2021年4月30日金曜日

『人新世の「資本論」』を読んで真の意味の「コミュニズム」を知りたい

NHKテレビ「あさイチ」のゲストで林真理子さん出演。ホテル缶詰で執筆をする録画シーンを見て驚いた。原稿用紙にサインペン(筆圧が低くても書けるからだそうだ)で流れるように書く、そのスピードが半端ではない。しかも、ほぼ直しがない。まさに「書き下ろし」。週刊誌連載記事(2ページ弱)なら45分で書けると言う。もちろん、構想・取材は別途やっているわけだが、身辺雑記的な記事だと、ネタは自然に集まるのであまり手はかからないのだと。

プロはすごいと感嘆した。

その「あさイチ」で、映画『ブックセラーズ』の紹介もあった。

http://moviola.jp/booksellers/

このドキュメンタリー映画はぜひ観たい。

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アーカイブで『人新世の「資本論」』対談(月刊ARノンフィクション4月回の)ビデオを観た。細かいところ、メモしたのは

1.マルクスのノートの取り方(貧乏で本が買えなかったので、大英図書館などで必要な本を閲覧しノートを取る。館外貸し出しをしていないから。)

それと、ベンヤミンの『パサージュ論』の共通点。

2.新マルエン全集が出る。

3.斎藤幸平さんの著書『大洪水の前に: マルクスと惑星の物質代謝』は興味深いが、難しそう。

(このビデオをまず観るか。 https://youtu.be/6FH9U0DuAyY )

4.SDGs批判。(このメモは細かくない、基本同意だがよく考えたい。)

5.資本主義をひっくり返すのは難しいが、若い人に期待、と鹿島茂さん。

全体的に面白かったので、課題本『人新世の「資本論」』をAmazonで購入手配した。よく売れている。いま25万部だとか。

https://allreviews.jp/isbn/4087211355

これを読んだあと、ビデオ(Youtubeなど)や論文も読むつもり。

https://scholar.archive.org/search?q=Kohei+Saito

いま、思い出したが、フーリエも勉強すべきだと鹿島茂さん。

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午後4時から、書評関連の仕事につきZoom打ち合わせ。6月から業務委託で少しだけ仕事をさせてもらうことになった。やらされ仕事は嫌なので、「書評」を研究・収集して、まとまったものを書きながら、その成果の一部を提供し、対価として月々の書籍購入費用数千円を得るということにしたい。うん、ちょっと偉そう😅

2021年4月29日木曜日

遥か彼方の中性子星の合体による重力波を検出できるとは……今まで知らなかったすごい話です

『コンタクト』はAmazonで見ることできるかと調べた。『コンタクト』は有料だった。そこで巻頭言での紹介は簡単にする。(しなくてもいいかも。)

リービットさんとセシリアを対比させる案も、思わせ振りなのでやめておく。

巻頭言には素直に今思っていることを書くことにする。明日朝、書き始めよう。

読み方が「穴掘り」だとすると、楽しみのためだけにする読書とはちがう? 上野広小路のおでん屋で某社常務と、私の読書は「理科系の」読書だと話したのが正しかった。 「穴」は「サブルーチン」とも言う。スタックを深くしすぎると戻れなくなる。戻るべき場所を記録しておくことが必要。

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「天文月報 オンライン」

https://www.asj.or.jp/jp/activities/geppou/

の検索窓に『天体観測に魅せられた人たち』で気づいたキーワードを入れれば、(たとえば「重力波」とか、「マルチメッセンジャー天文学」とか……)たちどころに、ほとんどすべての天文月報の関連論文が検索でき、美しくよみやすいpdf形式で読むことが出来る。

『天体観測に魅せられた人たち』の21世紀の天文観測の物語が頭に入っていれば、個々の論文の位置づけがわかるので、読みやすい。わからないところは読み飛ばす。他の論文も読み、数を稼いでいると、天文学の現状がわかってくるだろう。検索するにはキーワードを知る必要があり、勉強することの意味はキーワードを理解して身につけることにある。

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Neutron star cross section.svg
From Wikimedia Commons, the free media repository

たとえば、キーワード、「中性子星」で検索して見つけた、

「突発天体とコンパクト天体形成の最前線へ」(2020年)

https://www.asj.or.jp/jp/activities/geppou/item/113-12_795.pdf

の冒頭を少し長く引用させていただく。

中性子星やブラックホール,白色矮星などのコンパクト天体は主に星コアの重力崩壊と連星の合体の最中に生まれ,大きな重力エネルギーを瞬時に解放します.

例:SN1987A、GW170817、GRB170817A、Gamma-Ray Burst(GRB)

遠くの銀河で起こる突発現象も逃さず検出できる態勢が整備され……

過去10年の時間領域天文学,マルチメッセンジャー天文学の進展は凄まじく,重力波と多波長電磁波を同時にとらえた連星中性子星合体GW170817/GRB170817Aはその一里塚です.

どのような親星からどのようなコンパクト天体がいつどこでどのような爆発現象を伴って生まれるのか?高エネルギー天体のZoologyと換言できるかもしれません.

この論文は読んで見る。今の私には非常に勉強になる。 

2021年4月28日水曜日

今日も天文学の日、そして「最強の科学思想」という進化論も

こんどの巻頭言執筆の参考にする。

Interview With an Author: Emily Levesque

https://www.lapl.org/collections-resources/blogs/lapl/interview-author-emily-levesque


一部を引用:

あなたの人生を変えた一冊はありますか?

カール・セーガンの『コンタクト』です。プロの天文学者の生き生きとした世界が描かれていて、信じられないような発見をしたときに現場で働くのはどんな感じだろうと想像するのに役立ちました。ページが抜け落ちたボロボロのオリジナル本を今でも持っていて、大人になってから何十回も読み返したと思います。

あなたがいつも聞かれたいと思っているのに、一度も聞かれたことのない質問は何ですか?あなたの答えは何ですか?

"If you snap your fingers and have any job besides scientist, what would it be?" 天文学をはじめとする科学は、非常に情熱的で変わった職業であり、それがその人のアイデンティティのすべてのように思えることがよくあります。しかし、もし人々が科学者に他の仕事をしたいかと尋ねたら、驚くほどさまざまな答えが返ってくると思います。私が知っている科学者の多くは、深い芸術性と創造性を持ち、才能あるアスリートでもあり、工作や料理、ジャグリングが好きな人たちです。私は、ワシントン大学のオーケストラでバイオリンを弾いていたり、演劇少年だったりと、演奏家としてのバックグラウンドを持っていますが、科学の「演奏」の部分には特に魅力を感じています。大勢の人を前にしたライブトークで、言葉、絵、音、ジョークなどあらゆるものを駆使して、お客さまの興味を引き、物語を語ることで科学を教えていくことが好きなのです。そういう意味で、もし科学以外の仕事に就くとしたら、プロの映画製作に携わりたいと思っています。脚本家や監督など、このメディアで自由に使える膨大なツールを使ってストーリーを作り上げる仕事です

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳した。なかなかうまく訳していると思う。

Cecilia Payne-Gaposchkinの、Eddingtonと天文学への傾倒ぶりがすごい。『An autobiography…』の117頁以降にその記述がある。そしてラザフォードの講義に出席した女性は彼女ひとりだけだった。後に、彼女は自由に研究できる環境を求めて、1923年にアメリカに渡ることになる。

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吉川浩満さんの『理不尽な進化』(朝日出版社)を読みはじめる。

17頁。

進化論にかかれば、宇宙も宇宙論も「進化」する事物の一員という、数あるレパートリーのひとつにすぎない……進化論は史上最強の科学思想だ。

あとがき。

私は自分で掘った穴を自分で埋めるようなやり方で本を書くのだ。はじめに躓きがある。原因を探るために地面を掘り返すのだが、土を掘り返したところでそれが見つかるわけではない。躓いたのは地表においてなのだから。そこで今度は掘り返した土を埋め戻すことになる。……その埋め戻し分が書き物になる……

