2020年6月30日火曜日

『三体 II 黒暗森林』(早川書房)をいよいよ読み始めたが付録の「登場人物表」はすごく便利

『三体 II 黒暗森林 上』(早川書房)を読み始める。さすがに面白い。一気に100頁まで読む。



以下、ほとんどネタバレはありません。

前作より登場人物が多く、複数のストーリーが並行に進むので、混乱しそうになった。登場人物表が別紙でついているので、これをチェックしながら読み進める。人物の初登場頁も書き添える。Kindle版も買うと検索もできて便利だろうなと思いながら……

最初のシーンに蟻が登場するが、これは何を意味しているのか。無力な人類を象徴しているのか。

「量子もつれネットワーク』とか、「宇宙社会学」の公理とか、面白い小道具も満載。アシモフやクラークを彷彿させるところもある。

下巻も含め4日間くらいで読み終えそうだ。

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息子がBD(とDVD)環境を持って行ってしまったので、BDややDVDはお古のPS3を使って観ていた。それも、TVが壊れて以来半年ほど使えなかったが、今回のTV購入を機会に、また環境を復活した。HDMIケーブルを専用にすべく新調。レイアウトが変わったのでPS3を縦置きにしたらディスクを読み取らず故障かとあせった。ビデオテープレコーダーをどかすことで、場所を都合して、横置きにして事なきを得る。これを機会に古いオードリー・ヘップバーン様のDVDを全部見直すつもりだ。

2020年6月29日月曜日

『プロット・アゲンスト・アメリカ』ビデオの第一話を観る



『プロット・アゲンスト・アメリカ(字幕版)』がamazon prime videoに降りてきた。まだ第三話までだ。第一話は無料なので(*^^*)、観てみた。

原作(翻訳だが)は昨年読んで、面白かった。原作の、そして時代の雰囲気をうまく映像化していると思う。主人公(フィリップ・ロスの分身)のおばさんと兄が全体主義側に、そして父親やいとこがユダヤ系市民であるがゆえに差別されていく筋書きだったことを、観ながら思い出した。

思い出したところで、第一話は終わった、その先を観るかどうか微妙なところ。とりあえず、しばらく様子を見て、無料化されたら(amazonプライム料金は払っているわけだがその範囲で)、観ることにする。原作を読み返すほうがいいのかもしれない。

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ウルフの『ある作家の日記』(みすず書房)を今日も拾い読み。やはりこの本は自分のものとして欲しいが。とりあえずは、借用再々延長を図書館に申し込む。

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夕方、コロナ自粛後はじめての理事会。出席者の都合で平日18時からの会合となった。細かい問題は多いが、難しいことは起きていないので理事長としては助かる。来週、自主管理公園の管理上の問題を相談するため、何人かで市役所に助言を求めに行くことにした。スーパーに行く以外では久しぶりの外出になる。

2020年6月28日日曜日

The Complete Works of Virginia Woolf(Kindle版)を買いました

『心の青あざ』を読み終えた。
ご本人が、(75頁)、「ハッピー・エンドで終る偉大な小説はありません。」と書いている通り、余韻を残す終わり方だ。もっとも、大抵の小説はそうであると思う。『モンテ・クリスト伯』もほぼハッピーエンドなのだが、ダンテスとエデの船出のその先はよくわからない。

128頁。やっと本来の小説の主人公(の一人)、エレオノールの内面が書かれる。
夢想家である彼女は想像力に欠けていた。このことがちょうど、彼女の本に対する愛情と恋人に対する冷淡さを説明している。彼女は犬よりも猫に好かれていた。猫は自分らのもつ無限のもの、消滅した温かさ、燃えると同時に鈍い生命力を彼女の中に見つけたのだった。

132頁。
エレオノールは俗物である恋人から一時避難し、恋人が追ってくると、自宅のベッドでのんびりと『ピクウィック・ペーパーズ』を読んでいるところを見せつける。

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今日の、収穫。

その一。
『The Complete Works of Virginia Woolf (Illustrated, Inline Footnotes) (Classics Book 3) (English Edition) Kindle版』を実質150円で入手できた。完全版の日記を捜していたのだが、もっといい。Kindle版なので、本文検索もできる。



その二。
『プロット・アゲンスト・アメリカ(字幕版)』がamazon prime videoに降りてきた。まだ第一話のみだが、無料。第二話以降は今の所有料(T_T)

これから、観る。



2020年6月27日土曜日

サガン『心の青あざ』を本人は「エッセー的小説」という、読んでいると量子力学が勉強したくなる(^^)



『心の青あざ』を読み続ける。サガンの筆は、天馬空を行くがごとくだが、ときどきは鬱っぽくなる。123頁にこれは「エッセー的小説」なのだと自身で書いている。1971年に書いたので、「五月革命」の挫折がもたらす鬱もあるだろう。本人は否定しているが……
Judith Gravesのサガン評伝によると、Autobiographical Textsの仲間になっているが。


ともかく……

79頁。
この世の中で最も多く共感をよぶのは常識ではない、感情なのだ。

91頁。
黒い木立のうしろに二月の赤い太陽が沈んだ。ノルマンディの自分の家の窓から、不幸な女流三文文士は一日が暮れるのを眺めていた。四十八時間彼女は一語も書けないでいた。……彼女は十八歳の時、きれいなフランス語作文を書き、それが出版され。彼女を有名にした。

112頁。
私は自分の人生が、長い古典のフランス語作文であってほしかった。常時プルーストの引用、バカンスにはシャトーブリアン、十八歳の時にランボー、二十五歳の時にスコット・フィツジェラルドを。

121頁。
ダショ――そのブルドーザーとその死体の山。

125頁。
モデスティ・ブレイズの《クローズ・コンバ》

この作品の魅力、私だけかも知れない、は当時の映画に関する言及が多いこと。「モデスティ・ブレイズ」は人気漫画で映画化(『唇からナイフ』)された女ルパンのような主人公。サガンも映画ファンだったのだろう。同時代の映画ファンとして親しみを感じるのだ。

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なんとなく、新しい量子力学を勉強したくなったので、インターネットでテキストを捜した。この二つが良さそう。

http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~yuichiro.sekiguchi/lecture_QM.pdf
http://kurasawa.c.ooco.jp/qm_a.pdf


ドライブをかけるために、YouTubeも援用したい。

https://youtu.be/wkaLqFOCGjk?t=35


2020年6月26日金曜日

作家自身のことを直接、小説中に書き込むのは、大作家でないとできない



『心の青あざ』(新潮文庫)を読み始めた。小説自体は戯曲『スウェーデンの城』の続編なのだが、途中に多く書き込まれている著者サガン自身の日記的な独白がオモシロイ。

10頁。
私は詩だけが好きだった、自分では絶対につくれなかったけれど……。

18頁。
怠惰は仕事と同じくらい激しい麻薬なのだ。非常な働き者に突然仕事をやめさせると、衰弱し、意気消沈し、痩せ、等々、となるそうだ。だが、怠け者、ほんとの怠け者も、数週間の仕事のあとで、やはり《不足》状態におちいる。

19頁。
陽気さにご用心。苦しい書き出しのあとで、二、三章書くと作家を捕えるこの優しい幸福感に用心する。《おや、おや、機械(メカニック)が再び動き出したぞ!》などというようなことをつぶやかせることになる。
25頁。
文学生活十八年間でメニューを提供したことは今回が初めてである。真正のメニューである。牡蠣、魚、等々。それからぶどう酒。その上大体の値段まで示してある。 

43頁。
やれやれ!

