2016年10月31日月曜日

小ネタでもたのしい読書のきっかけになる

 

 ディック・フランシスの本を数冊「発掘」しました。

 先日の記事で彼の奥様のパイロット修行のきっかけとなった小説『飛越』を、読もうとしたら、冒頭の記述に「メカノ」が出てきた。主人公があやしげな馬匹空輸会社に就職を頼みにいくところ。会社は港に面した建物にある。(1976年 ハヤカワ・ミステリ文庫版 19ページ)



 「私から顔をそらせて窓の外を見つめていた。河は引き潮の底近くになっている。夕闇の迫る向こう岸で、クレインが赤いメカーノ式おもちゃのように並んでいる。」

 メカーノ式おもちゃとはこんな奴です。メカ好きの男の子なら大好きになってしまう。でもちと高価。

 アーサー・クラーク先生の素敵な回想録『楽園の日々』(2008年 ハヤカワ文庫版 220ページ)によれば

 「わたしは、一九歳という重要な年齢に近づいても、これといって人生に大望を抱いた記憶がない──SF雑誌を読み、手製の望遠鏡で月を眺め、メカーノ(当時までに発明されたもっともすばらしい玩具)で遊ぶこと以外は。
 孔の開いた桁と帯板、角ブラケットとフランジ、棒とクランク、ねじ釘と車軸、ずらりと並んだ歯車を備えたメカーノのセットを使うと、およそ考えうるかぎりのものがすべてつくれた。」

 ともかく、あこがれのまと。だが、彼は少し安いセットで我慢したらしい。このあとに、40年後に弟から高価なセットをプレゼントされて、大喜びしたとも書いてあります。
 「メカーノ」については、2001年に『楽園の日々」を読みながら、少し調べていました。

 フランシス先生もメカーノで遊んだのか、きっとそうだろう、ではいくらのセットを買ったのかについて調べたいがと思い、「Meccano Dick Francis」でググってみたところ、『飛越』の原著「Flying Finish」の8章の文章がヒット。

 「A Finnish freighter, come up on the flood, was manoeuvring alongside across the river under the vulture like meccano cranes.」
 この原文の最後の句の翻訳は(上掲書 132ページ)を見ると
「はげたかのような起重機」となっており、「meccano」を訳していません。

 日本人には(当然菊池光先生も)あまりなじみがないおもちゃの名前なので、訳が省略されたと思います。そのほうが訳文がひきしまるし、こんなことをほじくる読者は無視しても許されるのでしょう。

 ともかく、ちょっと興味を持ったことを、少し(一時間くらいでした)調べるだけで、面白い調査ネタが出てきます。まだ、フランシス先生のセットの値段がわからん(^^)。調べよう。

 ところで「メカーノ」の雑誌も出ていたのですね。そして、一時日本の資本も入っていたとか。これもひまつぶしの調査対象になる。よきかなインターネット情報時代\(^o^)/

2016年10月30日日曜日

世間的に見ると変人だけど世界的にはエライひと、真似はできないけれど

昨夜はふと思いついて、南方熊楠について探ってみた。著書は青空文庫に収まったものくらいしか読んでいない。まず、Kindleに相談したら、昔「少年ジャンプ」に連載された漫画『てんぎゃん』がUnlimitedで読める。面白い。そして少年ジャンプすごいぞ。この連載をつづけていたらもっとすごかったが。不評でやめたらしい、残念だったコト。

 他にないのか。Amazonで中沢新一先生の著書を見る。いろいろありますね。『森のバロック』が安いし、内容も面白そう。
 そして事典も2種類見つけた。高いの安いの。安い方はかってもいいでしょうか?大蔵大臣様。

 ともかくすぐには手に入る物はないなと諦めかけたが、寝床でよく考えた。ジャパン・ナレッジ(JK、女子高生ではありませぬ)というサービスに加入していたが、ここはこの出番。検索してみた。するとなんと!!!、東洋文庫の南方熊楠の著作本が5冊もあり、全文、画像だが、読める。
早速著作集の第1巻、「履歴書」の項を読みました。すごく長い履歴書でときどきシモネタも入る(^^)が、まことに面白い。ばあやにそろそろ寝なさいとたしなめられながら、3時までかかって全部読んだ。息子様にもらったiPad Airが役に立った。ナイトモードになって目にも優しい😍
 
 熊楠にもiPadをプレゼント🎁したいなあ。喜ぶと思います。

 幼時、『和漢三才図会』(これもJKの東洋文庫で読めますよ、漢文からの翻訳)を他人の家で見せてもらい、覚えたものを自宅で書き写す方法で、数年かかって全巻書き写してしまったというから、タダモノではない。

 自分には経済的才能はないとして、実は時間がもったいないからだが、実地を基本とした勉学に勤しむ。日本や米国で大学にも行くが、図書館に通うのが目的で、先生のいうことは聞かないし、だいいち教室にはいかない。論文は書くし、真の学者たちとの交流をして、彼の汚い格好や傲慢なタイドを容認する学者たちには大受け。

 死ぬまで貧乏だったが研究や著述は人一倍おこなった。40歳で結婚するまで女性をしらなかったと履歴書にも書いてある。(男性はどうか?は突っ込みどころか?)