ここには非常に同感を覚える。他人が見たら読まなくてもいいような本をひたすら読むのはこんなことが原因なのだろう。

2021年4月27日火曜日

偉い天文学者には変人が多いが、これは他の分野でも同じか……

エミリー・レヴェックさんが、本の最後で紹介している、マルチメッセンジャー天文学に関するWikipediaの概要説明。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%A4%A9%E6%96%87%E5%AD%A6

一見赤色巨星なのだが、スペクトルを調べるとLi, Rb, Mo, と Caが多い。ただし、中性子星が赤色巨星に隠れていることの確証は、重い中性子星が回転していることによる重力波が生じていることをも同時に調べないといけない。マルチメッセンジャー天文学が必要なのはこれらが理由であるという論文がこれ。

Prospects for Multimessenger Observations of Thorne-Zytkow Objects

https://arxiv.org/pdf/2103.03887v1.pdf

https://web.archive.org/web/20210310032626/https://arxiv.org/pdf/2103.03887v1.pdf

この二つは同じ論文。

なるほどなのだ。これらを勉強しているうちに、恒星の構造を本格的に議論し始めたイギリスの御大、エディントンのことが気になり始めた。

手持ちの資料では、Cecilia Payne-Gaposchkinの「An autobiography and other recollections」の117頁で、トリニティ・カレッジのEddington教授の相対論講義を聴いて感動するところが印象深い。Cecilia Payne-Gaposchkinはこのあと、やはり、恒星の内部構造理論を米国ハーバード大に行って研究しはじめる。そのころ、理論でなく観測のみで変光星の研究をしたリービットさんは亡くなった(T_T)

この本はInternet Archiveでも読める。

https://archive.org/details/ceciliapaynegapo00payn


エディントンの伝記はKindle Unlimitedに加入していれば0円で読めるが。いまは加入してないので、こちらで斜めに読む。(しっかり読みたいが時間が……)

https://archive.org/details/lifeofarthurstan0000doug/page/n7/mode/2up

アインシュタインンも一目置くようなすごい学者だが、晩年の神がかった言動で評判が悪くなった。ブラックホールなどないと、チャンドラセカールをいじめたし。でも悪い人ではなさそうだということを裏付けられるといいのだが。


2021年4月26日月曜日

Thorne–Żytkow objectを理解しようと頑張った


 『天体観測に魅せられた人たち』(原書房)の後半の目玉話題、Thorne–Żytkow objectについて「勉強」した。久しぶりの天文学の勉強。


まず、放送大学の公開講座『宇宙の誕生と進化』で連星系の終末について復習した。

01 テレビ > 01 OCW(全15回公開) > 017 宇宙の誕生と進化(’19) 1562924p
第06回 恒星の進化と最期

https://v.ouj.ac.jp/view/ouj/#/navi/player?co=10355&ct=V&ca=1177


次に、これを観ると面白い。

A Star Within a Star, Thorne Zytkow Objects w/ Dr. Emily Levesque

https://youtu.be/0WWH5LvrTMs

こちらはCGを使って説明してくれてわかりやすい。

Weird Stars - Neutron Star Within a Red Giant - Thorne Żytkow Object - Universe Sandbox²

https://youtu.be/1gmqmje0hCE


Thorne–Żytkow objectを実際に見つけたというエミリー・レヴェックさんたちの報告の論文が、これ。(全部は読んでない。)

Discovery of a Thorne–Żytkow object candidate in the Small Magellanic Cloud
Emily M. Levesque, Philip Massey, Anna N. Żytkow, Nidia Morrell
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: Letters, Volume 443, Issue 1, 1 September 2014, Pages L94–L98,

https://academic.oup.com/mnrasl/article/443/1/L94/1054019

2021年4月25日日曜日

『天体観測に魅せられた人たち』の著者エミリー・レヴェックさんはいったん話し出すと止まらないようだ

 以下、来週のAR巻頭言の内容の構想。


エミリー・レヴェックさんの『天体観測に魅せられた人たち』(原書房)を読んだ。訳は川添節子さんで、天文学用語など困難なお仕事を、見事に完成させたと思う。訳者あとがきでしのばれる。

リンク。https://allreviews.jp/review/5437

一人の天文学ファンとしての読後感想である。

以下を通じて、天文学をやるという意味がはっきりする好著。

・エミリーレヴェックさんの歩んできた道。

・周囲の専門家へのインタビューによる興味深い逸話たち。

・主業績はソーン・ジトコフ天体の存在証明、理解のためには、ブラックホール、赤色巨星、中性子星。

・天文学者たちの観測作業の過去と現在と未来。

(締め)天文ファンなだけでなく、これから天文学を専攻しようとする方にもぜひ読んでいただきたい。


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参考になるYoutubeビデオ

Emily Levesque Public Lecture: The Weirdest Stars in the Universe
1,509,384 回視聴•2018/03/09

https://youtu.be/YR-l0b2iYy0


著者の執筆意図(冒頭)

The Last Stargazers - with Emily Levesque

https://youtu.be/CPsIcg3TLaA


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以下は勉強しておくが、巻頭言を書く上では表面に出さない。

著者の論文

Discovery of a Thorne-Zytkow object candidate in the Small Magellanic Cloud

https://arxiv.org/abs/1406.0001


日本語論文、これらあたりからさがす?

https://www.asj.or.jp/geppou/contents/2019_11.html


2021年4月24日土曜日

今どき全集(や選集)を買いたいという人は珍しいだろう😅

こんなツイートを見かけた。



このツイートで紹介されている高遠弘美先生筆の新聞記事中で引用されている「文学的散歩 プルウストの小説構成」を読んだことがなかった。青空文庫で探したら、すぐに見つかった。

読んでみたら、『失われた時を求めて』を理解する助けになりそうな、素晴らしい文章だった。堀辰雄の主要作品は学生時代から愛読したが、彼が小説を書く上でプルーストがこれほど重要な役割を占め、彼が本当にプルーストを愛読していたことが初めてわかり、感動している。

今後はプルーストも堀辰雄ももっと楽しんで読んでいきたい。堀辰雄全集がまた欲しくなってきた。

なお、いつもお世話になっているこのサイトによると、筑摩書房の「堀辰雄全集」の第3巻に、「文学的散歩 プルウストの小説構成」は収録されているようだ。とりあえず、図書館で調べてみる。

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全集と言えば、いま悩んでいるのが「斎藤茂吉全集」か「斎藤茂吉選集」のどちらを入手すべきか……である。座右において愛読するには新書版の選集が好ましい。しかし日記好きの自分としては日記も収録されている全集が欲しい。全集は置き場所に困りそうだ。折衷案としては選集を入手し、全集は日記だけ入手するという手がある。オンラインの古本屋であたってみるとどちらも手が出ない価格ではない。両方とも買うというのは、抵抗がある。


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全集を買うというのは、今後の読書生活のなかの多くの時間を費やすということで、年齢を考えると躊躇したくなることである。家族の反対意見も予想される。しかし、思い切って清水の舞台から飛び降りるのも悪くない。このようにいろいろ考えて悩むのも、読書生活の楽しみのひとつと考えたい。

2021年4月23日金曜日

ソーン・ジトコフ天体(Thorne-Żytkow Objects)なんて知らなかった

『天体観測に魅せられた人たち』の著者 Emily M. Levesque さんの研究対象は何なのかと思い、論文を検索してみた。

https://scholar.archive.org/search?q=Emily+M.+Levesque&filter_time=all_time&offset=15

見ると、Red Supergiantとか、Thorne-Żytkow Objects(赤色巨星と中性子星が合体したと言われている仮説的なもの)という単語が、表題に多く含まれている。これらを研究するきっかけは、以下のようなことだったのだろう。

