2021年3月31日水曜日

週刊ALL REVIEWSメルマガ巻頭言を書いた

週刊ALL REVIEWSメルマガ巻頭言を書いた。昨日夜、メルマガ購読者へメールでお届けした。


このブログでは、この巻頭言の原稿を書いている経過を報告していたが、最終的には下記のようにした。

ファニー・ピション『プルーストへの扉』(白水社)を読んだ。翻訳はALL REVIEWSでもおなじみの高遠弘美さんだ。今年の新刊だが、よく売れているらしい。一般読者の立場に立った書き方が好ましいし、『失われた時を求めて』を楽しく読ませるための工夫が凝らされているからだろう。作家プルーストの紹介、プルーストの読み方、プルーストの文体についてそれぞれやさしく解説されている。原著にはない文献目録、プルースト関連年表と固有名詞索引が高遠弘美さんの手で付けられておりその内容が素晴らしい事も特筆したい。

本の発売と時を同じくして、高遠弘美さんによる全3回の有料オンライン講義、「『失われた時を求めて』で挫折しないために」も開催された。有料イベントにもかかわらず200人以上の人が参加したとのこと。『失われた時を求めて』を、高遠弘美さん訳の光文社古典新訳文庫版で「挫折せずに」読み続けている私なので、進んで受講した。講義は3月27日に終了したばかりで正直に言ってまだ消化不良だ。講義の内容が豊富すぎる。幸いにして見逃し配信が一ヶ月間あるので、繰り返し観ている。

観ているうちに悟ったのは、いや教わったのは、私のような一般読者は難しいことを考えずに、純粋に楽しく読むことを心がけるべきということだ。身構えて「理解」してやろうとして読むことは「挫折」につながる。わかるところを拾い読みするだけでも良く、気に入ったところの「自分なりの抜書き」(Mes pages choisies)を作るのがオススメと高遠弘美さんは三回目の講義でおっしゃった。この手法は書評を書く際のコツ(鹿島茂さん筆)にも類似している。

抜書きを実行してみることにした。準備として高遠先生訳の『失われた時を求めて』の電子版も揃えた。読み直しながら抜書きを作るつもりだ。

一番目に抜書きするところはもう決めた。真夜中に主人公が目覚めて不安になるシーン。これとまさに同じ感情を自分も4年前の入院時の夜に味わったからだ。

『プルーストへの扉』では筆者ファニー・ピションが、「藝術作品というのは、藝術家固有の認識方法の力を借りてようやく入ることが許される一つの世界」とまえがきで言っている。高遠弘美さんは二回目の講義で、この本を訳した理由として、『失われた時を求めて』の読者を「挫折」とは無縁の境地にいざなうため、とおっしゃった。その高い境地に向かって、楽しく『失われた時を求めて』を読み直したい。(hiro)

本の良さと、抜書きの有効性をどこまで訴えられたのか。まだまだ、文章の書き方には修業が必要と痛感している。

2021年3月30日火曜日

「止まれ、お前はいかにも美しいから」と叫びたい春の日の午前10時

今日の「シュッツを聴く」(新設)プロジェクトの成果。

Schütz: Cantiones Sacrae
The London Bach Society
44曲 • 2時間17分 • Dec 07, 2009

https://music.amazon.co.jp/albums/B01N8UW95E


Schütz: Complete Recording
ドレスデン室内合唱団
181曲 • 11時間18分 • Oct 06, 2016(77番まで聴いた……)

https://music.amazon.co.jp/albums/B01LXSBPH0

***


窓から満開の桜を眺め、ゼロ歳保育の子どもたちの声を聞きながら……午前10時頃の至福の時間。

今日の「抜書き」プロジェクトの成果。

『ファウスト FAUST. EINE TRAGODIE』
(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ Johann Wolfgang von Goethe)
森鷗外訳


