすぎると、キングファイルの中身の書類のようなものはコンピュータの記憶装置に全部収まった。これだと休日出勤しなくても何時でも読めるので便利だった。次第に量が増え、アクセスできないものが出来た。全体地図を書こうという発想は残念ながら出てこなかった。そこでは年寄りの「経験」がものを言った。これでは他社との競争に負けるのはあたりまえだ。

ごたくを並べていないで、来月半ばにはSlack全体地図を形にしたい。

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『将棋世界 12月号』が届いたので、姪孫くんが何を書いているのか調べてみた。入社早々なのに意外にも(というと失礼だが)署名記事も書かせてもらっている。編集者の一員として名前も出ている。たいしたものだと喜んだ。細かい記事もたくさんあるので、編集の事務作業は大変だろうが、将棋が好きなら楽しんでできるだろう。 

2021年11月15日月曜日

急に将棋雑誌が読みたくなったそのわけは……

11月15日のTodo。

Todoその1

CM(コミュニテイ。マネジメント)タスクを細分化する。

(済)細分案と担当案のリストを作って、Slackで共有し、内容相談中。

なお、以下の但し書きもつけた(やや蛇足感あり)。

骨子は「アイスブレーキング」と「個人の自主活動のあとおし」

活動目的「友の会活動が「楽しく」活発になること」そして「友の会という場を保証してくれるAR社の収益アップで存続を助ける」こと。言い換えると、個人の楽しみと企業体の存続という一見相反する二者をうまく両立させること。

Todoその2

友の会会員向けSlackチャンネル全体案内地図作成。

どんな形式が良いのか。考え中。
箇条書きだけはやめたい。メンテナンスがやさしくてなおかつグラフィックなものがいい。

***

閑話休題

具体から抽象へ。(テクニカル・リーダーシップ講習のゲーム演習は具体でそこから得るPMへの気付きという抽象にスムーズにいたる。)

こんな文章を書きたいものだ。

***

Todoその3

書評調査収集、次の一手を考える。

(1案) 書評について話すSlackチャンネル開設
書評とはなにかと書評の範囲、書評収集方法を話し合う。

(2案) 書評講座を立ち上げる。これは (1案)の続編か?

うーむ。名案が浮かばない。明日に持ち越しだ。

***

そうこうしているうちに、姪の息子(「姪孫(てっそん)」というらしいが誰にも通じそうもない。ともかく大学を卒業後しばらく郷里に帰っていた彼。)の就職が決まったという嬉しい知らせが来た。
『将棋世界』を出版している会社らしい。将棋が趣味だった(というよりプロを夢見ていた)が、それが幸いした。「芸は身を助く」だ。さっそくお祝いのメールを姪に送った。会社は神保町にあるらしいので、彼とラーメンを食べて古本の棋譜でも一緒に探そう。楽しみだ。 

注文しちゃいました!


2021年11月14日日曜日

やはり日本は沈没するのか!

今日の雲の動画。眞子さんはこの空の向こうに飛んでいったのかも。ともかくガンバレ!

https://youtu.be/_mJMCcVP3Go

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古本に「推し」の理由と関連オススメ書籍情報を添付して、仕入れ値プラス100円で売るアイディア。

大相撲九州場所をTV観戦。西花道の妖精さんと東花道のマドンナさんの揃い踏みには驚きかつ喜んだ。うっかりTwitterでもこのことを書いてしまった。

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TBSTVのドラマ『日本沈没』は、なんと第2部があり、そちらでは本当に(関東だけでなく)日本が沈没するという予告が今日なされた。すると2週間前に書いた以下のメルマガ巻頭言は、気持ち的には書き直したい。でももう遅い。不確定情報をもとにした文章を書いてはいけないと肝に銘ずる。字面上は決して間違ったことは書いていないのだが、自分のなかのニュアンスが違うという問題。読む人が読めばわかってしまうだろう。

