2019年6月30日日曜日

虹の彼方に飛行機たちは飛ぶ

Spotifiの3ヶ月間100円というキャンペーンに乗ってしまった。この手の有料サービスは半年ぶり。

まず、「朝陽の中で微笑んで」を聴く。ハイファイセットとユーミン。歌詞も出してカラオケごっこをする。
「Sarah Chang, Kurt MasurのBruch/Brahms: Violin Concertos 」も聞いてみる。懐かしくて、涙がちょちょぎれ(T_T)

Mireille Mathieuも聴く。 歌詞も表示してフランス語の復習。アヴィニョン訛りだけだが、そこがいい。rは超巻き舌なのだ。ところで、歌詞の出る唄と出ないのとがある。プチリリ?とかいうサイトでボランティアが歌詞を入力しているらしいが、それを引っ張ってきているらしい。Mireille Mathieuで歌詞がない唄について、歌詞を入力してあげようかと一瞬思ったが、やめておく。ソンナヒマハナイ…

あと、PPMも聴いた。Janis Ianも。考えて見るとLPを持っている歌手が多い。Sarah ChangはもちろんCDなのだが。私は音楽に関しては保守的?
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ダールの『飛行士たちの話』を読み終えた。自伝的三作品中の最高傑作短編集。どれかの解説に書いてあったが、映画「紅の豚」で、宮崎駿さんが、「彼らに歳は取らせまい」のなかのファンタジックな挿話を引用した。天上の無数の飛行機たちのシーンで。このカバーの絵はそれを表していると気づいた。


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そうこうしているうちに、虹が出ているのを発見した。きれいな二重の虹だった。バックがもう少し明るければもっときれいだっただろう。
この虹の上にたくさんの飛行機が飛んでいるとイメージしてみる。

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大河「いだてん」の第二部開始。第一部に増して面白い。大河ドラマ最高の作品になりそうだ。息子殿が自分で作って持ってきてくれたカレーを食べながら観た(^^)

2019年6月29日土曜日

『サピエンス全史』を読めるのはいつの日か

「月刊ALL REVIEWS・イベント・ノンフィクション部門第6回」(長い題名だなあ)のビデオ収録観覧に、西麻布のノエマスタジオへでかけた。
雨もよう。そして涼しい。寒いと言ってもあながち間違いではない。
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対象本は、ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』(河出書房新社)
https://allreviews.jp/isbn/430922671X
ゲストは歴史学者・本村凌二さん。裕次郎の歌がお好きだということで、開始前には「骨」が流れていた。作詩は中原中也なのだ。
温厚なお人柄で、歴史をおもしろく語っていただけた。
最後に、質問のところで、フェニキア人の航海術の話が出たが、ポリネシア族の航海術との関連を調べたいものだ。危険な宿題。(時間がかかりそう。)

『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』両方読みたいが、人気があるので図書館の予約をしかねている。来年あたり読むことになろうか。

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『戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊』を読み終えた。米軍が兵士に配った、「兵隊文庫」の話だが、極限状態でも、いや、極限状態だからこそ、軽い話題の読書が役に立った。「読む」とは不思議な行為だ。
「兵隊文庫」のリストは、この本の末尾に収録されているが、図書館本なので、インターネットで捜しておいた。ここ(アメリカ議会図書館)にあった。
http://catdir.loc.gov/catdir/toc/becites/cfb/84600198.html#appendix
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2003年に撮った虫の写真。サシガメといって、触ると手をさされ血を吸われるという怖い虫。


2019年6月28日金曜日

OLD REVIEWS MOOK第一号(2019年夏号)

OLD REVIEWS MOOK第一号

ここまで4ヶ月の総まとめです。

(1)これまでのOLD REVIEWS

OLD REVIEWS試作版第二十一弾…尾上柴舟訳『後西遊記』の訳者序
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/06/old-reviews_27.html

OLD REVIEWS試作版第二十弾…『前原寅吉天文論文集及身辺雑集』の小序抜粋
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/06/old-reviews.html

OLD REVIEWS試作版第十九弾…星新一の父星一執筆のSF『三十年後』の真面目な自序
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/06/old-reviewssf.html

OLD REVIEWS試作版第十八弾…内田魯庵『貘の舌』より「クリストチヤーチのトルストイ村」
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/05/old-reviews_28.html

OLD REVIEWS試作版第十七弾…内田魯庵『蠧魚之自傅』の自序
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/05/old-reviews_27.html

OLD REVIEWS試作版第十六弾…『禿木遺響文学界前後』(平田禿木)より「一高入学前」
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/05/old-reviews_26.html

OLD REVIEWS試作版第十五弾…「読書遍歴」より(三木清)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/05/old-reviews_21.html

OLD REVIEWS試作版第十四弾…「ハイデッゲル教授の想ひ出」(三木清)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/05/old-reviews_20.html

OLD REVIEWS試作版第十三弾…『蒹葭堂小傳』緖論(高梨光司)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/05/old-reviews_13.html

OLD REVIEWS試作版第十二弾…漱石の「文学論 序」
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/05/old-reviews_9.html

OLD REVIEWS試作版第十一弾…『巴里の三十年』訳者序(後藤末雄)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/05/old-reviews.html

OLD REVIEWS試作版第十弾…源氏物語序(谷崎潤一郎)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/04/old-reviews_24.html

OLD REVIEWS試作版第九弾…(口語訳『即興詩人』訳者序)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/04/old-reviews_7.html

OLD REVIEWS試作版第八弾…「宮澤賢治」(横光利一が宮澤賢治をベタ褒め?!)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/04/old-reviews.html

OLD REVIEWS試作版第七弾…「私の知ってゐる南方熊楠氏」(中山太郎)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/03/old-reviews_30.html