『天体観測に魅せられた人たち』の14頁〜15頁。

MITの二年目を終えた私……研究課題について最初に話をしたとき、(指導教官の)フィルからは二つの選択肢を提示された。赤か青か。……最期を迎える赤い星か、生まれたての青い星か……ブラックホールに魅力を感じていて、死にゆく星のほうがそれに近そうだったので、私は赤を選んだ。

38頁。

あまり深く考えずに決めた赤か青かの選択は、星の最期というその後15年にわたる私の研究テーマと、フィルとの友情の出発点となった。当時は二人とも知らなかったが、夏の観測リストのなかには、これまで観測されたなかでもっとも大きな恒星が三つ含まれていた。それらは記録的な大きさの赤色超巨星……

何気ない選択をしたようではあるが、そこには深い必然性が隠されている。若い時の選択はその後の人生に大きな影響を及ぼす、あるいはその後の人生のなかの何かが若い時の意思決定に働きかけをしていないという保証はない。このことは Emily M. Levesque に限らず誰にでも起きる。

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2ヶ月ぶりに床屋に行く。帰りに、共通の趣味である客船模型についての本をもらった。買っただけで作っていない氷川丸の模型を今度の連休で作ってみようかという気になった。


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夕刻、買い物の前に、セブンイレブンに寄って、ATMを使ってPaypayにチャージした。それで、スーパーでの勘定を済ませ、アプリで確認したら、めでたくマイナポイント25%の獲得に成功した。年寄りには難しい制度だ。なんとか出来てよかったけれど。

2021年4月22日木曜日

『天体観測に魅せられた人たち』は天文ファンにも、将来天文学をやりたい人にもぜひ読んでもらいたい。

「なんでも聴く」プロジェクト!

Les Sept Dernières Paroles De Notre Sauveur Sur La Croix
by Quatuor Danois; Joseph Haydn; Arne Svendsen; Palle Heichelmann; Knud Frederiksen; Pierre René Honnens
Valois / Résurgences (MB 313)

これを聴きながら、読書。



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『天体観測に魅せられた人たち』を一度読み終えた。(また読むことになるだろう。)この本はやはり、天文ファンや、将来天文学をやりたい人にぜひ読んでもらいたい。

273頁。
リモート観測という便利なやり方がある。これは名前だけは知っていたが、実用になっているのか。時差があるともっと楽。夜中に働かなくて良い。

近未来の観測。

292頁。
ベラ・ルービン天文台 南半球のサーベイ望遠鏡。

https://astro-dic.jp/vera-rubin-observatory/

300頁。
ベラ・ルービン天文台で見つけた注目すべき天体を、巨大望遠鏡と連携して精査する。素晴らしい。

298頁。
ソーン・ジトコフ天体(中性子星と赤色巨星が合体して、中性子星やブラックホールになるとされる!)の研究もしているらしい。これは、論文を読まなくては理解できないかも。私の場合は理解できないかも知れないが、面白い。


2021年4月21日水曜日

『天体観測に魅せられた人たち』の科学解説はお見事


『天体観測に魅せられた人たち』を読み進める。この本の著者エミリー・レヴェックさんは、ポピュラーサイエンスの本を初めて書いたということを、翻訳者の川添節子さんがあとがきで述べておられる。

一般の人向けに科学を解説するのは難しい。書く側に相当な知識と経験がいるのだ。やさしく書こうとすると冗長になる。かと言って説明を省略すると読者がついていけなくなる。高度な知識がなくても、文章の力でわかった気にさせるワザが必要になる。理想的にはアシモフとクラークの中間ぐらいの微妙なところを狙わなくてはならないだろう。

エミリー・レヴェックさんの文章はその理想に完全に達しているとは、言えない気がするが、若いに似ず、相当なところまでは行っているような気がしてきた。たとえば、182頁の、「補償光学システム」の解説は、私は多少「勉強」したので理解出来たような気がするが、一般の人にも(生き生きとした理解は難しいにせよ)納得できるレベルの説明が工夫されている。

「補償光学システム」で補償できるのは、大気のゆらぎによる天体像の乱れだけで、大気そのもののもつ光の吸収に対抗するには、望遠鏡を地上から持ち上げなくてはならない。そこで、183頁以降の、「アタカマ砂漠になぜ」望遠鏡を作ったかとなるし、「空中天文台」のように望遠鏡を航空機に載せ、気球につるし、ロケットに搭載し、ひいては人工衛星にしてしまう。このストーリー展開と、自分の経験を織り交ぜた語り口は秀逸だ。とくに、207頁以降の「オーロラ!」を観るシーンは感動モノ。そして211頁以降の、「皆既日食:につなぐ。日食観測に伴う過去のロマンス(例:エディントン他)は天文ファンならずとも面白い。

残りは80頁。明日読み終えるだろう。再来週の週刊ARの巻頭言でこの本を取り上げてみたくなってきた。

この書評も参考にして書きたい。

https://allreviews.jp/review/978


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「Internet Archiveで何でも聴く」プロジェクト。
LPレコードの宝庫があり、自分のコレクション(よりもちろん100倍多いのだが)とごっちゃになってきた。

Pres And Teddy
by The Lester Young-Teddy Wilson Quartet
Verve Records (MG V-8205)



Moonglow
by Artie Shaw And His Orchestra
RCA Victor (LPM-1244 / LPM 1244)




2021年4月20日火曜日

ジャック・ロンドンの生き様は小説より面白い

仕事机の模様替え。スピーカーを取り外し、机上の棚はほとんど本で埋める。

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昨日洗っておいたペリカンにPILOTのブルー・インクを入れる。吸入もしっかりしている。ウォーターマンにはWATERMANのFLORIA BLUE INKを入れた。やり直し数回で吸い込んだ。乾燥させすぎたか。


しばらくなじませて、試し書き。ペリカンはやはり書き心地良い。

書き始めるまで手間がかかったが、このスローなところがかえって魅力かもしれない。

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温かいので、午後市役所に行き、マイナンバーカードを受け取る。本人確認と暗証番号の登録のためにわざわざ電車二駅の距離を出かけるのは面倒。老人の運動不足の解消にはいいが、コロナ禍なのに。

帰ってきて、早速マイナポイントの登録。少し(一時間くらい)手こずった。スマホの電子マネーPxxxxxを使うのは初めてだ。

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雑用多く、本があまり読めないのは困る。ただ、朝寝床でTwitterTLを眺めて見つけたジャック・ロンドンの生涯のあらましの資料(『荒野の呼び声』の解説 青空文庫)は面白かった。ヘミングウェイよりずっと野性的。



これも読んでみる。

https://archive.org/details/bookofjacklondon01londuoft/page/n7/mode/2up


 


2021年4月19日月曜日

万年筆のお手入れを再開

昨日に引き続き、聴き続けた。

Der Ring Des Nibelungen
by Richard Wagner; Wiener Philharmoniker; Georg Solti
London (414 100-1)

https://archive.org/details/lp_der-ring-des-nibelungen_richard-wagner-wiener-philharmoniker-georg/disc11/22.01.+Siegfried%3A+Act+III+(Conclusion).mp3

はまだ、34分の15曲目(汗)

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『天体観測に魅せられた人たち』を読み進める。

ハラスメントの話から、ハワイ島のTMTの話へ。余談ながらTMT建設の円満な再開が待たれる。

昨日も書いたが、この本は天文学をやろうとする人には最高の入門書と思う。数学は得意で、飛び級で数学の時間だけ中学校から高校に通っていた、でも物理学は大学に入るまで全然知らなかった、というところは読み飛ばそう。人それぞれなのだ。

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昔の(30年くらい?)ラジカセを修理しようとしたが、分解しにくくて断念。スピーカーとモーターのみ記念に取っておく。ペリカン万年筆の手入れを開始。いま、カップの水に漬かっている。明日、インクを入れる。ウォーターマンは先日洗っておいたので、明日すぐ使えるだろう。


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夜のNHKTVニュースで、日本近海の海水温が上がっていて、ひじきをはじめ海藻などが絶滅状態とのこと。事実、例年購入させていただいている山口県のひじきの通販サイトでは購入できない。こわいことだ。