1699行〜

己がある「刹那」に「まあ、待て、

お前は実に美しいから」と云ったら、

君は己を縛り上げてくれても好い。

己はそれきり滅びても好い。


同11575行〜

凡そ生活でも、自由でも、日々これを贏ち得て、

始てこれを享有する権利を生ずる。

だからここでは、子供も大人も年寄も

そう云う危険に取り巻かれて、まめやかな年を送るのだ。

己はそう云う群を目の前に見て、

自由な民と共に、自由な土地の上に住みたい。

己は「刹那」に向って、

「止まれ、お前はいかにも美しいから」と呼びたい。

己のこの世に残す痕は

劫を歴ても滅びはすまい。

そう云う大きい幸福を予想して、

今己は最高の刹那を味うのだ。


***


古川日出男『おおきな森』(講談社)を読み始める。900頁近い長大な作品。最後まで読むかどうかはわからない。とりあえず、現在は『銀河鉄道の夜』的な列車に乗っているが、宮沢賢治の爽やかな文体に郷愁を感じる状態にある。古川日出男さんは『ゆめをみるために毎朝僕は目覚めるのです』のなかで村上春樹さんにインタビューしているうちの一人だったと気付いた。見つけて読んでみている。坂口安吾も読んでおいたほうがいいのか。そんなことをしていたら、読み終わるのに一ヶ月くらいかかりそうだ。どうしたものか。

2021年3月29日月曜日

歴史が動く時、個人の業績は切り捨てられる

今日のバッハを聴く、プロジェクト実績。

Bach: Goldberg Variations (Arr. M. Salcito for Guitar)
Marco Salcito
32曲 • 1時間50分 • Jun 30, 2014

https://music.amazon.co.jp/albums/B00L4XG50G

これを聴くのは2月20日以来で二回目だ。

もう一つ。

J. S. Bach - Partita in C moll BWV 997 - Evangelina Mascardi, Liuto barocco

https://youtu.be/1JYjcwW9MmM

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照ノ富士関の優勝を祝って、昨夜は水割り一杯で乾杯。大関に再昇進したらまた乾杯だ。横綱にもなってほしいが、それより体を労りながら、少しでも長く相撲を取ってほしい。挫折を味わった人の希望の星なのだから。

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文庫版の書影。
私が読んだのは『歴史小説集成』所収のもの

吉村昭「黒船」【『吉村昭歴史小説集成 第四巻』(岩波書店)所収 】一日で読了。通詞堀達之助の生涯をものがなしく描く。ファーストシーンから読者を引き込み、ラストまで離さない吉村昭の筆力は見事。一部、堀達之助の内心を描写しながら、実は自分のことを語っているようにも思える。



2021年3月28日日曜日

赤子の眼でものを見ることをもう一度学びたい

明後日のARメルマガ巻頭言の原稿を書いた。これから仲間に見せて批評してもらう。

『失われた時を求めて』を眉をしかめてではなく、楽しく読むためのコツとして「抜書き」(Mes pages choisies)を作ることを巻頭言の中で提案してみた。これは、このブログで、他の本についてはよく使っていた手法に近いことに気付いた。

*

抜書きしてみた。自分用のメモにはもう少し長く。

Mes pages choisies

私は、気持ちのいい枕の両側、頰を思わせるあたりにそっと自分の両頰を押し当てる。枕の頰は私たちの幼年時代の頰のように、ふっくらとしてさわやかに感じられる。時計を見るために私は燐寸をする。もうじき午前零時になる。午前零時。それは旅を余儀なくされて、見知らぬホテルで寝なくてはならない病気持ちの男が、発作で目が覚めた拍子に、ドアの下から差し込む一条の光に喜びの声をあげる頃おいである。……


プルースト,高遠 弘美. 失われた時を求めて 1~第一篇「スワン家のほうへI」~ (光文社古典新訳文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No..169-). Kindle 版. 