自戒の意味で文章をもう一度掲げておく。書き直すとすれば小松左京の悩みをもっと前面に出す。

週刊ALL REVIEWS Vol.125 (2021/10/25から2021/10/31)の巻頭言

話題のTBSテレビドラマ『日本沈没』、非常によく出来ている。でも私は2回目(2006年)の映画化で凛とした危機管理担当大臣を演じた大地真央の姿が忘れられない。今回、映画『日本沈没』新旧2本を観て、『日本沈没 決定版』を読み直し、『日本沈没 第二部』を初めて読むことにした。

『第二部』を敬遠していたのにはわけがある。阪神淡路大震災、東日本大震災を経た小松左京の苦悩の原因は何で、その解決はどうつけられたのかを、自分で良く考えるまでは、読みたくなかったのだ。

ALL REVIEWSで知った本、『小松左京さんと日本沈没 秘書物語』には秘書、乙部順子さんから見た心優しいボスの姿が生き生きと描かれている。日本社会の動向はその小松左京にとって許されないし、このままでは日本は何らかの形で「沈没」してしまうだろう。その後、地球も……。

『第二部』を読むと、そんな私の推測を大きく越えるものがあった。(hiro)

『小松左京さんと日本沈没 秘書物語』の書評はこちら。

https://allreviews.jp/review/1246 

 


2021年11月13日土曜日

『罪と罰』、初めて読んだ、オモシロイ

 孫の世話に行く為に乗った電車の中で青空文庫版の『罪と罰』を読み始める。意外にすらすら読めてしまうのにおどろく。米川訳が良いからか。それだけではない、ドストエフスキーの異常なほどに達者な筆力のせいだろう。狭い読書範囲のなかで考えると、これに匹敵するのはトーマス・マンぐらいか。

ハマりそうなのがこわい。水をさすために(?)光文社古典新訳文庫版も読んでみよう。ロシア語も思い出すべきだが、学生時代に覚えたことがあまりにも少なすぎて当座の役には立ちそうもない。

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夜9時過ぎに帰ってきた。疲れているのでこれから本を読む気にはなれない。

孫の両親の夕食用に、鍋料理とともに作っておいてきたチーズ入りじゃがいも餅の写真を貼り付けておく。これでご勘弁を願う。



2021年11月12日金曜日

本をおいて街に出ると新しいテーマが自然にみつかる、老人でも

 コロナ禍が落ち着きを見せた。その中で久しぶりの外出をした昨日感じた違和感。メトロパス購入方法の変更。九段下から千代田区立図書館に行くのに道をまちがえて地図アプリもうまく使えなくなっていた。古本街の夕暮れのわびしさ。これらは異世界テーマエッセイの材料になりそうなので、書き留めておこう。

昨日の都心への小旅行の一番目の目的地は千代田区立図書館。期限切れで使えなかった貸出券の再登録に行ってきた。コロナ禍の影響もあって3年近く使用しなかったので、登録データそのものが抹消されていたが、もう一度個人情報を入れ直して再(新規)登録できた。

二番目は「はこのば〜」。覆麺智の店舗を夜間借りて営業しているらしい。看板メニューのにんにく鍋は覆麺ラーメンのものを使っているからかとても美味しい。その後行った古民家風のおしゃれフレンチも良かったが、おじさんの好みは「はこのば〜」だ。

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おしゃれフレンチ(名前を忘れてしまった)で話していたときにいただいた「日本の書評と日本以外の地域の書評の比較」というテーマを追求することにした。

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ドストエフスキーの『罪と罰』(今回青空文庫化)と、息子が買った『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫)とどちらから読むか?