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このような作家のモノログ入りの書き方は、『空海の風景』をはじめて読んだとき知って、感心した。小説とはどのように書いてもいいのだ自由なのだと思い、あこがれた。

トーマス・マンは小説には直接書き込まないが、自作を語るような文章を作品と一緒に(または直後に)書いている。たとえば『ファウストゥス博士』に関するものは、亡命生活の苦しさを描いており、作品そのものより感動を呼ぶ。『ドン・キホーテと海を渡る』を書きながらヴォランダム号で初めて米国に行くが、船酔いで大変だったようだ。常人には無理だが、体調が悪くても、読んで(『ドン・キホーテ』を)、書くことはやめない。それで肉体と精神を鼓舞していたのだが、体には負担がかかっていた。亡命生活中の種々の病気の遠因のひとつとなっただろう。彼の日記を読むと体調の悪さを具体的につぶさに書いてあるが、それを分析して作品の執筆状況と比べると、気の毒ではあるが、面白いだろう。翻訳版の日記残り5冊をぜひ手に入れたい。

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【無料生放送】「月刊ALL REVIEWS」フィクション部門第18回|ゲスト:徳永京子さんを視聴。取り上げられた戯曲はぶっ飛びすぎていて、ちょっとついていけなかった。戯曲作家の窮状は問題だなと思った。アーカイブは友の会会員のみ視聴できる。

2020年6月25日木曜日

ランボーの詩がやっと一つ心に響いてきた



『愛と同じくらい孤独』(サガン 朝吹由紀子訳 新潮文庫)を読み直す。

63頁。
小説を書き始めるときはまず一挙におもうままに書きます。プランは絶対に作りません。とにかく即興的に書いて、まるで物語の糸をあやつって好きなように動かしている感じが何よりも好きです。文章はそのあとで練るのです。文章にバランスを持たせたり、副詞を減らしたり、リズムを整えます。

64頁。
題名は重要だと思います。本に服を着せるようなものです。

75頁。
ハッピー・エンドで終る偉大な小説はありません。

74頁には、詩はいくつか書いたがあまりよくない。と書いてある。ランボーを若い時読んだのなら、それ以上のものを目指そうとし、無理と気づいたのだろう。そして彼女は自分は詩でなく小説で世界を見つめようとする。

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ランボーの詩を青空文庫などを主として、いくつか読んでみた。なかなかピンと来ない。Project Gutenbergで詩集を読むというより、眺めたりした。インターネットでもっと探っていると、虫の世界でお世話になっている(と勝手にこちらで思っている)奥本大三郎先生が、ファーブルだけではなく、ランボーも研究されているのを知った。

こんな論文がすぐ見つかった。
https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1145&item_no=1&page_id=59&block_id=74


そして、奥本先生のことを取り上げたブログに、ランボーのある詩(奥本先生の訳)が紹介されており、それは気に入った。老後の自由な境遇とランボーの「見者」の思想が結びつくような気がするからだ。
https://www.1101.com/n/s/gakkou_contents_newlifestyle/2020-05-26.html


もう一度、青空文庫の中原中也訳で読み、国会図書館デジタルで永井荷風訳でも読んで見る。
Project Gutenbergの『ŒUVRES DE ARTHUR RIMBAUD』ではこうなっている。

https://www.gutenberg.org/files/56708/56708-h/56708-h.htm



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注文しておいた、『職業別 パリ風俗』(鹿島茂さん 白水社)と、『心の青あざ』(サガン 朝吹登水子訳 新潮文庫)が一緒に届いた。後者は思ったとおり、自伝的部分がフィクションに混ぜられており、すぐにも読んでみたい。

2020年6月24日水曜日

サガンとランボーの生き方の共通点

二ヶ月ぶりに床屋に行く。心配だったので聞いてみると、売上は3割減なので、持続化補助金はもらえないとのこと。家賃の補助は申請するそうだ。老人ホームでのボランティアができるようになったので、先週行ってきたという。頭が下がる。

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サガンが『私自身のための優しい回想』のなかの「愛読書」で、16歳のとき浜辺で『イリュミナシオン』を読んで衝撃を受けたことが書いてある。
文学と……言葉とつかみ合いをする以外は。彼女(ぶんがく)と一緒に走り、彼女の方へ自分を高めなければならない。

金子光晴や小林秀雄の訳した『ランボー詩集』や『地獄の季節』をひもといてみても、若いサガンの受けた感動はうかがい知ることはできない。当たり前だが。

それでは、と辻邦生さんの『辻邦生作品 全六巻 3』(河出書房新社)をあけて、『献身』を読んで見る。病に倒れたランボーと最後を看取った妹との独白で書かれた緊迫感あふれる短編。これから読み取れるランボーの生への強烈な意欲。克己心。凶暴なまでの自己実現は、サガンの生き方にかなり影響を与えたと思える。大金を手に入れるが、結局失敗して借金を抱えて死ぬところも似通っている。「生きる」ためには才能も金も使い切る必要があった。


2020年6月23日火曜日

読書という意味からは実り多い一日



『サガンという生き方』(新人物文庫 Kindle版)を、Unlimitedで入手して読んでみた。120頁の本なので、明け方に2時間ほどで読めた。なかなか面白かった。ただし、そこで気づいたのは、自分はサガンの著書をほとんど読んでいないということだ。
『悲しみよこんにちは』 、『ある微笑』、『一年ののち』、『ブラームスはお好き』までは翻訳ではあるがマジメに読んだ。その後の小説は読んでいない。どうも学生時代に新潮社の世界文学全集(黄色い箱の)で、読んだだけらしい。割と最近になって、『私自身のための優しい回想』などを読んだが、それ以外は読んだ記憶がない。

