2021年2月28日日曜日

嘘ではなく本当に『トーマス・マン日記』をまたはじめから読み始めた

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

最近凝っている、Internet Archiveで。

Brandenburg Concertos (Complete)

https://archive.org/details/lp_brandenburg-concertos-complete_johann-sebastian-bach-karl-mnchinger-stutt/disc3/06.03.+Brandenburg+Concertos%2C+Vol.+1+No.+6+In+B+Flat+Major+(Bwv.1051)%3A+3rd.+Mov.%3A+Allegro.mp3

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10時から12時まで、マンション管理組合総会の司会。ほぼ思い通りに出来た。追加で、一昨年末から新たに着任したN管理員さんの新型コロナウイルス感染対策への貢献も褒めさせてもらった。慣れない職場で戸惑うことも多そうだったが、これもきっかけにして楽しく働いて欲しい。

さすがに疲れて、午後はこたつで昼寝。

昼寝の前後で、『トーマス・マン日記』の第一巻を再度読み始めた。再度と言ってもほとんど細かい部分を忘れていて、初読にちかい。1933年、トーマス・マンはミュンヘンを追われて長い亡命生活に入る。その苦悩の描写が痛々しい。

この邦訳は1985年に出たのだが、トーマス・マンの死後30年しか経っていない。そして、ベルリンの壁がまだ存在し、ソビエト連邦ももちろん存在している。これが36年前の現実とは……。

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大河ドラマの後、鹿島茂さんのYoutube生中継のお話を聴く。
『大河ドラマ「青天を衝け」1~3話を仏文学者・鹿島茂先生が特別解説!』。アドレスは以下。アーカイブは誰でも観ることができるそうだ。

https://youtu.be/zDzehEJfWPQ


中で紹介された本は以下の通り。
『渋沢栄一 上下』(文藝春秋)
『渋沢栄一「青淵論叢」 道徳経済合一説』(講談社)
『文春ムック 渋沢栄一 道徳的であることが最も経済的である』(文藝春秋)
『渋沢栄一: 天命を楽しんで事を成す』(平凡社)

どれも読んでみたいが、お財布が(以下略)。
国会図書館デジタルコレクションで『青淵論叢』を読んでみることにした。

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1211829

そして、いよいよ「水戸学」についてもより深く知りたくなってきた。父(茨城県出身)の蔵書を手元に置きたい気もする。

それと、渋沢栄一と直接関係はないが、大河ドラマ第三回で出てきた、ラナルド・マクドナルドの事も調べたい。

https://archive.org/details/nativeamericanin0000scho/page/n14/mode/1up

理事長職を離れることができたので、いろいろやることができそうな気がする。(諸説あるけれど😊。)

2021年2月27日土曜日

BachのThe Well-Tempered Clavierはいつまでも聴いていられる、習慣性?

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

BGMとして聴いた。Internet Archiveで。

Bach Klavierkonzerte 1, 4 Und 5

https://archive.org/details/lp_bach-klavierkonzerte-1-4-und-5_johann-sebastian-bach-edwin-fischer-chambe/disc1/01.02.+Konzert+F%C3%BCr+Klavier+Und+Streicher+Nr.+1+D-Moll+BWV+1052%3A+Adagio.mp3


Bach: Six Sonatas For Violin And Harpsichord

https://archive.org/details/lp_bach-six-sonatas-for-violin-and-harpsichor_johann-sebastian-bach-robert-gerle-albert/disc1/01.01.+Sonata+No.+1+In+B+Minor+For+Violin+and+Harpsichord%2C+(S.+1014)%3A+Band+1.+I.+Adagio+II.+Allegro.mp3


The Well-Tempered Clavier:  Books One And Two Complete

https://archive.org/details/lp_the-well-tempered-clavier-books-one-and-t_johann-sebastian-bach-joo-carlos-martins/disc3/06.03.+Book+One%3A++24+Preludes+and+Fugues%3A+No.+24+In+B+Minor.mp3

バッハの麻薬的魅力がたまらない。特に「The Well-Tempered Clavier」。


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ついにマイナンバーカードを申し込む。スマートフォンで申し込むとすごく簡単にできるようになっていた。これは評価する。

でも、受取時には暗証番号を入れるために交付窓口まで来いというのは、どうかと思う。画竜点睛を欠くとはこのことだ。これもスマートフォンで出来るようにして欲しい。

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総会の準備。議案説明の検討、司会進行手順確認、会場レイアウト。

準備が整った。明日の司会進行で今回の理事長業務が終わると思うと嬉しくなり、夕食時に珍しく(正月以来か)発泡酒をいただく。一缶だけ。

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東浩紀『ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる』(中公新書ラクレ)を読む。オモシロイ。ALL REVIEWS運営の参考になるだろう。聴衆も育てる……というところがいい。



2021年2月26日金曜日

確定申告プロジェクトを起動しながら、懐かしいLPの聴けるサイトを発見する

やっとはじめた。普段より始動がかなり遅いのだが、いろいろ忙しい日々が続いたので仕方ない。

昨夜から準備を始めた。本日までの実績。

(1)必要書類を集める。

たいていは、入手するたび一つの引き出しに入れてある。健康保険組合から、医療費の集計を入手する必要はある。健保のHPに行ってみると、今年はxmlファイルをダウンロードして、医療費控除の入力時に使えと書いてある。ダウンロードした。(後記:結局このxmlファイルは使わなかった。どの時点で使うのかわからず、紙ベースでおこなった。)


(2)青色申告を廃止する手続き。

調べると次の3つを提出する必要がある。

1)所得税の青色申告の取りやめ届出書

2)個人事業の廃業届出書

3)給与支払事務所等の廃止届出書

これらは国税庁のページから書式をダウンロードして印刷した。


(3)上記3つは確定申告書を提出するときに、一緒に出せばいいのだろうが、少し自信がないので、税務署に電話で聞こうとしたが、話し中でつながらない。いいことにして、書類作成を来週月曜に開始する。2日もあればできるだろう。(追記:夕方もう一度電話し、サービス窓口の税理士さんに聞いたらそれでいいでしょうとのこと。)

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来週火曜日のメルマガ巻頭言原稿を書き始めた。題材は決まっており、昨日までのブログでメモは書き溜めてある。整理するだけ。

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少し気が楽になったので、音楽を聴くことにした。Twitterで教わったInternet Archive中のページに行ってみる。最近LPレコードのコレクションが充実してきた。ここはたとえば、ボストン図書館のLPレコード・コレクションをデジタル化して公開している。素晴らしい。一挙に自分のLPレコードが6000枚増えたようなもの。実物が6000枚あったら、自分の居る場所がなくなるが、これだと大丈夫。ディスコグラフィが充実しているのも楽しい。https://archive.org/details/unlockedrecordings?&sort=-addeddate&page=14

この時代のLPは懐かしい。

このサイトは、自分のブログの「読書、執筆環境」ページに追加した。https://hfukuchi.blogspot.com/2020/12/blog-post_4.html