これ、半日考えたが、答えは「どちらでもいい」となった。並行して読み始める。で、カラマーゾフを捜してみたら、『罪と罰』の光文社古典新訳文庫版も出てきた。でも、青空文庫の米川訳も捨てがたい。こういう悩みは楽しい。


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NML(NAXOS Music Library)がまた聴けるようになった。嬉しい。今日は暇を見つけては聴き続けた。
いまはこれを聴いている。

『ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉(管弦楽版)(ル・コンセール・デ・ナシオン/サヴァール)』

 https://ml.naxos.jp/album/829410649773

これらも。

フランク:オルガンのための6つの小品 - 第3曲 前奏曲(ピアノ編)/ドビュッシー:夢想(ディリュカ)

https://ml.naxos.jp/album/190296491450
ハイドン:ピアノ・ソナタ集(プラネス)

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結局、一日本を読めなかったのは、二日酔いというより酒疲れだったのだろう。年には勝てない。アルコールはほどほどにしないと。

2021年11月11日木曜日

2022年正月に新しい書店文化が始まる!

ARの新書店の予定店舗を見てきた。ここから全く新しい書店文化が始まるだろう。

神保町すずらん通り

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昨日、自分に課した作業の計画。

(1)仮題「丸谷才一の書評に関する考えを探る」
(2)このブログを検索して上記に当てはまるものを素早く読む。
(3)何も見ないで第一稿を書き下ろす。
(4)ブログと丸谷才一の書評集(蔵書)を使って内容微修正。
(5)3日おいて、第二稿を書く。
(6)(4)と文章の推敲。
(7)最終稿にする。
(8)ARの仲間に読んでもらう。
(9)必要なら修正。
(10)ブログで「公開」。

(2)で拾い出した単語。

・1975年 小説

・和田誠 「ひとりの本好きが、本好きの友だちに出す手紙」

・ラーメンまたはいろんな色

・「構え」の大きさがある、つまり文明批評

・読書の宇宙

・向井、読書という快楽への誘惑者

1.格式や序列を無視。差別から遠い。
2.ディテイルを大事にした。
3.大局観。(教養と博捜のたまもの)
⒋新人を見出す眼力。(鹿島茂、村上春樹、池澤夏樹など)

・まとめると「好きこそものの上手なれ」。

・思考の道具としての日本語

・書評の帝王

・書評は文化の批評として大切

・高価な学術書

・読書人でない人も読む

・座談会という形式は菊池寛の創案。

・書評ワンダーランド

・藝のない書評は書評ぢゃない

・『ロンドンで本を読む』を拾い読み。

丸谷才一がまえがきなどで述べている通り、スケールの大きな書評を読むことができる。たとえば、プリチェットの書いた『ウェイリー訳 源氏物語』。日本語訳で16頁近い。内容を流麗に紹介し世界文学の中の位置づけも十分に述べる。この書評を読むのは自分と同等の知識と経験を持った読者だと考えているようだ。書評としての品位を重要なものとし、本の拡販だけを考えているのではない。正統的なアプローチだが。

・『ロンドンで本を読む』で丸谷才一は(8頁)、書評には……

「紹介や評価とかよりももつと次元の高い機能もある。それは対象である新刊本をきつかけにして見識と趣味を披露し、知性を刺激し、あはよくば生きる力を更新することである。つまり批評性。……一冊の新刊書をひもといて文明の動向を占ひ、……世界を眺望する……」

・書評は受け売りを可能にするためのツール(鹿島茂さん)

・書評三原則(丸谷才一作)

(1)マクラは三行で書く。
(2)要約はきちんとする。
(3)けなし書評は書かない。

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これは別口、勉強会のメンバー向け。

『ブック・カーニヴァル』

鹿島茂さんの高山宏評「卓越した問題集に解答はない」が掲載されている。これを読むと、「世の中には「解答集」と称する凡庸な本が満ち溢れて」いるのだが、高山宏さんの本は「斬新な問題を満載した」そして「卓越した「問題集」である」とあり、なるほどと膝を打つ。

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年末恒例人間ドック(兼忘年会)の申し込み完了。全身調べられた後に解放されて飲むビールの味は格別なのだ。



2021年11月10日水曜日

「日誌は未来の自分に宛てて書いているのだ」(ポール・オースター『内面からの報告書』より)