2021年4月18日日曜日

天文学をやりたい人と天文に興味のある人は必読です👉『天体観測に魅せられた人たち』(原書房)

「Internet Archiveで何でも聴く」プロジェクトを続ける。

The Resurrection (Historia Der Auferstehung Jesu Christi)
by Heinrich Schütz; Peter Pears; Robert Tear; John Shirley-Quirk; The Schütz Choir Of London; Roger Norrington
Argo (ZRG 639)

https://archive.org/details/lp_the-resurrection-historia-der-auferstehung_heinrich-schtz-peter-pears-robert-tear-joh/disc1/02.01.+Resurrection+Of+Our+Lord+Jesus+Christ+(Historia+Der+Auferstehung+Jesu+Christi)%3A+%22Und+Siche%2C+Zweene+Ans+Ihnen+Gingen%22+To+End.mp3


Der Ring Des Nibelungen
by Richard Wagner; Wiener Philharmoniker; Georg Solti
London (414 100-1)

https://archive.org/details/lp_der-ring-des-nibelungen_richard-wagner-wiener-philharmoniker-georg/disc11/22.01.+Siegfried%3A+Act+III+(Conclusion).mp3


    👆
いま、「Disc 11:1. Siegfried: Act III (Continued) 2. Siegfried: Act III (Conclusion)」のところまで聴いた。

全部聴くには、あと4日はかかりそう。

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エミリー・レヴェック『天体観測に魅せられた人たち』(原書房)を読みはじめ、すぐ100頁まで読んだ。高校生までは天文学者になるつもりだったので、この本に書かれていることは興味深くそして、ほろ苦い面白さをもつ。

今の所、82頁付近の記述が白眉と感じる。

観測者にできるのは、申し込んで、運良く割りあてをもらい、良い夜になることを強く願いながら天文台に向かうことだけとなる。

著者は1984年生まれ。息子と同じ歳だ!


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夕食後、新型コロナウィルスに関するNHKスペシャルを観る。以下の感想ツイートをしてみた。




2021年4月17日土曜日

ピーター・メンデルサイドの『本を読むときに何が起きているのか』は興味深い本

ピーター・メンデルサイド『本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間』(フィルムアート社)を読む。素早く読める。


好きな物語の映画化作品には気をつけること。俳優のイメージが自分の「イメージ」を壊す。

朝日新聞ドリトル先生連載の今週分を切り抜く。ドリトル先生のイメージは、ヒュー・ロフティング自身の挿絵からは伝わらない。これはワザとか?スタビンズ少年も。もちろん犬のジップも。

そう言えば、孫にはドリトル先生とファーブル昆虫記とシートン動物記を買ってあげたい。あと、図鑑類も。

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森鴎外訳の『マクベス』少し読む。これは『はじまりの漱石』の影響。

シェークスピア全集が欲しい。『モンマルトル日記』(131頁)を調べたら、辻邦生の持っていたのは筑摩書房「世界古典文学全集」41〜46巻だった。幸い、図書館にあったので、まず第41巻を予約した。古書店では6冊揃で3800円から10,000円くらいだが。要検討。

話が錯綜するが、辻邦生の日記の索引が欲しい。作ろうかしら。

参考(?)サイト。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/index.html

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「バッハを聴きたおす」プロジェクト。

English Suite No. 6 In D Minor (BWV 811) / French Suite No. 5 In G Major (BWV 816)
by Wilhelm Backhaus; Johann Sebastian Bach
London Records (LL-1638)

https://archive.org/details/lp_english-suite-no-6-in-d-minor-bwv-811-fre_wilhelm-backhaus-johann-sebastian-bach/disc1/02.03.+Prelude+And+Fugue+In+G+Major+(Bwv+884)%2C+Book+2%2C+No.+15+Of+%22Das+Wohltemperierte+Klavier%22.mp3


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夜はARオンライン月例定例会。今回のテーマは「推し」。9時半から11時半まで。

私のはこれにした。

https://hfukuchi.blogspot.com/2021/04/blog-post_16.html

他の方の「推し」は以下。面白かった。
ミュージカル
金魚
万年筆
瀧川鯉八
は○


2021年4月16日金曜日

本の索引には主見出し語だけでなく副見出し語も必要とのこと

「シュッツを聴く」プロジェクト。

St. John Passion
by Heinrich Schütz; Claus Stemann; Werner Hohmann; Bruno Müller; Schwäbischer Singkreis; Hans Grischkat
Dover Publications (HCR-5243)

https://archive.org/details/lp_st-john-passion_heinrich-schutz-claus-stemann-verner-hohma/disc1/02.01.+Part+2.mp3

これを聴きながら、17日のAR定例会のお題「推し」の準備をした。テーマは「索引」をやめて(知識が少ないことがよくわかったので)、「日記」にすることにした。

「Internet Archiveで何でも聴く」プロジェクト。

Popular Piano Concertos Of The World's Great Love Themes
by George Greeley; The Warner Brothers Orchestra
Warner Bros. Records (WS 1387)

https://archive.org/details/lp_popular-piano-concertos-of-the-worlds-grea_george-greeley-the-warner-brothers-orchest/disc1/01.01.+Love+Is+A+Many-Splendored+Thing.mp3

やたらに気持ちいい。

***

『斎藤茂吉日記』を読み進める。

大正14年8月5日、高野山。
佛法僧を聞く。このことを随筆に書いたと思う。佛法僧に限らず、随筆や歌の材料を仕込むために詳細な日記を書き綴る。

8月22日。
箱根へ避暑に。優雅な生活?

***

『はじまりの漱石』も読み進める。マクベス評のところ。

ところで、昨日借りてきた藤田節子さんの『本の索引の作り方』(地人書館)によれば、『はじまりの漱石』の索引は悪いタイプの索引だ。副見出しがなく、索引見出し語の下に参照頁が羅列されており必要な情報にアクセスしにくい。


***

今週の朝ドラの「千之助」、即興(アドリブ)ができなくなった、老いの悲しさ。これは講師をやっていた経験からはよくわかる。観客の反応を見ながら即応する芝居は難しいが楽しいのだ。

AR定例会(4月17日21:30〜)用の記事

 

hiroの推しは「日記」です


<日記を読む目的>

1.著者の作品の背景への興味
(例えばトーマス・マンの『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』執筆の顛末)
2.自分のブログ日記(1万日連続を目指す)の参考

 

<オススメの日記10選>

1.『トーマス・マン日記』(紀伊國屋書店)全10巻

2.辻邦生の日記

(1)『パリの手記』(河出書房新社)全5巻

(2)『モンマルトル日記』(集英社)

(3)『パリの時』(中央公論社)全3巻

3.森有正の日記『全集』(筑摩書房) 全2巻

4.森鴎外の日記『全集』(岩波書店) 全1巻

5.夏目漱石の日記『全集』(全集刊行会)全1巻

6.サートンの日記たち

7.内田百閒の日記たち

8.永井荷風の『断腸亭日乗』 

9.『アシモフ自伝(実は日記に近い)』(早川書房)全4巻

10.神谷美恵子の日記

 

<今読んでいる日記>

1.斎藤茂吉の日記『全集』(岩波書店)全4巻 他に手記が2巻
2.自分の若い頃の日記ノート10冊と手帖20冊
(これは、ブログへの転載を計画中、完成すれば18歳から死ぬまでの80年分の「日記」ができるはず。)

2021年4月15日木曜日

『はじまりの漱石』(新曜社)を読んでいるとぞくぞくする(あるいは「ぐるぐる」する)

「Internet Archiveで何でも聴いちゃおう」プロジェクトですなり。


Grosse Messe C-Moll KV 427
by Wolfgang Amadeus Mozart; Ferenc Fricsay; Maria Stader; Hertha Töpper; Ernst Haefliger; Ivan Sardi
Deutsche Grammophon (LPM 18 624)

https://archive.org/details/lp_grosse-messe-c-moll-kv-427_wolfgang-amadeus-mozart-ferenc-fricsay-mar/disc1/02.03.+Sanctus+-+Benedictus.mp3


