2019年8月31日土曜日

無節操な読書でもいいんです

Braveブラウザを昨夜使ったが、FacebookやTwitterのアカウント管理に混乱をきたしたので、いったんすべてをChromeからのアクセスに戻した。とりあえずはBraveではYoutubeのビデオ視聴など、簡単なものに限ることにした。もっと使い方の工夫が必要だ。

ただし、軽快なブラウザなので捨てがたいところはある。Youtubeでサラ・チャンのブルッフや、バッハの変ホ長調前奏曲とフーガなど、聴きまくった。

来月Spotifyの99円お試し期間が終わるが、YoutubeとAmazonMusic無料で済ませても大きな問題はなかろう。むしろ、切り詰めた状況のほうが、工夫をする楽しみがある。

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本はいろいろ読み漁った。『寺田寅彦全集8巻』、『寺田寅彦は忘れた頃にやって来る』(松本哉 2002年 集英社新書)、『9条入門』(加藤典洋 2019年 創元社)。

図書館に行き、新たに3冊借りてきた。玄奘三蔵絡みの本。




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朝日新聞の土曜特集版の「生老病死」という山折哲雄さんのコラムがある。題字は石川九楊が飛白体めいた字体で書いている。挿絵を書いているのが横山寛多さんという人で横山泰三のお孫さん。昆虫の絵がスバラシイ。ファンになった。ここで、その一端を見ることができる。自分でも、昔撮った写真を絵にしてみようかと考えた。来週やってみよう。

絵といえば赤木さんの展覧会が9月4日から三越で開催される。これにはなんとしても顔を出したい。

2019年8月30日金曜日

Brave(ブラウザ)を使ってみたがなかなかいける

昨日の朝の林檎。
「ファーストレディ」。おいしい。

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Braveというブラウザを使ってみた。広告をブロックしてくれる。そのせいか、速い。しかしYoutubeでビデオを見ようとするとCMが入ったものはエラーになる。入っていなければちゃんと視聴できる。「辻井伸行 /ピアノ協奏曲第2番 (ラフマニノフ)」を、いま、裏で流しながらWriterでこれを書いている。こころなしか音がクリア。
 

ブログ書きもこれでやってみたら、記事の作成はうまくできるが、表示してみるとBraveではブログのページビューカウンターの値だけが表示されない…Chromeでは大丈夫だ。

画面の左上にこんな表示(「ブロックされた広告とトラッカー」の数)が出るのがオモシロイ。

使用感はChromeによく似ている。細かい難点は使用者が増えれば、自然になくなるだろう。

その後、しばらく使っていたが、FacebookやTwitterの設定を不用意にいじってしまい、修復に時間かかった。とりあえず、Chromeに戻った。注意して使っていこう。

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玄奘三蔵の文献を調べる。大正新脩大蔵経のデータベース。「大唐大慈恩寺三藏法師傅」。漢文の復習がまず必要。
図書館でも三冊予約。
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夕方、虹を見る。買い物はご近所のスーパーで済ませた。

2019年8月29日木曜日

表面に出ず地下深く埋もれているモノはいろいろありそう

『玄奘三蔵』を読み直してみた。読み直すと言っても昭和45年頃読んだだけなので、50年くらい前ということで、初読に近い。

西遊記とは、雰囲気が違う。孫悟空以下が出てこないからか。

玄奘が仏法への憧れをつのらせながら、唐で勉強し、頭角を現して、なんとか西域に旅立つ姿は、空海の姿とダブってくる。ただし、玄奘は10年以上つまり空海の唐での生活よりずっと長く、憧れの地インドに滞在した。行き帰りの旅の時間を加えると、19年間。帰国してから経典の翻譯は約20年。

持ち帰ったものの重みがちがう。

翻譯のプロセスがまだ、よくわからない。翻訳チームと玄奘の役割分担も…

旧訳と呼ばれるものの訳の方法、たとえば鳩摩羅什の方法と玄奘の方法の違いはどうだったのか。勉強の課題がどんどん増えていく。

ちょっとオモシロイのは、玄奘が行く先々で仏典の講義をして、感心したパトロンから支援を受けながら旅を続けていくことだ。今で言えばクラウドファンディング。ちがうのは、投資家が、見返りを期待せず、正確に言うと信仰のために、多額の喜捨をするところだ。

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近所の工事現場が騒々しい。先週から行っている地盤工事は月末までの予定らしい。穴をほってコンクリートを流し込む作業が締めくくりらしいが、我が家のベランダから眺めていると、穴の底に大物のガラ(以前のコンクリートくず)があるらしく、ショベルカーが、悲鳴のような音をたてる。一時間くらい(暇人の一時間)見ていると、1.5m位のコンクリートのかけらや巨大な土管のようなものが掘り出された。



飽きないので、いつまでも見ている。

2019年8月28日水曜日

今夏のお参り終了

お盆はかなり前に終わったようだが、道路が空いている今頃に墓参りに行くことにしている。兄弟姉妹全員がリタイアしているので、平日に誘い合って出かける。行く先は東海村。夏のレジャーも兼ねる。

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朝七時過ぎに出発したのだが、ラッシュにかかり、東名高速東京料金所付近は相当なラッシュ。都内を抜けるのに2時間以上かかった。

守谷サービスエリアで、朝食。夏に食べるキュウリの浅漬はうまい。


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12時に菩提寺に着き、頼んでおいた卒塔婆を受け取って、墓地へ。墓地は寺とは別にある。

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掃除、お参りを済ませ、東海駅前のうどん屋「へんこつ」さんで会食。この数年同じ店を利用。春彼岸とお盆の2回いつも同じ席を使う。最近はよくはやっていて、席がないことがあるので、予約を入れておいた。