MAKING OF OLD REVIEWS 3/26/2019(第六弾から第一弾のインデックスと作成方法)
https://hfukuchi.blogspot.com/2019/03/making-of-old-reviews-3262019.html

2)OLD REVIEWSの対象本を探すための参考書籍

『日本SFこてん古典』(全三卷) 横田順彌
『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』 山下泰平
『植草甚一スクラップ・ブック』(全40巻別巻1)

(3)OLD REVIEWSはほぼすべて、国会図書館デジタルコレクションのインターネット公開分から材料を得ている

国会図書館新館入り口


(4)重要なツール

「帝國圖書館」
「OCR」
どちらもiOSアプリ。
各種の「漢和辞典」。

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これからも頑張ろう(^^)

2019年6月27日木曜日

OLD REVIEWS試作版第二十一弾…尾上柴舟訳『後西遊記』の訳者序



西遊󠄁記が四大奇書の一として喧傳せられて居るのは、今更云ふを要しない。これが意譯の下に、繪本西遊󠄁記となつてから、殆んど、玄弉法師(三藏)、孫悟空、猪八戒、沙悟淨の名を知らぬものはない。ことに近年に到つては映畫の幕にまで上されるやうになつた。

從來名著には、必ずそれに續くものが現はれて居る。三國志、水滸傳、金瓶梅、各々その後篇となつたものがある。從つて西遊󠄁記にもそれがあるのは當然である。

後西遊󠄁記はすなはち西遊󠄁記に續くものである。三藏法師の後たるべき大顚(半偈)、悟空の裔の孫履眞(小行者)、猪八戒の子の猪守拙(一戒)、沙悟淨の弟子の沙致和(沙彌)が、各々の職分を守つて活躍する事、全くその師,その祖、その親のした如くであつて、更に別樣の性癖と技倆とを發揮して居る。その故に、後西遊󠄁記は西遊󠄁記に比して、一種特有の趣致を持つて居る。

今この後西遊󠄁記を國字に飜して見た。が、逐󠄁字譯はむづかしくて且冗漫に失する。自由譯は樂であるが、原文と離れ過󠄁ぎる。で、繪本西遊󠄁記者のなした如く、務めて大體を捕捉するに留めた。もし、これを本として原書を讀まれたならば、失望せられることが多いであらう。

後西遊󠄁記は寓言である。深遠な教旨哲理を、仙、佛、神、僧、獸、魔を假りて吐露したのであること、全く西遊󠄁記と同樣である。たゞ後西遊󠄁記は西遊󠄁記の後を擴げ、或はその外に出ようとする。こゝに著者の手腕が存するのである。讀者はよくこれを見られねばならぬ。

後西遊󠄁記は全部四十卷である。西遊󠄁記の百回に比すれば、その半にも足らぬ。これは、眞經は繁多、眞解は直截なるに基因する。玄弉の得た眞經は三十五部、馬駄し、人擔つた。大顚の求めた眞解は二小包󠄁、二人一包󠄁を捧げるに止まる、從つて、遍󠄁歴の年月も,玄弉は十五年、大顚は五年、周匝と明快と、此くの如くにして異なると著者は説くのである。これまた讀者の了解せらるべき處である。

以上の四十卷、次を追うて譯したのであるが、たゞ、不老婆々の兩回は、風教を損ふことが多いのを恐れて省略に附した。從つてこゝでは三十八で終りとなつた。讀者は、またこれを諒せられたい。
猶、本書は,乾隆癸卯年新鐫、金閭書業堂梓行、天花才子評點の重鐫繡像後西遊󠄁記を本とした。
昭和二十二年秋
柴舟識

***
出典 『後西遊記』尾上柴舟 訳 1948年 堀書店
国会図書館デジタルコレクション
(下の画像も)


***
あとがき
今、読み続けている『日本SFこてん古典』の第一巻で紹介された本。尾上柴舟が80歳で亡くなるより、9年ほど前の出版。古稀の頃にはこの『後西遊記』の翻訳を手がけていたわけだ。ちょっと勇気づけられる。

***
図書館で『日本SFこてん古典』の二巻と三巻も借りてきた。なにしろ面白く、役に立つ。

2019年6月26日水曜日

『日本SFこてん古典』の引用本を読む、また楽しからずや


『日本SFこてん古典(1)』を読みながら、引用されている本を、国会図書館デジタルコレクションで搜して、拾い読みする。これに勝る楽しみは今のところ他に無い。いつの間にか、一巻の最後まで来たので、飲み会に出かける電車の中で、二巻と三巻も図書館システムで予約した。

今日捜した本は以下の通り。みな国会図書館デジタルの画像。









『後西遊記』は明日、OLD REVIEWSで取り上げよう。

2019年6月25日火曜日

「週刊ALL REVIEWS Vol.2」に寄稿しました!

ALL REVIES友の会の週刊メールレターの序文を書くのに昨日から没頭。わずか400字くらいだけど、240名以上の方に読んでいただくと思うと、うまく筆が進まない。

なんとか書き終え、Y編集長にチェックしていただき、一度の書き直しでOKしていただいた。HTML形式で編集して、発行を待つ。火曜日21時にメールが送られる予定なので、もう少しのところだ。

と、言っているうちに、メールが届いた。恥ずかしながら、私の書いた部分のスクリーンショットを公開する(^^)。実際のメールではこの後に、ALL REVIEWSの新着書評の紹介記事が続いている。


次は、5週後。まだの人はぜひ登録してください。このブログの右上のリンクからできますm(_ _)m

***
まとまったことができなかったので、ブログのアイディアだけメモしてみた。

OLD REVIEWSムック試作版を発行する。内容は以下の通り。
(1)過去の記事リスト
(2)最近の参考リアル書籍
   『まいボコ』
   『日本SFこてん古典』
   『戦地の図書館』
   『自分の本棚の本(例:植草さん)』
(3)国会図書館デジタルコレクションの活用私案