2021年2月25日木曜日

校正には上手に削った柔らかい芯の鉛筆と良い消しゴムが必須だそうです

昨日借りてきた、メアリ・ノリス『カンマの女王』(有好宏文訳 柏書房)を読む。副題は『ニューヨーカー』校正係のここだけの話』となっている。


意外に饒舌な文章。そして英語の細かい話題には半分くらいしかついていけないので、参考になるというより、読み物として面白い。第10章の「鉛筆狂のバラード」は校正とは直接関係ないお話で、最も面白い。携帯型の2穴の鉛筆削りを愛用しているらしいが、普通色鉛筆用となっている側の穴は、芯を削るためのものとして使い、他方を木部を削るのに使うという。これは彼女の流儀だろう。校正作業で細かい字を読みやすく書くための工夫だろう。芯の硬さは「B」が良いとおっしゃる。


著者が出演しているTEDビデオも観た。

https://youtu.be/rToBZSrxjgM?t=6

本と同様に英語の校正の話をしているが、なかなかついていけない。

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マンション管理組合の理事長宛の報告書や、理事会議事録や、他の書類を整理した。余分な封筒などを捨てたが、ダンボール8分目くらいある。大きく分類し、そのなかは基本時系列にならべた。総会前の準備その1だ。

床屋に行き、仏壇の話や子供(や孫)の教育の話を一時間する。髪を整えたのは総会前の準備その2。

2021年2月24日水曜日

読者に深い影響を与える種類の書評にはエピソードが必要だろう

安野光雅『語前語後』(朝日新聞出版)を読み始める。著者は昨年末に亡くなったばかりだった。最近は訃報に接するとお幾つだったかを調べ、その歳に自分も寿命を迎えるとしたら、後何年生きられる勘定になるのかを必ず計算してみるのが癖になった。安野光雅さんは1923年生まれ、94歳没なので、計算結果はあと23年となる。20年以上あると少し安心し、10年以下だと不安になる。まだまだ修行が足りない。情けないけどこの癖が治らない。

著者自装のこの本には、雑誌に連載された数行から数十行くらいの短文のエッセイが多数含まれる。『エセー』に似ているが、内容は軽いものが多い。すらすら読める。ブログのようでもある。日記のようではない。軽やかな書き方が参考になるだろうという下世話な理由で借りた本である。

読んでいて楽しいが、本を閉じると内容をあまり覚えていない。数行の短い文章だと、内容を読者に刷り込むお話(エピソード)が書き込めないからだろう。事実や意見の羅列だけになってしまうからだ。これはこの本の価値を貶める話ではない。この本の目的、読んでいる間だけ読者を楽しませること、とは違うからだ。

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夕方、図書館に行き、更に6冊本を借りる。どれも予約していたもので、ALL REVIEWSやデジタル・ケイブでその存在を教えてもらったものばかりである。歳を加えてくると、新しいものに関心が持てなくなってきている。新聞や雑誌の書評記事などをなるべく読むようにしているが、知人や尊敬できる評論家からの口コミで紹介してもらった本は、気にいるつまり最後まで読む確率が高い。そしてその紹介にも「エピソード」が必要と思われる。若い人に講義をする時、実感していたと同じことだ、時には人工的に(講義中のゲームなどで)作ったエピソードを使う場合もあった。

これは「書評」にも通用する話と思える。

2021年2月23日火曜日

『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』で対談書評の面白さを味わう

オモシロイので買ってくだされ。

『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』のまえがき(鹿島茂さん)の一節が心に残る。

ゲストの方々とのトークは本当に刺激的で、ひとりで対象本を読んでいたのでは気づきもしなかった観点や切り口が示されて驚くことがあります。これぞまさしく、対談書評の醍醐味でしょう。

素晴らしい書評を書くのはそれだけでも大変だが、上記のようにその場での対談で書評をするのは熟練の業がいるだろう。禅問答の呼吸が必要だと思う。鼎談書評だとその難しさは「三倍」になるのではなかろうか。もうひとつ引用。

対談の対象本に興味をもたれた読者は、ぜひ書店で実際に手に取っていただきたいと思います。書評の目的は、読まれるに値する本を強く推薦することにあるのですから、これは当然の願いです。そして読み終えたら、もう一度、本書をひもといていただけたら幸いです。理解がさらに深いところまで進むこと請け合いです。

鼎談だろうが対談だろうが個人だろうが、書評を書くのは難しくて、楽しい仕事だろう。われわれ素人の読者にもその楽しさを味わうことはできる。自分で書評を書いてみることだ。書評を書こうと頑張るのでなく、感想や内容の備忘メモでいい。日付と本の題名と、一言の感想だけでも良い。後で読み返すと楽しいし、思考への重要な手がかりになるはずだ。

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昼前に出かけて、昼食から夕方6時ころまで、孫と遊んできた。4月から入園する保育園も見てきた。寝返りを打てるようになって本人も嬉しそうだが、周囲も大喜び。些細なことでも受けとりようで幸せになれる。

2021年2月22日月曜日

プロの本作りの凄さが少しだけわかった😅


『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』の中の、「論語」の回、出口治明さんと鹿島茂さんの対談の、最初の部分の文字起こしを担当した。そのときの原稿と、実際に書籍化されたものとを比較してみた。

(1)対談特有の挨拶部分とか、出口さんの紹介を鹿島さんがしている部分、予備知識を聞き手に与える前置きの話の部分などは、バッサリと省略されている。

(2)話の順序が変えられているところがある。

(3)当日言わなかったが、追加された部分もある。

相当に手が入れられている。これらは、鹿島茂さんと、たぶん出口治明さんと、そしてプロの校正者と編集者が行なったのだろう。

聴衆を前にしたお話と、読んだときによく分かるようにした文章とは、考えてみれば違うのは当然だろう。にも関わらず、一連の文章の固まりは、あまり変更がない。これは、話す方の能力の高さによる。お二人共、人前で話すのに慣れておられるので、文章はそのままで破綻なく成立している。独演の講演なら、原稿の助けがいくらかは期待できるが、対談の場合は即興の要素が出てくるので、難しいだろう。

もっと分析する価値もありそうだし、漱石の講義録などと比べても見たいが、とりあえずの印象は以上。文章を書くことに関して、大変良い経験をさせていただいたと思っている。ALL REVIEWSに関わっていて良かったことの一つに追加しておきたい。

ブログにした後、読み直していたら、もう一つ気付いた。一から原稿を「書く」のと、話してから音声を文字化するのと、どちらも試してみた方が良さそうだ。

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マンション外壁のシーリング補修工事が今日の午前中で無事終了。工事会社の監督さんと一時間くらいだが、いろいろ話せて良かった。そして一年間意外に忙しく神経も使った理事長業務も管理組合総会司会を残してはいるが、ほぼ終了した。さすがにホッとした。今夜はぐっすり眠れそうだ。

2021年2月21日日曜日

『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』(祥伝社)は、いま読むべき本を明確にしてくれる


この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』(祥伝社)を買ったので、早速「後ろから」読む。後ろから読むのには理由がある。この本は、月刊ALL REVIEWSの鹿島茂さんと豪華ゲストたちとの対談を書籍化したもの。対談直後の文字起こしをALL REVIEWSの仲間と手分けして行なった。私は、鹿島さんと出口治明さんとの「論語」に関する対談の3分の1をお手伝いした。(この部分には渋沢栄一への言及もある。)