 そんなことを履歴書に書くKYなヒト他にいるかしらん。
 脳の病気だったと言う説もあるが、それも含めてまず中沢新一先生に教えを請うべく、『森のバロック』買ってみます。後報をまて。今日は眠いぞ。

2016年10月29日土曜日

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ 7.本の発掘は老年の特権でたのしいぞ

発掘本たちと借りた本

息子様(最近はお古のiPadをくれたりで、いろいろお世話になるので「様」に昇格😁)が、『香港を知るための60章』という本を貸してくれた。高価な新しい本はなかなか買えないのでありがたい。

 買えないので、なにか目先をかえて本を読みたい場合、Kindleに頼るだけでなく、むかしの本棚や段ボール箱から本を「発掘」する。

 先日紹介した『人生の途上にて』もそうだし、さっきはディック・フランシスの『追込』を発掘した。奥付のページを見ると「1978.1.28」と読み終えた日付が書いてある。当時は本を読んだ記念に書き込みをしたようだ。どの万年筆で書いたかを推測するのもたのしい。
 定価1,300円。今Kindle本で探すとすぐ読めるが648円。文庫版の古本なら1円プラス送料、でも手元に来るまで時間がかかる😂。気をつけないと同じ本が何冊も存在することになる。それすら気づかないこともあるのでますます注意。

 なつかしいので(嘘、もったいないからです)古い本をよみかえす。ほとんど覚えていない。再度読んでいるはずなのにたのしいです。その後のディック・フランシスの状況を調べるのもたのしい。

 物忘れの効用がここにもある。2千冊(?)くらい古い本があるので、このなかからいろいろな本を「発掘」することでそうとう楽しめそうだ。

2016年10月28日金曜日

読みやすく文章をかくヒケツを教わろう



村上春樹『職業としての小説家』2016年 新潮文庫版 51ページ

最初の小説…なかなかうまくかけない。

「原稿用紙と万年筆をとりあえず放棄...
押し入れにしまっていたオリベッティの英文タイプライターを持ち出しました。それで小説の出だしを、試しに英語で書いてみることにしたのです。...
限られた数の単語を使って、限られた数の構文で文章を書くしかありません。センテンスも当然短いものになります。…
内容をできるだけシンプルな言葉で言い換え、意図をわかりやすくパラフレーズし、...
英文タイプライターをまた押し入れに戻し、もう一度原稿用紙と万年筆を引っ張り出し...英語で書き上げた一章ぶんくらいの文章を、日本語に「翻訳」していきました。...」

 こうして平易な自分の文体をみつけ、小説を書き続ける。このお話は以前にも目にしたことがありますが、あらためて読んでみると、なるほどと思わせます。

 小説に限らず、報告書・仕様書・説明書の文章にせよ論文にせよ「文学」臭を排除するには、良いアイディアかもしれません。英語が上手でないほうが効果ありそうです(^^)

 I will do the same way of writing. 同じようなやり方でブログも書いてみよう。

2016年10月27日木曜日

作家としての出発はたいへんだった、らしい

三笠書房版クローニン全集十五巻『人生の途上にて』の270ページ以降に、クローニンの作家としての出発がほろ苦いユーモアに包まれながら記述されてます。30代なかば、成功したロンドンでの開業医の地位を、十二指腸潰瘍の発病を期に、なげうってスコットランドの片田舎に引っ込み、屋根裏部屋で始めての小説執筆に四苦八苦する。

 「私は技巧にたいする自負もなく、文体や表現形式についての知識もなかった。かんたんな叙述のむずかしさに、私はよろめいた。一つの形容詞をさがすのに、何時間もついやした。紙がまるでクモの巣のようにみえるほど、私はなおしになおした。それから、それを破りすてて、またあたらしく書き始めた。...
 その後の三カ月間、あのうるわしい夏の間じゅう、ほかの者が楽しく遊んでいるあいだ、私は机に自分をしばりつけたまますごした。」

 苦労のすえ夏の終わりには書き上げ、ロンドンの見ず知らずの出版社に郵送する。諦めかけたころ、出版社から出版の前金の50ポンドが届いた\(^o^)/


 このブログを書くため、「納戸部屋」から、この本をサルベージしてきた。神保町の小宮山書店のガレージセールで、つまりホコリをかぶったまま3冊500円で、かってきたもの。50年ぐらい前の本だがホコリを払えばまだ十分読める。密林だともっときれいな古本が手に入れられそうだ。でも昔の雰囲気はガレージ本の勝ち。
 1950年代、60年代当時は日本でのクローニンのブームだったような気がします。通俗的だという人もいますが、読者に感動を与えるストーリーで、彼の多くの本はすでに戦前から世界的ベストセラーとなり、映画化・テレビ化も多くされました。

 クローニン先生は、この記述のあとは、この自伝本で、執筆そのものの苦労はいっさい述べていません。円滑だったのか、苦労話は書きたくなかったのか。おそらく後者でしょう。