Piano Concerto No. 4 In G Major, Opus 58
by Ludwig Van Beethoven; Wilhelm Backhaus; Wiener Philharmoniker; Clemens Krauss
London Records (LLP 417 / LLP.417)

https://archive.org/details/lp_piano-concerto-no-4-in-g-major-opus-58_ludwig-van-beethoven-wilhelm-backhaus-wien/disc1/01.01.+Piano+Concerto+No.+4+In+G+Major%2C+Opus+58%3A+1st+Movement%3A+Allegro+Moderato.mp3


The Mantovani Sound (Big Hits From Broadway And Hollywood)
by Mantovani And His Orchestra
London Records (PS 419 / PS,419)

https://archive.org/details/lp_the-mantovani-sound-big-hits-from-broadway_mantovani-and-his-orchestra/disc1/01.01.+Dear+Heart+(From+%22Dear+Heart%22).mp3


これは、👆懐かしい響き。1965年版。


Symphony No. 7
by Ludwig van Beethoven; Philharmonia Orchestra; Guido Cantelli
Regal (SREG 2011)

https://archive.org/details/lp_symphony-no-7_ludwig-van-beethoven-philharmonia-orchestr/disc1/01.02.+Symphony+No.+7+In+A+Major+Op.+92%3A+2nd+Movement%3A+Allegretto.mp3


***

『斎藤茂吉全集 第29巻 (日記1)』を読み続ける。

大正13年12月30日。67頁。

香港を出帆直後、留守宅(といっても義父が切り盛りしていた病院だが)火災の報に接する。留学先から送った大量の書籍も書きためた原稿も烏有に帰したと考えただろう。ここまでの上機嫌さとは打って変わって、大いに落ち込む。気の毒だ。

大正14年。

焼け残った本や原稿を掘り出し、乾かす作業。医師としての仕事。子供の誕生。北杜夫はまだ生まれない。旅に出ると日記が長くなる。あたりまえだが。航海中に書き留めた短歌を仕上げる。じっくり推敲するような仕事は旅行中は出来ないものだ。

100頁まで。

***

『はじまりの漱石』

92頁。

まだ未刊の『文学論』を論じた?「文学論序」と、あまり知られていない『英文学形式論』と。
謎は深まる……興味深いぞ。

116頁。

比較文学者、夏目漱石。漢文学と英文学両方の知識をもとにして、日本文学を基礎づける……が実現したパラレルワールドに行ってみたい(私の願望!)

***

新たに借りてきた本。全部読むとは限らない。でも全部ざっと目は通す。


索引に関するページ発見。

科学技術情報流通技術基準 索引作成

https://jipsti.jst.go.jp/sist/handbook/sist13/main.htm

2021年4月14日水曜日

1924年末、斎藤茂吉は榛名丸で帰国の途につく、船上で『魔の山』を読んだのなら面白いのだが

今日の「シュッツを聴く」プロジェクトの実績。

Schutz, H.: Kleiner Geistlichen Concerten
ゲルハルト・シュミット=ガーデン
56曲 • 3時間27分 • Dec 31, 1992

https://music.amazon.co.jp/albums/B004B97VUI


***


『斎藤茂吉全集 第29巻 (日記1)』(岩波書店)を読みはじめる。

大正13年11月30日。留学を終えた茂吉は妻輝子とともに、榛名丸でマルセーユを出帆。

ストロンボリ火山、エトナ山、クリート島などを見ながら、帰途の航海を楽しんでいる。

日記のこの部分は、「日本歸航記」と名付けられて手帖に記入されたようだ。口絵に、12月9日の部分が写真版で収録されている。細かい几帳面な字で書かれており、船上から見える風景も丁寧に描かれている。学位も取り、余裕ある気持ちで日記もゆっくり書いたように見える。のんびりと書きつづり、船上の生活を歌人としての細かい観察の結果もしっかり書いてあるので、とにかく長い。インド洋上では何も特筆すべきことはないようなのだが、一日も休まず書き続けている。58頁まで我慢して読んだがやっと、シンガポールを発ったところだ。少し面白くなってきた。茂吉と輝子のキャラが立ってきた。

日本食が恋しかったらしく、すき焼きや刺し身が供されると、ご飯を5杯も6杯も食べる。見方によっては無神経であり、船に弱かったらしい輝子夫人にはこの面でも嫌われたらしい。もっと悪いことに、港で上陸し観光をする場合に妻と一緒に行動をしない。

日本に帰ってからの日記の頁を開けて眺めると、それほど長々とは書いていないので、少し安心して、もっと読み進めることに決めた。

大正13年は西暦でいうと1924年。『魔の山』が出版された年なのだが、マジメな茂吉はまだ読んでいなかったかも知れない。

この全集の目次はここにある。感謝したい。

http://kenkyuyoroku.blog84.fc2.com/blog-entry-526.html

2021年4月13日火曜日

『文学論』を手軽に読む工夫

4月12日の朝日夕刊第2面。「凄腕仕事人」の記事の末尾、過去のカタログと引き出しに整理したネジ類の記述に感心した。これぞ「索引」の極致。「竹折さん」の頭の中の索引を後進のために見える化。示唆に富む。朝日新聞デジタルでスクラップしておいた。そのコピーはPC中に納めた。

***

今朝、メルマガ巻頭言原稿を最終稿とする直前に、記事テキストをiPhoneで読み上げ処理させてみたら、うっかり見逃していた記述ミスをひとつ見つけた。様々な角度でチェックすることは大事。こういう技は以前から(校正をしていたときに)知っていたが、きちんと応用しないといけない。

***

昨夜寝る前の読書。『はじまりの漱石』。面白い。

40頁。「文学論序」の耐乏生活のレトリックには注意深くあれ!と。実は栄養も取っていたし友人付き合いも活発だったのか。レトリックを針小棒大に解釈する、要するに誤解する我々読者がいけないだろう。

ともかく、『文学論』そのものも普通の本のように気楽に読み通してみたい。一方、気楽に読めないのは、『文学論』の論旨に関係しそうだ。文学を楽しみに読むだけでなく、文学は人間社会にとってどんな意味があるのか、留学中から研究したことを学生に講義したので、当時の学生だけでなく、いまの私も当惑する。しかし避けては通れない話題だ。このことのスケールを小さくすると、印象書評でなく、同種の本と相対的に比較したり執筆テクニックも問題にせよという議論にもなる。

『文学論』を少しでも読み進めるためには、ハンディな形態の本(電子図書)が必要。文庫本を買いたいが金がないので、Kindleで国会図書館の全集本を読むことにした。書き込みもなんとか出来る。従来から持っている全集本に書き込みをまとめても良い。Kindleなら寝床でも読める。

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1883297


2021年4月12日月曜日

「常識」を疑わないのは怠慢でもある

会員となっている「デジタル・ケイブ」の四月イベント【川端裕人さんと読む『「色のふしぎ」と不思議な社会』】のアーカイブ動画を視聴。(視聴できるのは会員のみです。)

「デジタル・ケイブ」のページでの紹介は以下の通り。

新刊『「色のふしぎ」と不思議な社会』を上梓された川端裕人さんをお招きし、色覚の多様性について、これまでの「常識」をひっくり返す、発見に満ちたお話を伺います。

「色覚異常」と以前言っていたが、それは「異常」ではなく、すべての人が個別に違っている色彩に関する感受性の多様さの一部に過ぎなかったと言うお話だった。

このような、いままではゼロか一か、オンかオフかという二元論で考えていたことが、実は多様なスペクトルの中の程度の違いということだっという事象は世の中に多い。二元論は物事を過度に単純化し思考停止をもたらす。色彩への感受性は、一次元の多様性で説明できそうだとのこと。これだけでも十分常識をぶち破るのだが、世の中には多次元の多様性を持つ事象が多いとのこと。LGBTに関する議論や政治的な立場など、多次元の多様性を考えなければならない問題は数多いのだと気づく。