他の仲間と一緒に、奥付の手前のページに名前が載っている。些細なことなのだろうが、誇らしい。そして、文字起こし後の文章と比べると、プロの編集者の手が入ったものは、実に読みやすい。プロの技、恐るべし。良い経験になった。

この本は1600円。鹿島さんとの対談相手と対象書籍は、次の通り。

1.楠木建さん 『NETFLIXコンテンツ帝国の野望』

2.成毛眞さん 『絶望の人類史』

3.出口治明さん 『論語』

4.内田樹さん 『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』

5.磯田道史さん 『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』

6.高橋源一郎さん 『9条入門』

これで、絶対に6冊の本が読みたくなる。しかもそれぞれの対談記事の後には何冊かの関連お勧め本のリストが付いている。したがって、この本を1冊読むと、数十冊の本が読みたくなることになっている。随分お得ではないか。

数日前にこのブログでも書いたのだが、「世の中のコミュニケーションは索引で成り立っている」。この本はその典型と言えるのだ。

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昼前に甥のひでくんが、父と母の位牌を届けてくれた。さっそく、仏壇に納める。ご本尊の木製の阿弥陀如来さま(組み立て式でプラモデルのようで楽しい……)も納めた。今は亡き先祖・家族たちの写真なども。これで、今回のお仏壇設置プロジェクトは終了、と言いたいところだが、場所を失ったモノが周囲に山積みなので、明日以降も片付けないといけない。

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休憩代わりに、デジタル・ケイブ(会員として加入している)、「東えりかさんに聞く! 2020年のおすすめノンフィクション」の生中継を視聴。手にとってみたい本がいくつか出てきた。

『ホハレ峠 ダムに沈んだ徳山村百年の軌跡』

『証言沖縄スパイ戦史』

図書館で予約した。これ以外にもあったが、予約待ち行列が長かったので遠慮した。やっぱりプロの書評家が進めるものは人気が高いようだ。


2021年2月20日土曜日

日記を書くことは苦しい生活の中で人間らしく生きるための助けとなる

午後2時から、高遠弘美先生の連続講座「『失われた時を求めて』で挫折しないために 第1回」を視聴。プルーストの貴重な初版本やご自身の著作などを見せていただいたが、オンライン講座に適した内容だった。淡々とした口調も題材にぴったりで、相当にご準備されたのだろう。頭が下がる。次回は3月13日。待ち遠しい。

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夕方5時半から生中継を観た。全豪オープンテニスで大坂なおみさんが優勝。一貫して強くしなやかなプレーだった。昨年から今年にかけて質の高い練習をしたものと思われる。おめでとう!このようなレベルの高いテニスを観たのははじめてだ。

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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

Bach Without Words
Anna Christiane Neumann
23曲 • 29分 • Nov 05, 2015
BWV 106、BWV 62、BWV 147、BWV 294

https://music.amazon.co.jp/albums/B017AR5O7Y


レーゼル・プレイズ・バッハ
ペーター・レーゼル
20曲 • 1時間10分 • Apr 24, 2018
BWV826、BVW 846、BWV971、BWV971、BVW 889、BWV828

https://music.amazon.co.jp/albums/B07C5RL81T


Bach: Goldberg Variations (Arr. M. Salcito for Guitar)
Marco Salcito
32曲 • 1時間50分 • Jun 30, 2014
BWV 988

https://music.amazon.co.jp/albums/B00L4XG50G


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『トーマス・マン日記』(紀伊國屋書店)の全巻読破、二回めに入る。今日は1933年から1934年の巻を取り出してきた。付箋を挟んでおいた場所をまず、読む。

1934年2月11日。
アローザでふたたび始めたこの日記の記録は、私にとってはあれ以来一つの慰めであり救いだったのであり、私はかならずやこれを書き続けるだろう。……思い出にふけったり読み返したりするためというよりはむしろ、自分の行動の責任を明らかにし、それを総括し、意識化し、責任をもって監視していくという意味においてである……

このあとの、亡命生活の苦しさを乗り越えるためには、日記が最も重要な役割を果たしたようだ。私のこのブログも、老年の弱さを克服する手段となるように、書いていきたい。

2021年2月19日金曜日

赤木曠児郎先生追悼(その2 『私のファッション屋時代』を再読して)

『私のファッション屋時代』(赤木曠児郎 1997年 近代文芸社)を再読した。

まえがきで、1988年から1992年まで、「服飾手帖」という機関誌に連載したとある。本文のはじめには「私達夫婦が、東京からパリにやって来て、今年の四月で、丁度満二十五年になる。」そして、「ファッション・ジャーナリストの兼業から身を引いて、本来の念願の画家としての仕事に専念する決心をした」とも書いておられる。一貫して画業への望みを持っておられたが、岡山大学理学部物理学科に入学したことでわかるように、広い視野でそしてご自分の興味のわくものに都度打ち込む姿は、参考になる。物理は「物」の「理屈」を習うのだから悪くないと入学したが、数式ばかり使う教養部の講義についていけず落第した、というあたりは、私の場合とそっくりで苦笑がおさえきれない。結局、なるべく数式を使わないことの実習や集中講義で単位を集めて何とか卒業されたようだ。ここも私と同じ。

違うのは、学生時代も絵が好きでファッション画をはじめいろいろ修業し、先生についているし、岡山大卒業後に芸大も受験しているというその徹底ぶりだ。芸大は幸か不幸かデッサンではねられた。

その後、洋服仕立てなども学ばれて、1963年29歳で私費留学。このあと、絵も書きながら「ファッション屋」で生活費を稼ぐ、だけでなく、パリのファッション界と日本のファッション界の架け橋として貴重な役割を果たされた。

これらは、回り道ではなく、パリという環境でアルティザンとして根をおろし、一人前以上になった上で画家を本業にするという、きわめてオーソドックスな道をたどったと言えるのだろう。

赤木曠児郎先生の絵は、観るものの心を揺さぶるのだが、これは先生の生き方のもたらす必然である。パリ生まれの人以上に、パリの風景を生き生きと写す手腕は、この50年におよぶ前半生がなくては得られなかった。そして、パリで根をおろせなかった私にも、普遍的で柔軟な生き方の象徴として、影響を深く与え続ける。

あと何年生きられるかわからないが、私も赤木曠児郎先生のように死ぬ直前まで自分の「興味」の対象を追いかけ続けたい。

「ファッション屋時代」の話が中心の本なのだが、画家修業の本としても読める貴重な人生を記録した本である。

『私のファッション屋時代』
右はその仏訳本(サインしていただいたもの)


2021年2月18日木曜日

赤木曠児郎先生追悼(その1)

これまでに赤木曠児郎先生についてブログに書いた文章を抜き出してみた。

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2016年11月14日月曜日
赤木曠児郎先生は街角風景一枚を描くのに30日間は同じ場所に通うとおっしゃていました。そんな絵を何百枚も描いておられるので、脱帽です。

しかし、一人の人間に与えられた時間は有限です。芸術家に限らず、この問題を克服するのは、人すべての課題です。

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2017年11月9日木曜日
赤木曠児郎さんの講演会と、辻邦生―パリの隠者展、どちらも良かった。寒風の中を恵比寿の日仏会館まで出かけたが、その価値はあった。