 Open Libraryでこの本の英語版が無料で借り出して読めます。メールアドレス登録必要。貸出は14日間。





2016年10月26日水曜日

J.J.氏は若い頃の私のアイドルだった


植草甚一読本』(1975年 晶文社) 307ページ
1970年11月14日の日記のなかの記述。(前日(13日)の日記では夜中の二時から「話の特集」の記事の原稿をかいている。)

 「早く目がさめたが、二度めは二時になっていた。図書新聞を何げなく拡げていたら、平岡正明が「雑学」の面白い批評をしてくれていた。三時ころ「話」の来生さんが来る予定。すこし渡すことにする。彼女が来たあとで下北沢まで散歩。八時半に帰ってきて十一時ころから原稿のつづき。…下北沢では白樺で…三冊… コーヒー。…帽子(三八〇〇円)を三〇〇円値切る。...」

 「雑学」とは、『ぼくは散歩と雑学が好き』のこと。来生(きすぎ)さんとは雑誌「話の特集」の編集部で植草先生の担当をしていた来生えつこさんのこと。

 当時大学生だった私は、「散歩」などを読み、植草先生の生き方にあこがれた。学生運動が下火になり、三島が市ヶ谷で自殺し、今後いかに生きるべきか、みな迷っていた。
 植草先生の生き方は、個人として自由でありその自由さが文章にもあらわれていた。年齢も感じさせない。

 その後、企業に就職をしようとしたときに、面接官に「趣味は読書とあるが、さいきんどんな本を読んだ?」と聞かれ、植草甚一先生の『知らない本や本屋を捜したり読んだり』です。と答えたが怪訝な顔をされただけだった。真面目そうな面接官がこの本を知っているはずがない。もし、知っていたら、落とされたかもしれない(^O^)

 植草先生の本はほとんど全部持っている。また読み直そうと思っている。そしてその自由な生活も少し真似したい。原稿の締切がないのでより幸せかも。

2016年10月25日火曜日

人生の指針となる本は何度も読み返す

      
池波正太郎先生の「銀座日記」(新潮文庫、1991年)は、十回以上読み返している。もともとは「銀座百点」という楽しいPR誌(銀座の多くの店で無料で手にいれられます\(^o^)/)に連載されたもの。池波先生の連載が読みたくて、この雑誌をもらいに銀座に通ったものだ。その、昭和61年末の記述。

「例年のごとく、十二月の末になると山の上ホテルへ入り、翌年一月の直木賞候補作を読みながら、最後の仕事をすべて終えることにしている。その間に、家では大掃除、種々の手入れなどをすませるのだ。…
 私も十二月の下旬だけは、仕事をしても気分的には休暇だ。割合に、のんびりしていられるが、一月元旦から仕事をする。これは例年のならわしである。」

 池波先生の日記は年寄りには参考になることが多い。仕事の仕方だけでなく、健康管理、ものの考え方、生き方全般に。だから繰り返してこの文庫本を読んでいる。本体からはがれそうなページもいくつもある。そして、この日記の後半では先生の体力、気力が少しづつ衰えていくのが読み取れて、切なくなる。最後まで読み切ることが難しくなってきた。身につまされるとはこのことか。

 年末にホテルにこもって仕事をするのも、最晩年をのぞき先生が毎年やられていた。羨ましい。いつか山の上ホテルに泊まりこんで古本屋街を散策したり仕事をしたりの生活をしてみたい。小遣いをためておいて実行したいです。近いうちにね。


2016年10月24日月曜日

ディック・フランシスは家内工業的に小説を書いた

 

「私はいまだに年一冊小説を書き、いまだに同じ方法で、つまり、一度に一センテンスずつ、鉛筆でノートに書き、イメージが頭に浮かぶのを待ちながら、それがどこから出てくるのかわからないでいる。」  
          『女王陛下の騎手』(ディック・フランシス、菊池光訳 
            1996年 ハヤカワミステリ文庫版 299ページ)

 この一節は、1992年前後に書かれたと思われるが、今の編集者が聞いたら卒倒しそうな方法で(書き直しなどほとんどなし!)1960年台からベストセラー推理小説を生産し続けた、英国の往年の名騎手のディック・フランシス。

 小説に必要な知識、例えば現代の小型飛行機の操縦の知識は、元パイロットの彼には手に負えず、妻であるメリイが免許を取ってしまうくらいに勉強して、彼に供給する。更に妻メリイはその免許と知識を使って競馬関係者などにサービスするエア・タクシー会社まで設立して経営してしまう。

 下の息子(フェリックス)は、親父の晩年には小説を書く手伝いをしていたが、最後には物理学の教師の職を捨てて、フルタイム・ライターになる。彼の小説には親父(ディック)の名前が冠として付いている。やはりよく売れている。

 私は会社入社当時の休日の娯楽として競馬をかなり熱心にやったが、そのつながりで、ディック・フランシスの競馬推理小説を読んだ。新刊が出るたびに買い求めて読んだ記憶がある。エンターテインメント性はピカイチ。肩がこらずに、一晩一冊のペースで読める。人間の醜悪な部分はほとんど出てこない。