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Youtubeの中を少し探してみると、『失われた時を求めて』全巻を読んで、要約や、感想を述べたりしている人がいくらか居る。英語版だと6巻本が出回っているらしいが、半年かかって読んだばかりでどうどうと、ビデオを使って語っているその心意気に感心した。Internet Archiveで英語版を探して、眺めてみたが、英語版のほうが易しく出来ているような気がする。文学的にはどうなのかわからないが、手軽に読めるのなら、それでいい。ヘミングウェイがパリのシェークスピア書店でシルヴィア・ビーチにツルゲーネフとロレンスとトルストイとドストエフスキー(盛りだくさん!に)を貸し出してもらったのを思い出した。(『移動祝祭日』)

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孫たちが一昨日、花見に行った時の写真を送ってもらった。生まれて始めて見る桜の花はどのように見えたのだろうか?あとで本人に聞いてみたいものだ。



2021年3月27日土曜日

『失われた時を求めて』をもう一度虚心坦懐に読み直そう

「我が家の」桜、本日昼頃。



今日の「バッハを聴く」プロジェクト実績。

BACH Lautenwerk Saša Dejanović
recorded: 1998,1999 and 2017 in Madrid and Zagreb

https://www.youtube.com/watch?v=gHWcMeh_mrs


Johann Sebastian Bach - Suite in G minor BWV 995
Klaudyna Żołnierek - 13-course baroque lute by Martin de Witte
Recorded by Tomasz Michalak in https://www.facebook.com/skarbieckult...​August 2018

https://www.youtube.com/watch?v=FGV4z2NCC8k&t=19s

 

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高遠先生のプルースト講義、二回目講義ビデオで復習。

時制について。フランス語半過去は日本語訳では自由に訳す、たとえば現在形で訳したりもする。

真夜中に目覚めて不安になるところの朗読。自分の2017年の3月、入院手術直後の深夜に12時になるのが待ち遠しくて、何回も看護師さんに時間を聞いたのを思い出した。ブログにも書いてある。

https://hfukuchi.blogspot.com/2017/03/3_8.html


ご紹介いただいたビデオ。プルーストが映っているそうだ。

Marcel Proust rare footage, 1904
https://www.youtube.com/watch?v=ttgv7VjBs2I

ダンディー

昼食をとり、14時からの三回目講義を拝聴。


高遠先生の『プルースト研究』(駿河台出版)が紹介された。国会図書館で読むか?

『失われた時を求めて』を読んで、感銘を受けたところを抜書きするといい。Pages choisies.

足がかりとして日本文学も読むと良い。吉田健一『金沢』など。

オルフェ。参考、『オルフェウス変幻』(沓掛良彦 京都大学学術出版会 (2021/1/30))

豊かな引用(変幻)

地名など単語の並列的使用のうまさ。


やはりこの豊かで高度な講義内容は、ビデオを繰り返して観ないと捉えきれない。アーカイブが視聴できるようになるのを待つことにする。

丁度、Kindle版の光文社古典新訳文庫『失われた時を求めて』が半額だったので、買っていなかった5巻と6巻を買い足した。


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昨日テレビで観て美しさに感心した、「和のパート・ド・ヴェール」の紹介ページを探した。

https://ishida-glass.com/works/


2021年3月26日金曜日

夜桜のもと、読書に関するシゴトに励む

巻頭言執筆準備を続ける。

1.今年の有料講座、第一回ビデオを観直し、この後第二回も見直し中。土曜日の第三回が楽しみ。

 第二回の50分ごろ。高遠先生がピションを訳した理由👈これを紹介するのがベストか。

(1)研究(*)そのものに対する疑義 (*:例えば「草稿研究」は読者にとって必要か?)

(2)「挫折」とは無縁の境地へいざなう

あせって読まなくてもいい!

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無料オンラインイベント|「本について人と語ること」山本 多津也 × 鹿島 茂を視聴。

https://youtu.be/0P_SGljUqBI

『読書会入門 人が本で交わる場所』(幻冬舎)を図書館で予約した。

『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』(祥伝社)の続刊のことを鹿島さんがほのめかす。


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次はこれだ!