これではいけないと、とりあえず『心の青あざ』(新潮文庫)を注文した。図書館で評伝、『サガン 疾走する生』を借りる手配もした。若くして有名になってしまったサガンが、その後の作家人生をどう生きたのかにも興味がある。もちろん、その前に昔熱中した作家のその後の作品を読んでみたいというのが主なる目的だ。彼女の日記的なものがないのか捜してみたい。

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(極限状態での)読書会というテーマを考えていて、日本の昔の状況がもっと知りたくなる。そもそも読書会ってあったのかという素朴過ぎる疑問を持って、調べていたら、「会読」という日本風の読書会があるらしいことに気づいた。福沢諭吉たちが洪庵塾でやっていたのは、厳しい形での会読ということになるらしい。『江戸の読書会 会読の思想史』(平凡社選書)というのを借りてみることにした。


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昼過ぎにしばらくぶりで青葉台に行き、『三体 2 上下』を買ってきた。


2020年6月22日月曜日

メルヴィルとサガンどちらも飛んでいる



『書記バートルビー/漂流船』 (光文社古典新訳文庫) をKindle版そしてUnlimited扱いで入手し、『書記バートルビー』を読む。短いのですぐ読める。味わいはポール・オースターを連想させる。メルヴィルの面白さにあらためて脱帽する。するとかなり前に読んだ『白鯨』を読み返したくなったが、文庫本だし、どこに紛れ込んでいるか、すぐには思い出せないのでとりあえずやめておく。『書記バートルビー』は昨日読んだ『刑務所の読書クラブ』(原書房)のなかで、読書会の題材となりメンバーであるオジサマたちには不評だったもの。不条理な物語はお気に召さなかったのだろう。頷けるところもある。

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昨日はサガンの誕生日だった。1935年生まれ。自分よりは14歳年長。年長の姉より1歳だけ年上。もっと言うと辻邦生より10歳若い。少し背伸びすれば同時代の人と言ってもよかろう。スター性はあるのだが、翻訳を通じてながらものの考え方や文章の語り口をみると、親しみを覚える。わかる。『私自身のための優しい回想』(新潮文庫)を出してみた。「愛読書」が紹介されていて、『地上の糧』、『反抗的人間』、『イリュミナシオン』がまずあげられ、プルーストの『消え去ったアルベルチーヌ』もあげられている。『失われた時を求めて』は『アルベルチーヌ』から読むのが良いとのこと。
子供の頃に田舎での夏休みに本を読むくだりがあり、その様子には自分も同感する。よい本と出会ったときは、その読書環境が記憶に残り、本の内容と読書環境の記憶は切り離せないのだと。
サルトルも、誕生日は6月21日。サルトル最晩年にサガンが何度も夕食に付き合い、目の見えないサルトルの介助をしていた話には驚くと同時に涙を禁じえない。

2020年6月21日日曜日

吉田松陰も野山獄で読書会というより勉強会をやった

昨日の続きを考えている。

『刑務所の読書クラブ』のエピローグを読むと、かなり考えさせられることが書いてある。刑務所内の読書会では積極的に参加したくさんの本を読んでいた受刑者が、釈放されるとさっぱり本を読まず、スマホでインターネットに夢中になるのだ。単純に考えると、他にやることのない刑務所内でのほうが集中して本を読めた、ということだが……

***

日本ではどうなのか。少し古いが、吉田松陰の「野山獄」での様子も、国会図書館デジタルコレクションで少し読んでみた。
吉田松陰言行録』や『講孟余話. 上』。







松蔭は他の受刑者に『孟子』をわかりやすく講義、説明には天下国家のことを使ったとあるが、刑吏がよく許したものだ。制止するどころか自分たちも感心して聞いていたという。他の受刑者も得意なこと、習字や作句を教えた。松蔭もこれらには熱中していたという。深くはまだわからないが、おおらかなものだ。
松蔭は『花燃ゆ』を観たときもそう思ったが、根っからの教育者だったのだろう。野山獄のことはその小さな表れにすぎない。思想家松蔭については『吉田松陰: 「日本」を発見した思想家』(筑摩書房)を読んでみたい。ARでの書評は、
https://allreviews.jp/review/1859

2020年6月20日土曜日

極限状態では読書が欠かせない

明後日締切の原稿のプロトタイプを考えた。

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『パトリックと本を読む 絶望から立ち上がるための読書会』(白水社)、副題に惹かれて読んでみた。
https://allreviews.jp/review/4490
米国でマイノリティの置かれている絶望的な立場、そのなかで何度も挫折しながらも、読み・書くことで人間性を取り戻そうとするパトリック少年とその「先生」である著者。著者もまたアジア系のマイノリティだが、両親の助けによりハーバード・ロースクールに進む。弁護士となって、弱い立場の人々を助ける仕事をする。金にはならないが、一人でも多くの人を助けたい。そのきっかけであり、著者が助けたい人物像の象徴がパトリックである。

先月、たまたま『ガーンジー島の読書会』(イースト・プレス)を読んで以来、このような「極限状態における読書または読書会に興味を持った。ひとはなぜ本を読むのか、その答えがそこに見つかりそうな気がする。昨年読んだ『収容所のプルースト』(共和国)
https://allreviews.jp/review/2104
も、同じテーマを追求した本であったと思い返す。
『刑務所の読書クラブ』も同様なテーマの本らしい。今日からはこれも読み始めた。
読書の持つ力、言葉の持つ力に驚きを深くするこのごろだ。
https://allreviews.jp/column/2495

これらの本の多くは、ALL REVIEWSの書評に導かれて読んだものだ。ある意味で、「極限状態」にある我々にとって、人間性を失わないために必要なのは、良い「本」を読むことなのだろう。

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もう一晩寝かせて、書き直ししよう。

『監獄の歴史』や、大杉栄や吉田松陰のことも考える必要がある。佐藤優さんも?