***
『日本SFこてん古典(1)』は「SFマガジン」に連載され、1980年に単行本で出ている。当時より古い貴重本を読む環境は好転しているようだ。横田さんが苦労して集めたという本が引用されているが、国会図書館デジタルコレクションで探すと、出てくる。



***
夕方、図書館に行き、島尾ミホ関連の本を2冊借りてきた。一方の本の著者梯さんには、数日前にご挨拶したばかりだ。


2019年6月24日月曜日

戦時の読書…米国と獨逸との違い



『戦地の図書館――海を越えた一億四千万冊』(モリー・グプティル・マニング 松尾恭子訳 2016年)を読み始める。この本を選ぶのに参考にしたのは、ALL REVIEWSの書評記事(鴻巣友季子さんの)である。
『戦地の図書館――海を越えた一億四千万冊』

18ページ目のコメントでノックアウトされた。
「戦後、高い教養を持つ中産階級が新たに形成されるが、その理由のひとつは、大衆向けのペーパーバックが盛んに出版され、一般庶民が読書をするようになったことである。」
著者モリー・グプティル・マニングは、この原因は米軍兵士に無料で大量に供給された「兵隊文庫」にあると分析する。一方のドイツでは、あろうことか大学生たちの手を借りて焚書が行われていた。

出版業の危機をいう人が多いが、庶民に読書の習慣をつけない限り、事態の根本的解決は望めないと思う。

***
この本を選んだきっかけを、明日夜発行される、ALL REVIEWS友の会メールレターに書いておいた。読んでくださいね(*^^*)

2019年6月23日日曜日

島尾文学を勉強するつもり

ALL REVIEWS友の会、「島尾文学を読む人とお話する会」というオフ会に行ってきた。下北沢駅のそばのカフェ。「島尾ミホ生誕100年イベント」を企画中の、奄美大島からのメンバーも参加された。はっきり言って、島尾敏雄も島尾ミホもほとんど読んでない。数年前に島尾敏雄の作品集を古本で一冊買ったが、読切らないうちに物置の本棚に取られてしまった。本棚が愛読しているらしく、さっぱりこちらに回してくれない。
梯久美子さんが2016年に『狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ』を出したので、再ブームとなっているのでは無いかと思っている。そこで、今日帰宅してから、図書館でこれを予約しておいた。

そういえば、梯さんには偶然下北沢の書店でお会いしたので、ご挨拶した。

***
最近の読書(『まいボコ』)の影響で、国会図書館デジタルコレクションの一般公開分36万冊の全貌をつかむという、無謀な思いに取り憑かれた。とりあえず、明治元年から一年分ずつ、チェックしてみることにした。この時期だと図書は毎年1000冊以内である。題名を読み。これはと思ったものを開いてみる。たとえば、「四庫全書」などがあるので、全部を見る必要がなく、かえって助かる。自分の狭い好みはさておいて、できるだけ客観的にまんべんなく多くの本に目を通したい。かなりやってみれば、どう読んでいくか、何を目指すかの指針がおのずと浮かび上がってくるだろう。福沢諭吉君の著書なども出てきた。
OLD BOOKSプロジェクトと個人的に呼ぶ事にする。

***
図書館で、夕食材料の買い出しのついでに、2冊借りてきた。


2019年6月22日土曜日

『まいボコ』とゲゲゲの日

『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』を読み進める。82%まで読んだ。

今日の参照文献は『 明治豪傑 今様水滸伝』(明治豪傑の部分を角書きというらしい)。これの著者は三宅青軒という人だ。いろいろケチはつけているように見えるが、山下泰平さんイチオシの話のようだ。読んで面白く、調子よく読める。



***
先週から「ゲゲゲの女房」が再放送されている。先日のみちくさ市で買ってきた『私はゲゲゲ』(水木しげる 2008年 角川文庫)を読む。知っている話だが、違う絵で見るとまた別の趣がある。



2019年6月21日金曜日

『まいボコ』の秘める情報の持つ可能性は偉大だ

『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』を読み進める。63%まで読んだ。

「バンカラ」というコトバは、この本では『蠻カラ奇旅行』などという本の題名から取ったらしい。例の
『まいボコ』明治娯楽物語コレクション
からたどると、国会図書館のページらしいところにたどり着くが、画面の下に
「show metadata」という記述があり、クリックすると
こんなイメージが出てくる。

このからくりを理解できれば、面白い事に成りそうだ。

こんなこともあり、この本『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』をKindleで買ったのは正解ということになろう。

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他、『飛行士たちの話』を、少しずつ読む。これも面白い。文章の雰囲気がいい。


「書影ったー」で頂いた書影。このイラストがまたいい。


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天文月報の7月号が届いた。毎年、楽しみに読んでいるロングインタビューが、今年読まないまま第3回になってしまった。小暮智一先生へのインタビューだ。読まなくては…

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ALL REVIEWSのオシゴト(OCR)はお休み中。

2019年6月20日木曜日

メルマガ「週刊ALL REVIEWS」のことを考えながら、『まいボコ』を読み進める

このブログのトップページ(PC版)の右側コラムに、メルマガ「週刊ALL REVIEWS」の紹介と配信登録ができるページへのリンクを書き込んだ。

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『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』を読み進める。53%まで読んだ。(Kindleなのでページじゃなくて%。)

この本の場合、ただ読むだけでは詰らなくて、引用されている本を国会図書館デジタルコレクションで眺めながら、読み進め無くてはならない。やはり、大画面のPC上で本体を読みながら、国会図書館のページを見ていかなくてはならない。これは、ゆっくり読むべき・読みたいと思ったものは、iPadで開いて、寝転んで読む。座ってばかりだと腰が痛くなってくるから。