ツイキャスというものを初めて体験。森有正に対する貴重なご意見を聞けて、有意義だったし、楽しかった。

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夜桜が綺麗。



2021年3月25日木曜日

まだ読みかけの『失われた時を求めて』について勉強するのは楽しい

巻頭言執筆準備にとりかかる。

1.「月刊ALL REVIEWS」ノンフィクション部門第11回|ゲスト:高遠弘美さん、を見直す。ここから視聴できる。

https://allreviews.jp/news/4389

2.今年の有料講座、第一回ビデオを観直し中。この後第二回も見直し、土曜日の第三回も観なければ。

3.上記で気付いた。今年秋、仏国立図書館で「大プルースト展」があるとのこと。行きたい。

多分無理なので代わりに

日仏シンポジウム「プルーストー文学と諸芸術 芸術照応の魅惑4」(1日目)
・開催日時:2021年5月15日(土) 15:00-20:30(日本時間)、8:00-13:30(フランス時間)※オンラインでの生配信のみの開催です。
・言語:日本語、フランス語(同時通訳あり・Zoomの同時通訳機能使用)
主催:公益財団法人日仏会館
助成:(公財)石橋財団
協賛:京都大学文学部フランス語学フランス文学専修、立教大学文学部文学科フランス文学専修、日本フランス語フランス文学会、日本プルースト研究会
協力:日仏会館・フランス国立日本研究所

を申し込んでみた。もちろん、2日目も。

4.La Société des amis de Marcel Proustのホームページを見つけた。

https://www.amisdeproust.fr/fr/

5.上記の関連で日本プルースト研究会公式サイトも見つけた。

http://proustjp.g2.xrea.com/index.html

6.ProustのWikisource

https://fr.wikisource.org/wiki/Auteur:Marcel_Proust?uselang=ja 

Le seul véritable voyage ce ne serait pas d’aller vers de nouveaux paysages,
mais d’avoir d’autres yeux. Marcel Proust, 1871-1922 -pt.svg
出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

最初のビデオで高遠先生と鹿島先生がおっしゃていた通りで、プルーストを読もうとすると、たくさんのことを能動的に調べたくなる。プルースト『失われた時を求めて』には、古今東西いろいろな要素が含まれているからだ。まさに大伽藍(『プルーストへの扉』より引用)。

森有正流に言うと、われわれは『失われた時を求めて』を単に読むのではなく、「経験」する。いくら学んでも全貌を理解することはできないが、少しずつその存在が透明になっていくとともに、重量感が増していく。この「感覚」を、巻頭言で表せるだろうか?

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姪の息子のこういち君は、やっといやめでたく大学を卒業する。回り道をしたがそれだけ良い経験をしたと言える。明日の卒業式中継を観て欲しいと言ってきた。忘れないようにしないと。

2021年3月26日(金) 場所:戸山キャンパス 早稲田アリーナ
ライブ配信URL https://youtu.be/W16dqpqHPbw
各回所要時間は、35~45分間程度
第4回 式典予定時刻 9:45~
対象:教育学部・人間科学部(通信教育課程を含む)・スポーツ科学部・教育学研究科・人間科学研究科・スポーツ科学研究科


2021年3月24日水曜日

電車が走るのを見るのが好き、保線用の車両はもっと好き

来週の週刊ARメルマガ巻頭言の当番なので原稿案を作った。

題名(仮)「高遠先生の指導で失われた時を取り戻す」

話題は

  1. 新しい翻訳本『プルーストへの扉』
  2. ARの過去書評たち(『失われた時……』の紹介本の)
  3. ARの無料公開コンテンツ(高遠さん✕鹿島さん)……もう一回観ておこう
  4. 今回の三回講義(AR関係ないが)……これも再度観ておく。
  5. 光文社古典新訳文庫続刊への期待、これの出版とコロナ禍で失われた時の取り戻しがシンクロして欲しい

***

小田急の線路の近くに住んでいるのだが、数日前に「重機械による夜間作業のお知らせ(お願い)」というチラシが来た。(時々来る。実は楽しみにしている。)