2020年6月19日金曜日

『パトリックと本を読む』 (白水社)は読むのがつらいが最後まで本を手放せない魅力が……



『パトリックと本を読む 絶望から立ち上がるための読書会』(白水社)を読み終えた。

副題に「読書会」とあるが、著者とその元生徒パトリック二人だけが、最終的に(刑務所内でだが)メンバーとして残る。

285頁。巡回裁判所に行くと、昔の生徒が何人も被告人として出頭している。皆有色人種の若者。

292頁付近。大抵の被告人は司法取引で有罪を認めてしまう、そのかわり刑期を短くすると持ちかけられるから。国選弁護人は少なく、(待遇が悪いので弁護士はいやがる)、そもそも裁判以前に弁護人に会うことがほとんどない。

337頁。パトリックの知的成長には「静かな部屋」が必要不可欠と著者は気づく。刑務所で運が良ければそれに近い状況になる。彼らの家庭では「静かな部屋」などあり得ない。本を読むことはおろか、ゆっくり考えることすらできない。ウルフの、物を書こうとする女性は500ポンドと鍵のかかる部屋が必要、という議論を思い出す。パトリックのほうがもっと絶望的状況。著者の助けもあるが、読めて書けるようになったのはパトリックの英雄的な努力による。

危機的な状況で、人間性を取り戻す(得る?)ために読みそして書くことが有効ということは、この本でも同じだ。しかし、『ガーンジー島の読書会』のドイツ軍圧政下よりも、21世紀のアメリカの状況のほうがひどいとは恐ろしい。

2020年6月18日木曜日

メルマガ「週刊ALL REVIEWS」の発行は2年目を迎える(^o^)



月に一度くらいの頻度で、「週刊ALL REVIEWS」というメールマガジンの巻頭言を書かせていただいている。

私の担当は月一くらいだが、メルマガ自体は毎週火曜日に出る。はじめたのは昨年6月、先週でちょうど52号が出た。一年を52週と考えると、丸一年続いたことになる。こういった定期刊行物は、一年続けるのは難しいと聞いている。だとすると頑張ったなあと思う。一方、3年は続けないと話にならないということも聞く。するともっと頑張らないと力が入る。

ともかく、書くことで、本や書評に関する知識が増し、なにより読むことが楽しくなる。この調子で、なんとか3年は続けたい。幸い、読者も少しずつだが増えて、900名を超える方々に読んでいただいている。今年中に1200名くらいまで増やしたい。自分たちで楽しみながら書くことで、読者が増えていくことを期待したい。

一年続いた記念として、ALL REVIEWS友の会公式のnote記事として、半年分の巻頭言をまとめた「総集編」を作った。アドレスはここ。
https://note.com/allreviewsjp/n/nfcc59cd2b25d


昨年末に作った(前半)半年分の「総集編」はこちら。
https://note.com/allreviewsjp/n/n68017101b733

楽しく一年間書いてきたので、巻頭言の執筆者仲間を増やそうとも考えている。友の会会員のなかから募集するつもり。

2020年6月17日水曜日

『パトリックと本を読む』(白水社)は迫力あるぞ!



『パトリックと本を読む』(ミシェル・クオ 神田由布子訳 2020年 白水社)を読み始める。似たような傾向の本数冊を借りてきた。極限状態での読書(会)。とりあえずこれからと取り上げたが、たちまち引き込まれ、あっという間に400頁のうちの100頁を超えた。

先日読んだ『ガーンジー島の読書会』。読みながら、このテーマは本になるなと感じ、ALL REVIEWSで「読書会」というキーワードで検索し、何冊か読みたい本を捜して読みつつ、刑務所など極限状態で人間がなぜ読書をするのか探ってみている。
この本の書評はこれだ。
https://allreviews.jp/review/4490


この本は、著者ミシェル・クオの実体験をもとに迫力をもって書かれている。著者は台湾からの移民の夫婦の娘で、高等教育(ハーバード大)をうけて、弁護士への道を歩もうとする直前に、南部の黒人の貧困や差別に苦しむ子どもたちのいる学校で英語を教える。彼女自身は米国生まれで完全な英語の使い手。2年間の勤務のうち、最初の一年はうまく生徒に溶け込めないが、一人の生徒と深くかかわるうちに、クラスの生徒共々、詩を書かせ読書に眼を開かせる。

親の説得で、ふたたびロースクールへの道を歩み始める。ここが第二部のはじまり。2月に、さんざん(*)ビデオシリーズで観た、『グッド・ワイフ』のサイドストーリーのようなシチュエーションになろうとしている。
(*)120時間、ほぼ、ぶっとおしで観たら、眼が壊れて重症のものもらいになって、通院した。そして、液晶テレビのLEDバックライトも壊れて切れてしまった。

2020年6月16日火曜日

『パリは燃えているか?』を確かめるためにGoogleマップのストリートビューを使うアイディアを授けていただいた(*^^*)



『パリは燃えているか?』の上巻を読み終えた。

313頁。〈魚をとる猫〉路地でもフランス国内軍の小分隊が、ドイツ軍巡察隊を待ち伏せ、火炎瓶を投げつける。

314頁。コメディ・フランセーズでは女優にまじって、丸い鉄縁の眼鏡の小男が志願担架兵として夜勤についていた。昼は『自由への道』を執筆中だった。つまりかれはサルトル。

362頁。連合国軍はパリからわずか50キロメートルのランブイエまで来ている。

下巻は明日読むことにした。ALL REVIEWSの仲間から、Googleマップのストリートビューで、文章に出てくる土地を眺めながら読むと楽しいという話を聞いたので、やってみることにしよう。

***

『東西書肆街考』(岩波新書)の、東の部分(神田)の方だけ読む。古書店名入りの地図が掲載されている、180頁には昭和14年のものが掲載されているが、書店の配置はほぼ現在に近い。この頃になると古書店の経営を大学出で有能な人がやるようになり、かなり近代化が進んでいる。

***

「特定家電4品目リサイクル 【テレビ・冷蔵冷凍庫・エアコン・洗濯機(衣類乾燥機)】の処分方法について」というWeb頁を参考にして、この地区の環境事業協同組合に電話し、この冬に壊れて見えなくなった39型の液晶テレビの引き取りを依頼する。1階まで自分で運ぶ条件で、料金は合計5290円。当日引き取りに来た人に直接支払う。
テレビは「むき出し」で、渡してくれと念を押された。新しいテレビの段ボール箱にいれて、ついでに持っていってもらおうかという計画は崩れた(T_T)

2020年6月15日月曜日

『海からの贈物』(新潮文庫)は今読むべき本だろう

一昨日掘り出した『海からの贈物』(アン・モロー・リンドバーグ 吉田健一訳 新潮文庫)をほぼ全部読む。



2年前の今日、このブログで、アン・モローのことを書いていたことを、今、ブログを読み返してみて思い出した。でもなぜか『海からの贈物』を読み返さなかった。見つからなかったからかも知れない。そして、今日読み返してみて、随分共感できるところのある本だったのだと、はじめて気づいた。

7頁。
私はものを考える時は鉛筆を手に持っていたほうがいい。

以下は、二年前の私のブログからだ。
「誘拐事件の容疑者(ドイツ系移民)が捕まり、裁判で有罪となる。リンドバーグは殆どの場合冷静に裁判を見守る。冷静すぎるとアン・モローは思っただろう。