 この「楽しく」読める小説の秘密は、ディック(リチャード)・フランシスが、オープンな態度で家族と一緒に書き進めたことにある。

 したがって、彼は「ディック・フランシス」は小説生産者家族の代表名で、自分のことはリチャード・フランシスと呼べと言っていたという。

2016年10月23日日曜日

トーマス・マン先生の日常

トーマス・マン先生の日常

『トーマス・マンとドイツの時代』(小塩節著 この本いいですね(^O^) )12ページより
          

「たとえば、毎日、朝のコーヒーのあとは身づくろいを正し、正確に九時から一時まで仕事部屋に入って、一心不乱に執筆をした。休暇中も亡命中も、終生これを怠らなかった。…午後は読書、調査、散歩。夜は観劇や音楽会、社交生活がある。毎日、膨大な量の来信に丁寧な返事をした。…」

 身づくろいを正す、とか、膨大な量の…返事、といったところがエライ。でも奥さんが郵便の整理とか返信を手伝っていたし車の運転もしてくれた、要するに秘書的な役割をしてくれたし、本当の秘書も使用人も何人もいたし、と小人(私)は足を引っ張りたくはなる。オレなんか布団畳んで朝飯作って掃除するルーティンがあるんだから😓

 しかし彼の生活に憧れ、その仕事ぶりをすこしでも真似をしたいと、ずっと思っている私。最近は少し近づいたかと誤解的自惚れ中。

2016年10月22日土曜日

森有正先生の日常

森有正先生の日常
バビロンの流れのほとりにて』より引用

「今の僕のパリで始まっている生活をちょっと書こう。朝のめざまし時計で五時半に起床し、すぐ洗面をして、コーヒーをわかして、パンと一緒にとる。それから八時半まで、かせぐための東洋医学の仏訳をし、それを終えるとすぐ外出し、前のカフェー・ギマールで三十フランのカフェー・オーレーをもう一度飲む。サン・ジャックとゲーリュサックの角か、リュクサンブールの駅前から、二一か二七か、八一のバスに乗って、パレ・ロワイヤルで降り、リシュリュー街を通って、ビブリオテーク・ナショナルに入る。そして夕方の六時まで仕事(デカルト研究)をする。食事は、近所の小さいカフェーで、サンドウィッチとコーヒーとですませ、時には自分で作ってもって行って、席で食べてしまう。…
 午後六時に研究が終ると、またバスに乗ってカルティエ・ラタンに戻り、安いレストランに入るか自分の部屋で自炊する。それから十時半か十一時になるまでは自由な時間で、日本の新聞雑誌に出すものを書いたり、手紙を書いたり、好きな本を読んだりする。その他一週に一度アンスティテュ・パンテオンに仏作文の稽古と、一カ月に二回、ジャコブ街のM夫人(ワール教授の知合い)のところへハイデッガーをドイツ語で読みに通う。以上の仕事の日課は月曜から金曜までの五日間で、土・日は完全に休み、自由に時間を使う。僕はこのシステムを今後少なくも四、五年間、推しすすめてゆかなければならない。…
 しかし僕にとって、この生活は限りなく生甲斐があるのだ。僕はこの生活のリズムを固く維持し、数十年を経過したいと思う。青春がすでに過去となった僕に、こういう生活が待っていたことは何というよろこびだろう。」

 この境地に達していたのは先生が留学を始めて数年後、そして亡くなるまで20年以上ほぼ似たような生活が続いたと思う。
 自分はすでに森先生の亡くなられた年齢をいくつか超えてしまった。改めて、自分をはげまさなくてはならない。

日常シリーズ開始しました。ここの真似です(^o^)

2016年10月21日金曜日

今後生活の伴侶になりそうな作家の本を発見\(^o^)/

一昨日、借りていた本を返し、新しく借りるために近所と言っても2千歩歩いた先の図書館(市立図書館分室)に出かけた。小規模の図書室しかないので1万冊前後しかない本(?今度何冊あるか聞いてみる)のうち子供用でない本の背文字タイトルはほぼ頭に入っている。
 本棚をいつもの順序で巡回しながら、借りる本を探す。片岡義男・鹿島茂と選んで、もう帰ろうかと思ったが、通常通り3冊にしようともう一度戻って書棚を巡回。

 ポール・オースターの『トゥルー・ストーリーズ』(柴田元幸訳)に目が止まる。最初の2−3ページを斜め読みしてみた。随筆風で肩の力が抜けた文章。内容は事実風。ま、ポール・オースターなら定評があるし、今まで読んでいなかったが村上春樹先生も勧めていたことがあったし、試しに借りてみよう。『空腹の技法』という本もあったが、とりあえず『トゥルー・ストーリーズ』だけ、他の2冊と借りてきた。

 その晩、3冊のうち、片岡義男さんの『洋食屋から歩いて5分』を楽しく読み終えた。片岡さんの本はいつも気軽に読める。読んでいるときのスピード感が爽快。しかし、すぐ読み終えてしまうのが困るといえば困る。
 次は鹿島さんにしようかポール・オースターにしようか迷ったが『トゥルー・ストーリーズ』を読み始めた。特に選んだ理由はない。こちらに手が先に触れたに過ぎない。