辻邦生さんの高輪の書斎の古びた机。書き込みのあるパリの地図、佐保子夫人が描いた多数のマンガ。日記の原稿の細密な字。どれも興味深い。書斎の棚を写した写真にはトーマス・マン全集が認められた。

よく観てから、出ようとしたら受付の女性が「どうぞ」と記念冊子を渡してくれた。ありがとう。

赤木さんの講演には少し時間があるので、近所を散歩してみた。日本離れした街並み。

赤木さんは時間を30分オーバーして喋った。講演は最初で最後かもしれないとおっしゃる。私の精密な画風の源泉は物理学を専攻したことと、洋裁という手仕事に関わって、物事を深く追求するところから来るのだとも。

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2017年11月14日火曜日
「私のファッション屋時代」(赤木曠児郎 1997年 近代文芸社)を読み始めた。赤木画伯は湯川博士に影響されて入った、岡山大理学部物理学科出身だが、数式が苦手で教養部時代に物理の単位を落とした。と書いてあった。よく卒業できたとおもうでしょう。

先日の日仏会館での講演会で、種明かしがあった。当時岡山大学には東大や京大から夏休みなどに有名教授が集中講義に来た。それに出席して講義だけ聴けば、単位をくれたのだそうである。のんびりした良い時代だ。

それでいて、卒業の2,3年後に得体のしれないことをやっている(つまり「まとも」な会社に就職していない画伯を心配して先生が訪ねてきて、就職を世話しようとしたらしい。ますます良い時代だ。

画伯は私より15年先輩だ。

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2019年9月5日木曜日
「85歳記念 赤木曠児郎展 」に行ってきた

読書はお休みして久しぶりに都心に出かけることにした。展覧会と、国会図書館と、本の購入が目的だ。

最大の目的は日本橋三越6Fのギャラリーでやっている「85歳記念 赤木曠児郎展 」の観覧。10時に家を出た。涼しいはずだったが、少し蒸し暑い。用心して弱冷房車に乗ったらかなり暑かった。


赤木さんの展覧会に来るのはは前回2016年9月26日以来だ。途中、2017年11月13日に恵比寿の日仏会館で講演を聞かせていただいた。この講演で赤木さんの波乱に富んだ経歴がわかり、一層彼の絵が好きになった。85歳の今も元気で絵を書き続けておられるのもスゴイ。今日もお見受けした所、膚の色艶は私よりずっといい。パリの街角でスケッチを良くしているせいだろう。

金欠症なので、今日は画集とかカタログは買えないと思い、講演会で頂いてサインを貰ってない本を持参した。『私のファッション屋時代』の仏訳版。ところが、それにサインしていただいた後に、なんと、『アカギの版画パリ百景』もわざわざ持ってきていただき、それにもサインをされはじめた。金がないのにやばいなあ、まあカードで払えばいいか(実は良くないが…)と考えていたら、これは私にくださるとおっしゃる…。ありがたく頂いた。

以前の新書版の『アカギの版画パリ百景』は持っているが、今回のは大判でカラー図版だ。価格は45€と書いてある。嬉しい。

一時間くらい滞在したので、画伯に握手していただいて退去した。また、3年後くらいに展覧会はあるのだろうか。あってほしい。

「ねている」という題名の裸婦の絵があり、その絵の右上に本物か置物かわからない猫が描いてある。その猫の背景の紫がかった色に惹かれた。昔見た国吉康雄の少年の絵の背景の青に通じるものがある。吸い込まれそうだ。

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2020年11月28日土曜日

赤木 曠児郎(あかぎ こうじろう)先生が、夜9時からのTBSテレビの番組『世界ふしぎ発見!』に少し出演された。短いインタビューで、内容は乏しかったけれど、週5日も街角で絵を書くなど、お元気な姿を見ることができて嬉しかった。コロナ禍のパリ、気をつけていただきたいものだ。


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本日昼から、全豪オープンテニス、準決勝を生中継で観る。大坂なおみさんとセリーナ・ウィリアムスさんの準決勝だ。最初、セリーナのパワーが上回り、なおみ危うしと思ったが、すぐ盛り返した。落ち着いた試合ぶりでその後はセリーナのパワーを上手くかわし、結局ストレートで勝利。前回の全豪オープンの試合よりも数段試合運びが洗練されていた。このまま行けば「名選手」と呼ばれることになるだろう。おめでとう。 

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本日夜9時、お仏壇が届いた。本体の設置床面積は0.5㎡くらいだが、重量は100キロくらいありそうだ。運送屋さんが「こんな重い仏壇は初めてです。」とぼやく。20年ほどしか経っていないのだが。田舎の仏壇は大きい。使われている木材も重量級のようだ。あとで、材質を調べてみたい。付属品や経机のダンボールも3箱届き、部屋が一挙に狭くなった。そのせいでJが不機嫌。明日からまた片付けが続く。「終活はつらいよ」だ。

かろうじて寝る場所を確保し、搬入路を空けるために動かした荷物を戻し、外した手すりを取り付けたら翌日になった。


2021年2月17日水曜日

赤木曠児郎先生が亡くなられた(T_T)

昼過ぎにFacebookで第一報を受けた。にわかには信じられず、第二報を待った。10時過ぎにGoogle検索で記事が見つかった。やはり本当だった。以下のTweetをした。



先生には2016年から2019年にかけて、展覧会や講演で短時間ずつお目にかかり、サインを頂きながら、お話を伺った。顔を覚えていただき、温かい言葉もかけていただいた。





先生の絵とお人柄も好きだったが、そのひたむきなしかも余裕のある生き方そのものが好きだった。もうお会いできないのは残念で落ち込みそうだが、購入したり頂いたりした画集や自叙伝を見て気持ちを奮い立たせたい。


先生のことを綴ったブログ記事を読み返したが、落ち着いてからでないとできそうもない。

2021年2月16日火曜日

『トーマス・マン日記』全十巻を読み終えたので、また最初から読み始める予定

『トーマス・マン日記 1918−1921』を最後まで読み終えた。

1921年9月17日。『ゲーテとトルストイ』講演旅行をドイツ国内で行う。最初リューベックに立ち寄り、7日間滞在、講演以外の時間をなつかしい街歩きで過ごす。この日の日記は旅行から戻って書いたもの。

12月1日。1921年の収入は300,000マルク。嬉しそうに書いているので、予想より多かったのだろう。エイヤーで100倍すると、三千万円。莫大というわけではない。やむを得ずだろうが、トーマス・マンは外面的には貴族的な生活をしていた。高価な住まいや身なり。使用人も複数。そう思うと46歳のこの頃も内情は苦しかっただろう。そして子供も多かった。

ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)
Katia Mann mit ihren sechs Kindern um 1919.
Von links nach rechts: Monika, Golo, Michael, Katia, Klaus, Elisabeth, Erika.