 一方、アン・モローは感情の起伏を隠せないが、徐々に自分を取り戻してゆく。その助けとなったのが「書く」こと。リンドバーグと共に太平洋地域を飛んだときの旅行記を、裁判のかたわら書き綴って行く。」

8頁。
もっと豊かな休止がある律動を、またもっと自分たちの個人的な要求に適った生き方を、そしてまた、他人、及び自分自身に対してもっと新しい、有意義な関係に立つことを望んでいる……

13頁。
浜辺は本を読んだり、ものを書いたり、考えたりするのにいい場所ではない。……少なくとも、初めのうちは、である。

14頁。
海岸の原始的な律動の中に押戻される。

このあたりの記述は、『トニオ・クレーゲル』と『ブッデンブローク家の人々』を如実に思い出させる。鬱屈した精神をまずは律動が酔わせ、その後ゆっくりと精神は休息に向かう。

25頁。
……煩雑な生活……それは私たちを統一にではなくて分裂に導き、恩寵を授ける代わりに私たちの魂を死なせる。

29頁。31頁。
浜辺での生活で第一に覚えることは、不必要なものを捨てるということである。……捕虜収容所で三年間を過したフランスの或る友達が私に同じようなことを言った……簡易な生活がどんなに大きな精神上の自由と平和を与えるものか……

46頁。
誰でも、そして殊に女は、一生の或る部分、また毎週、及び毎日の一部を一人で過ごすべきである。

49頁。
どうすれば活動している最中でも魂の静寂を得られるか……

***

コロナ禍のなか、周囲と隔離された人々の何人かは、このような感慨を持ったのではないだろうか。

2020年6月14日日曜日

『自省録』(岩波文庫)、50年前に傍線を引いた部分を読み直す

最近の版の表紙は美しい


『自省録』(岩波文庫 神谷美恵子訳)が昨日出てきたので、眺めている。約50年前の自分が、どこに感銘を受けたのか、傍線を引いたところを調べてみた。

7頁。
「……公立学校にかよわず……自宅で良い教師についた……このようなことにこそ大いに金を使うべきである……」 
8頁。
「人の眼をみはらせるようなポーズをとらぬこと。……注意深くものを読み、ざっと全体を概観するだけで満足せぬこと。」 
12頁。
「いつ緊張し、いつ緊張を弛めるべきかを経験によって知ること。」 
23頁。
「自分自身の魂のうごきを注意深く見守っていない人は必ず不幸になる。」 
32頁。
「君は船に乗った。航海した。着陸した。上陸したまえ。」 
37頁。
「各人はただ現在、この一瞬間にすぎない現在のみを生きるのだ……」 
42頁。
「君はいつでも好きなときに自分自身の内に引きこもることが出来る……簡潔であって本質的である信条を用意しておくがよい。」 
44頁。
「事物は魂に触れることなく外側に静かに立って居り、わずらわしいのはただ内心の主観からくるものにすぎない……」
この句の欄外に「M.」と書き込んでいるが、これは多分森有正を連想したのだと思う。


49頁。
「エメラルドは賞められなければ質が落ちるか。」 
68頁。
「哲学は君の(内なる)自然の欲するもののみを欲することだ。」 
102頁。
「人間各々の価値は、その人が熱心に追い求める対象の価値に等しい。」

半分近くは読んでいる、飽きっぽい私にしてはよくやったほう。解説もかなり読み込んだあとがある。

傍線を引いたところを読むと、当時の思考の跡がわかるような気がする。そして、訳をつくった神谷美恵子の思考過程と少しだけ類似したところがあると思いたい。

2020年6月13日土曜日

在宅勤務中のリモート会議が回線の理由でうまくいかず困っている方必読、(大したことないですが)(*^^*)

マンションの管理人さんから「連絡ノート」が届いた。管理組合の理事長をやっているので、ときどき何か問題があれば書き込んで我が家のポストに入っている。今日の問題はある部屋のMさんが、新規に戸建用光回線を引きたいといっているが、どうすればいいかというもの。さっそく管理人さんのところへ行って話を聞く。リモートワークをしているが、うまくつながらないので新規に回線を引くとしたら、どう手続きすればよいかと訊かれたらしい。いきなり解決策に関する質問をするのは、エンドユーザー特有だ、などと思う。

ご本人の状況を確かめたいが、お出かけだったので、管理人さんから「連絡メモ」をいれてもらう。夕食後、Mさんから電話が来たので、ロビーでお会いすることにした。なるべく離れて座った。

在宅勤務で、会議を回線経由でするとたびたび、画像フリーズや音切れがするらしい。環境を聞くと、我が家と同じ回線を使っている。光回線のマンションタイプ(Max 100Mbps)。回線の会社も同じなので、我が家では、つい先日4時間以上Zoom飲み会をやって、一度もフリーズしていないとお教えした。回線速度実測値を訊くと1Mbps前後ということだ。我が家は常時下り50Mbps以上、上り10Mbps以上と伝えた。無線LANルーターがある部屋でなく(子どもがいるので)、別室で仕事をしている。これは中継機が必要なケースと思ったので、まずは無線LAN機器のある部屋で測ってみることをおすすめした。ご本人も話しているうちにそうかと思ったらしい。自分で調べてもらうことにした。戸建て用回線をマンション内で個別に引くことは難しいとも言ったが、これは納得してもらえた。

帰ってきて、自分でもパソコンを持ち歩いて回線速度を測ってみた。最良53Mbps、別室Aでは10Mbps、別室Bではほとんどつながらない。マンションのコンクリート壁のせいだろう。さきほどの推測はほぼマチガイなかろう。
(翌日、Mさんにお聞きしたら、有線接続では30Mbps、WiFi経由では同じ部屋でも300Kbpsなので、ルーター(アクセスポイント)不良と見て、新たなルーターを注文したとのこと。一件落着に近い。有線で30Mbpsは少し遅いが同軸電話ケーブル端子の接触不良をチェックしたいところ。)

Zoom飲み会で、社内のヘルプデスクをしている女性が、回線の問題があるときに、自宅の環境を調べないで、会社のシステムを疑う人が多くて困るとこぼしていたが、まさにそのケースだろう。Zoom飲み会をやっていてよかった。おかげで71歳の老人でも、32歳の若いMさんの役に立つことができた。

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昼食後、『パンセ』(田辺保訳 角川文庫)を捜しに、ガラクタ部屋を捜索。結局一時間捜しても見つからずに、今日は諦めた。そのかわり、買ったことすら忘れていた、そして買い直したものもある、本を何冊か発掘してきた。最近古本屋に行ってないが、古本屋さんの店頭で掘り出し物をさがしだしたような感覚のおそわれた。二枚目の写真の事典は義父が持っていたのを譲り受けたもの。

古本屋さんで買ったら1200円くらいか?