天ぷら付きのつけ汁うどん定食。うまい。天ぷらの揚げ加減もスバラシイ。

デザートは、涼し気な、くず餅。


みんなと情報交換(健康問題と子どもや孫の話が多い)とプレゼント交換を済ませ、帰途につく。

友部サービスエリアで、おみやげを買う。主に納豆。

帰り道はほぼ空いていたが、大橋ジャンクションで捕まった。ここは合流する車が多くて、ほとんどいつも渋滞する。オリンピックまでになんとかすべきと思う。

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20時帰着。13時間のうち、休憩やお参りを除いて、9時間くらいは運転したことになる。走行距離400キロ。昔に比べ、疲労感が強い。

今日の読書量はゼロページ。

2019年8月27日火曜日

OLD REVIEWS試作版第二十四弾…「玄奘の著訳書について」(部分)

『東洋文化の研究』(松本文三郎)中の「玄奘の著譯書について」から抜粋 

玄奘の著述としては唯勅によつて撰した西域記一部十二卷があるのみである、此書は勿論玄奘の西天歴遊の實錄であるが、彼は其材料を給したのみで、編次文を成したのは恐らく其門人辯機であつたのであらう。是れが抑も此書の初に「玄奘奉詔譯、辯機撰」と署する所以ではなからうか。思ふに玄奘が印度に於て蒐集將來した經典は總べて五百二十筴、六百五十七部、一千帙の多きに達し、而して此等は何れも支那に未だあらざる所であり、假令ひ旣に翻譯せられたとしても、其本文に於て多少の異同あり、又翻譯の完きを得ないものがあつたので、彼は一代の心血を經典の譯出に濺ぎ、教義の祖述󠄁には其遑を有せなかつたが爲めであらう。而して經典翻譯の啻に玄奘に最も適󠄁した事業であつたのみならず、その後世の學者を裨益する大なるもののあつたことは、到底教義祖述󠄁の比ではなかつた。玄奘は此點に於て亦洵に能く己を知るものといはなければならぬ。

玄奘は實に古今に獨歩し、東西に倫を絶した大翻譯家であつた。但その譯する所の部數卷數に至つては、古來其傳ふる所區々にして、一見人をして何れの果して眞なるかを判定するに苦しましむるものがないではない。

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出典 『東洋文化の研究』(松本文三郎 大正15年 岩波書店)
国会図書館デジタルコレクション(下の画像も)
なお、玄奘関係部分の目次は以下の通り
 玄奘の研究
  一 偉人玄奘
  二 玄奘三藏の寂年に就いて
  三 玄奘の著譯書に就いて

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大旅行家にして大翻訳家の玄奘(三蔵法師)は、皇帝の命により、西域記を作ったが、実際に筆を執ったのは弟子の辯機だという。玄奘にとってはおびただしい経典を漢訳するプロジェクトを編成し指揮するほうが、急を要することだった。予算獲得のための方便として西域記を皇帝に与えたのかもしれない。


2019年8月26日月曜日

翻訳家としての玄奘三蔵を知りたくて資料を捜してみた

二日目の朝日新聞朝刊の付録に、山折哲雄さんのエッセイが載っていた。そのなかで、玄奘がインドの旅から帰ってきて、長安で、持ち帰った大部の経典類を、翻訳した話に触れられていた。古代サンスクリット語から漢文に翻訳するチームを編成して、その指揮を取っていたとある。

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これを読んで、翻訳家としての玄奘三蔵に興味が湧いた。『大唐西域記』や『西遊記』に描かれた、旅行家三蔵のことしか頭になかったが、実は旅行から帰ってからの、「その後の人生」のほうが、大変だったのではないだろうかという考えからだ。

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見つかる限りの資料に、あたってみた。国会図書館デジタルコレクションでは、この本の記事が詳しいようだ。
『東洋文化の研究』(松本文三郎 岩波書店 大正15年)
これは、あとでOLD REVIEWSにしても良さそうだ。


三蔵死後、書かれた伝記もある。大正新脩大藏經にある。これは、どうも基本文献らしく、多くの記事はこれに従っているように思われる。
検索のキーワードはこの画像中のものを使った


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昼食後、思い出して、『玄奘三蔵』(前嶋信次 昭和27年 岩波新書)を、物置から掘り出した。最後の20ページ強が、「譯經」という章で、割と詳しく訳業のことを伝えている。皇帝の援助があり、数十人の学僧が三蔵の手助けをした。かなり、強力なプロジェクトだったらしい。皇帝は、三蔵の識見を買っており、たびたび還俗して政務補佐をするように求める。それを断りつつ、プロジェクトを推進するのは大変だっただろう。


翻譯の詳しい議論は書かれていない。

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『玄奘三蔵』のあとがきに、いくつか欧文の参考書が紹介されている。

まず、
Histoire de la vie de Hiouen-Thsang, par Hoëi-Li et Yen-Thsong, tr. par S. Julien
これは稀覯書であると、前嶋博士はおっしゃっている。Internet Archiveで見つけた。


次に、
The Life Of Hiuen Tsiang, by Beal,Samuel
これもInternet Archiveにある。

そして、1952年の
The Real Tripitaka and other pieces
これは源氏物語翻譯で有名なArthur Waleyの著書。Kindle本になっている。安い。

ただし、この3つとも、旅行家としての三蔵はよく描いているが、翻訳家としての三蔵の記述は少なめだ。

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まず、「大正新修大蔵経」とにらめっこしたあとで、『東洋文化の研究』をOLD REVIEWS化して勉強し、そのなかから、翻訳家玄奘三蔵の姿を明らかにする文献を探さなければならない。翻訳学(ってあるのか?)の立場からの論文も捜してみるべきか。
空海の視点から調べるのもありかもしれない。

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今日は涼しくて勉強に向いた気候になってきたと感じた。長安も涼しいのだろうか。