新しい視点に目覚めさせていただいて、ありがたい限り。物理学を昔やっていた単純思考の持ち主(私)にとっては、大きな衝撃だった。

川端裕人さんの『「色のふしぎ」と不思議な社会』はぜひ入手して読んでみたくなった。当地の図書館にはない。他地域の図書館にはみんなあり、すべて貸出中になっている。

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メルマガ週刊ALL REVIEWS100号記念用の文章を書き始めた。発足当初のことと、今後の展望についてはもう少し、思い出したり考えたりしなくてはならない。なるべく、楽しみながらやりたい。

2021年4月11日日曜日

「読む」ことの多様性を大事にしたい

昨日ピコくんをずっと抱いていたら、今朝になって腕全体がおもくるしくなってきた。朝の寒さで肩を冷やしたからかと誤解したが、そうではなかった。この重さを味わえるのはこの子の年頃だけ。貴重な経験である。

初節句
孫抱き、重さに
笑い泣く


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昨日朝の朝日新聞読書欄より。

(ひもとく)離れて共に読む:下 全く逆か…思い込みが開けた 都甲幸治

受講生たちと語りながら、何より自分の考えが大きく開けていった。オンラインでのつながりには人を成長させる力がある。

都甲さんにしてこうなのだから、私のような素人読者は大いに、好きな本を読んで得た感想を、他の人と話し合うべきだ。

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『マルジナリアでつかまえて』を読了。(これは気軽に「読了」にしていい種類の本だろう。)



2021年4月10日土曜日

今度こそ漱石の『文学論』を読むきっかけがつかめそうだ


服部徹也さんの『はじまりの漱石 『文学論』と初期創作の生成』を三軒茶屋の図書カウンターで借りてきた。一年半ほど読みたいと思っていた本だ。

あとがきを読む。

383頁。

漱石の『文学論』……複数の研究者が注目している第四編第八章「間隔論」から読み進めてみると、意外にもすんなりと読み進めることができた(はじめから読まないほうがよい本もある)。

『文学論』では何度も「挫折」しているので、これは有望な示唆である。さっそく第四編第八章から読んでみることにする。そして読めるようなら、『マルジナリアでつかまえて』で山本貴光さんが言っている通り、手軽な文庫本も入手したい。この本の性格上電子書籍も援用するのがよさそうだ。一方、書き込みをしながら読むには紙の本が良い。全集本はあるが、重くて取り扱いが不便。

山本貴光さんによるとPILOTのHITEC-C 0,25mmレッドも必要だそうだ。書き込みのためだ。

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同じく三軒茶屋で借りてきた全集本(岩波書店 第29巻 昭和48年)の斎藤茂吉の「日記」も目を通す。科学者風の記述やスケッチも入っており、読み物として面白そうだ。

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ピコ太郎と遊びすぎて、肩が凝り、腰が痛い。体重が7.5キロあるのに、長時間抱いていたためだ。快い疲れでもある。



2021年4月9日金曜日

「世界は索引で出来ている」……まだ仮説だがいずれ「証明」する

今度のAR(オンライン)定例会のお題は「推し」。私の推しは「索引」にすることにした。話す中身はもう出来ている。

https://hfukuchi.blogspot.com/search?q=%E7%B4%A2%E5%BC%95

ここから適宜抜き出して話せばいい。

などと考えながら起きて、小部屋にいく。昨日借りてきた山本貴光さんの『マルジナリアでつかまえて 書かずば読めぬの巻』を持っていって読んだ。すると、この本の後半に「とある蔵書のインデックス」という愉快な章があり、これはいい本を借りてきたと喜んだ。しかも巻末の「付録」に「私の好きな索引」とか「関連書」という記述を見つけ、もっと喜んだ。この付録2ページだけでもこの本(2000円)を買う価値がありそうだ。


付録に紹介されているのは、以下。

(1)『プラトン全集』(岩波書店)の「総索引」がすごい。

(2)『井筒俊彦全集』(慶應義塾大学出版会)と『ニーチェ全集』(ちくま学芸文庫)の索引もそれぞれの意味ですごい。

(3)アン・ブレア『情報爆発 初期近代ヨーロッパの情報管理術』(中央公論新社)には、ライプニッツが「最近、本が多くなりすぎて全部(!)読めない」と嘆いた話が書かれている😅。索引にも言及。

(4)ピーター・メンデルサンド『本を読むときに何が起きているのか』(フィルムアート社)が面白い。

(5)ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』(ちくま学芸文庫)も索引好きが読んで損はない。

(6)藤田節子『本の索引の作り方』(地人書館)はためになる。

(4)と(5)と(6)の本は早速iPhoneを使って図書館にアクセスし、予約済み。いながらにしてこんな芸当が出来るのも、世の中に「索引」システムが充満しているからだ。

今度は「世界は索引で出来ている」という命題を考えた。あとで、帰納法的に(ほら話的に?)証明したい。

電子書籍とページと索引の悩ましい関係の話が、本文にあり、これも面白い。プラトン全集には行ごとに「番号」がふってあって、この点で便利なのだそうだ。そういえば『ファウスト」にも行番号がふってあった。『ルバイヤート』にもあったっけ?

267頁に「書物に索引を付けない奴は死刑にせよ」という、警句が引いてある。バーナード・ショーの言葉であると伝えられているそうだ。

「バーナード・ショー 索引」でググって出てきたこのサイトは!!!

『【書庫】或いは、集藏體 archive』ここはすごい。

http://livresque.g1.xrea.com/

バーナード・ショーご本人も非常に面白い人となりの人物であるようなので、調べてみようと「全集」をKindle版で買う。90円くらいで安い。このDelphi Complete Worksには他にも多数の作家のものがある。安価で場所をとらずに立派な図書館が手に入るのかも。


***

昨日からまた欲しくなった『齋藤茂吉全集 全36巻揃』が13,000円で、某古本屋サイトに出ているが、金は捻出できても置き場所が捻出できない(T_T)

日記だけ数千円で手に入れるか?

2021年4月8日木曜日

ワーグナーを聴くプロジェクトを開始する

下記のTweetが発端。


なるほどと思いながら以下を聴く。

ドイツ歌曲集

藤村実穂子
22曲 • 1時間10分 • Nov 20, 2010

https://music.amazon.co.jp/albums/B00AKHYJNM


そしてついに、「禁断の」ワーグナーに手を出すことになってしまった。

The Best of Wagner, Vol. 1
リヒャルト・ワーグナー
5曲 • 1時間18分 • Apr 14, 2018

https://music.amazon.co.jp/albums/B07C87F947

the Rheingold
by Richard Wagner ; George London ; Kirsten Flagstad ; Set Svanholm ; Gustav Neidlinger ; Georg Solti ; Wiener Philharmoniker
London Records (OSA 1309)

https://archive.org/details/lp_das-rheingold_richard-wagner-george-london-kirsten-flags/disc1/01.01.+Prelude+And+Scene+1%3A+Weia!+Waga!+Woge!+Du+Wellen+-++Hehe+Ihr+Nicker+-+Lugt+Schwestern!+-+Interlude.mp3


いよいよビッグプロジェクトの開始か!