ところで、これで『トーマス・マン日記』(紀伊國屋書店)を10巻全部「読んだ」ことになる。このブログを本格的に書き始めたのは、2016年10月で、さかのぼってみても第一巻を買ったのがいつか解らない。思いついて、Amazonの過去の注文履歴を調べたら、2014年5月12日に中古品1400円で買っていたのが判明。この後、やはり中古で4冊買った。残りの5冊は高くて買えず、世田谷区立図書館に揃っているのを発見して、昨年から一年がかりで5冊借りて読んだ。こうして見ると、借りるほうが本は早く読めるとわかる。買うと安心してしまい、いわゆる積ん読になる。でも、この本のように資料的価値もある本はできれば手元に置きたいのだが、財布が許さない。

さきほど、手元にある第一巻から第五巻をめくってみたら、内容を記憶していないところが多いのに気付いた。また、最初から読む必要がありそう。また、十冊読むことになるのか。終わるのは5年はかかる。全集も並行してよむのであれば10年かかるだろう。生きているうちはずっと読み続けるような予感がしてきた。

それも面白そうだ。

2021年2月15日月曜日

『論語と算盤』は読みやすいがわかりやすくない

昨日の大河ドラマ初回の影響をまだ受けているらしい。知人の、やはり渋沢栄一のことを書いた文章を読んだのも手伝って興味が増し、渋沢栄一の『論語と算盤』を流し読みした。平易に書かれた本なので、流し読みでもある程度理解できる。

ただし、「道徳的なことが最も経済的である」ということをこの本の中で明確に示しているのかどうかは、わからなかった。最近出た同名の本を図書館で注文したので、特に解説などをよく読んで見る。

今日読んだのは、これ。

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1195171



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Twitterで、漢詩のBotからのTweetを愛読しているが、中でも詩の雰囲気が「宇宙的」で気にいっているのは李白の詩だ。『唐詩選』(岩波文庫)の1978年に購入したものがあるのを思い出し、目次を眺めて、李白の詩を探し出し、一通り目を通してみる。今日は片付けで忙しかったので、駆け足で読んだので良さが身にしみてこない。一日に一つぐらいのペースで少しずつ味わう必要がありそうだ。すると、Botにするというのは良いアイデアだったわけだ。


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片付けプロジェクト、前半の山。

テレビ台と古いスピーカー(一台30キロ)二台をつなげた飾り台の位置を入れ替える。広い部屋なら楽だろうが、家は狭くガラクタに近いものが床の上にたくさん置いてあるので、これは難行苦行。腰も痛くなる。

でも、苦労の甲斐あり、仏壇の設置スペースが確保できたし、テレビは食卓に近づき、食事しながらの場合は、近く(3メートルが1.5メートル)なり見やすくなった。作業中は大雨だったが、作業が終わる頃に晴れあがって、虹がみえた。




2021年2月14日日曜日

『青天を衝け』(第一回)と『天国と地獄』、両方しっかり観てしまった😅

『トーマス・マン日記』を読み続ける。

1921年4月26日
クラウディアとの「新しい関係」の着想を得たと書いてある。結局あの夜で逢瀬は最後になったわけだ。またまたクラウディアが戻って来るという展開も悪くないのだが。そうすると『魔の山』がもっと長くなる。読者が減ってしまうと思ったのかも。(個人の感想です。)

5月21日
ノーベル賞の話が持ち上がる。(45歳にして初めて……?)
兄のハインリヒとどちらが先にもらうのかという事も考えていたらしい。


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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

Bach: Psalm 51 from Pergolesi's Stabat Mater BWV 1083, Cantata "Vergnügte Ruh, beliebte Seelenlust" BWV 170
Coro della Radio Svizzera, イ・バロッキスティ & ディエゴ・ファソリス
18曲 • 1時間1分 • Nov 06, 2006

https://music.amazon.co.jp/albums/B003I572NM


片付けプロジェクト。

書斎兼寝室に何故かおいてある鏡台の下に押し込んであった古いゲーム機類を捨てることにし、そのスペースにリビングからサブウーファーを押し込む。古いがまだ音は出る。

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夜、日曜なのでNHK交響楽団の大河ドラマがある。『青天を衝け』がはじまった。一回目なのでまだなんとも評価できないが、題材に期待をして観ることにする。ARのこの記事を読んでおくと良いと思われる。鹿島さんの本の、「まえがき」だ。
https://allreviews.jp/review/3104


納得できなければ、この講座を受けるべきか。

https://allreviews.jp/news/5275

ドラマでどこまで渋沢栄一の思想を表現できるのかが問題だが、とにかく頑張ってほしい。

この後、『天国と地獄』(TBS)も観てしまった。これも面白くなってきた。毎回新しい展開となり、飽きない。
日曜の夜は、オシゴトの書き入れ時なのだが2時間テレビ漬けになってしまった。やむをえない。

2021年2月13日土曜日

「コミュニケーションの本質は、「索引」の交換にある」

「Revue」を使ってみた。ブログを検索し、あるキーワード(例えば「索引」)について、見つかった記事のうちから適当なものを選んで、メールに仕立てる。この時、Chromeの拡張機能Revueを使うと便利。いくつか選んでおいて、Revueの編集画面に行き、メール本文用に並べ替える。ブログ記事のアドレスや画像のサムネイル化などはRevueがやってくれる。各記事の追加説明の文言を入力するだけ。あとは、送信するだけ。即時に送信するか、スケジュール送信するかを選べる。なお、送信は一日一回まで。
今日作って見たのはこのようなメール。


うまく作れるようになったら、他の方にも送って読んで頂くことを考えたい。希望者いるかなあ?

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朝、「コミュニケーションの本質は、「索引」の交換にある」という命題を思いついた。『チコちゃんに叱られる!』を見ながら、考えついた。この番組では担当ディレクターがあるテーマについて、調べる。大抵は識者に取材する。識者はテーマに関すて自分の知っていることを話すが、これはテーマに関する索引情報であることが多い。それをディレクタが受け取り、自分なりに解釈して、自分の(やや情報が欠け落ちた)索引をもとに、台本を作り、ビデオを撮影して放送する。この索引情報を、視聴者は受け取って自分のなかにまた索引を作る。「諸説あります……」というのは、言い逃れでなくて、これは索引情報であり問題の「答え」ではないという断り書きだ。

学校の講義も、講師が自分の研究した索引情報を、生徒に与えて生徒は自分の索引を頭の中に作る。これだけでは、講師の索引より良いものは出来ないので、生徒はより発展した勉強・研究をする。これは講師のものとは違う索引を入手して、別の索引を作ることになる。

ワインバーグの『コンサルタントの道具箱』(日経BP社)の中(85頁)の警句に、「ウィーナーの図書館の法則 答えなどない。相互参照があるだけだ」というのがあるが、これは悲観的に、私の命題を言い換えたものとみることができる。

索引について考えると面白くてやめられなくなる。さっき作ったメールの冒頭のブログ記事に出てくる、学魔・高山宏先生は、若い頃2年間で大学研究室の図書管理をしながら、5万5千冊の本にほとんど目を通し、カードに索引を作ったという。このことが学魔の基礎をなしていると。これは先程の命題の正しさを証明するのではないか。