 読み始めたらどんどん惹きつけられた。体験なのかフィクションなのか多分両方がうまく混じった話を彼はどんどん繰り出す。読んでいて飽きるというときがない。その夜と昨日の午後を使って、すっかり読んでしまった。

 (途中いろいろ中断はあった。ブログを書いたり、買い物に二度いったり(そのうち一度の帰りには妻の誕生日祝のちいさな花束を購入😄)した。その上オースターの監督映画「ルル・オン・ザ・ブリッジ」というのがインターネット上に転がっていたので、それも観てしまった。)

 この本自体は2時間ほどで読み終えたことになる。

 ある時感銘を受け、その後も折りに触れ読み返す作家をワタクシ的にA級という。読み返すたびに新しい感銘を受ける。(トーマス・マン、漱石、クラークなど)
 感銘を受け、ほぼ著作を揃えるのがB級。(村上春樹、辻邦生、ワインバーグなど)
 いいなと思うが、忘れており、本屋で再発見するのがC級。(無慮大数)
 ポール・オースターはB級になりそうな予感がする。まだ一冊しか読んでいないにも関わらず、である。

 このあと彼の本をいくつか読み、また来年あたりご報告します。どうなるか楽しみです。

2016年10月20日木曜日

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ 6.ヴァーチャル旅行中の読書

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ
6.ヴァーチャル旅行中の読書

 平凡な日常を嫌うヒトがいる。しかし本人(私)が極めつけの凡人。暮らしの中にアクセントを求める。出かけたり他人とあったりすればいいのだが、あいにく出不精の引っ込み思案。

 考えたのが仮想(ヴァーチャル)旅行。退屈すると、どこそこに旅行したつもりになる。小説の中で王子様になったつもりで終日過ごすというのがあった(たしかフェーリクス・クルル君)が、それと同様なことを、旅行に行った自分になるという設定で行う。
 やってみると非常に面白い。暇つぶしには最適である。そのときの記録が少しだけ残っている。スゥイス旅行パリ旅行など。

 このとき重要な役割をはたすのが、行った(つもりの)先に関連した文章を含む書籍やパンフレット(小説や日記や旅行案内)である。
 ここまで書いて何気なく「架空旅行」でググってみたら、『架空旅行記』という本がヒットした。これ欲しい。池内先生のだけでなく他にもいくつかある。皆やってtるのですね。最近(でもないが)Google Mapというすごいツールもでき、ますます便利になった。

 単に空間的にヴァーチャル旅行するのでなく、時間的にも旅行してみたい。と思ったがそもそも文章の機能としてこれらは埋め込まれている。したがってローマ史を読めば古代のローマやガリアに遊ぶことができる。関が原の戦いに関する記述を読んで石田三成の残念な顔も拝むことができる。Google Historyはやく作って欲しいぞ。

 文章の機能として、このようなイメージ喚起力というか仮想的に異空間と時間のなかの自分を体験させる力は重要であろう。細かい話になるが、仕様書の記述のなかに将来システムを使う人々の体験を彷彿させるものが存在しなければ、役に立たない仕様書としてそしりを受けなくてはならない。(もちろん単なるテキストだけでは無理な話だ。)

 ともかく、毎年ヴァーチャル旅行先を考え、旅行を実施するのは金の掛からない楽しみである。安楽椅子旅行ともいう。実施にあたっては適切な書籍を発見し選び読む楽しみがもれなくついてくる。オススメです\(^o^)/

 追記 誰もが持っている頭脳システム、これは最高最強のバーチャルマシンでしょうね。うまく使うとスバラシイ人生が送れるね\(^o^)/

2016年10月19日水曜日

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ 5.青空文庫などインターネット上の無料書籍を読む

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ
5.青空文庫などインターネット上の無料書籍を読む

☓月☓日 晴れ時々くもり
 ともかく何かを読んでいないといられない。買い置きの本も図書館本も読み尽くしたので、書棚を見渡してみた。通常は朝起きたとき今日はこれこれの本を読みたいという欲求が生じており、その本能の導きにより本を手に取る。今日はそのような気分ではない。

 メールをチェックし、FacebookやTwitterを眺めて少しコメントも書き込む。今日は特にやるべき仕事がない、というか意欲が湧いていない。こんな日はネットサーフィン(古い!)で面白そうな無料本を探すにかぎる。

 最初はいつものように「青空文庫」へ、通常はピンポイントでこの作家の作品をさがそうとなるが、今日は「新しく追加された作品」をチェック。いくつか斜め読み。どうも今日はピンとこないので、他を当たろう。(青空文庫を読むにはPCでもタブレットでもスマフォでもアプリを使うが、たまに特定の作品を表示しないアプリがあるので、元のサイトも時々チェックするのが吉。)

 最近の読書やTwitter記事のなかで気になった作家の作品を探す。当然検索エンジン(私の場合Google)を使い、作家の情報を調べ(Wikipediaさんありがとう!)、作品名をチェック、作品名で検索を続ける。Asimovを検索すると、例えば「Internet Archive」なるサイトに無料の本だけでなく、動画や写真など多数掲載されているのを発見。おお、このサイトは素晴らしい。