2019年8月25日日曜日

「日記」を読むのが好きな私にとってはもってこいの、ネッド・ロアム(Ned Rorem)。

今朝、Twitterで見つけた(The Paris Reviewのツイート)、ネッド・ロアム(Ned Rorem)という人に、興味を持った。なにしろ、「音楽家で、日記家」というオモシロイ表現で紹介されている。

私は知らなかったが、米国では高名な音楽家らしい。ロアムという変わった姓は、ノルウェイ起源らしい。音楽では、今日のところは、これ(Rorem: Piano Album I & Six Friends )が気に入った。

興味を持ったのは、彼がたくさんの日記を出版していること。1923年生まれだが、パリへの「音楽留学」時代を始めとする、いろんな時期のDiaryがたくさんある。多くの有名人たとえばジャン・コクトーやバーンスタインなどと、「親密に」付き合い、その様子を赤裸々に書いている。そして、その日記は文学性が高いだけでなく、すごく面白そうだ。

今朝のツイートには「“All literature is a diary. So indeed is all art.” —Ned Rorem」という引用がされている。これは読む価値がありそうだ。

Kindle Unlimitedで数冊読める。Internet Archiveでも数冊見つけた。残念なのは、日本語訳が見つからないこと。



すでに、96歳で、現役は退いているらしいが、ニューヨークに住んでいるらしい。New York Timesの2018年の記事はここ

2019年8月24日土曜日

『炎のスプリンター 人見絹枝自伝』を読了

今朝の林檎。シナノレッド。昔からの品種らしいが、私は初めて食べた。なかなか美味しい。


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『炎のスプリンター 人見絹枝自伝』を読了。
317頁。アムステルダム800m銀メダルの疲れがやっと癒えて、1929年は好調をとり戻し、六種類の世界記録をマーク。全盛期、いや最後の輝き…
1930年、若手を連れてヨーロッパに遠征。皆の遠征の資金集めに奔走してそのまま出かけ、シベリア鉄道で「風邪」をひいた。体調が優れないまま、若手を鼓舞しつつ大活躍した。疲労の極致。帰りは船旅だったが、体調は戻らず、帰朝直後から、各地で報告講演に飛び回る中で肺炎で倒れる。
入院して闘病したが、翌年8月2日に死去。奇しくも3年前にオリンピック800mで銀メダルを獲得したのと同じ日付。

女子選手の草分けで、物心両面で苦労したのだが、今の選手達も多かれ少なかれ、同じように苦労しているのではないだろうか。

2019年8月23日金曜日

137億年の歴史を持つ宇宙において、ごく短い生涯の中で頑張る人間が居る

ADS(Astrophysics Data System)のヘルプページを見つけた。でも、これを一から読むよりは、実際にADSを使ってみて、使用上の疑問を解決したければ参照するほうがよさそうだ。これは多くの事例にも、似ている。

ハッブルの1929年の有名な論文を捜してみた。
「A Relation between Distance and Radial Velocity among Extra-Galactic Nebulae」。系外銀河への距離とその遠ざかる速度との関係を大胆に、リニアであると推測した。距離は系外銀河のなかの変光星の変光周期からリービットの関係則で導き出した。(それと、銀河の絶対光度)。速度は赤方偏移からだ。リニアな関係の比例定数が問題で、その逆数をとると宇宙の年齢137億年になる。
大大大発見!その論文を簡単に捜して読める。(というのは言い過ぎで、『現代天文学史』の助けを借りたのだが。)

ハッブルは1923年頃から、これに関連する観測をしている。

ADSでこんなページも見つかります。

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『炎のスプリンター 人見絹枝自伝』(1983年 山陽新聞社出版局)を読み始める。130ページまで。1926年第二回万国女子オリンピック大会(スエーデン)に参加して、好成績を残す。初めての参加で、日本から行ったのはは彼女ひとりのみ。短い日程でたくさんの種目に出ざるを得ない、その中での好成績は立派だった。円盤投げなど、現地に行ってから本格的に習って、コツをギリギリ直前に掴んだとある。運動神経も抜群だったし、なによりも努力家で機転もきいたらしい。

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1926年にはハッブルは、自分では大発見したという自覚を持っていただろう。

2019年8月22日木曜日

Astrophysics Data Systemは強力。アマチュアでも論文を簡単に検索・閲覧可能だ。

『何でも見てやろう』を読了。後半は、アジアを無銭旅行する話になる。インドの路上で寝ながら、人間の生活を考える、これが後の小田実の言動の一つの拠り所となるのだろう。あとがきに、編集者坂本一亀の名前も出てきた。

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昨夜、「天文月報 9月号」で読んだ、小暮智一へのインタビュー記事で、『現代天文学史』の執筆の話が出てきた。『現代天文学史』はたしか2016年に、自分で教科書と決めて春から夏にかけてメモを取りながら読んだ。そのあとがきを、また読んでみたら、インタビューで述べていたとおり、ADSで天文学者達の論文を検索して、読みながら執筆したとある。

ADS(Astrophysics Data System)のサイトに行ってみた。

Leavittさんの論文を検索してみた。もちろん、色々出てくる。

論文のひとつ。(pdf)

「OCR ONLINE」でデジタル化してみた。

以下、電子テキスト。ほとんど変換ミスはない。数カ所修正。
The forty-eight photographic sequences which are tabulated in the following pages complete the standards of magnitude for the Astrographic Catalogue, of which the earlier portions, including a description of the plan of the work, were published in Nos. 1 and 7 of this volume. The form of the table is similar to that used in the preceding papers. The heading of each section gives the center of the region for 5900.