引用文献を参照するには、昨日見つけたこのサイトが役に立つ。ありがたい。
『まいボコ』明治娯楽物語コレクション

ところで、このページの親となるページ、
メタ情報とセマンティック・ウェブ
も素敵に面白い。いや勉強になる。

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今日は午前中は排水管清掃の立会で時間が潰れた。

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夕方、図書館に行き、ダールの『飛行士たちの話』を借りてきた。これも面白そう。『少年』、『単独飛行』とあわせて、ダールの飛行機三部作だ。

2019年6月19日水曜日

『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』とは長い題名だ

昨夜遅く、日本海岸で強い地震があった。なんとか、気を落ち着けて寝たが、3時半ころ目が覚めた。

寝付くまでに、Twitterを眺めていたら、面白い題名の本の紹介が目についた。長くて、何を言っているかよくわからない題名だ。
『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』。何これ?ともかく、紹介記事を読んでみた。仲俣暁生さんの(「マガジン航」 )の記事。なかなか意味がわからなかったが、国会図書館デジタルコレクションで読める本をたくさん引用しているのだとか。これは、私の守備範囲だろうと、Amazonに行って、Kindleお試し版をダウンロードした。今年の5月に出たらしいが、早くもKindle本になっている。

お試し版で、著者の序文と本文の最初を読んでみたが、期待通りの本のようだ。すぐに欲しかったが、朝になって、冷静になってから手に入れようと、一旦寝る。

朝食後、調べてみた。まずは、図書館。一冊蔵書にあるが、貸出中。とりあえず、予約入れた。

Kindleお試し版をまた読んでみた。著者のブログや、Twitterアカウントもチェックした。編集者のTwitterアカウントも。

やはり面白そうに思えるし、自分のOLD REVIEWSの参考にもなりそうなので、Kindleで買うことにする。本文を全文検索できるのがいい。1800円強。今の自分には高いが、やむを得ない。週刊誌をいくつか購読できるサービス(月400円)を解約しておいた。

ダウンロードして、読んでみたが、期待通りに面白い。明治時代の「大衆娯楽本」、著者によれば「明治娯楽物語」の紹介がたくさん。そして期待通りに、多くの引用本は国会図書館デジタルコレクションで読めるものだ。引用本のリンク付きリストをまとめたサイトもすでに出来ている。これは楽しいし、便利。

17%まで読んだ。著者の、まず読んで楽しみ、その後に紹介をするという書き方に感心した。

題名は『まいボコ』と略すことになっているらしい。読後感は次回以降。

2019年6月18日火曜日

前原寅吉のこと

『野の天文学者 前原寅吉』(鈴木喜代春 2009年 らくだ出版)読了。子供向けの本のようだが、内容は濃い。前原寅吉は青森県八戸市で時計商を営んでいた民間天文学者。独学で天文学を学び、その業績により、発足して間もない天文学会の特別会員に推薦された。いろいろな意味で私の大先輩。

「太陽面直接観望用眼鏡」を望遠鏡の先に取り付けて、1910年5月19日、日本で唯一ハレー彗星の太陽面通過を観測したというのだが、本当だったのか。天体写真を撮るのも上手だったはずなので、証拠写真があればいいのだが、伝えられていない。観測にいそがしく、写真を取る余裕がなかったのかもしれない。

後年、失明するのだが、時計の修理や天体観測で目を酷使したせいだという。しかし、奥さんが(いつも助手を務めていたので)、本人の代わりに観測をしてくれることで、心が慰められただろう。

1950年死去。私は、そのときはまだ青森市郊外に棲息していたので、もちろんお目にかかっていない。その後、八戸市に移ったが、番町の「前原時計店」はよく知っている。

Wikimedia Commons
Description
English: Japanese Amateur_astronomy Torakichi Maehara in Aomori
日本語: ハレー彗星の接近の瞬間を捕らえた天体マニアの前原虎(寅)吉 1910年5月 青森県
Date May 1910
Source 20世紀2001大事件[CD-ROM] https://www.amazon.co.jp/20%E4%B8%96%E7%B4%802001%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E4%BB%B6-CD-ROM/dp/462090600X/ref=cm_cr_pr_product_top
Author Mainichi Shimbun

2019年6月17日月曜日

無料メルマガ「週刊ALL REVIEWS」を読んでください

突然ですが、すべての読書好きの方へのお知らせです。

私の現在の(ボランティアの)仕事は、「ALL REVIEWS」という書評サイトでの記事校正関連のもろもろです。有名書評家さんの書評をたくさん集めてあり、読みたくなるような本を知るには、最適、いや、日本最強のサイトだと思っています。国会図書館のWebページにも書評専門サイトとして紹介されています。

すでに数千の書評が揃っており、閲覧は全て無料(フトッパラ)なのが特徴です。そして毎日、新たな書評が追加されています。

すでに数年の実績のあるサイトですが、明日(6月18日火曜日夜)から、新規追加の書評記事をお知らせするメルマガ「週刊ALL REVIEWS」を立ち上げ(配信開始)ます。

ぜひ、このページに行って、登録手続きをお願いします。もちろん、無料。
「メールレター「週刊ALL REVIEWS」、はじまります!」 ←ここをクリック!