使用重機械として、マルチプルタイタンパーとバラストスイーパーの2台が紹介されている。夜中に線路の上を作業しながらゆっくり走る姿を、いつも楽しみに見ている。もっと詳しく知りたい方はこちらのQRコードから動画をご覧ください。と親切なので、見てみた。面白い。そしてためになる。これらの種類の機械は他の電鉄会社でも使っているらしい。

https://youtu.be/aOXaPeBg9uY

ついでに小田急の車両番号(車両編成)も調べることにした。この頁には他の会社の車両編成表も載っている。

http://formation.g1.xrea.com/index.html

小田急の車両に関しての説明はここ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E7%94%B0%E6%80%A5%E9%9B%BB%E9%89%84%E3%81%AE%E9%89%84%E9%81%93%E8%BB%8A%E4%B8%A1

今日夕方窓から観察した小田急線電車の車両番号。これでググるとウィキペディアなどで色々と電車のことがわかって楽しい。(どこが?)

3256、8511、3037……

やはり窓から見える桜は一部咲き。


2021年3月23日火曜日

Twitterは発想の起点を得る上で非常に役に立つ

今朝、流れてきたツイート。

このツイートを見て検索(→で表す)してみたら、面白くなった。

ハナダイコン→大紫羅蘭花(オオアラセイトウ)→アラセイトウ→青空文庫全文→

ホワイト(奥増夫さん訳)→ 「翻訳通信 ネット版」

http://www.honyaku-tsushin.net/


オオアラセイトウとはこれらしい。いろいろな作品で名前はよく読むが……

From Wikimedia Commons, the free media repository

作家ホワイトの素性はまだ良くわからないが、青空文庫に公開された奥増夫さん訳の「ロンドン危機シリーズ」を読み始めた。SFのようでもあり、ファンタジーのようでもあり、ともかく面白い。作品はたくさん青空文庫に公開されている(ありがたい)ので、全部読んでやろう。

「翻訳通信」は

2011年8月に亡くなった翻訳家・山岡洋一氏が主催していた『翻訳通信』のバックナンバーサイト

とのこと。山岡さんのことも知らなかったが、翻訳界ではビッグネームだったのだろう。私と同じ年の生まれだが、大活躍しすぎてなのか、10年前に亡くなられているらしい。せめて、このサイトの記事を活用したい。

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森有正の『経験と思想』を少し読む。

91頁。

客観に徹すれば徹するほど主観性が確実になって来る……さらに言い換えると、主観が深められ、自由になって来る、すなわち新しい発見が起って来る、ということである。これはこれ以上説明することがむつかしい」「経験」の事実である。

森有正はバッハのオルガン曲を楽譜に忠実に正確に弾こうとして、練習をするなかで、このことに気付いたとしてある。自分もこのようなことを「体験」してみたいので、例えば文字の「手習い」をしっかりやることを考えたい。明日より実施する。




2021年3月22日月曜日

石川三四郎によれば、「デモクラシイ」ではなく「土民生活」、なるほど

今日の「バッハを聴くプロジェクト」実績。

トッカータとフーガ~バッハオルガン作品集Ⅱ
塚谷水無子
20曲 • 1時間9分 • Sep 12, 2017

https://music.amazon.co.jp/albums/B075FTSNBM

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父の祥月命日なので、仏壇が先月来て以来初めて線香をあげる。

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森有正『経験と思想』を読みすすめる。

72頁。

こうして「思想」という語が、日本ないしその文化に対してもつ意味を明らかにしようとして、結局日本人の「経験」の前につれ戻されることになる。それは現にある、ありのままの日本人の経験である。日本語を使用し、列島の中で、千数百年前から固有の文化の中に、まず、中国文明を長年月に亙って摂取し、かつ十九世紀になってからは西欧文明の影響下に置かれ、第二次大戦を経て、その後の新しい世界の動きに直面しているその日本人の「経験」である。

***

石川三四郎『土民生活』(青空文庫)を読む。

私は今、此「デモス」の語を「土民」と訳し、「クラシイ」の語を「生活」と訳して、此論文の標題とした。即ち土民生活とは真の意味のデモクラシイといふことである。

https://www.aozora.gr.jp/cards/001170/files/45522_25646.html


これも読まないと!