朝霧。


ポール・オースター『内面からの報告書』の再読を続ける。

第二章は「脳天に二発」。

若い「君」(オースター自身のこと)に影響を与えた映画を2つ取り上げている。

『縮みゆく人間』については、以前このブログで取り上げた。ただし、もっと青春期の「君」に大きな影響を与えたのは、『I Am a Fugitive from a Chain Gang (1932)』だろう。

https://fb.watch/9aULoHAWeB/  (このリンクはいつまであるのかわからない。)

第一次大戦で勲章をもらい帰還した若い軍曹が、戦後の大恐慌のなかで零落しついには刑務所に入れられて破滅していく姿を描く作品。朝鮮戦争やベトナム戦争を身近に感じていた「君」は、将来に明るい希望を見いだせなくなったのだろう。

第三章「タイムカプセル」はもう少し明るいタッチ。元妻のリディアに若い頃書いた手紙が出てきたので、それをもとに当時の日誌を書いている。なぜか、彼は日誌をないがしろにしていた。

153頁。

「日誌は未来の自分に宛てて書いているのだということが見えていなかった。」

これが47年間続く。

60歳代末からやっと、ブログ上ではあるが、毎日日誌を書き始めた私よりは少し早い気付きと言える。

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以下は、さっきALL REVIEWS(友の会ではない方)のSlackに書いた書評調査に関する文章。これ実現したい。

「丸谷才一は、書評には「藝」が必要としていて身辺雑記が「藝」の域に達していればエッセイ的な書評も認めていたような気がします。文芸評論は完全に書評の仲間に入れているようです。

『蝶々は誰からの手紙』を始めとした彼の書評集たちを精読・勉強して、「丸谷才一にとって書評とは何だったのか」的な文章を作ってみたくなりました。少し時間をとってやってみます。

ところで、この手の書評の話をするチャンネルも作りたいと思っています。ここにおられる皆様のお知恵も拝借したいので……ひとまずは#070_雑談と交流chでやるのがいいですかねえ。」

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メモ。
とりあえず撮れた。ピント合わせがムツカシイ。35mm、F2.2、10秒、セルフタイマー、D700



2021年11月9日火曜日

物理学入門講義とPPMと幼年時代の自伝を懐かしむ

 朝寝床でのTwitter。


ここで紹介されている(数理)物理学入門の講義ビデオ、これから眺めたい。

https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/lectures/2020-komaba/

最近物理、天文系のビデオが懐かしい。なぜ?

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以前(2017年7月5日)の私のTweetでフォークグループPPMのMaryのことを書いたものを発見してくださった方がいて、おかげで忘れていたブログ記事を掘り出すことが出来た。

https://hfukuchi.blogspot.com/2017/07/mary-traversof-ppm-ppmpeter-paul-and.html

この中で途中まで読んだと書いてあるMaryの自伝(正しくは彼女の遺した文章集で友人ジャーナリストが編集したもの)をもう一度見たくなって捜した。KindleUnlimitedで無料で読んだのだが、現在は経済的事情で駄目。最後の手はAmazonで買ってしまうことだが、その前にと思ってInternet Archiveで借りることにした。14日間借りられる。したがってあと2週間は貸出中になっているので、悪しからず。


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さっさとMaryの本を読めばいいのだが、その前に『内面からの報告書』(ポール・オースター)を手にとってしまった。書名と同名の第一章を読み終えた。12歳までの精神的自伝。裕福とは言えないがかなり幸せと言っていい生い立ち、しかし米国在住ユダヤ人であることの悲哀もつたわる。ポール・オースターは1947年生まれだし、ほとんど同時代の人なのだと思えるようななつかしい事柄が多出。