 日本の(昔の)作家なら国会図書館のデジタルコレクションがいい。AmazonさんがKindle化しているのもあり、この方が読みやすい。

 当然「Gutenberg」も探さなくてはならない。Wikipediaの記事からリンクが張られていることが多いですね(^o^)

 こうして探していると、読むことより、探し出すほうに力が入り、いいものを見つけたときに、気合をいれないと読む元気がなくなることがあるので、お年寄りは注意が肝要です。ほどほどで手を打つべし。でもインターネットにはたくさんのお宝が転がっている、ガンバロー。

 今日は結局、アーサー・C・クラーク先生に以前紹介を受けたStapledon先生の著作集200円(有料だがこれは安い。)が見つけもの、Amazonで。アフリカーンス版となっていたので心配したが中身は英語でした(^o^) もちろん買う前には無料サンプルで、読めるかチェック。

さてもう夕方だ。夕食の買い物にいかなくては…

追記 翌朝、Twitterで新たにフォローされた人(Aaron Deniusさん)の作品、無料なので読んでみてとのことなので、iTunesでダウンロードしてみた。(Amazonでは有料だった😓)
"Gene. Sys." 面白そう。少し読んだら連絡してみよう。

2016年10月18日火曜日

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ 4.書棚の整理とどこで読むのか

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ
4.書棚の整理とどこで読むのか
 以下はある友人への私信の差し障りのないところの抜粋です。

お問合わせがあったので返信いたします。
 書籍の整理は何度か考えたのですが、実行していませんでした。最近、津野海太郎先生の「百歳までの読書術」を読み、整理するなど考えるなということですので、安心して放置することにしました。

 狭い我が家ですので書庫とするような部屋はもちろんありません。そこで空きスペースに市販の書棚(中には学生時代のスチール棚や義父の遺した分厚い木製の棚もあります)が散在しています。そして、衣類の箱など各種ガラクタが本棚の前にも積み上げてあり30年来(ここに引っ越してから)のカオス状態。そのエントロピーは確実に増加傾向です。本棚にはもちろん二重三重に本が押し込んであるので奥にある本はなかなか日の目を見ません。

 困るのはある本が読みたくなった場合、その本が発見できないこと。「必要な本はすぐには見つからない」という法則が厳密に成り立ってしまっています。後日他の本を探していると、以前探していた(でももう興味の薄れた)本が見つかる、しかし今回の目的の本は見つからない。やむをえずの場合は新たに買ってしまうのでお気に入りの本は何冊か家の中には存在しているはず。

 レンタルスペースを借りたいと思ったこともありますが、いちいち読みたくなった本を取りに外出するのは嫌だし、なによりそんな金はない。
 そもそも書棚達は読書の場所になくては用をなしませんよね。したがって仕事部屋兼読書部屋を借りてそこに書棚をしつらえるのが理想ですが、年金生活ではこれもままなりません。

 困った場合は仮想化を行なえというシステム屋さんの法則がありますが(嘘)、この問題も仮想化で解決できないでしょうか?

 解決の糸口は今回のKindleUnlimited騒ぎのなかにありそうです。本好きな人は紙の本と電子書籍をニ重に持ちたがります。そこで紙の本を買った人には電子書籍を自由に借り出して閲覧できる権利を与える。こうすれば紙の本の表紙が押し入れの奥でネズミにかじられていても、閲覧したいときには電子書籍を借りて読めば良い。なんと素晴らしいシステムだ。「借りて」というところにも意味があります。電子書籍とはいえ整理には手間がかかります。それはシステム側にお願いしちゃいたいというコトです。いまはやりのブロックチェーンなる技術を使えばお茶の子ですよね。



 貴君も出版社にお努めなのですから、Amazonと喧嘩ばかりしないで共存共栄の道をこんな形でさぐってみていただけると幸甚です^_^

 なお、雑誌社・新聞社のお友達にもこのようなご検討をお願いしたい。ものごころついた頃アーサー・C・クラーク先生の「銀河帝国の崩壊」や「都市と星」を読んで憧れた真の情報化社会に近づく一歩と思っております。生きているうちにそんな社会で生活してみたい。

末筆ながらお体大切にお過ごしください。過度の残業禁物。敬具

2016年10月17日月曜日

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ  3.古本屋と本屋の微妙なカンケイ

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ 
3.古本屋と本屋の微妙なカンケイ



・本屋さん
 通勤(痛勤)どころか外出もほとんどしなくなったので、ぶらりと本屋に立ち寄る楽しみはなくなってしまった。本屋の良いところは現在のトレンドがわかるところや、目的の本に関連したりしなかったりする他の本に関する情報が入手できるところ。書棚の配列と書籍の並べ方に細心の注意をはらう本屋さんには敬意を表したい。

・古本屋さん
 古本屋さんは本屋に準ずるまたは、それ以上に書籍の収集配列に努力を要するだろう。儲からないと思うのだが、本への愛情が商売を続けさせていると思う。退職後は神保町の古本屋街に日参するのが夢だったが、交通費の問題がありなかなか夢がかなわない。香港のように高齢者の公共交通料金を安くしてくれないでしょうか。関係各位よろしくお願いします。