中毒を防ぐために、先に『トーマス・マン全集 IX』の「リヒァルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」を読んで、予防注射しておこうか。

***


今日まで光文社古典新訳文庫Kindle版が安いので、『詐欺師フェーリクス・クルルの告白 上下』を買っておいた。文庫本だと1冊3000円以上だが、Kindle版だと500円強。

ついでに(?)世田谷区立図書館で『はじめの漱石』も予約。土曜日にピコ太郎に会いに行くのだが、その時に受け取れるようになるといい。

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『おおきな森』を引き続き読む。ついに、「消滅する海」の出現。きょうは189頁まで。


2021年4月7日水曜日

「作家の過去の読書体験も併せて味わう」のが読書と古川日出男さんが『おおきな森』で書いておられる。実に納得。

齋藤茂吉が歳をとったとき、どんな様子だったかを調べることにした。とりあえず、青空文庫で、彼の随筆をいくつか読んでみた。

面白いので、『選集』の随筆の巻を2冊、図書館で予約。日記も読む必要がありそうなので、『全集』の日記の一巻目を世田谷図書館で予約した。こちらは、土曜日か日曜日に孫の顔を見るついでに借り出してくるつもり。

***

『三四郎』の文庫本があったはずなのに数週間見つからなかった。それが今朝、枕元の本棚にちゃんとあるのに気付いた。棚の端に横にして押し込んであったので気づかなかった。でも本の背文字はきちんと見えていたので、注意力不足と言うしかない。対策は、本をきちんと整理してならべることだろう。わかっているのに、そこをサボるのは老化のしるしだ。要注意。しかし、昔は乱雑なままでも本の排列を覚えていたような気もする。その記憶力がなくなってきているのが問題か。

***


『おおきな森』読み続ける。100頁まで。二つの森に関しての話は順調に進む。そろそろ海もでてくるのかしら。

58頁。

「読書とは、読者が『その作家の過去の読書体験も併せて味わう』ことである」との定理……

なるほどです。

***

今夜21時からは週刊ALL REVIEWSの100回記念イベント会議の仕切り直し。……で、いま終わったが面白かった。内容別途。

2021年4月6日火曜日

春寒に 写真一つで あたたまる

「老い」に関するもろもろを朝の寝床で考えた。何かのヒントになるかもしれない。

  1. A. C. クラークの晩年は他の作家にアイデアを供給した。
  2. 監督に対するプロデューサーの役割。
  3. 楢山節考。
  4. 部族の長老。
  5. 長屋のご隠居。
  6. エッセイ(短編でなく長編小説、でもよい)。
  7. 足元の小宇宙(Kindle版 埴沙萠)。
  8. 老クラークと老アシモフのちがいと共通点を明らかにする。
  9. 短時間睡眠を何回もとるのが良い。

Twitterでいいねした、村上春樹へのインタビュー記事の紹介ツイート。


***

「バッハを聴くプロジェクト」今日の実績。

J.S. Bach: Chaconne - Baroque Lute Recital
Toyohiko Satoh
10曲 • 54分 • Dec 31, 1989

https://music.amazon.co.jp/albums/B0042HU63I


Bach, J.S.: Mandolin and Guitar Works
Dorina Frati
19曲 • 1時間3分 • Dec 31, 2005

https://music.amazon.co.jp/albums/B00I8LYJ5U


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古河日出男『おおきな森』を本格的に読みはじめる。最近の内外の小説の「けたたましさ」は素晴らしいが、やはりうるさいところがある。その中では抑制が効いているほうか。50ページまで読んで、もっと読むことに決めた。第二の森と第一の森の世界は出現した、あと、消滅した海という世界もあるらしい。(本のカバー裏に書いてあった「ガイド」による。)

***

寒くて元気が出ないので、ピコ太郎の写真を送ってもらった。

元気が出た😊



2021年4月5日月曜日

『俺の歯の話』にはなんとかついていけると若ぶってみる

昨夜、池江璃花子選手が病気の後初めて、日本選手権バタフライ100メートルで優勝。五輪のメドレー出場権を得た。復帰後7ヶ月なのに、立派なものだ。今日の夜、萩原智子さんがテレビニュースで解説していたが、筋力は全盛期ほどないが、決勝レースでは準決勝までと泳ぎ方を変えて(端的には50メートル18ストロークを17ストロークに変更して)、筋力の不足を「変更力」で克服したと言っていた。これは示唆に富む分析だと思った。確かに池江選手の腕や肩を見ると筋肉の盛り上がりは多くない。それなのに、勝てた。

老人の筋力も衰えている。それに私のように内臓系の病気で手術をした後ではそれ以前の体力がないのは当たり前かもしれない。その体力の衰えは、思考力に影響を及ぼしていると感じざるを得ない。当然のようにそれをカバーする方法をいつも考えている。主にやっているのはある仕事をするのに時間をかけること。時間を置いて何度も繰り返し、その結果のチェックの回数も増やす。一時間で出来た仕事でも、数日かけて行えば品質は下がらないはずだ。こう思ってやっているが、意外と結果が伴わない。ミスは昔より数多くおかしてしまう。

考え方が間違っているのだろう。自分の思考能力低下をもっと分析して、それに見合った、より適正な方法を考えなければならない。時間をかけるという、いわば「力任せ」な方法ではいけないのだろう。

ICTの力を借りるのも良いが、それ以前に、思考筋肉の衰えをカバーする、別の思考筋肉の動かし方を会得しなければいけないと思える。自分がどのように思考して結果を出しているのかを分析するところからはじめたい。他山の石として、トーマス・マンや森有正や村上春樹や森鴎外など老年期まで書き続けている人の作品を分析するのもいいかもしれない。


***

バレリア・ルイセリ『俺の歯の話』(松本健二訳 白水社)を半分まで読む。昨日の月刊ALL REBVIEWSフィクション回で山本 貴光さんと 豊崎 由美さんがこの本について対談を行なった。昨夜は所用(炊事)で観ることが出来なかったが、面白そうな本だと直感が教えてくれたので、今朝そのアーカイブビデオを視聴。


案の定、面白そうな本だった。若い著者の語り口でちょっとついていけないというところもあるが、そこは頑張って読み続ける。奇想天外なところが良い。

対談では、この本のネタでもある、弁論術の話が盛り上がった。それに乗って、私も図書館で『アリストテレス全集 18』を予約してしまった。「弁論術」と「詩学」が納められた巻である。ついでに、『マルジナリアでつかまえて 書かずば読めぬの巻』(山本さん著)と、『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 世界浪曼派』(山本さんご推薦)も予約した。

***

「バッハを聴く』プロジェクト。

John Feeley - Cello suite no.1 in D by J.S. Bach

2021年4月4日日曜日

プルーストの読み方はおでん屋のカウンターで先輩に訊くのがよさそうだ

「Clifford Brown を聴く」プロジェクト、今日のテーマは「Autumn in New York」。

Niven Jazz Collection: Clifford Brown Tape 7 (1954)

https://archive.org/details/Clifford_Brown_Tape_7_1954/Clifford_Brown_Tape_7_1954_Side_A.wav

(Autumn in NewYork は第1トラックの16分50秒前後から。上に表示される波形を見ると曲の区切りはだいたい分かる。)


もちろん、ここでも聴ける。

Autumn In New York - Clifford Brown All Stars [Full Version]

https://youtu.be/w5BGbjqUWns


***

「バッハを聴く」プロジェクトも忘れない。

Richter Plays Bach
スヴャトスラフ・リヒテル
71曲 • 3時間50分 • Aug 24, 2008

https://music.amazon.co.jp/albums/B01HC3MYME

これはかなりオススメのアルバム。

***

昨日掘り出した本、吉田健一の『東京の昔』(中公文庫)の抜書き。

35頁。春先のおでん屋での会話……

(古木君)「……或る本を読めばその本に就て又別な本を読まなければならないでしょう。それで更に別の本を読むことになる。例えばプルーストの時間の観念を摑むにはベルグソンの哲学を知る必要があってそうするとその哲学が十九世紀の、――」

……

(私)「併しプルーストはただ読むだけでも結構楽しめるでしょう、」

テーマはプルーストではないが、これとほとんど同じ会話を数年前(!)に、上野広小路裏のおでん屋で、客先の取締役とした記憶がある。年甲斐もない……恥ずかしい。やはり重役までやる人は偉いものだと今になって思う。