購読手続きページのイメージ

実は私も、メルマガの序文を5週に1回書かせていただくことになってます。ペンネームは「hiro」です。予定では、出番は来週火曜夜から。

後記:ブログ題名「無料メルマガ「週刊ALL REVIEWS」の購読をお願いします」は「無料」なのに「購読」っておかしい、と考え、「無料メルマガ「週刊ALL REVIEWS」を読んでください」に直しましたm(_ _)m

***
で、今日のオシゴトはOCR一件。

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『少年』(ロアルド・ダール)は読み終えた。一気読み。痛快に面白いが、イングランドの寄宿学校は昔(第二次大戦前)、こんなに暴力的だったのかということが気になった。いまだと考えられない体罰の連続。もちろん、ダールの反骨精神が原因のひとつだが、おとなしい生徒もやられている。先生も、上級生も…。体罰はいまは無いのかもしれないが、それよりひどい精神的な苛めは、いまでもあるのだろう。もちろん日本でも…。
生徒はきびしい寄宿生活のなか、実家から送られてくるお菓子、特にチョコレートを喜ぶ。そして名作『チョコレート工場の秘密』が生まれる。

2019年6月16日日曜日

月とメロンとみちくさ市

午前10時発の急行で出かけることになった。都内は31度になるとの予想なのでホームでボトル入りの水を買おうとした。銘柄品が110円のところ100円で特売という張り紙があったので、レジのおばさまに渡したら、110円ですと言われた。100円でしょう?と押し問答していたら、後ろの女性が100円はこちらと、別のボトルを指して教えてくれた。でも自分の買いたいのはこちらだと頑張りながら、張り紙をよく見ると、六月九日までと但し書きがある。仕方なく、100円のを買う事にした。悔しいので、紛らわしい張り紙は剥がしてくれとおばさまに頼んだ。老人は度し難いと、自分で思う。

***
三軒茶屋で降りて改札で息子に忘れ物の処方薬を渡し、渋谷で乗り換えて雑司が谷へ。ALL REVIEWSの仲間と一番出口で落ちあい、みちくさ市会場へ。
一番出口の漱石先生


いくつも道ばたに出店がある。店と言っても、ダンボール入りの古本がいくつか並んでいるだけの、簡単なものが多い。古本屋さんの出張販売もいくつか。

ALL REVIEWSも御世話になっている杉江松恋さんも出店なさっていた。敬意を表する意味で、3冊セットの『進化した猿たち』(星新一)を買った。500円。永井荷風主題の写真入り本や、水木しげる先生の本なども購入。

ついでにJに頼まれた「すすきみみずく」を、鬼子母神さまでいただく。みみずくで予算オーバーしたし、暑いので、お仲間と早々に「ベローチェ」へ逃込む。アイスコーヒーを飲みながら、(ホットサンドもかじりながら)、次回以降にALL REVIEWS神奈川支部として出店しようと話す。素人でも出来そうだと思ったからだ。

これが収穫品


***
帰りは池袋から地下鉄に乗ったが、地下道をながながとあるいてしまい、辟易。くたびれたので、そして今日は父の日という名目もあるので、寿司を買って夕食にした。久しぶりで、まずまずうまい。メロンもいただいた。
***
メロンのような月と、木星とが近くで輝く、晴れ上がった夜になった。

2019年6月15日土曜日

ダールの『単独飛行』は命取りに近かった

ALL REVIEWSのお仕事。今日もOCR、一件。手慣れてきたが、マンネリに注意したい。

***
『単独飛行』(ロアルド・ダール)読了。終わるのを惜しみつつ読んだ。この語りの巧さは、恐ろしいくらいだ。

ダールの乗った飛行機は。
(1)タイガーモス。練習機。素人としてアフリカで空軍(RAF)にはいり、初めてこれで飛べるようになった。

(2)グラディエーター。複葉戦闘機。上官の誤った指示により、目的地が見つからず、不時着。この時受けた脊椎の傷は一生ついて回った。

(3)ハリケーン。戦闘機。ほぼ素人ながら、ギリシャで圧倒的多数のドイツ空軍の飛行機とやりあう。奇跡的に生き延びた。なお、長身のダールは、コックピットに体を収めるのに苦労したという。

ダールは、カメラマニアで、飛行機に乗っているときも自分のカメラ(ツァイス・スーパー・イコンタ)を手放さない。現像焼き行けも自分でした。良い写真が、この本にもたくさん収録されている。

***
早速、図書館に行き、自伝の前篇、『少年』を借りてきた。これを読めば、昆虫好きの一面も知ることができるだろうと期待。



一緒に、前原寅吉の本も借りてきた。こちらも、読むのが楽しみ。



***
明日は、雑司が谷で古本の「みちくさ市」がある。ALL REVIEWSスタッフの神奈川支部の仲間と、見に行くつもり。ひょっとすると、次回(9月?)には出品するかもしれない。今日の夕方までは大雨だったが、明日は晴れて暑くなりそうだ。

2019年6月14日金曜日

お別れは短いのが好きだ


昨日借りてきた2冊のうち、『長いお別れ』(中島京子 2015年 文藝春秋)を読み終えた。認知症の老人をめぐる家族の葛藤―大騒ぎ―が切実ながら面白く、一気読みした。現代の老人の介護問題がよくかかれており、身につまされる。なんとか、自分は、最後までしっかりしたいと思わせるが、こればかりは個人の思惑を超えるところがある。

年金が出たので、午後床屋に行く。ここでも、老後の話。床屋さんは月曜の休日にボランティアでグループホームで散髮をしてあげているそうだ。偉い。また、通ってきていたお年寄りが来なくなり、どうしたのかと心配していると、配偶者が来てお年寄りが亡くなったことと、御世話になったお礼を言いに来ることがあるとも言っていた。私もこの床屋さんに通っているのは、Jが知っているので、そのときにはお礼に来るように頼んでおくと言いおいて帰ってきた。

***
『単独飛行』(ロアルド・ダール 永井淳訳 2000年 ハヤカワ文庫)も読み始めて、これも一気に半分まで読んだ。素敵に面白い。自伝的作品だが、最初に読んだ短篇集よりも興味深い。『少年』と、『飛行士たちの話』も関連作品なので、これらも図書館で予約した。ダールは昨年のポール・オースターのように好きな、そして全作品を読み通したくなる作家に成りそうだ。