The first column gives the designation of the star in its order in the sequence; the second contains, for the zones at —31°.5, —40°.5, and — 51°.5, the number in the Cordoba Durchmusterung, and, for the zone at —64°.5, the number in the Cape Photographic Durchmusterung. The number of the Durchmusterung zone is the same as the declination in the fourth column, unless it is printed in italics to indicate that the number expressing the degrees of declination has been changed owing to precession. The minutes of right ascension and the declination are given in the third and fourth columns. The hour of right ascension can be readily inferred from the position of the center of the region.


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『現代天文学史』を道案内にして、いくつか論文を読んでみて、このブログで紹介してもいいなと、思い始めた。時間はかかりそう。

2019年8月21日水曜日

『宇宙文明論』(アーサー・C・クラーク)の強力な科学解説力を学びたい

『何でも見てやろう』はまだ読み終わらない。小田実はあこがれのギリシャにやってきた。ギリシャ語をしゃべると、ギリシャの人の対応がガラリと変わる。
317頁に、森有正とあった話が書いてあるが、あとで森有正の本を調べて裏を取りたい。「西洋」をいかに学び取るかの話。

『宇宙文明論』(アーサー・C・クラーク 山高昭訳 1965年 早川書房)をななめ読み。当時はスバラシイ未来論のような気がしていた。今となっては古びたところもあるが、科学の進歩を、専門家にも一般大衆にも魅力的に解説する手法は学ばなくてはいけない。ひとつの文章で両方やるのはすごい技だ。


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連日の片付け作業の疲れで、たっぷり昼寝をしてしまった。その前に、2ヶ月ぶりにS(床屋)に行く。ホームに入っていた父上が亡くなられたそうだ。合掌。

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近所のマンションの工事だが、昨日建前のセレモニーをしていたけれど、今日から本格的に工事がはじまった。騒音や埃はイヤだが、「働く自動車」が何種類もやってきて動き回るのを見るのは楽しい。これとは別だが、鉄道の定期的夜間工事もベランダからよく見えるので、実は楽しみにしている。

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ALL REVIEWSでコワーキングスペースを神保町に作らないかという、夢のような話があり、こちらにも熱中しそう。実現できるかは不明だが、神保町なら、タダで宿直してもいい(*^^*)

2019年8月20日火曜日

『何でも見てやろう』…を一日100円でやったのはエライ

『何でも見てやろう』。
253頁。
マドリードでは安いユースホステルに泊まる。一日100円の生活。
宿泊料は70円。夕食をとれば90円(メニューはスープ 、シチュー、 オレンジ、葡萄酒小瓶とパン食べ放題)でなかなかいい。
カネがなくて夕食を食えないルームメートには、食べ放題のパンを部屋に持ち帰ってやる。宿泊料は退去時に払うが、カネがなければ半額にしてくれることもある。トイレは「トルコ式」だったそうな。北欧以外は実はそれが多かったのだそうだ。

『スポーツマン金太郎』。「完全版」の最後まで読んだ。大リーグからも天才少年タイガーが来る。デトロイト・タイガースに入団する予定だが、その前に日本で小手調べ。スイッチヒッターで、桃太郎や金太郎と対決する。驚いたことに、桃太郎はスイッチ・ピッチャーとなって対戦する。タイガーは一シーズンで帰るのだが、友情が湧いた桃太郎と金太郎を大リーグに誘う。というところで終了。面白かった。当時のスター選手たちの名前が懐かしい。

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昨日の片付けの後始末を午前中行った。片付けの副産物で発掘したもの。
(1)書道セット。
(2)新書版の本数十冊。
(3)K木(旧姓H科)さんが発送してくれた荷物(定年退職時の私物ノートや88年の英国での研修受講の記録など)。
研修会場Woodlands Park Hotelは豪華だった\(^o^)/
片付けは安上がりのレジャーだ。本の詰まった重い箱を動かすので体力もつく。

2019年8月19日月曜日

本の発掘は面白くてやめられない

『何でも見てやろう』は、244ページまで読んだ。まだあまり有名でないロブ=グリエとパリで会って話をしているところ。「相対主義」の大家は加藤周一だと思っているが、小田実もそのような気がしてきた。

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物置部屋のクローゼットを開けて、いらないものを捨て、手前に散乱している芥もくたを押し込もうと算段し、取り掛かったが、今日一日では終わらなかった。明日もやらなくてはならない。エントロピーを下げようとしているが、今はエントロピーが局所的に増加している。仕方ない。

いくつか本のダンボールを見つけて開けてみた。何冊も、捜していた本を発見して喜ぶ。書棚に全部本を並べれば、この苦労はないし、シゴトの効率も上がるのだが。

でも、下の写真の本が一例だが、再読したくなっている本を見つけるのは、この上ない楽しみとも言える。



将来読まなくても良い、と思える本は、今度、「みちくさ市」でうってみようと思った。

そして、「終活」というコトバも頭の片隅をよぎる。それよりも、義父の持っていた社会主義、共産主義関連の多量の本を整理したいという気持ちのほうが強い。まずリストを作らなくては。

2019年8月18日日曜日

「シナノリップ」は初めて食べた早生林檎だが美味い

今朝の林檎。「シナノリップ」。長野産で、昨年から市場に出るようになった新品種らしい。早生林檎なのに、赤く色づいて、果肉はしっかりとしていて、甘酸っぱい。期待できる品種。


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『スポーツマン金太郎』。読み続けたが、金太郎と桃太郎は有名人になって、放送番組にも出演するようになった。そこで、横綱「白鵬」関に会うのだが、この白鵬って…。巻頭の初出を調べると、1962年正月に少年サンデー掲載だから、執筆はたぶん1961年。今の横綱白鵬は1985年生まれなので、無関係のはずだ。大鵬の名前から思いついて、寺田ヒロオさんがつけた名前だろう。慧眼と言うべきか。

桃太郎は三原監督を慕って、大洋ホエールズに入っている。二人の対決場面が増えて、面白い。なお、ジャイアンツのV9は1965年シーズンからで、この頃はまだ、弱い。ただし、「哲のカーテン」はすでにこの頃から始まっていたらしい。