これは当時(昭和46年)で定価5500円。いい本を掘り出した。

2020年6月12日金曜日

ドゴールが飛んで戻ってきた(『パリは燃えているか』)

『パリは燃えているか』を読み続ける。昨夜のオンライン壮行会の疲れ(?)で、他のことはあまりやる気が出ない。note記事(週刊AR巻頭言総集編)の編集をちょっとやっただけ。

上巻278頁以降。ドゴールはジブラルタルからノルマンディー付近のフランス海岸へ向かう。乗ったのはたぶん自由フランス軍所属のロッキード・ロードスター《フランス》号。米軍が《空の要塞》(B-17 フライングフォートレス(Boeing B-17 Flying Fortress))を貸してくれるのを断った。故障と称してなかなか出発してくれなかったからだ。

長距離飛行なので燃料を目一杯積み込んで、やっとの思いで離陸。夜陰に乗じて目的地(空港は決まっていない)を目指す。英仏海峡付近で米軍機と落ち合う約束だった。朝になっても天候は悪い。そのせいかどうか不明ながら米軍機とランデブーできない。燃料切れで墜落寸前に、パイロットが低空に降りて眼下の地形(シェルブール付近)をドゴールに見てもらい、やっと臨時の滑走路を見つけて降りた。着陸した時燃料切れの警告灯がついた。わずか120秒分しか残っていなかったのだ。


写真は米軍仕様のロッキード・ロードスター
This image or file is a work of a U.S. Air Force Airman or employee, taken or made as part of that person's official duties. As a work of the U.S. federal government, the image or file is in the public domain in the United States.


Boeing B-17 Flying Fortress
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2020年6月11日木曜日

転職するMさんのオンライン壮行会に参加そしてやはりパリは燃える

昨日息子夫婦からもらった花束


元いた会社の「藤が丘同窓会」メンバーMさんのオンライン壮行会に参加。一回り以上年下なのだが、もちろん部長クラス。優秀な方なので、転職してより一層活躍できそうだ。Amazonのウィッシュリストで、プレゼントを選んだが、本人に送付するやりかたがわからず、ダイレクトメッセージで送り先を聞いてしまった。ともかく、仕事とは関係ない趣味(音楽)用の品物を贈ることができた。彼がいろいろ唄ってくれたが、音楽も達人!

6時半開始で終了は11時10分!

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走行壮行会までは読書。『パリは燃えているか 上』。

162頁。「ホルヒ」という単語に引っかかった。文脈からは車の種類。インターネットで調べると戦前まであったドイツの高級車(メーカー)の名前らしい。もっと調べると面白そうだが、読書を続けるほうが先決。

169頁。マリ・エレーヌが自転車(!)で夫がのる捕虜運搬列車を追う。追いつく。また追う。自転車の白い小さな人影。

174頁。ヒトラーじきじきに任命されたパリ司令官コルティッツは「パリ市民は(暴動に)動く気配なし」とヒトラーに報告。実情を隠す。

176頁。ドゴールとアイゼンハワーとの確執。

223頁。1944.8.19 蜂起。

2020年6月10日水曜日

パリは燃え上がろうとしており、カツレツは美味で、自分で挽いたコーヒーは香り高い

『パリは燃えているか? 上』を、すこし読み進める、

153頁。「もじゃもじゃ髪の小柄な女性」がドイツ軍の軍曹が別れを告げている新聞売店のところに、ちょっとだけ出てくる。若き日のコレット女史。

155頁。ドイツ軍のかなりな部分は、迫ってくる連合国軍から逃れようと撤退を始める。その際に多くの荷物を持ち帰ろうとするが、運べないものはパリ市民に特配したことがあるらしい。たとえば、ショセ=ダンタン街では、経理部の兵士たちが、主婦たちにバターを投げ与える。

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のんびり読書したいところだったが、俗事で忙しい。

俗事その1。注文していたテレビが届いたので、古いテレビを片付けて、新しいテレビを設置。いままでパソコンの27インチ外部モニターでテレビ番組を観ていたが、40インチになったので、観やすい。

俗事その2。息子夫妻がひさびさにやってくるので、夕食をごちそうする。メインディッシュは先日マスターしたミラノ風カツレツにした。父の日の記念として高級コーヒー豆をプレゼントされた(*^^*)


カツレツ作成中

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夕方ポストを覗いたら、アベノマスクが届いていた。うーむ。小さい。


2020年6月9日火曜日

『パリは燃えているか?』

『パリは燃えているか? 上』(ドミニク・ラピエール、ラリー・コリンズ 志摩隆訳 1977 ハヤカワ文庫)を読み始めた。

これは新板の表紙、私が読んでいるのは旧版

パリでのレジスタンスの事情が少し見えてきた。「ド・ゴール派」と共産党系が対立していた。第三勢力はまだ見えていない。ド・ゴール派は共産党主導でパリが自身を解放するのを恐れ、なるべく早く連合国軍がパリに入城することを望んだが、連合国軍はヨーロッパ全体の戦略の中で、パリのはたす役割が大きくないので、急がない。暗殺事件を辛くも切り抜けたヒトラーは面子上、パリを手放したくなく、もしものときは焼き払おうと思っている……

この本の物語は1944年8月2日からはじまる。(16頁)

28頁。サルトルの『出口なし』が上演されている。これにかぎらず、劇場では上演を続けており、ドイツ軍の幹部にはそれを楽しむものもいた。

40頁。アイゼンハワーはパリ開放を延期する決定をした。ド・ゴールはなんとしても先に権力の座につきたい。

44頁。1940年6月29日。ヒトラーとパリのランデブー。

ともかく、読書は順調で、100頁に達したので中断。

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夕食には、「なすとそぼろのピリ辛あんかけ丼」を作ってみた。うまい。あさイチレシピ。
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/200609/recipe_1.html

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週刊ALL REVIEWSメールレターはめでたく一周年、52号発行にこぎつけた。登録者数は900人を超え、年内に1000を超えるどころか、順調なら1100も突破するだろう。