ダールが応召して、最初に練習した飛行機はタイガーモス。あとで、絵をかいてみたい。

***
半年ぶりくらいに、読書の能率が上がった。原因不明。

***
ALL REVIEWSの仕事もやった。OCR一件。

2019年6月13日木曜日

情報を「発信」すると逆に何倍かの関連情報が勝手に集まってくるようだ

前原寅吉さんを題材にした本が、2009年に出版されているのを知り、早速図書館で予約した。
『鈴木喜代春児童文学選集 第6巻 野の天文学者前原寅吉』という題名で、著者はやはり青森県出身の方だ。色川大吉氏は宮澤賢治が寅吉の説を「銀河鉄道の夜」に取り入れたとしているそうだ。そして、前原つながりで、天文学者の前原英夫さん(血縁関係は全くないそうだが)の事も知ることが出来た。

たまたま、OLD REVIEWSとして寅吉の事を書いてみたら、それがきっかけとなり、いろいろな情報が飛び込んでくる。情報「検索」とはこのような双方向の「作業」であることが良くわかる。あとで、「目次」(あったかな?)も昨日執筆の情報に追加したい。

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昼前に、毎月行っている内科医院に行く。今回は「健康保険高齢者受給者証」を持参したので、首尾よく、2割負担の支払いですんだ。もちろん、薬局の支払いも同様。ありがたいことだ。

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図書館に行き、2冊借りてきた。面白そう。


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OCRを一件。

2019年6月12日水曜日

OLD REVIEWS試作版第二十弾…『前原寅吉天文論文集及身辺雑集』の小序抜粋

前原寅吉による小序

南北極探險に幾多の人命を犧牲にせしぞ。幾程の多額の財を投ぜしぞ。而して辛じて其の驚異なる風光に接し得たるもの幾人ぞ。思へば危險なる事限りなし。しかれども我がなせる學天文の學は大空に書かれし幾多の文字を、只一脚の望遠鏡により苦もなく、 易々と讀み得るなり余幼少時より天體科學 に志し、秋天に明月を仰ぎては、宇宙の眞美にあこがれ、又月なき夜燦然としてまばゆき寶石をまき散らせるが如き大空の星を望みては宇宙の極美を思ひしこと幾度ぞ。

思へば古き昔の夢とはなりぬ。余心を宇宙の研究にむけてより、五十有一歳、不幸明を失ひたれども未だ邦家天文學界に何等かの貢獻をなさんものと、 家族を指導して觀測せしめ研究學を廢せず今に至る、三十有餘年なり。

其の間余は自ら天體寫眞を撮影なし、又天文學に關する新説、論文を作りこれを斯道の大家に送りて論をたゝかひ、又諸種の發明品を造りて人類共存共榮に資せしこと多々なりき。余不幸にして高等の教育を受けず只に高等小學校を卒へるのみ。爾來天體研究へのあこがれは余をして獨學せしめき。其の頃余は宇田川淸一郎先生譯書、物理學全誌(全卷十卷あり)を繙閱し或は古代天文表 (天動説時代に出版されたる)によりて研究したりき。

明治十五年より今五十七歳なるまで余が手寫せる天文日誌は、今に余の獨學研究時の跡を語るなり。世は開け、智は進み、天文は研究せられ、明治四十一年四月一日、斯道の大家等により、日本天文學會設立せらるゝや、余は先輩にして本縣出身なる故一戸博士の紹介によりて特別會員となりて同會に入會、今に至る。

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出典 『前原寅吉天文論文集及身辺雑集』 宇宙互愛研究所  昭和7年
国会図書館デジタルコレクション(下の画像も)

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青森県八戸市番町で時計店を営みながら、独学で天文学を学び、観測をし論文も書いていた、市井の科学者、前原寅吉の『前原寅吉天文論文集及身辺雑集』が見つかり、喜んだ。
彼は、ハレー彗星の太陽面通過観測に成功したという。後年は失明しながらも家族の助けで観測と研究を続けた。1872年生まれ、1950年没。私も近くに住んでいたが、幼かったこともありお目にはかからなかった。残念。

2019年6月11日火曜日

国会図書館デジタルコレクションの「洋古書」の部門でルドゥーテの『ユリ科植物図譜』を発見

『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』を読み終えた。最後の方で羨ましかったのは、「研修室」スペースを研究者に提供するという仕組み。出版契約が決まっていれば、その部屋を自由に使って、研究執筆に励むことができるという。借りだした資料もその部屋においておくことができる。また、検索システムが高度で、内容の検索ができる。たとえば、「ガン」というキーワードで映画「生きる」が検索される。国会図書館はなんとか目次までが検索対象だから、この本の出版が2003年であるにもかかわらず、日本のシステムはこれよりも遅れていると言わざるを得ない。この検索システムの充実は、これからの大々的な課題と思う。大袈裟に言うと、日本の将来の発展の鍵はここにある。セマンティック検索などというキーワードも頭に浮かんできた。要研究。

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Twitterで流れてきた(豊崎社長からの)情報で、中島京子さんの『夢見る帝国図書館』という作品を知った。最近の出版。図書館に当たってみたが、16人待ち。Kindleお試し版で読んだ冒頭は素晴らしい。買おうかと思う。とりあえず、ALL REVIEWSを検索して、やはり中島京子さんの認知症のおはなし『長いお別れ』を予約した。(一人待ち)

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国会図書館デジタルコレクションの「洋古書」の部門でルドゥーテの『ユリ科植物図譜』(1802年-1816年)を見つけた。美しい図版がたっぷり。