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『何でも見てやろう』(小田実 1979年 講談社文庫)は半分まで読んだ。執筆時期は1960年。小田実は1932年生まれ。庄司薫は1937年生まれ。どちらも私より一回り以上年上だ。彼らの書いたことと、書かなかったことを分析すると、戦後日本が得たものと、得られなかったものが浮き彫りになるような気がしている。小田実は最後まで書き続けたが、庄司薫は実質的に筆を折っている。サリンジャーとの関係も考えたい。

明日は、物置部屋のクローゼットを片付ける予定なので、ついでに庄司薫の作品を、発掘するつもりだ。単行本はほぼ全部あるはずだ…。小田実の作品は、最寄り図書館に100冊くらいあるので、それを借りれば良いだろう。

2019年8月17日土曜日

読書の能率が落ちてきた

暑い。日中は外に出ないことにしたい。でも、やむを得ず、朝は大量の燃えないゴミだし。夕方は買い物へ。

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暑い中で読むには、気楽なマンガがいい。昨日から読み続けている『スポーツマン金太郎』。
ストーリーが進行したら、金太郎と桃太郎はどちらもジャイアンツに入り、打順が一番桃太郎、二番が金太郎となる。ちなみに三番は王、四番が長嶋。監督は最初水原で、すぐ川上になる。
金太郎も、桃太郎も、万能で、野手も投手もできる。二年目には、なんと金太郎と桃太郎ははバッテリーを組む。しかも投手と捕手で互いに交代したりする。
脇役として登場する野球選手の名前が皆なつかしい。藤田、伊藤、中村稔、別所(コーチ兼任)、堀本、坂崎、与那嶺(後に中日へ)、森(中日)、スタンカ(南海)、桑田(大洋)。
ベロビーチでのキャンプにも同行する。大リーグのチームも彼らに興味を示す。

まだ、全体の半分くらいにしかなっていない。五冊目。

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『創造と狂気の歴史』。今日は第二章「アリストテレス メランコリーと創造」を読む。でも、「常識人」アリストテレスは狂気や創造にはあまり興味なかったかも。ともかく、プラトンの「狂気」から、「メランコリー」へと興味の対象が進んでいく。

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夕方、買い物ついでに、図書館で四冊借りた。『何でも見てやろう』は「すぐ読み」かも。

2019年8月16日金曜日

『スポーツマン金太郎』(寺田ヒロオ)…なつかしいです

もう秋かという感じの、夕焼け。でも明日は、今年一番の暑さだとか。


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『スポーツマン金太郎』(寺田ヒロオ)の、「完全版」と称するものが、Kindle読み放題に出ていたので、読んでみた。ちょっとのつもりが、数冊になった。全部読まないと眠れないかもしれない。


1959年から「週刊少年サンデー」に連載されはじめたということなので、リアルタイムに読んでいたはずだ。金太郎が投手になったときに、クマが専属のキャッチャーになるのが面白かった。そして、ジャイアンツに入った金太郎と、西鉄に入った桃太郎と、クマ以外の球団関係者が、あまり本人に似ていないのも愉快。でもこれは、リアルに成りすぎないように、わざとそうしたのかもしれない。彼らは、実在の人物らしく、迷ったり失敗したりする。

ともかく、子どもがプロ野球に入って、大活躍するという夢のような物語で、昔読んだときの楽しさをそのまま思い出した。

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今日は、2つあるクローゼットのうちのひとつを整理し、まわりに散乱していた衣類を片付けた。そのためには、クローゼット中の不要物を分類して、燃えるゴミと資源ごみごとに、専用の袋に入れる。一日やってなんとか目鼻がついた。つまり、家の中の至るところにゴミ袋が置いてある。明日は燃えるゴミ、明後日は資源ゴミの収集日なので、忘れずに出さなくてはならない。

エントロピーがかなり減少した\(^o^)/

2019年8月15日木曜日

『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』を読んでも凡人の自分には創造はムリ

『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』(松本卓也 2019年 講談社)を読み始めた。きっかけは、漱石・ロンブローゾ(『天才論』)あたりにある。今思いついたが、『魔の山』もそうなのだろう。

書いてあることは分かるような気がするし、すらすら読めるのだが、本を閉じると、何が書いてあったのか忘れている。狂気度が足りないのだろう。予備知識もない…

仕方ないので、普段はやらないが、メモを取ることにした。

「はじめに」。「クレイジー」なジョブスの例が顕著なのだが、「創造性と狂気は紙一重。これはジョブスの師、ブッシュネルの主張。西洋思想史をたどると、プラトンやアリストテレスの時代から、この考え方は存在する。

「第一章 創造と狂気の関係を問う」。「クレイジー」な、つまり病的ではない(ジョブスのような)人だけではなく、実際に精神障害を患っていた人々にも、優れた創造性はある。精神病には「プラスの恩恵」がある。たとえば、草間彌生さん。統合失調症の症状を持つ。このあたり、「病跡学」で研究された。例、ヤスパース。そしてロンブローゾ。

「第二章 プラトン」。プラトンはおそらく「はじめて」「創造と狂気」という問題を考えて、書いた(話した?)。『イオン』、『パイドロス』。

なるほど。(わかったつもり…。)

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午後、息子様夫妻がいらしたので、スキヤキなどごちそうする。おみやげの農口研究所(正しくは「農口尚彦研究所 純米 無濾過生原酒 五百万石 2018 720ml」がうまい。イタリア産とか言うブルーチーズ(これもお土産 )を合間にかじるともっとうまい。

一方、物置部屋の荷物(本人の)を片付けてとお願いしたが、結果的にはエントロピーが増加しただけ(T_T)