2020年6月8日月曜日

『ガーンジー島の読書会 下』を一気読みした



『ガーンジー島の読書会 下』、昨日借り出したばかりだが、今日一気に読み終えた。

3頁。島の暮らしは主人公の創作意欲をかきたてる。ユゴーもそうだったという。

17頁。『自省録』は心配し過ぎの婆さまのようなマルクスが書いたと、読書会でメンバーが言い出す。

#この間、恋愛模様が続く。ここはあとで映画を見たほうがよい。

110頁。主人公と親しい読書会メンバーが祖母から受け継いだスバラシイお宝が披露される。親に猫を棄てられて悲しむ子ども(つまり祖母)に、偶然であった紳士が子どもを慰めるために送ってくれた手紙。手紙には生まれ変わった猫の活躍が書いてあった。紳士は「銀筆」を持っていて子どもの住所をメモしていった。この紳士は後に、オスカー・ワイルドだったとわかる。

#銀筆が欲しくなった。もちろんオスカー・ワイルドも読んでみたくなった。

144頁。小型の革装版リルケ詩集が「発見」される。

147頁。ドージーの書棚にある本。ディケンズ、マーク・トウェイン、バルザック、ボズウェル、リー・ハント、『サー・ロジャー・ド・コヴァリー・ペーパーズ』、アン・ブロンテの小説と「主人公の書いた伝記」。

167頁。
「物語ははじまりを描くもの…」

175頁、訳者あとがき。
「戦争という過酷な現実……を乗り越えるために何よりも助けになったのは、仲間たちのあいだに通う愛情、知恵やユーモア、より高きものに対する憧れ、そして読書でした。」

2020年6月7日日曜日

『鹿島茂「STAY HOMEのための読書術」スペシャル』を視聴



月刊ALL REVIEWSは、鹿島先生がおすすめ本を紹介する「STAY HOMEのための読書術」スペシャル。(紹介本すべては私は記録していないが、ALL REVIEWS友の会のTweetにはほとんど記述されている。)

私が、気になったのは、
パスカル『パンセ抄』(鹿島茂訳・飛鳥新社)https://allreviews.jp/isbn/4864101779...

デカルトも話題になったが、読みにくいのは皆同じらしい。自分は、山形浩生さんの「マルチメディア対訳版 方法序説」は、正確かどうかわからないが、読みやすいと思った。
https://www.bauddha.net/discourse_method/
(これ、YouTube観ながら、うっかりTweetしてしまったが、失敗だったかも……冗談として見逃しておいて欲しい。)

「発見のためのデカルトの方法」を鹿島先生がわかりやすくまとめて話していた。
(1)すべてを疑え
(2)分け方を考えよう
   例:時間軸と空間軸
(3)簡単なものから複雑なものへ進もう
(4)(漏れはないか)考えたことを列挙してみよう

「モンテーニュ街の新刊本屋」でなにを捜しているのか訊かれる鹿島さんのエピソードは笑える。

自発的隷従論』 。フランスにも直系家族があるらしい。核家族が普通なのに。トッドをやはり勉強せねば。

脳に刺激を受ける1時間半だった。

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図書館は16時で閉まるので、3時過ぎに買い物がてら出かけてきた。今日受け取ったのは、この三冊。






『ガーンジー島の読書会 下』はさっそく読み始めた。やはり、ユゴーへの言及がある。(3頁)。

そして、17頁には『自省録』が取り上げられている。神谷美恵子つながりで、この『ガーンジー島…』を手にとったが、『自省録』も出てくるとは、偶然にしても念がいっている。驚いた。

物語の進行は下巻に入って、急に速くなった。明日読み終えるだろう。

2020年6月6日土曜日

近所の図書館では書庫内に入れないのでInternet Archiveの中で遊ぶことにした

『The Spirit of St. Louis』を、読んで以来、Internet Archiveで、懐かしい本の英語版を探して読むのに熱中している。

アシモフの『化学の歴史』や『空想天文学入門』、ガモフの『不思議の国のトムキンス』、来週から柴田元幸さんの新訳が連載される『ガリバー旅行記』などなど。



子供向けの科学読み物などは、やさしい英語を使っている。しかも、一度以上日本語訳で読んでいるので、「わかった」気になりやすい。英語が上達したという美しい錯覚におちいって、満足感も高い。内容の復習にもなる。

そうしているうちに、いままで単純な検索(メタデータ検索、すなわち題名や著者名などをキーワードで検索)しかしていなかったのに気づき、テキスト検索もやってみることにした。テキスト検索のボタンを選び、キーワードを入力するだけ。多少の絞り込みも出来る。

たとえば、「Miss Leavitt」というキーワードで、テキスト検索し、「天文学」に関連するものだけ選び出すと、こんな画面になる。



これは、楽しい。それぞれの資料を見ていると時間はいくらあっても足りない。

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夕方、買い物のついでに6時ごろ図書館に行ったら、すでに閉まっていた。11時から16時までしか空いていないとの貼り紙がしてあった。残念。

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今夜もInternet Archiveに行って遊ぶことにする。

2020年6月5日金曜日

リンドバーグはガーンジー島を見たとしても認識はしていなかっただろう

リンドバーグの『The Spirit of St. Louis』を、Internet Archiveで読んでみた。昨日のささやかな疑問、「ガーンジー島を彼は見たのか?」の解決の手がかりになるかと思ったが、直接にはこの著書には書いてないようだ。

この付近の記述を読むと、見えたとしても認識はしていなかったようである。




小学生時代に、佐藤亮一の名訳で読んだ本だが、こうして数十年たって原書で読んでも、すんなりと頭に入ってくる。リンドバーグの文章はいかにも技術者らしい、簡明直截さで非常にわかりやすい。技巧や修飾がまったくない。そして、飛行のログだけでなく、飛びながら考えたことを、かなり正確に記述していると思われる。30時間あまりのことを記憶していて文章で再現できるのは、すごい能力だ。多分、この特別な時間の思考過程が頭に焼き付いていたのだろう。人間の能力はスバラシイ。

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北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの父親滋さんが、87歳でなくなった。愛娘に会えなかったという無念の思いは察してあまりある。無策の政府の責任を改めて追求すべきだ。

2020年6月4日木曜日

リンドバーグは飛行の途中でガーンジー島も見たのだろうか?