From Wikimedia Commons, the free media repository


2021年4月3日土曜日

インターネットで音楽三昧

今日の「シュッツを聴く」プロジェクト実績。

Schutz, H.: Geistliche Chormusik
Tolzer Boys Choir
29曲 • 1時間44分 • Dec 31, 1998

https://music.amazon.co.jp/albums/B00I8LQZHK

*** 



コロナ禍に読む吉田健一の『東京の昔』。ほとんど外国に行けないという今の事情は、この小説の時代の事情と同じ。憧れを満たすには、銀座や横浜にでかけ、一方では近場の人情にも触れる。今は、インターネットで海外のものに触れるのだが、当時はシベリア鉄道や船便で現物がどんどん日本に持ち込まれる。閉塞感は今のほうが強いかもしれない。インターネットで世界中のことを知ってしまったと誤解しているから。

そう言いつつも、こういうのはかなり便利。限界をわきまえて使って行きたい。
👇
Internet Archive: To Capture & Store & Share All Human Knowledge (Seriously!!)

https://mikegreersworthsharing.blogspot.com/2021/03/internet-archive-to-capture-store-share.html?fbclid=IwAR3ohB493skkzcyjmmOhupcxjDG1PztVUsNPRP4180442OpBIqXE8dV0MgM


今朝見た夢。会社で身の回りを片付けていたら、古いノートが出てきた。詩のようなものが手書きされている。端正な字だ。近くにいたS君に聞いたら、それは亡くなったR. K. さんのノートですねと言われた。 まるで現実にありそうな話だった。

***

「Clifford BrownをInternet Archiveで聴く」臨時プロジェクト。

Study In Brown
by Clifford Brown And Max Roach
EmArcy (EXPR-1008)

https://archive.org/details/lp_study-in-brown_clifford-brown-and-max-roach/disc1/01.01.+Cherokee.mp3


Best Coast Jazz
by Max Roach; Herb Geller; Walter Benton; Joe Maini; Clifford Brown
EmArcy (MG-36039)

https://archive.org/details/lp_best-coast-jazz_max-roach-herb-geller-walter-benton-joe-ma/disc1/01.01.+Coronodo.mp3


Gone with the Wind
by The Clifford Brown Ensemble; Clifford Brown; Zoot Sims; Bob Gordon; Stu Williamson; Russ Freeman; Shelly Manne; Carson Smith; Wrubel; Magidson
Pacific Jazz (627)

https://archive.org/details/78_gone-with-the-wind_the-clifford-brown-ensemble-clifford-brown-zoot-sims-bob-gordon_gbia0059149b/Gone+with+the+Wind+-+The+Clifford+Brown+Ensemble.flac


「懐かしいトラックを聴く」臨時プロジェクト😅

Singin' In The Rain
by Gene Kelly; Lennie Hayton and the M-G-M Studio Orchestra; Brown; Freed
MGM (M-G-M 113)

https://archive.org/details/78_singin-in-the-rain_gene-kelly-lennie-hayton-and-the-m-g-m-studio-orchestra-brown-f_gbia0003199a/Singin_+In+The+Rain+-+Gene+Kelly+-+Lennie+Hayton+and+the+M-G-M+Studio+Orchestra-restored.flac


***

『言語の七番目の機能』を続けて読む。ますますハチャメチャになっていく。

248頁。

バイヤールが瓦礫のなかから埃まみれで這い出してきた……そのがっしりとした体躯から、みなぎる力と、無言の思想的力怒りを発散させながら、意識を失った青年を背負って、この戦闘シーンさながらの事故現場から、ぬっと姿を現わしたとき、シモンは、ジャン・バルジャンを思い浮かべた。

2021年4月2日金曜日

ローラン・ビネの『言語の七番目の機能』は人形劇を見るような奇妙な魅力に満ちている

今日の「シュッツを聴く」プロジェクト実績。

Schütz: Schwanengesang
ドレスデン室内合唱団
13曲 • 1時間18分 • Jan 18, 2018

https://music.amazon.co.jp/albums/B078P1MJLZ


SCHUTZ: Psalmen Davids
Jeremy Summerly
12曲 • 1時間4分 • Jul 11, 1996

https://music.amazon.co.jp/albums/B003QL3Q0Q


***

週刊AR100号記念ミーティングは4月7日に延期。目的としてはAR友の会の活性化としたい。

100号記念に合わせて、友の会メンバーとARサイトを訪れる人たちが共に関わるためのプラットフォームとして前々から構想がある、マイページ機能を実現させたい。


***


ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』を読み続けて200頁まできた。

抜書きプロジェクト実績。

冒頭のロラン・バルトが交通事故に会うシーン。

9頁から引用。

バルトはエコール通りを横断しながら、自分のことを相対性理論について考えているアインシュタインのように感じていたのではないだろうか? 確かなことは、彼があたりにあまり注意を払っていなかったということだ。自分の仕事部屋まであと数十メートルというところで。彼は軽トラックにはねられる。彼の肉体は、肉が鉄板にぶつかるときに特有の、鈍く気味の悪い音をたて、布の人形のように舗道にころがる。

ピエール・キュリーがやはり交通事故にあったのを思い起こさせる。ピエール・キュリーは即死だったが、バルトは少し生きながらえる。「布の人形」という記述が秀逸で、この作品のこのあとの書きぶりの象徴となっている。つまり、「人間」というより、「人形」のように登場人物それぞれが描写されていく。少し不気味。不気味さは「言語の七番目の機能」によるものだろう。

2021年4月1日木曜日

ほぼ読書三昧の3月が終わりもっと読書三昧の4月がはじまる

高遠先生の三回目のプルースト講義の冒頭の資料をひく。

プルーストは直接法半過去を多用します。一般に、半過去は
①過去における継続的行為・状態
②過去における習慣的行為
③従属節で、過去における現在
などを表しますが、プルーストの場合に多いのが「絵画的半過去」です。白水社の『新フランス文法事典』(朝倉季雄・木下光一)から引用します。(以下略)

学生時代読んでいた『英語からフランス語へ』(川本茂雄 第三書房)を出してきて153頁を見たら「半過去は極めて描写力に豊み、瞬間的動作について用いられた場合にも非常に絵画的である」との解説があった。

その時代に教養部で使っていた教科書『現代フランス文法』(佐藤房吉 朝日出版社)には上記の①〜③がほぼそのまま載っている。(48頁)。


ちょっと欲しくなったが、『新フランス文法事典』を買うのは思いとどまった。『英語からフランス語へ』を、今後必要に応じて参照しながら楽しくプルーストを勉強することにする。

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予定を書き込むカレンダーを月初に剥がすときに、前月の月間シゴトメモを作ることにした。



2021年3月のできごと

3日 ARメルマガ発行(巻頭言執筆担当)

4日 確定申告、青色申告廃止届

6日 よしはる、歯固め式

11日 吉野さん定年祝

13日 高遠弘美先生プルースト講義第二回

   みんなのつぶやき文学賞発表会

18日 AR友の会定例会(テーマ アウトプット)

20日 マンション管理組合理事長職引き継ぎ

      月刊AR

25日 早大教育学部卒業式(こういち君)

26日 Youtube鹿島✕山本(猫町倶楽部)対談

27日 高遠弘美先生プルースト講義第三回

29日 Youtube鹿島✕秋本(NHKプロデューサー)対談

30日 ARメルマガ発行(巻頭言執筆担当)


日記は唯一無二のデータを残すことになる。未来の自分の発想のために大いに役立つ。昔の手帖などを利用してできるだけ多く日記を書きたい。

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ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』(高橋啓訳 東京創元社)を昨夜、読み始める。ふざけているような記述だが、面白くてすぐに100頁まで読んだ。サルトルとサガンのカップルもちょっと出てきて笑える。


山本多津也さんの『読書会入門 人が本で交わる場所』(幻冬舎新書)を読み終えた。バラエティーに富んだ読書会を長年主宰されたのは偉い。AR友の会でも読書会をやってみたくなった。明日のミーティングで提案してみよう。