この本の次には、サルトルの『言葉』(人文書院)を読もうと心に決める。

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以下はメモ。星空タイムラプス動画作成方法。

https://youtu.be/Zj2cVWvEO-w


2021年11月8日月曜日

『文体の舵をとれ』の練習問題勉強会(合評会)の企画のために結局本全体と他の著作も読むことにした

iPhone7Pで空を撮った動画をYoutubeにあげてみた。限定公開。

https://youtu.be/j8VbvDIRSqk

https://youtu.be/x4YCJUyrkro

https://youtu.be/UbxlOe5Rlg8

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ル=グウィンの『文体の舵をとれ』の拾い読み。

「付録 合評会の運営」より、最後の言葉。

「技芸の修練は自主自由を旨とする。」

大久保ゆうさんの「訳者あとがき」で知った、読者とUKLとの対話のページ。面白い。誰か翻訳して……

http://ursulakleguinarchive.com/Index-NavigatingOceanOfStory.html

Navigating the Ocean of Story, an experiment by UKL. “...I miss being in touch with serious prentice writers. So in hope of regaining some of the pleasures of teaching and talking about writing fiction with people who do, I’m going to try an experiment: a kind of open consultation or informal ongoing workshop in Fictional Navigation, at Book View Café...”


『現想と幻実 ル=グウィン短篇選集』(青土社)を予約した。そして『文体の舵をとれ』は紙の本を借りてきた。全体を通して読むならKindle版よりこのほうが、読みやすいだろう。

ここを読むと感動する。

ル=グウィンの最後のBlog:

130. Poem Written in 1991
When the Soviet Union Was Disintegrating
by Ursula K. Le Guin

http://ursulakleguinarchive.com/Blog2017.html#New

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午後は『冬の日記』を読み終える。もちろん脚色されているのだろうだが、ポール・オースターは随分良く怪我をしたり病気をしたりする。考えてみると、過去の肉体的記憶で鮮明なのは体が不調な時であるのは、誰でもなのだろう。そして母親の痛みも感じやすいだろう。次は『内面からの報告書』に取り組む。

 

2021年11月7日日曜日

『文体の舵をとれ』の練習問題をやってみる勉強会の企画をより深く考える

ル=グウィン『文体の舵をとれ』の「はじめに」を読む。少し引用してみる。

引用1.

「対象となる読者は、語りの文体の基礎練習として考え方や論点や練習問題を求める、物語の書き手たちである。ここでは物語る文のひびき(句読点・構文・一文・動詞・形容詞)、声と視点、直接・間接の描写表現、含めるものと省くものなどを取り扱う。」

引用2.

「執筆の楽しみ、つまり言葉の一大遊戯を実際に満喫する感覚を伝えるものだ。」

引用3.

「物語という芸術の北極星――文体の働きとお話の動く流れ―」

引用4.

「少なくとも練習問題の範囲では、フィクションを書こうがノンフィクションを綴ろうが構わない――語りは語りだからだ。」

練習問題をやってみる勉強会を企画しているが、どうもこの本と練習問題はムツカシイという意見がある。

引用1.を読むとたしかに難しく感じるかも知れない。ただし、一連の「講義」を開始するときに講師ははりきって全体のレジュメを述べる。いってみればセールストークなので、あまり気にしないようにする。

引用2.これには完全にアグリーだ。

引用3.「北極星」は「極北」のたとえであり、目指すところはこうだが現実に我々は眼高手低で行かなければならない。

引用4.これは勉強会メンバーには良いお話で、様々な種類の文章を書くないしは読む人がいるという現実にマッチしている。

トータルとして受ける、「大変そう」という印象を払拭しないといけない。昔の企業内教育の経験からすると、受講者はかならず単一の「答え」・「解決策」を求めてくる。実は正解というものはこのような種類の学びごとには存在せず、教育効果を上げるには課題を「失敗しながら」実行することが不可欠ということを、最初にわからせなくてはならない。