『プリズン・ブック・クラブ』を読む。

133頁。『ガーンジー島の読書会』が題材となっている。むくつけき男たちに受けるのかと著者は心配したが、まったく問題なく、皆考えながら読んだようだ。ナチス・ドイツの圧政下の読書会ということで、身近に感じたのだろう。

著者は、『ガーンジー島の読書会』で取り上げられた『エリア随筆』を図書館で借りようとする。トロントじゅうの図書館をさがしても二冊しかなかったと書いてある。日本の人のほうが『エリア随筆』を好きらしい。神奈川県内だけでも、何冊もある。

204頁。『怒りの葡萄』を読書会で取り上げる。資本主義へのプロテストを読み取る人が多い。

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関連本をまた借りることにした。『刑務所の読書クラブ 教授が囚人たちと10の古典文学を読んだら』。

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昼食後、BSプレミアムで『翼よ! あれが巴里の灯だ』(映画 1957年)を観た。飛び立つあたりでやめておこうと思ったが、最後まで観てしまった。小学生の頃、同名の、リンドバーグ自身の本(佐藤亮一訳)を読んだ記憶もある。この映画も子供の頃初めて観たが、リンドバーグ同様途中で寝ていた記憶がある。昨年の今頃、リンドバーグの大部の伝記や、彼が主人公の空想小説を読んで感銘を受け、スピリット・オブ・セントルイス号の絵も描いたりした。



https://hfukuchi.blogspot.com/search?q=%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0

2020年6月3日水曜日

週刊ALL REVIEWSの発行は来週でなんと丸一年続いたことになる


週刊ALL REVIEWS(メールレター)の発行は、来週号で52通。つまり丸一年となる。一年は、あっという間に過ぎたが、休まずに続いたのは非常にめでたい。巻頭言を毎週、4・5名のグループで交代で書いたのだが、よく続いたと言える。記念に巻頭言集(半年分)をALL REVIEWS公式noteの記事にするつもりだ。今日は、古いメールを漁って、巻頭言を一まとめに抜書きした。note下書きにも放り込んだ。明日からフォーマットを直す予定。再来週には公開できるかも知れない。

昨年暮れに作ったnote記事(昨年6月から12月の半年分)はここ。
https://note.com/allreviewsjp/n/n68017101b733

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今朝は、一番の仕事として、特別給付金の申請書類を作り、いそいで駅前のポストに投函してきた。
今月中には振り込みがあると思う。トイレはやむを得ず先に修理したが、あまりでテレビを購入することにした。安いAmazonで買うことにしたので、引き取りが頼めないであろう壊れたテレビを、どうにか引き取ってもらう手続きを調べた。市町村でやっているサイトが有る。電話で申し込めるらしい。現金がいりそうだ。リサイクルと運送料で5000円くらいか。

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『プリズン・ブック・クラブ』を読み進め、あらたに発見した本、『刑務所図書館の人びと ハーバードを出て司書になった男の日記』を図書館で予約した。刑務所など普通でない環境の読書というテーマの本は数が多い。もう少ししたらまとめておこう。

2020年6月2日火曜日

高齢者講習を受けました(*^^*)

高齢者講習というものを、自動車学校で受けてきた。70歳以上の人には免許更新の半年前に、これを受けろというハガキが来る。先の話と侮ってはいけない、あっという間に講習の予約は埋まってしまう。私は誕生日の3ヶ月くらい前に、予約の電話を自動車学校にしたら、「遅い!」と怒られた。誕生日の1ヶ月近く後、つまり免許更新期限ぎりぎりの講習の予約をやっととった。

コロナ騒ぎがあり、更新業務も自動車学校も休みになってしまった。更新はどうなってしまうのか悩んだが、先週からつまり講習の1週間前から、業務が再開された。ラッキーだ。(少し怖いけれど。)

今朝は早起きして、20分前に自動車学校のスクールバスの発車地点とおぼしきところに待機した。目印は何もないので、学校のWebページで見た簡単な地図を参考にした。実際は、50メートルも離れた先にバスがやってきた。時間通りに発車しかけた。もうひとり、お年寄りがいて私の前をやはり走り、手をふってバスを止めてくれたので間に合った。結局バスに乗ったのは2人だけ。

講習は全部で2時間15分。2グループに別れ、それぞれで実車訓練と視力検査を行う。私は先に実車訓練。自動車学区の狭い構内を走り回るのは、昔免許をとったときは苦痛だったが、いまや懐かしい。そう、教官に言ったらそうでしょうねとうなずいてくれた。昔を思い出し、目視確認や一時停止やウィンカーを早めに出すなどをオーバーにやってみせた。結構煩わしい。ポイントは3つ、S字カーブと車庫入れと段差乗り越え直後のブレーキ。慣れたオートマチック車なので何の問題もない。ちょっとポールにぶつけてあげたほうが喜ばれたかも知れない。

視力検査は視野角度と動体視力。視野角度は少し狭かったが(145度)、これは目の問題より技術的な問題かもしれない。そして、暇なので、老人の精神的視野の狭さを判定してくれる客観的指標があれば便利だと思った。自動車運転免許だけでなく、社会活動での免許にも高齢者研修が必要かもしれない。私の動体視力はほぼ満点。

高齢者講習は70歳以上だが、75歳を超えると認知症の検査も入るらしい。そこまで行ったら、免許返納も考えたい。



修了証明書をもらって帰宅。

疲れたが、市役所から給付金の申請書類が届いていたので、疲れが5割がた吹き飛んだ。明日朝ソッコーで申込書を郵送するつもり。

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『プリズン・ブック・クラブ』をもう100頁読み進める。相変わらず軽快に(?)読める。著者が参考にしたという、フーコーの『監獄の誕生』が息子の蔵書にあったので、明日読んでみるつもり。

2020年6月1日月曜日

図書館が再開された\(^o^)/

近所の図書館が、予約貸し出しのみだが、やっと開館した。借りていた10冊を担いでみたら、重い。いつもは夕方の買い物がてら図書館に行くが、きょうは図書館だけを目的に出かけてきた。行ってみると、予約本が多数並んでいる。通常は専用の書棚に並んでいるが、それでは間に合わず、閲覧用の机にたくさん並べてある。貸し出しカウンターは透明ビニールで囲ってある。苦労して、頑張って再開されていて、頭が下がる。

10冊のうち、2冊はもう一度借りることにした。ウルフの『ある作家の日記』と『ガーンジー島の読書会 上』。
新規に借りたのは『パリは燃えているか 上下』と『プリズン・ブック・クラブ』(紀伊國屋書店)。

『プリズン・ブック・クラブ』は、副題が「コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年」。5月29日のブログになぜこれを借りたいか、書いてある。予約貸し出ししてもらう本は、面倒でも、借りるようになった経緯を記録しておくのが老人には良いことだ。数日前の思考の筋が思い出せないのは情けないが……

『プリズン・ブック・クラブ』を50頁まで読んでみた。ノンフィクションなのだが、著者の体験そのものが劇的に語られて、本を手放さずに一気に読めた。

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図書館が再開されて、喜びながら帰ってきたが、帰り道で駅改札の前のフードコートに、吉野家さんの開店予告看板を見て、もっと喜んだ。さっそく写真を撮って、家族にLINEで送った。



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夕食はポテトの簡易グラタン。魚焼きグリルで仕上げた。見た目ほど焦げていない。