物集高見も同様のことをやったし、塙保己一もそうだ。しかし個人の出来ることには限りがある。われわれには情報(検索)システムという強い味方がある。

『トーマス・マン日記』や『トーマス・マン全集』(のドイツ語新板)が膨大な索引で膨れ上がるのはアタリマエのことだ。世の中はこのように進んでいく。インターネットやコンピュータ・システムの発展がこの方向への動きを助長する。すべては索引に始まり索引に終わる。

諸説あります😊



2021年2月12日金曜日

『プルーストへの扉』からは最初から教わることが多く読むのが楽しい

『プルーストへの扉』を本格的に読み始めた。この本は三部構成だ。つまり、「はじめに」のあとに、

第一部 マルセル・プルーストとはどういう人間だったのでしょうか

第二部 なぜプルーストを読むのでしょうか

第三部 そう、プルーストは読めない作家ではありません

が続く。

この後に、「訳者あとがき」があり、高遠弘美先生の力作の

文献目録

プルースト関連年表

本書に登場する固有名詞索引

が30ページに渡り、続く。

「はじめに」に書かれていること、が言い得て妙だ。

作者は自分の作品を大聖堂に喩えています。圧倒されるほど大きいのに、細部を見ると、この上なく精緻な彫刻が施されている建築物と言えばいいでしょうか。

これは素晴らしい言句で、プルーストがわからないという人には、わからない細部または建物の大構造を探れと言える。またわかったという人にはどちらをどうわかったかと尋ねればよい。それらの議論のきっかけになる。ここに目をつけた著者の慧眼に脱帽する。

もう一つ「はじめに」から引用する。

プルーストにとって、藝術作品というのは、藝術家固有の認識方法の力を借りてようやく入ることが許されるひとつの世界だ……

なのでわれわれが大聖堂にはいるには、プルーストのものの見方を素直に受け入れることが必要なのだろう。

第一部のプルーストの生涯の要領良い記述まで読み終えて、今日は本を閉じた。楽しみながら、考えながら、ゆっくり読まないともったいない本だ。

カバーを取り外して読んでいるが、本体の装幀も素晴らしい。



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片付けプロジェクト実績

(1)テレビラックの棚から、CD・DVDプレイヤーを取り外し、置き場所無いので、書斎(!?)の現用CD・DVDプレイヤーと重ね置きした。試しにCDを聴いてみた。もう一方のものとあまり変わりはない。SACDが聴けないのでマイナス一点。しばらく様子を見て処分を決める。

(2)テレビラックはかなり片付いたので、スピーカーコードなどを取り外すと同時に、新しい場所である壁際に移動する。今度の土日でやろう。


2021年2月11日木曜日

愛の言葉は母国語以外で語るのがお勧めらしいです

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

SELECTED WORKS OF J.S.BACH Douze Cordes
10曲 • 41分 • Feb 04, 201

https://music.amazon.co.jp/albums/B00HTUUL58

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もうひとつのプロジェクト、片付けの実績。

(1)テレビの載っているラックから、古い(20年ものの)Y葉のAVアンプを、取り外した。音が出たり出なかったりの状態だし、そもそもドルビー立体音響(?)を聴く気がしなくなった。思い切って、廃棄処分にする。明日は燃えないゴミの日なので出してしまう。20リットルの袋にピッタリ入った。重い。テレビの音はテレビからだけで良いとわりきる。

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『トーマス・マン日記』を読み進める。

1921年4月。『魔の山』執筆に気乗りがしない。退屈し、納得もいかないのである。こう言っているが、原因は多分、歯の痛み。歯性が悪いマン。これも自分に似ていると思って実はこっそり喜んでいる。ともかく歯医者に行って治療を数日続けたら、また書き始めた。クラウディアと主人公の逢瀬で大切なところではないか。主人公は酒に酔った上でカタコトのフランス語で愛の言葉をささやく。真面目人間にはラブシーンをフランス語で書くのが億劫だったのかもしれない。

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夜、9時から11時までは、AR友の会のオンライン定例会に出席。新規企画がいくつか出たし、なかなか面白かった。

2021年2月10日水曜日

吾妻ひでおの『失踪日記』と『アル中病棟』を一気読み

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

Bach: English Suites Nos. 1-3 (Arr. G. Krivokapić & D. Cerović)
Montenegrin Guitar Duo
21曲 • 1時間3分 • Sep 03, 2015
BWV806,BWV807,BWV808

https://music.amazon.co.jp/albums/B013Y4YJUA


J.S.バッハ:パルティータ 第1集 Cornelia Herrmann
20曲 • 1時間9分 • Feb 28, 2017
BWV826,BWV827,BWV828

https://music.amazon.co.jp/albums/B01N2AGQRR


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お仏壇設置プロジェクトの実績。

(1)百科事典を三冊ずつ紐でくくり、まとめてベランダに仮置。来週の木曜日に資源ごみとして出す。それまででもいいが、室内に置いておくとワークスペースがなくなる💦

(2)仏壇で隠れる予定の壁面の写真の額を取り外す。


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吾妻ひでおの『失踪日記』、『失踪日記2(アル中病棟)』(イースト・プレス)を読む。オモシロイというと失礼かと少し思ったが、マンガにしてフィクション性を高めているのでかまわないだろう、超絶にオモシロイ。

自分の体験したことを、日記(メモ的なもの?)を参考にしながらマンガ化したと思う。その意味では内田百閒や永井荷風や辻邦生の日記と似ている。具体的な体験を、普遍的な経験に昇華させている。ここでの「体験」と「経験」というコトバは森有正の使用したと同じ意味付けで使用したつもり。

『逃亡日記』も図書館で予約した。

2021年2月9日火曜日

世の中の動きについていくのは楽しい💦

小技を教えていただいた。

Google画面右クリックでQRコード作成が可能。https://twitter.com/knagasaki/status/1358745750910377991?s=20

これはiPhone でも出来るので、他の人にページのアドレスを教える時便利だと思う。




これ、読み取ってみてください

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ARのSlackで、友人からRevueというTwitter上のニュースレター配信支援サービスを教えていただいた。以下が関連記事だそうだ。

「Twitterのニュースレター配信サービスRevueはお手軽配信サービスだった」http://hokoxjouhou.blog105.fc2.com/blog-entry-1852.html

「Twitterが買収したメルマガ配信サービス【Revue(レビュー)】」
https://4b-media.net/revue/

ARのメルマガ、またはその付随メルマガ(を作ったら)の送付プラットフォームに使用できるかもしれない。私的にも使えそうなので、調べてみることにする。このブログのお知らせを毎日Tweetしているが、それを一定期間分まとめて配信しても良さそう。本来は作家が収益を得るためのサービスらしい。

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「お仏壇搬入プロジェクト」実作業を開始した。実績。

(1)設置場所を空けるため、百科事典を廃棄する準備。20巻全部箱から出して、紐で三冊ずつ縛る。出せるのは来週木曜日。ボール紙の箱はすべてカッターで切って平にしてまとめて、明後日に資源ごみとして捨てる準備。泣きながら実施(T_T)

(2)仏壇のサイズが分かったので、新聞紙で型紙を作り、廊下を通せるかシミュレーション。やはり手すりは取り外さなければならないようだ。


 (3)リビングのレイアウト変更案作成。

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疲れたので、夜は簡単に「三色そぼろ丼」にした。うまい。


写真をLINEで送ったら、写真で返事が来た。


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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