「研修」や「教育」でなない、勉強会であっても、人は正解を求めたい、そして「間違った」答えをして叱られたくないという、過去の悪しき教育の呪縛にとらわれる。それでは効果が上がらないことは、この本の中でもかなり述べられている。対面のセッションであれば、これをリーダーが言葉で説明できるが、オンラインセッションでは難しいかも知れない。工夫のしどころだ。アイスブレーキングを意識して上手に行わなくてはならないだろう。本文は自習に任せ、セッションでは最初から練習問題を実行すればいいと思っていたが、これは考え直したい。本文を読んで意見を言い合うようなセッションが必要かもしれない。『参加の手引』を書いてみたが、その内容は簡単な本の紹介オフラインセッション手順の説明だけなので、不十分だ。書き直そう。そして、そもそも本を全部読むべきだ。

参考文献 G.M. ワインバーグ『スーパーエンジニアへの道』(共立出版)


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『銀河考古学入門 ~銀河の形成と進化を辿る~』の受講登録をしてみた。講師は東北大の千葉柾司先生。11月10日開講。

2021年11月6日土曜日

子供の成長には驚く

 タイムラプス動画、5時35分~6時45分。快晴につき凡庸な動画ながら、時を映す。

朝読書。『冬の日誌』。

母親の死の後のパニック発作。2002年

126頁。
デン・マザーだった母がカブ・スカウトの君の仲間達とやった野球でレフトオーバーのホームランをかっとばす。誰が読んでも印象的なシーン。

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孫が父親と10時半に到着、以降19時半まで私がトイレに行く時間以外は一緒に遊んでいただいた。

今日は一週間ぶりに会ったのだが、うまく歩けるようになった。一歳1ヶ月で早いのかどうかわからないが、10メートルは歩けそう。足取りもしっかりしている。これからは、一緒にいて肝を冷やすことが多くなりそうだ。

2021年11月5日金曜日

オースターは64歳で『冬の日誌』を書いたが、72歳の「君」は「また来た春」の日誌を書くのか

日の出は6時7分。起床は5時30分。薄明は既に始まっていた。1時間前に起きるべきだった。途中からでも、とタイムラプス画像を撮る。

雲がまったくないので、凡庸な動画となった。

吉田健一『酒肴酒』(番町書房、昭和49年刊の昭和50年27版)、196頁。「酒を飲む話」

「犬が寒風を除(よ)けて日向ぼっこをしているのを見ると、酒を飲んでいる時の境地というものについて考えさせられる。そういうふうにぼんやりした気持が酒を飲むのにいいので、自棄酒などというのは、酒を飲む趣旨から言えば下の下に属するものである。」

198頁。

「犬は日光に体をまかせているともいえるので、われわれも酒を飲むときに、その意味では酒に体を預けてすこしもかまわない。」

この極意を読んで実行したら、その後は悪酔いをすることが減ったようだ。体調や飲む相手が悪い場合はしかたないが、そうでないときは気持ちよく酔えるようになったと思う。会社に入ってから10年ほど経っていた。学生時代も含めると10数年の修行が実ったのだろう。吉田健一の書き物が禅寺での座禅の警策の役割を果たしたと言っても良い。酒の飲み方を悟ったのである。気分としては水泳をするときに水に身を預けて力を抜くと自然に浮くという感じ。


ポール・オースター『冬の日誌』の再読を開始した。72頁まで。その後、訳者あとがきを覗き見すると、このとき作者は64歳。つまり冬の時代。『内面からの報告書』は心理的な記述であるのに対し、『冬の日誌』は身体的な記述であるとのこと。そして、ジェイ・マキナニ―『ブライト・ライツ・ビッグ・シティ』と同様、自己を語るのに「君」を使っていることも。数年ぶりで『冬の日誌』と『内面からの報告書』を借りてきたのは、数ヶ月前に『ブライト・ライツ・ビッグ・シティ』を読んだからかも知れない。潜在意識の影響力は馬鹿にできない。

『本当のような話』を読み続ける。オモシロイのだが、人物の来歴を語る部分が冗長であるような気がしてきた。この描写は社会批判の役割を果たしているのでやむをえないのか。ミーハー的小説ではない。またそこを期待するような読者は最初の数ページでふるい落とされている。