2019年8月14日水曜日

OLD REVIEWS試作版第二十三弾…『最新女子陸上競技法』(人見絹枝)自序


こんな事はわけなく出來る、自分の思ひのまゝをペンで表したらいゝのだからと思つたのが大間違ひでいよいよ書き出して稿をすゝめてゆくと色々な面倒が起󠄁って困つた。書き出す動機には色々ある。『近頃體育に關係した特にスポーツに於ける雜誌及書籍はとても多く發行されて居るが女子のみときめられた物は數える程でしかもそれは男子の方があまり女子を弱󠄁く見た爲か小供のする樣な方法で少しもその眞底迄つき入った研究と體驗のない爲一寸指導󠄁者及び競技者に滿足を與へる事がうすい樣に思はれてならなかつた。そこで私は大家の女性に對する大書を發行してほしいと思ふ反面自分の無經驗、無智を反省もせずに稿を起󠄁して見たのである。いよいよ出來上つて見ると内容の平凡なのに驚いて今一度書き直そうと思ったが發行の時日と各方面でいそがれる爲にそのまゝに殘念ではあつたがする事にした。挿入の寫眞は女子のもので滿たそうとしたが、女子の之と云ふ完全なホームのない爲不調和とは思つたが世界一流の男選手の姿で埋め合す事にした。本文の諸規則は大正十四年十二月改正の最も新しいものを入れて置いた。

此の本全部を通󠄁して自分の經驗が八分書物による研究が二分と云っても良い位なので讀者皆樣の頭にどんな感じを致すか………反って惡い結果を與へはしないかと心配して居るがその所は小者私事をお導き下さらん事をおねがひして止まない。もし現今流星の勢ひですゝみゆく女子競技界に少しでもお役に立てばどんなにうれしい事だらう。………小書發行に色々お骨折下さつた野口、高見深、兩先生に厚く御禮を申し上げる次第である。又文展堂の御主人のかくれた大きな御骨折、光有館の御主人,印刷所皆さんの御骨折も著者をしてどんなに心うれしくその進行をはげましてくれた事かと御禮申すわけである。

又恩師二階堂トクヨ先生の御はげましの言葉も忘れ得ぬ思ひ出である。出版の喜びと共に右皆樣の御骨折を厚く感謝する。
一九二六、四、一五
武藏野に春たつ頃
人見絹枝識るす

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出典 最新女子陸上競技法 人見絹枝著 1926年 文展堂書店 
国会図書館デジタルコレクション


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人見絹枝はこのあと、1928年にアムステルダム・オリンピックで、銀メダルを獲得。
その前後に、国内外で素晴らしい記録を、各種競技で出していた。この本にも陸上競技全般に関する文章が満載されている。1931年、過労がたたり、病没。24歳。

2019年8月13日火曜日

映画「シャイニング」の、「シャイニング」の意味がやっとわかった

『献灯使』、残りの作品を全部読み終えた。

「不死の島」。「彼岸」。どちらも、「献灯使」に関連するエピソードと言える。災害後の日本に残るのも、出ていくのも地獄的。『日本沈没』も思い出してしまった。

「動物たちのバベル」。大洪水後に動物たちだけが生き残り、会話をかわし、「バベルの塔」も建てようとする。そんななか、生き残った人間が…

挿入されている絵もまた、迫力を感じさせる。

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以下、かなりネタバレなので、まだの方は、読まないでください。



タイプライターというキーワードで調べていたら、映画「シャイニング」もヒットした。短縮バージョンらしいが、Amazonプライムで観た。怪談だが、お盆なので丁度いい。売れない作家を演じるジャック・ニコルソンが熱演・怪演。怖いストーリーなのだが、子どもが準主役でもあり、死ぬほど怖くはない。子どもは超能力(「シャイニング」)を持つが故に、危機を招くが、助けも呼べる。
タイプライターはたしかに出てくる。そして、ジャック・ニコルソン扮する作家が、「仕事」と称して延々とタイプしていたのは、
「All work and no play makes Jack a dull boy」
というフレーズの繰り返しだけ。

ここは少し身につまされる。5ヶ月間の冬ごもりで、これしか書けなかったら、頭がおかしくもなるだろう。

まったく独立に読み、かつ観たのだが、『献灯使」のほうが、「シャイニング」よりずっと怖い。本質的な怖さ。

(後記:翌日ググってみたら、
KUBRICK.Blog.jpさんに、このタイプライター(ADLER)の素性が書いてあった。)
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ALL REVIEWSのシゴト、書誌編集を少しやってから、買い物ついでに、図書館で一冊借りてきた。


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夕食は、お盆なので、というよりは家計を考えて、精進料理。まずまず満足。ご近所からいただいた北海道産トウモロコシも美味しかった。

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8月3日からご滞在の若いアシダカグモくんは、本日昼、外に出たがったのでドアから出ていただいた。一回戻ってきたので、丁重にまた外に誘導した。これは今朝の写真。

2019年8月12日月曜日

やや熱中症気味

『献灯使』収録作の第2番目を読む。「韋駄天どこまでも」。地震の影響で郊外に避難する話。最後に避難中の主人公が避難所の学校の校庭をなぜか走る。

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自治会の用事で贈答品を購入するために、新宿の伊勢丹へJとでかけた。品物は決まっていたので、すぐ買い物を済ませて、昼時だったので、久しぶりのとんかつ定食。柔らかいしジューシーな肉。うまい。年に一回は食べたい。キャベツや大根おろしはお替りしたが、飯はしなかった。胃袋が小さくなったと見える。

デパートの中は買い物というより、涼みに来ている人が多そうだ。ひらひらしたワンピースなどが多く、目の保養にはなる。

行き帰りの電車で、堀江敏幸さんの『子午線を求めて』の文庫本を一部再読。自分の本は、書き込みができて便利だ。バンド・デシネのタンタンのことも書いてあるのに気づく。鉛筆で印をつけておいた。