J.S. Bach: Suites for Guitar Luigi Attademo
35曲 • 2時間14分 • Oct 31, 2011
BWV996,BWV1006,BWV1004,BWV995,BWV997,BWV998,BWV999,BWV1000

https://music.amazon.co.jp/albums/B00H96548Q


2021年2月8日月曜日

読書好きの楽しみと悲しみ

午前中はほとんど、午後は1時間ほど、みんなのつぶやき文学賞のオシゴトをした。昨日もそうだったが、多くの方の推し本をチェックしていると、読みたくなる本がいくつか出てくる。

今日は

『あの本は読まれているか』
https://www.amazon.co.jp/dp/4488011020?tag=allreviews-22&linkCode=osi&th=1&psc=1

『透明性』
https://www.amazon.co.jp/dp/4152099739?tag=allreviews-22&linkCode=osi&th=1&psc=1

『ホテル・アルカディア』
https://www.amazon.co.jp/dp/408771702X?tag=allreviews-22&linkCode=osi&th=1&psc=1

など。他にもたくさん。みんな手を出していると、時間も金もなくなる。

この作業中に、玄関のチャイムがなったので出てみると、「理事長にお話が……」というマンション住民のお爺さんがやってきた。「今、仕事をしている最中なので……、後にして……」と言っても、信用してくれず、10分以上話す羽目になった。いつもはすぐ応対するので、ヒマだと思われているらしい。困ったことだ。オンラインでボランティアの仕事など、考えてもみないような方だった。うーむ。

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『「月刊ALL REVIEWS」ノンフィクション部門第26回、書評アーカイブサイト・ALL REVIEWSのファンクラブ「ALL REVIEWS 友の会」の特典対談番組「月刊ALL REVIEWS」、第26回はゲストには批評家・作家の東 浩紀さんをお迎えし、東さんの最新刊『ゲンロン戦記』(中央公論)を読み解きます。』というのを、アーカイブで視聴した。AR友の会会員なので、自由に見ることが出来る。

東 浩紀さんのことはほとんど知らなかったが、なかなかパワフルで面白いかただ。最後に、鹿島さんが使っている渋沢栄一に関するキラーフレーズ「道徳的であることが、最も経済的である!」に、非常に感心していたのが印象的。大学教育の資本主義化にも批判的だ。

図書館に予約してある『ゲンロン戦記』をはやく読みたくなった。


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対談で話が出た、本は自腹で買えそしてコレクションしろという話は、まったく同感できる。できるが、残念ながら財布とスペースが許さない。財布もそうだがうさぎ小屋にも困る。喜寿を超えた姉夫婦が終活を考えたのか、一戸建ての自宅を畳んで小規模の借家住宅に引っ越すことになり、預かってもらっていた仏壇が我が家に来ることになった。設置するスペースを空けるために、物を整理しなければならない。手始めに、嵩張る古い百科事典を捨てることになりそう。たしかにここ数年一回も開いたことがない。それでも、手元に本があることが重要なのだが……背に腹はかえられない。涙を飲むことにする。友人から譲られてやはり殆ど聴いていないLPレコードも犠牲になりそうだ。まことに残念。誰か引き取り手があるといいのだが、のぞみ薄だ。

(後記:LPレコードは買取サービスに出すのが良さそうだ!)

2021年2月7日日曜日

『プルーストへの扉』を入手、うれしい。

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

Bach, J.S.: Guitar Transcriptions Enno Voorhorst
14曲 • 53分 • Mar 13, 2002BWV1013,BWV854,BWV936,BWV992,BWV974BWV1001

https://music.amazon.co.jp/albums/B014298NG2


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国立公文書館デジタルアーカイブ……

https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/detail/detailArchives/0201010000/0000000008/00

……で見つけた、ためになる掛け図の例。小学校の教室の壁に掛かっていた図を思い出す。それと無性に好きだった図鑑類。今でもこれらは大好きだ。

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ファニー・ピションさんの『プルーストへの扉』(高遠先生訳 白水社)を、ようやく手に入れた。先日映画パンフレットをある方にお譲りして、お礼として頂いた図書券に現金を少し足した。面白そうだ。原著にはないという、付録を見るだけでも価値がありそうな気がする。

新本を買うのは今年初めてだ。年末にはARのバーチャル書籍交換会で紹介された『デザイン偉人伝』(左右社)を買った。

昔、就職したときに、自分の金で書店で割と自由に本が買えるようになって感激したことを思い出した。このような自由は仕事をやめてからはなくなった。

一方、学生時代に小遣いを節約して(要するに食費を削って)本を買っていたが、それも悪くはなかった。その頃に買った本は、厳選されているので、今でもほとんど座右の書だ。くり返し読める本だ。今日買った本も繰り返して読める本であってほしい。

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『トーマス・マン日記 1919−1921』の返却期限が来てしまった。残り200頁弱。次に借りたい人はいないようなので、あと一週間ほど借りておくことにする。

1920年の5月頃は、『魔の山』の原稿を一日一枚のペースで書いている。推敲もこれとは別に長々としたようなので、800頁としても3年はかかるペース。中断もあるのでもっと執筆期間はながかっただろう。これは後でよく調べたいが、Wikipediaには1912年Kがダボスの療養所にいたときの構想から始めて1924年の出版まで12年かかったと書いてある。1920年頃にもKは病気がちだったが、その診療の様子もトーマス・マンは執筆の材料として取り入れている。日記にその旨(😅)が書いてある。

1920年7月28日には、アネット・コルプ女史からプルーストの話を聞いたが、まだあまり関心を示していない。

急いで読み、残りは2021年分のみ。

2021年2月6日土曜日

まだまだ元気なカトリーヌ・ドヌーブはいいですね

みんなのつぶやき文学賞の作業を朝と晩に行った。明日いっぱいで締め切り。自分も投票したが、新しい作品はあまり読まないので本当にこれを推していいのかは、自信がない。他の人も同じ作品に投票している様子なので、少し安心する。安心すると言うのも変だが。

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その間は、まとまった事をやる気がしないので、久しぶりに映画をストリーミングで見ることにした。ちょうど、メールでAmazonPrimeビデオの案内が来ており、カトリーヌ・ドヌーブ(!)主演、是枝裕和さんが監督の『真実』(2019年)を紹介されたので、これにした。何でも良いと思って観たのだが、「ホーム」ドラマとして面白い。

以下、ネタバレありなのでご注意。




大女優でわがままな母親(カトリーヌ・ドヌーブ)と、脚本家で母親とは疎遠になっていた娘が再開し、仲直りを試みるという筋書き。結局最後は仲直りして終わるのだが、その仲直りが「真実」なのか、母と娘の演技にすぎないのかがわからない。あるいは、仲直りを偽装するのが、人生において「真実」とされるのかも知れない。

劇中劇で、宇宙にいて年を取らない母親より先に年老いる娘を演じるのもカトリーヌ・ドヌーブなのも、面白い設定だ。

若い頃のカトリーヌ・ドヌーブも美しくて良かったが、年取ってからのカトリーヌ・ドヌーブの二枚目半的演技のうまさにも感心した。

『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』もAmazonPrimeビデオで視聴可能になったので、見るべきか考える。時間が許せばいいのだが。