・ブックオフちゃん
 ブックオフの100円本はわれわれのつよい味方。ブックオフ自体は最近不振のようだが、ぜひ生き残れるよう頑張ってほしいですまじで。良い本がないなどと野暮は言いません。良い本はよそで買います(^o^)

・ターミナルの売店
 あと、キオスクなどの書籍販売はそれなりにやっていって欲しい。なくなると旅行中困る。

・怪物Amazonくん
 問題はAmazon、いろいろな(つまり本屋も古本屋もブックオフも)業態の要素がごちゃ混ぜ。何と言っても素晴らしいのはいながらにして(寝ながらにして)本を吟味注文し届けてもらえること。古本屋さんも最近はインターネット通販できるようになったが、Amazonの規模にはかなわない。

・これからどうなるの
 しかしAmazonだけに頼って、街の本屋さん古本屋さんがたちゆかなくなるのも困る。生き残るにはリアル本屋の強みであるコンシエルジュ的要素を強く押し出すしかなかろう。本屋に立ち寄れない人たちのためには、SNSを使って専門性を押し出したネットワークを各書店が読者と作るのも良い。ビッグデータ解析の使いどころかもしれません。似たようなことは出版社と読者にも言える。

2016年10月16日日曜日

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ 2.図書館の利用

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ
2.図書館の利用

・図書館の場所は…
 「図書館や本屋は近くにありますか。」 家を選ぶとき第一にこれを聞くべきだった。本屋さんは近所にあるが、市立図書館は一駅先にある。車なら20分位。したがって毎日通う訳にはいかない。いつも入り浸っているようなオジサンがいて、見るたびに羨ましくなる。夏涼しく冬暖かいところで新聞・雑誌・新刊書読み放題ついでに昼寝もしていらっしゃる。

・何冊借りる… 
本の借用期限は2週間なのでだいたい月2回は図書館に出かける。5冊は借りるが、全部読み切ることはない。ならば冊数を減らすのがみんなのためだが、そうもいかない。選んでいるときはどれも読みたいのであります。貸出冊数制限はないという図書館もある。

・蔵書検索とメモ…
 あらかじめ借りたい本はメモして、ということはその前にインターネットで図書館のページで検索をかけてからいく。メモは昔不要だったが、最近はだめ。現場で思い出そうとしても一冊も思い出せないことが続いた。メモは必要。だがメモした紙を忘れることもある。スマートフォンでメモを作成するのもやってみたが面倒くさいのでやめた。マメな方はどうぞ。

・リクエスト…
 図書館にない本はリクエストができる。他の図書館から手に入らないと購入してくれることも。住民税分は取り返そうと高価な本をリクエストしてみたこともある。便利だが難点は時間がかかること。1ヶ月も立つとそもそもその本への興味がなくなる。

・電子図書を貸し出して…
 電子図書を貸し出ししてくれる図書館があれば、ぜひ利用したい。これなら遠い場所にあってもいい。図書館で借りられた本については貸出数に応じて著者に金をはらう国があるそうだ。これは日本でもぜひやるべき。わが市の図書館は立派な箱物を作っているがそんなのにあまり金を掛けないで電子図書貸出に予算を割いて欲しい。著者への還元も。

2016年10月15日土曜日

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ 1.KindleとKindle UnlimitedとAmazonの活用

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ
1.KindleとKindle UnlimitedとAmazonの活用

 私の現在のiPad上のKindleアプリのライブラリ画面は次のようになっています。
最初の10冊はKindle Unlimitedで読書中のもの。

 WIRED(ワイアード)VOL.25[雑誌] は今朝Unlimited対象となっているのに気づき、ダウンロードして読み始めました。ブロックチェーン特集です\(^o^)/
 普通の本はKindle無印を使って読むほうが好きですが、雑誌はiPadのほうが読みやすいです。

 ともかく、Kindle Unlimitedは年金読書老人のためにあるようなもの。月額1000円弱で対象本が借り放題読み放題。いっときに借りられるのは10冊まで。会費制の図書館または貸本屋さんと思えばいいですね。

 「特定のこの本がどーしても読みたい!!!」という場合には向きません。対象本のみが借りられる。なんかトラブルも起きているらしいですが、年金読書老人としては、読める本の中から好きなのを読むもんね!と鷹揚に構えましょう。

 対象となる本はこのページでチェックできます。たくさんあるぞ。12万冊くらい?英語(等)が読めれば100万冊以上。(スゴイ)

 私の尊敬するアーサー・C・クラーク先生の英語本はほとんどUnlimited対象です。未読の本が(Gride Path)ひとつあったので喜んでダウンロードしたが、英語が難しくてわからない。銀河帝国の崩壊(Against The Fall of Night)は読めるのですが、ようするに日本語翻訳版で100回くらい読んでいるので、それを暗記しているということにすぎない😓

 青空文庫の本もKindle化されています。Unlimitedのものも、また多少編集を加えて読みやすくしているけれど安価なものもあります。国会議事堂図書館所蔵の貴重かつ古臭い本も多数Unlimited本に入っています。iPadなら読みやすいでしょう。