序文は以下。

J'AI choisi pour sujet de ce nouvel Ouvrage , dont je suis seul propriétaire , la famille des Liliacées, si intéressante par la variété des formes , par l'éclat et la richesse des couleurs. Les plantes (le cette brillante série seront dessinées , gravées et coloriées avec toute la fidélité que la science peut desirer , et , ce qui est plus difficile , avec le luxe du pinceau dont la nature les a embellies. De longues recherches sur la manière de graver la plus propre à recevoir l'impression en couleur , et de nombreux essais , m'ont démontré que l'art pouvait saisir et fixer l'éclat et les nuances variées que nous admirons clans ces fleurs. Mais ce n'est pas pour le seul plaisir des yeux que j'ai entrepris l'Ouvrage que j'annonce ; les Naturalistes regrettaient depuis long-temps de ne pouvoir conserver les Liliacées dans leurs herbiers l'exactitude de la description et la vérité de la gravure les dispenseront du soin de les préparer. Ils trouveront , ainsi que le simple amateur , qui , sans vouloir apprendre la science , serait curieux de connaître les caractères et l'histoire (le ces végétaux qu'il cultive avec complaisance , fidelle de chaque individu de la fa-mille.
  Chacune des plantes sera représentée dans une planche coloriée avec la fleur et les détails de la fructification ; mais ceux-ci seront indiqués au bas de la planche par un simple trait en noir , afin que les accessoires ne nuisent point à l'harmonie de l'objet principal. Tous les dessins sont faits d'après nature. Chaque planche sera accompagnée d'une description écrite en français, dans laquelle j'indiquerai les noms divers sous lesquels la plante est désignée dans les Ouvrages de Botanique , l'histoire de ses mœurs , de sa végétation et de sa culture ; ses usages et ses propriétés.
  Les planches et les descriptions paraîtront sans ordre , mais je me propose de présenter à la fin de l'Ouvrage la classification de toutes les plantes qui auront été décrites. Parmi les motifs d'utilité sous lesquels on peut considérer cet Ouvrage, je n'ai point parlé de l'avantage que plusieurs arts et les manufactures pourront en retirer. Mais c'est moins de ces rapports que j'ai cru devoir entretenir le public , que du degré de perfection auquel je me suis efforcé de porter l'imitation de la plus brillante famille du règne végétal. Je crois avoir atteint le but : c'est dans l'opinion des -Naturalistes et de ceux qui cultivent les arts que sera ma plus douce récompense.


ALL REVIEWSのオシゴト。今日もOCRを一件。

2019年6月10日月曜日

『文字禍』もコストパフォーマンスの良い…つまりあまり売れない…小説なのか?

昨日の余韻で、『文字禍』(中島敦 青空文庫)を読み直してみた。この作品も、何回も読んでいるうちに、何を意味しているのかわからなくなってくる。まさに「文字禍」。

『文字渦』も読んでいるうちに、いや最初からわかったという気にさせない作品で、昨日の円城塔さんの、口ぶりからすると、わざとそうしているとしか思えない。こんな文学もあるのだろうし、それが嫌いではない。爆発的に売れる作品には成りえないが、息長く読みつがれる、そして似たような作品を書くように、後代の作家をインスパイアするのだろう。

読者からすると、コストパフォーマンスの良い本と言える。何回よんでも飽きない。名作とはそのようなものだ。

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ALL REVIEWSのオシゴト。今日もOCRを一件。

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島尾敏雄とその妻の作品を、ある事情があって、調べ始めた。数年前に古本で島尾敏雄の作品集を買ってあまり読まなかった記憶があるが、その本はどこかに埋もれていて出てこない。

図書館にはたくさんの著書や関連本がある。『死の棘』から読むべきかなと思ったりする。少しずるいが、映画を先に見ようかとも思って、AmazonやYoutubeを調べた。「死の棘」自体は、有料。「海辺の生と死」という、『死の棘』以前の話の映画が見つかった。悪くなさそうなので、これから観るつもり。


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成毛眞さんがFacebookで、三島由紀夫のWikipediaは日本屈指とおっしゃるので、見に行った。なるほど凄い。これも読んでおきたい。ヘタをしてハマルと、近所の図書館の『三島由紀夫全集』を全部読むハメになる(*^^*)

2019年6月9日日曜日

「円城塔×大日本タイポ組合『文ッ字渦〜文字の想像と創造〜』」というイベントに参加してきた


「町田市民文学館ことばらんど」で行われた「円城塔×大日本タイポ組合『文ッ字渦〜文字の想像と創造〜』」という、面白いイベントに参加してきた。
もともと、円城塔さんの『文字渦』という小説らしくない小説に惹かれて、参加したのだが、「大日本タイポ組合さん」(秀親さんと塚田哲也さん)の展覧会も興味深かった。『文字渦』の創作の秘密、特にその文章の中で繰り出された、たくさんの見慣れぬ文字たちが、どのように作られたかという「秘密」を知って驚いた。

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日記風に参加印象を書く。
町田はご近所の盛り場だが、最近10年位はご無沙汰していた。街並みを歩くと、なつかしいお店にたくさん出会う。BOOK・OFF、DiskUnion、ドスパラ、立ち飲み屋、Nゲージジオラマ店…を通り過ぎるいや、2・3箇所入ってみる。

目的地(町田市民文学館)に近づくと、以前何らかの(何かはわすれたが)イベントで一階には入ったことがある。町田ゆかりの(遠藤周作や白洲正子や)文学者のパネル展示や、作品書籍、文学に関する資料や、事典類が閲覧室にあって、落ち着いた席もある。町田市立図書館のカードがあれば、貸出も受けられる。(今度カードを作って来てみよう。)

(後記:ブログを書いてしばらくして、パンフレットを見ていて思い出した。
これだ。「いきmonoがたり ―「ファーブル昆虫記」&「シートン動物記」の世界―展」)