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帰ってきたら、疲れて、昼寝した。(いつもと同じか?)
暑気あたり、または人あたり。

2019年8月11日日曜日

『献灯使』とトーマス・ウルフのレミントン・タイプライターに、ことばの可能性の極致をみたい

『献灯使』のなかの表題作を読み終えた。
この作品について、講談社のサイトで、作者の多和田葉子さんが、ロバート・キャンベルさんと対談している。そのなかで、印象に残った話。著者は「正体不明のじめじめした暗い恐怖が広がって、「怖いからやらないでおこう」という自主規制のかたちで、人間としてやらなければならないことを誰もしなくなるような恐い時代」がくる。これはもうすでに来ているかもしれない独裁制だという。

最近の事件、たとえば札幌での警察のふるまいなどを見ると、多和田さんの言う通り、ジメジメした独裁の時代が来ているのかもしれない。すべての記録をこっそり抹殺しようとしているのも、それに対して皆がおかしいと思いながらも声を上げられないのも、同じ状況だ。

すると、この小説は未来を描いた小説ではない。まさにじめじめどろどろした現実を「鮮鋭な」コトバで捉えた小説だ。素晴らしいコトバの使い手だ。


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トーマス・ウルフのことが気になって、ビデオをひとつ観た(A Story of the Buried Life - The Thomas Wolfe Memorial )。
そのなかで、彼の使ったと思われるタイプライターが写っていた。画面を超拡大してみると「レミントン」と書いてあるようだ。裏を取らないと。ということで、近いうちに二駅先の図書館に出向いてみる。彼のコトバにも引き込まれる予感がする。



2019年8月10日土曜日

「何でも見てやろう」の完全版を手配し、その間『献灯使』を読む

「何でも見てやろう」(小田実)を、『日本教養全集14 (1974年 角川書店)で読んだ。すぐ読み終えたので、おかしいと思って調べたら、これは抄録版だった。また、図書館システムで調べ直し、講談社文庫版を予約した。本当はオリジナルの単行本で読みたいが、私の図書館にはない。

電子版の全集が出ている。高いけど!

その抄録版でも、文章の活気と面白さは伝わってくる。ここに編集者坂本一亀は目をつけたのだろう。途中で、留学中に漢字を書いて周囲に尊敬されるという場面が出てくる。小田実はいつも坂本一亀に悪筆を叱られていたのだが、皮肉なものだと言っている。

冒頭で、小田実はトーマス・ウルフを愛読したと書いている。私は読んだことがない。少し興味深い作家なので、本を捜した。ほとんど図書館にはない。古すぎる。かろうじて相模大野図書館に処女作の文庫本があった。来週借りに行こう。英語版は、オンラインで読める。たとえば、ここ。カナダらしい。なにしろ、ものすごく長いので英語版を読み切ることは100%ないだろう。眺めるだけにしよう。
トーマス・ウルフの編集者もちょっと有名らしい。要調査。


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『献灯使』(多和田葉子 2014年 講談社)を読み始める。表題作の半分まで。ペシミスティックでファンタジックなSFとも言える。文章の端々に思考の力がみなぎっているのがスゴイ。

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今日の昼食は昨日に続いて、ひやむぎ。しょうゆのつけ汁には飽きたので、きゅうりをおろして、鰹節や、小ねぎなどまぜ、薄口醤油を少しだけたらしたものに、麺をつけて食べたら、なかなか行ける。

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夕方の淡い夕焼け。駅前にて。秋の気配。



2019年8月9日金曜日

『母の記憶に』(ケン・リュウ)を読み始めたが…



『母の記憶に』(ケン・リュウ 古沢嘉通他訳 2017年 早川書房)を読み始める。短編集。2段組、526ページ。大部だ。

「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」。「1907年の満州(もちろん別世界=蛇足)」での機械馬を操る帝国軍の話。

「草を結びて環(たま)を銜(くわ)えん」。1645年の揚州での鳥の化身の遊女のお話。満州族はこの仮想世界でも侵入してくる。

「重荷は常に汝とともに」。未来の宇宙植民地ルーラでの話。とりあえず、ななめ読み。

「母の記憶に」。宇宙飛行士(?)の母親よりも娘は先に歳をとる。ウラシマ効果。

SFとしては申し分ないが、「紙の動物園」のほうが、詩情豊かさで、勝っている。全部読めるかなあ。

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バンド・デシネの文字起こしは一応提出とした。

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昨日の藤井太洋さんの短編の影響でブロックチェーンに関するビデオを捜して観てしまった。藤井さんの作品を読むほうがわかりやすい気がする。それと、Libraのビデオも。

今日も暑い。

ALL REVIEWSの目指す、出版・販売業界へのテコ入れは、従来の「カネ」の世界ではなく、仮想通貨やブロックチェーンの世界でやるのが良いと思えてきた。

2019年8月8日木曜日

『ハロー・ワールド』(藤井太洋)を読了\(^o^)/ 



『ハロー・ワールド』(藤井太洋 2018年 講談社)を一日で読み終えた。このような最近の作品を読むのは珍しい。先日、『三体』の出版記念イベントで、大森さんと話をする颯爽とした藤井さんを見て、これは、作品も面白かろうと考えた。そして、読んでみたら、期待通りだった。主人公は仕事の連絡にSlackを多用する。

以下、かなりのネタバレだが、結末はあかしてないのでご容赦。自分用メモ。

「ハロー・ワールド」。広告ブロッカーアプリを開発する主人公、文椎泰洋(ふずいやすひろと読む、もちろん著者の分身だろう)の、ネット社会での冒険譚。

「行き先は特異点」。新型ドローンをサービスする文椎泰洋が米国でGPSトラブルに遭遇する。

「五色革命」。同じくドローン技術者の文椎泰洋がバンコクで革命騒ぎに巻き込まれる。

「巨象の肩に乗って」。文椎泰洋は友人の助けも借りて「マストドン」を改良し。絶対に検閲を受けない「オクスペッカー」を開発。爆発的にユーザーが増えるが、警視庁がこれを嗅ぎつけたので、日本を脱出する。