 寝転びながら読書したいときに、Kindleは絶大な威力を発揮します。iPadは寝落ちしたとき顔にぶつかって痛いので、Kindle無印がオススメ。顔に落としてもほとんど痛くありません。フォントサイズも自由に大きくできるので、細かい活字の文庫本を読むより老眼に優しいです。

 Unlimited以外の本ももちろんKindle化されていれば、対価を払い、入手して読めます。安くてかつ読みたい本を選びましょう。 

 足弱の老人には図書館や(古)本屋に出向いたり歩き回って安い本を探さなくても良いそして重い本を持ち帰らなくても良いという大きなメリットがあります。この点でAmazonさんには老人福祉大賞(そんなのないが)をさしあげたい(^o^)

年金生活者ならではの楽しい読書生活のノウハウ

 しばらくこのテーマで考えてみます。当然「安上がり」というのが大きな条件となるでしょう。
#今朝歯を磨きながら思いつきました。
#ルーティンとアイディアの大事なカンケイについても将来書くぞ!

 で、幾つかのサブテーマ。
1.KindleとKindle UnlimitedとAmazonの活用
2.図書館の利用
3.古本屋と本屋の微妙なカンケイ
4.書棚の整理
5.青空文庫などインターネット上の無料書籍を読む
6.ヴァーチャル旅行中の読書
7.他、これから思いつきそうなコト JK(ジャパンナレッジ)とか 熟語本位英和辞典とか

まず、1.からね。→次項

2016年10月14日金曜日

読書好きな老書生の生きる道

 昨日のブログで読むぞと宣言した本『百歳までの読書術』(津野海太郎)を読みました。単なる読書術の本かと思ったら、さにあらず、老年の生き方全般を等身大に語る素晴らしい本でした。65歳以上の方に超超オススメ。
 図書館からお借りした本なので、傍線を引くのはもちろんやめて感銘をうけたところにポストイットを貼ると、写真の通りに。(平野甲賀先生の装丁、イイデスネ。)


以下ポストイットを貼ったページの内容のご紹介。
 1.言及されていて読もうと思うが、新本は買えないので図書館や古本やKindleで探そうと思うのは
・大岡昇平「成城だより」
・正宗白鳥全集
・草森紳一
・津野海太郎『小さなメディアの必要』 (青空文庫にある)
・渡辺一夫『白日夢』
・後藤明生『メメント・モリ」
・中野孝次『ガン日記』
・澁澤龍彦『都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト』
・宮崎駿『本へのとびら』

 2.今後の生活でやりたくなったこと
・老人性発作的読書(過去の読書体験を覆す)
・入院時の読書でKindleを活用
・老人力を極める

3.必要なさそうなこと(無理なこと)
・蔵書の整理👿

2016年10月13日木曜日

読んでも読んでも読みきれない

 Kindle無印(プライム会員割引で4980円也)を購入して一ヶ月。コップの中の毀誉褒貶の嵐にさらされるUnlimitedサービスで数十冊を読みまくる。雑誌やコミックはiPadで読む。なぜそんなに読むのかという外野のギモンがあるのだが、そこに本があるからとしか言いようがない。本好きの習性で読む本がない状態が耐えきれない。普段リアル本屋さんでは敬遠する(読みたいけどこの価格では払いきれない)本も、月極料金が定額(980円)だと、気軽に読んでしまう。意地汚い読み方👿

 もう少し分析すると、読んでいる本の中に他の本への言及があればそれも読みたくなる。映画館で予告編をみるとそれも見たくなるのと同じような心理。頭のなかに読むべき本のスタックが出来てそれが何重にもなる。ねずみ算式に読みたい本が増加する。一日一冊と宣言したことがあるがそれでは読みたい本の増加にとても追いつかない。いつまでも生きられるわけでないので読める本の数は有限、無限にちかく増える読みたい本の空想スタックの前で泣きそうになる。

 こんな私にぴったりな(と思う)本が手に入ったので、これから読みま〜す。Kindleでなくリアル本です。
 『百歳までの読書術』(津野梅太郎、本の雑誌社)

2016年10月12日水曜日

『天才たちの日課』を読む

 有名作家達のおかしな日常の姿を引用を中心にまとめた小粋な本。

 ちょっとやられた感もあります。悔しいので、日本の作家(辻邦生、北杜夫、漱石、鴎外、荷風、川端などなど)についてこのような内容のブログを作ることを考えたい。

 行きつけの図書館(分室)で、偶然手にとって、「お!」と思い借りてきました。感動するというわけではなく、しかし読みだしたらやめられない。麻薬的魅力の内容。フィルムアート社。2014年刊。定価1800円。

 この本、自分で買おうか、そして原著を買おうか迷い中。と思っていたら… 巻末に出典のページがあるし、以下のような原著者のブログがあった。
 Daily Routines ← ここをよく研究しようっと\(^o^)/

それで、ここもよさげ。
Interviews, Writers, Quotes, Fiction, Poetry - Paris Review