***

夕方、かかりつけ医に行って、40日ぶりの受診。とくに変化はない。いつもどおりの投薬(高血圧薬、高脂血症薬、抗アレルギー薬)。薬局の前の通りで、横断しようとしたら自転車が飛び出してきて急停車し、すごい顔で睨まれた。気をつけないといけない。渡るかどうかの判断力は確実に鈍っている。

2021年11月4日木曜日

『本当のような話』(吉田健一)は「本当」とは思えない、つまり小説らしい小説


吉田健一「終活」シリーズの三作目、『本当のような話』を読み始める。

題が前作『絵空ごと』に呼応。

4頁。
「時間」の描写。目覚めの時間。

12頁。
素馨(そけい ジャスミン)の香りの中国茶。ジャスミン・ティーとは違うのか。

22頁。
民子は日記が好き、セヴィニエ夫人、クローデル、ジード。
一方、「トーマス・マンとトルストイを神棚に」上げない。

39頁。
バレーの名手を歓迎する麹町区三年町での大使館のパーティーから帰って、昼寝するらしい。良く昼寝する人なのだ。そして、夜もよく寝る。理想的な時間の過ごし方か。

***

美しい日だ。私にとって「美しい」日は暖かくて晴れている今日のような日だ。『時間』を思い出す日。なので雲や空のタイムラプス動画を撮って、なにが「時間」の観念をもたらすかを解明したい。

いつもお世話になっている

https://archive.org/

に5USDを寄付。

ということで、少し安心して、これを聴いている。

Piano Concerto In A Minor, Op.85 / Double Concerto In G Major Op.17
by Johann Nepomuk Hummel; Martin Galling; Susanne Lautenbacher
Turnabout (TV 4028 / TV 4.028)
Publication date 1966


民子さんを見習って、『冬の日誌』と『内面からの報告書』(ポール・オースター)を借りてきた。どちらも再読だ。

2021年11月3日水曜日

吉田健一の『瓦礫の中』と『絵空ごと』は同じテーマを追求しているようだ

[http://www.jk-cinema.com/]

ジュネス企画? ここの映画は、AmazonPrimeVideoで観ることができるらしい。

Kindle Unlimited 『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』をCMの教科書として読んでみる。尾原和啓著。他の著作もチェックしてみる。

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『絵空ごと』読み終えた。

104頁。
「4」の英国風紳士育成施設の話からがガラリと変わる後半部だろう。時代批判色が強まる。

130頁。

「英国で飲んでいるといいな」……「何もすることがないって、あすこなら何もしないでいられる。」

出てきた吉田健一節!

そして……

「東京は壊しに壊して来たからね。……まだしも戦争の後で日本に戻って来た時の焼け跡の方がこれなら区画改正でも道路拡張でも何でも出来ると思ったものだった。」

これで、この本が『瓦礫の中』とつながった。

共通のテーマは「敗戦後の社会のあやうい繁栄」だ。これは『日本沈没』の小松左京に受け継がれる。

135頁。

「自分の方が酒に呑まれて行く気がするその酒の舌触り」

これだ、他の本だがこのような酒の飲み方を読んで、実際にできるようになったのは10年ぐらい修行をした末だった。ただし、その間の酒席での時間が無駄になった感じはしていない。

155頁。

吉田健一は渋江抽斎や伊沢蘭軒も読んで、日本語を勉強したのだろう。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/2058_19628.html

https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/2084_17397.html

#こう言うともっと吉田健一の文章を嫌いになる人がいそうでオモシロイ。

219頁。

「天地有情春合識、今年今日又成歓……漱石の(晩年の)生活も流れていた……」

#吉川幸次郎『漱石詩注』(岩波新書)143頁参照。) 