「めぐみの雨が降る」。オクスペッカーで有名になったが、中国の干渉を受ける。それにめげず、新しい仮想通貨システムとベーシックインカム制度を考案。

藤井太洋さんはソフトウェア会社に勤めておられたようで、かなりというか私の千倍くらい、ITに詳しい。この本を読んだおかげで仮想通貨システムがなんとなくわかった気になった。ITに縁のない人が、これらの作品を読んだらどう思うのか、興味がある。

道具立てにどうしても興味がわくが、権力に屈しない主人公の姿勢が、著者の書きたかったところだろう。

とにかく、楽しかったので、別の著書も予約してしまった。

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昨日の夕刊を朝、某所で、読んで、UDフォントというものの存在を知った。モリサワの無償版をインストールしてみた。なるほど、読みやすい気がする。しばらく、原稿書きとブラウザのフォントとして使ってみることにした。

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ALL REVIEWS友の会の文字起こし作業は、一応担当分の最後まで済んだ。今日と明日見直して、明後日提出する。予定通りだ。

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夕方の空が面白いことになっていた。


2019年8月7日水曜日

『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』は年寄りには面白く懐かしい内容だ


『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』(田邊園子 2003年 作品社)を読了。坂本一亀は河出書房(新社)の名物編集者。田邊園子はその部下だった。坂本は軍隊経験者で大変なワンマンで、部下はもちろん、作家も平気で叱り飛ばしたらしい。職場はブラック。残業はさせるが、手当などつけない。本人も同じなので、部下は非常に困ったらしい。彼の目的は、読者に良い本を届ける、それだけ。あまりにも正しい生き方なので、文句のつけようがなかったようだが、周囲は苦労するし、自分も体をこわす。

彼が手掛けた本の著者の、作家たちがたくさん出てくる。印象に残ったのは、三島由紀夫、中村眞一郎、小田実、辻邦生。小田実のベストセラー『何でも見てやろう』は、坂本が書かせ、しかも三度も書き直させた。辻邦生の出世作『夏の扉』もやはり、三度書き直させたらしい。『辻邦生作品 全六巻』の「夏の扉」収録巻の折込付録をみると、やはりそのことが出てくる。辻邦生は人柄がいいので、おかげで良い作品になったと感謝している。他の作家はたいてい、喧嘩している。ただし、弔辞などでは、坂本に感謝していたらしい。

これに目をつけて中村に書かせたのか

これこそ、河出書房新社の…
坂本龍一は彼の一人息子だった。そして、田邊にこの「伝記」を書いてくれと頼んだ。坂本一亀は、資料提供は断ったが、埴谷雄高の後押しでなんとか書き終えた田邊の原稿には眼を通してくれたとある。これも編集者の眼で見たのだろう。

巻末に年表がついている。年ごとに、その年の売れ筋作品が載っている。これをざっと眺めたが、1974年までの作品は読んだことがないものもあるが、ほぼ知っている。一転して、1974年以降、すなわち、私の就職以降の作品はほとんど知らない。会社員に徹しちゃったわけだが、今思うとこれはいかにも残念だ。大げさに言えば、失われた40年。最近、復活したわけだが、このブランクは大きい。取り返しがつかない。
何かを得るためには、何かを捨てなくてはならないのが人生だ。

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鹿島さんと原さんの「バンド・デシネ」のイベントの、トークの文字起こし、担当分(15分)を、午前中で一応最後までこぎつけた。あとは、手直しだけ。
聞いていただけでは分からなかったことが、分かるようになった。いい勉強になった。


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夕方、健保組合に扶養者状況届けを送った。そのために、昼前に、Jの非課税証明書を市役所(分室)に取りに行ったが、暑くて難儀した。帰りにアイスキャンデーを買ってきて、シャワーを浴びたあと食べる。まあ、よく言うと、夏の醍醐味。

2019年8月6日火曜日

『これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得』を読んだ

広島原爆の日。核廃絶は急務。

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『これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得』(荒木優太 2016年 東京書籍)を拾い読み。
多くの異色の「在野研究者」が要領よく紹介されている。序文(エリック・ホッファーの紹介を兼ねる)とあとがきと、三浦つとむ・森銑三・南方熊楠・橋本梧郎(植物学)たちの紹介を読んだ。大学などに居るよりは「在野」で好きなだけ時間を使うほうが、精神衛生上もいいだろう。なにより、業績があがりそうだ。もちろん、大規模な実験や観測が必要な基礎科学などに関しては別だろうが。
しかし、結局はあとがきにあるごとく、「この世界には、いくつもの<あがき>方がある…」と思う。そして、インターネットという武器がある現代の在野研究者は恵まれているといえよう。
冒頭に紹介されている、「在野研究の心得」40項目が面白い。著者は有島武郎を専門とする、在野研究者。

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私は、今日はほとんど「在野研究」が出来なかった。Jの手伝いで町内会のイベントのチラシを200枚作成・印刷したため。すったもんだの末、結局買ったばかりのプリンタ本体はきちんと動作したが、150枚ぐらいでインク切れを起こして、途中で近所の店にスペアを買いに走った。熱中症になりかけた。
今、調べたら、Amazonさんで買うと300円安い。少し無念。

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夜、19時44分頃、北西から南東に向け天頂近くを通る、国際宇宙ステーションを見て、ちょっと気分がよくなった。

全英女史オープンで優勝した若いゴルフ選手の笑顔をみて、なおさら気分がよくなった。