2021年2月5日金曜日

散歩には独りで行くべしと素白先生がおっしゃっている

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

Bach: Trio Sonatas
Holm Vogel
9曲 • 1時間43分 • Mar 09,2010
BWV525,BWV526,BWV527,BWV528,BWV529,BWV530,BWV583,BWV584,BWV769

https://music.amazon.co.jp/albums/B004B75IJQ

Complete Bach Recordings On Deutsche Grammophon
ヴァルター・ギーゼキング
147曲 • 7時間18分 • Jul 20, 2017
BWV 825,BWV 826,BWV 827,BWV 828,BWV 829,BWV 830,BWV 831,BWV 911……

https://music.amazon.co.jp/albums/B073XDJ7C7


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『素白先生の散歩』、「独り行く」まで読んだ。この随筆の最後が良い。

若い時から大方独りで歩いていた。独りで歩くということは、不思議に連れの出来ることであり、友の出来ることでもある。寂寥の無いところに詩も無く愛も無い。沁々と物を味うために、噛みしめて見るために、私は独りで行く。賑かな都会にもおちついた味のある場所がある。そこを歩いて見よう。

この感覚は私も持っていた。誰でもあるものと思える。仲の良い家族とでも、時々は離れて独りでいたいときがある。物事をじっくり考え、何事かを書く場合は一人の時間が必要だ。それが散歩という形をとるかどうかは、事情によるし、大きな問題ではない。「独り」が必要なのだ。

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「独り行く」を読み。『Complete Bach Recordings On Deutsche Grammophon ヴァルター・ギーゼキング」を聴いていると、時の経つのを忘れる。まさに快い「寂寥」感だ。

2021年2月4日木曜日

忙しい今こそ素白先生のような散歩が必要なのだが……

朝は「みんなのつぶやき文学賞」のツイート取り扱いのオシゴト。その後、マンション管理組合の理事長として、作業を一つと掲示文を二つ作成。結構忙しい一日。

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『素白先生の散歩』を半分くらいまで読む。のんびりした筆致だが、かえってその方が著者にとっては忙しかったし、時間もかかったと思われる。こちら、読む側も珍しく忙しいなかで、この本のなかの随筆を何編か「ゆっくり読む」のがしっくり来る。不思議だし、この感覚は面白い。

素白先生は、旅先の街を、あるいは東京郊外を、また東京の下町を忙しい勤務と研究の中であるき回り、旅の道連れや土地の人とゆったりと会話し、それを材料として随筆を綴る。緻密な文章から考えると、一編を完成させるのには相当な時間をかけていると思える。緻密なのに軽さと暖かさと余裕を感じさせる。推敲は何度やったのか、数回では済まなかっただろう。玉を磨くとか、漆を塗り重ねるとかいう作業に匹敵するのではないか。それを、きっと少しずつ楽しみながらおやりになったような気がしてならない。

「騎西と菖蒲」という随筆中で、武者小路実篤のおじさんにあたる某子爵に、小説を書かぬのかと尋ねられ、若い筆者は、小説を書く天分はないが、これから先も、人生を見つめていきたいと告白するシーンがある。これを素白先生は、何年もかけて実行にうつしたのだろう。実に寡作だが、それには意味があったのだ。

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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

J.S.Bach: Inventions and Sinfonias
Tatiana Nikolayeva (Piano)
30曲 • 55分 • Nov 13, 2006

https://music.amazon.co.jp/albums/B003W822I0

2021年2月3日水曜日

バッハもトーマス・マンも家事の面では無能だったらしい

昨日から『トーマス・マン日記』をまた読みだした。


1920年3月15日
バイエルンの社会民主党政府が退陣したとの記述。

3月23日
ルクスという名の新しい犬を750マルクで購入。

4月3日
『おおいなる生の書』、匿名化されていない自伝的な、『ブデンブローク家』の続編の話題。プリングスハイム家も登場すると。書いてほしかった。注釈では『ファウストゥス博士』がそれに取って代わったという。その観点で『ファウストゥス博士』を読みなおすと面白そうだ。

4月10日
『詐欺師』の構想を練りながら新しい犬と散歩。

4月11日
バッハの話、バッハもトーマス・マンも生活の実際面はすべて奥さんに頼りきりだったのだと書いている。確かに日記を読むとわかる。トーマス・マンは卵を割ったこともなかったのだろう。

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昨日借りてきた『戦時下の青春』(集英社)というアンソロジーで、石川淳の「明月珠」を読む。須賀敦子の書評で想像していたほうが良かった。

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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

バッハ:イギリス組曲全曲、エディト・ピヒト・アクセンフェルト、37曲 • 2時間16分 • Aug 26, 2014

https://music.amazon.co.jp/albums/B00ME60KJ4

2021年2月2日火曜日

須賀敦子の『本に読まれて』(中公文庫)の書評はどれも珠玉のように素晴らしい……とメルマガ巻頭言に書きました

恵方巻を食べながら、首相の新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言発令延長の記者会見テレビ中継を見る。相変わらず煮えきらない話と質疑応答が続く。最後に英国誌(?)の日本人らしい記者の、日本のワクチン接種たち遅れの理由をただす質問だけが光った。答えは不得要領だったが。このような核心をつく質問を日本のジャーナリズムにももっとして欲しい。そうすれば首相の目の色が変わるはず。

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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

The Well-Tempered Clavier, Book 2, BWV 870-893
(昨日の 1 に引き続き今日は 2)

https://music.amazon.co.jp/albums/B00I8CFTKI

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今日やっと、須賀敦子に関する巻頭言をメルマガに掲載してもらった。結構難産だったが、嬉しい。



2021年2月1日月曜日

須賀敦子の誕生日、須賀敦子は私より20歳年上なので92歳という計算になる

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。



Bach, J.S.: Well-Tempered Clavier (The), Books 1 and 2

Enrica Cavallo

The Well-Tempered Clavier, Book 1, BWV 846-869: Fugue

https://music.amazon.co.jp/albums/B00I8CFTKI

昨夜の分。

Bach: Goldberg Variations BWV 988

https://music.amazon.co.jp/albums/B084Z8F99L


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『ブルデュー 闘う知識人』を続けて少し読む。

88頁。
常に実効性を追求する戦略家ブルデューの特性……

194頁。

『エスプリ』(九八年七月号)に載った長大かつ激越な「ブルデュー流の<ポピュリズム>」糾弾をきっかけに、この年の夏、ほとんどすべての全国紙、週刊誌でブルデュー・バッシングが展開された。

なんということだ。私のいままでの見解とは正反対だ。ブルデューその人をポピュリスト扱いするとは?私はかなり誤解していたというわけだ。

次はブルデューが同時代の他の知識人をどうみたか、の第三章。

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午前中腹痛。昨日までの疲れによる消化不良かも。コタツで下半身を温めていたら治った。食事は普通に摂った。

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今日は須賀敦子の誕生日。1929年生まれなので生きていれば92歳ということになる。前半生で無理しなければまだ存命だっただろう。しかし、短い後半生の作品の素晴らしさは前半生で培ったものと言える。人生はままならない。