225頁。

モンテーニュへの言及。

結局建った「立派な偽」西洋館は時代への反撥からかそれとも象徴なのか。

次に読むのは『本当のような話』。『絵空ごと』の「牧田さん」が「民子」になるのかしら。

1973年刊 集英社
私のは1976年三版

***

ARCMの目指すところは「書評を通じて読書を楽しめるように、会員がそれぞれのできることを好きなだけやれる環境・インフラをつくること」、だ。その手段としてCMを段階的に普及させていく。

昔、上司をマネジメントしないとシゴトは進まないと教わったのも思い出した。

***

"Emperor" Concerto No. 5, In E-Flat, Op. 73
by Ludwig Van Beethoven; Vladimir Horowitz; Fritz Reiner; RCA Victor Symphony Orchestra
RCA Victor Red Seal (LM 1718 / LM-1718)
Publication date 1954

https://archive.org/details/lp_emperor-concerto-no-5-in-e-flat-op-73_ludwig-van-beethoven-vladimir-horowitz-fri_0 


***


今夜は35ミリレンズで星空インターバル撮影を試みたが、ピントが外れていて失敗。レンズの設定と調整不足。 

2021年11月2日火曜日

吉田健一の『絵空ごと』の内容は見事な「絵空ごと」

 ここがオモシロイ。

http://honyakumystery.jp/category/review/review9

「『文体の舵をとれ』の「練習問題」をたのしくやってみる会参加の手引」を改訂した。「練習問題」の例を追加した。

https://hirosbookreviewstudy.blogspot.com/2021/10/blog-post.html

ここを発見!エッシャーの絵がたくさん閲覧可能だ。

https://www.wikiart.org/en/m-c-escher

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さて、『絵空ごと』を読み始めるとしよう。途中14時から15時はARの打ち合わせで中断するが。

『絵空ごと』114頁まで読んだ。題名通り物語が「絵空ごと」であるのに感心した。取り上げられた小道具も偽の絵である。前作『瓦礫の中』よりも主人公の生活は格段に改善されている。「庶民」の生活ではもちろんない。戦後の苦労が終わったと誤解している世相への皮肉か?

明日までに後半も読んでしまいそう。

***

ちょっとイタズラしてみた。QTPで作ったのですが、これはタイムラプス動画ではないのかしら。雲の動きはオモシロイ。上空と低空の動きが違っている。




2021年11月1日月曜日

吉田健一「終活小説」の2冊目にとりかかる(『絵空ごと』)

 朝読書で吉田健一の『瓦礫の中』を読み終える。

最後はそっけなく終了。ベートーベン的にこれでもかと畳み掛けるのでなく、バッハやハイドンのようにさっさと終わる。このほうが余韻をを楽しめるので、好みである。高踏的すぎるという批判はありそうだが気にしない。

次のように、最近のブログで書いた。

『吉田健一ふたたび』を拾い読み。
156頁。
長篇(大長編ではなく200頁前後)小説の系譜がまとめられている。

1970年(万博の年 #この皮肉) 『瓦礫の中』 
1971年 『絵空ごと』
1972年 『本当のような話』
1973年 『金沢』
1973年 『東京の昔』
1974年 『埋れ木』

全部すでに読んだが、また一から読み直そうと、今回『瓦礫の中』を借りてきた。あとは全部書棚にある。なお、『埋れ木』のあとは『時間』という随筆か論考とでも言うべきものを1976年に書いて、翌年吉田健一はなくなる。

157頁で、樫原辰郎さんはこれらの作品執筆は吉田健一の「終活」だという。 

このリストに従って読破するプロジェクトをやはり実施することにして、2番めの『絵空ごと』に取り掛かった。1976年に再販された本だ。

すると、人より遅れて会社員になって2年目に買って初めて読んだことになる。若かったがこの物語も同様に若かった、そして1970年代の時代の文脈に乗っていたので読めたのだろう。渋谷の鶯谷町の安アパートの一室で、誰の邪魔もない状態で思う存分本を読めた日々が懐かしい。


後で再刊された単行本の裏表紙のカバー
紹介文を苦労して書いたらしい