二階の展示室では、大日本タイポ組合(type.center)の展示がされており、こんな面白いパネルもあった。高輪ゲートウェイを漢字三文字で表すと…
写真を拡大してみると…


横の大会議室に80名集まった。

鼎談だ。円城塔さんと秀親さんと塚田哲也さん。実は円城さんのお話だけを期待してきたのだが、終わってみると三人の掛け合いが愉快という意味で効果的だった。
「文字」に関する話が中心。キーワードだけ書くと…


  1. 中島敦『文字禍』はもちろん尊敬
  2. 糸山秋子『妻の超然』(新潮文庫)のカバー(書影は下に)は大日本タイポ組合作成
  3. 『文字渦』の装丁を大日本タイポ組合でやりたかった(今の書影も下に)
  4. 漢字はそのデザインも大事
  5. 謎の漢字がある
  6. 『文字渦』の雑誌版と書籍版の字には違いがある
  7. 新潮社には独自の「基本漢字」が280字強ある。他社にも。
  8. 新潮社の漢和辞典のスタッフが『文字渦』も手がけた
  9. 右からの横書き文字は、一字ごとに改行していると考えると良い
  10. 『abさんご』黒田夏子さん、面白い
  11. 中国の漢字改革事情に注目したい
  12. ルビとルビタグ、ルビの世界は何でもあり
  13. ルビは老眼にはつらい
  14. 文字のよみにくさはデザインで何とかする
  15. 漢字とひらがなは相性が悪い(カタカナは良い…漢字の一部だから 高輪ゲートウェイ…)
  16. 幼児は最初は和語しか使わない、歴史的にも漢語からひらかなに進化したのに、また漢語に戻すって…
  17. コトバのルネサンスが必要、具体的には?
  18. 小説は構造化できない(一部を変更すると全体に変更が及ぶ)、Gitは使えない
  19. シナリオを書くのにHTMLで書いて渡したら、必ずWordになって戻って来る…無力感
  20. 最近のゴジラ映画で古代の壁にカタカナで「ゴジラ」と書いてあったが???
  21. 円城さんの次の作品のタイトルは「ありがとう」(冗談)




面白い話のシャワーだった。
私の聞きたかった話は、鼎談で紹介された以下のページに尽くされている

『文字渦』の文字はいかに作られたか──「作字」をDNPメディア・アートに聞く

円城塔『文字渦』出版インタビュー〈前編〉
円城塔『文字渦』出版インタビュー〈後編〉
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仲見世商店街をぬけて、小田急デパートの地下で鯖の塩焼き(356円二枚)を買って帰った。さっき食べたがうまかった。

2019年6月8日土曜日

HKUとは「香港大学」のことらしい

『未来をつくる図書館−ニューヨークからの報告−』を読み続ける。
ますます、映画「ニューヨーク公共図書館」を見たくなってきた。まだ、混雑しているようなので来週回しにしておく。
本の著者菅谷明子さんのトークイベント(やはりあったのだ…知っていたら行きたかった…)の記事を見つけた。岩波書店のWebページ。映画の予習になるなあ。

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親孝行な息子殿が、香港旅行のオミヤゲを持って訪ねてきた。これを機会にiPhone7を買い換えないのか聞いてみた。結果はYes。そして目論見どおり、秋には譲ってもらえることになった。AppleストアでSIMフリーのを買ったはずなので、譲り受けには好都合\(^o^)/
せこいけれど、彼の学生時代にはさんざん買ってあげたのだからまあいいよね。

オミヤゲはこれ。似合うかしら?

2019年6月7日金曜日

ダールの皮肉もいいが、ニューヨーク図書館の試みにも惹かれる

ロアルド・ダールの短編集を拾い読みしていると面白い。ブラックなユーモアに満ちている。「南から来た男」というのがあって、歯車火花式のライターを10回失敗せずに着火できるかをかける話。これは落ちが秀逸。ダールはこのような「賭け」を書くのが好きなようだ。モームがたしか、この話をどこかで引用していた。まだ、探してないけど。「雨」だったか?(植草さんだったかしら、健忘症なのでわからなくなりました…)

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ALL REVIEWSのオシゴトは、OCRを2件やった。これで書評家Kさんの、あるフォルダーの中身が全部完了した。ちょっとした達成感。作業手順をまとめてみた。しばらく離れていると、コツを忘れてしまうので。
(1)OCR対象の画像をフォルダーからダウンロード。
(2)「プレビュー」で表示し、段組などないように、単純なブロックに画像を分割する。
(3)分割したPNG画像は連番を振って保存しておく。
(4)「ONLINE OCR」のページを開き、分割済み画像を一個ずつ変換する。
(5)変換結果を「テキストエディット」に順次貼り付ける。
(6)半角スペースを一括変換で消去。
(7)結果をざっと整形し、校正用の作業ファイルにアップロードする。

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この画像は「書影ったー」でいただきました!

昼寝がてら、昨日借りた『未来をつくる図書館−ニューヨークからの報告』(菅谷明子 2003年 岩波新書)を読む。これは面白い。図書館を利用することの、概念がガラリと変わる。9.11後の不況を乗り切るために、失業したビジネスマンをサポートする場面まで読んだが、金がなく当然資料やPCもない人たちが、図書館のサポートで失業以前より有能なビジネスマンに自己改革している。広範囲なデータベースをアクセスして既業プランを作る。米国の草の根ビジネスの強さがここにある。
私も、年金しか収入源がないから無理と言わず、なんとか、手段を見つけて、自分のやりたいことを実現したい。そのために、図書館を中心としたシステムを改革していきたいものだ。そう、思わせる力のこもった本だ。
映画「ニューヨーク図書館」もぜひ、見に行きたい。ついでに覆麺にもいくぞ!