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/918151

 

これらもTwitterのおかげで発見!

エリゼ・ルクリュ-思想と生涯 石川三四郎著 国民科学社 1948年9月

http://www.kamamat.org/a-ken/book/b-pdf/erize-rukuryu/erize.html

没落の代議政体 クロポトキン著 石川三四郎訳 共学社 1931(昭和6)年6月

http://www.kamamat.org/a-ken/book/b-pdf/daigi-seitai/boturaku-daigi.html

前者は国会図書館のよりきれいにpdf化されている。

2021年3月21日日曜日

石川三四郎のことを調べ始めた

今日の「バッハを聴くプロジェクト」実績。


バッハ オルガン作品 コラール集 ノイマイスター

https://www.youtube.com/watch?v=-Fr8o6aDQi8


バッハ オルガン作品集

https://www.youtube.com/watch?v=2kJS4ONFgOM


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石川三四郎『浪(なみ)』(青空文庫)を読む。ルクリュ(とその妻)に語る形式の自伝。面白い。監獄に入って、大著『西洋社會運動史』を書き上げる場面もある。

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1465497


ところで、まだ石川三四郎の考えていたアナキズムのイメージと、それが日本のアナキズム史のなかで占める位置、また世界のアナキズム史のなかで占める位置がわかっていない。勉強しなくては……。

2021年3月20日土曜日

森元斎さんの『アナキズム入門』(ちくま書房)読了

今日の「バッハを聴くプロジェクト」、実績。

Bach Vol. 1 Toccata, Adagio And Fugue In C Major/Fugue In A Minor/Fantasia And Fugue In G Minor ("The Great")
by Albert Schweitzer; Johann Sebastian Bach
Columbia Masterworks (ML 4600)

https://archive.org/details/lp_bach-vol-1-toccata-adagio-and-fugue-in-c-m_albert-schweitzer-johann-sebastian-bach


Organ Music Volume III
by Albert Schweitzer; Felix Mendelssohn-Bartholdy; Johann Sebastian Bach
Columbia Masterworks (ML 4602)

https://archive.org/details/lp_organ-music-volume-iii_albert-schweitzer-felix-mendelssohn-bartho/disc1/02.03.+Sonata+No.+6+In+D+Minor%2C+Op.+65%3A+Finale.mp3


Orgelwerke · Organ Works · Oeuvres Pour Orgue (Vol. 1)
by Johann Sebastian Bach; Karl Richter
Deutsche Grammophon (139 321 SLPM)

https://archive.org/details/lp_orgelwerke-organ-works-oeuvres-pour-orgu_johann-sebastian-bach-karl-richter/disc1/01.01.+Praludium+Und+Fuge+Es-dur+BWV+552.mp3


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マンション管理組合理事長職、新理事長に引き継ぎ完了。一年間おつかれさま、と自分に言ってみる。ともかくホッとした。

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昨日読み始めた、『アナキズム入門』、読了。この本で紹介されているのは、プルードン、バクーニン、クロポトキン、ルクリュ、マフノ。ルクリュは石川三四郎との関わりがあり、以前栃折さんの『モロッコ革の本』で言及があったのを思い出した。

ますますアナキズムに興味が湧く。もっと若いときに勉強しておけばよかった。70年代からの挫折感・喪失感が軽減できたかも。

このあと、『世界の名著 42 プルードン バクーニン クロポトキン』も読んでみるつもり。鶴見俊輔の「方法としてのアナキズム」(『身ぶりとしての抵抗 鶴見俊輔コレクション2 』に所収) はKindle試し読みで読んだ。

これも読んでおくか。『歴史哲学序論』 石川三四郎 著

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1179747

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勢いに任せ、森有正、『経験と思想』を読み始める。字が大きくて読みやすい。37ページまで。

36頁。

私が始めて経験と思想との問題に目ざめたのは、もう四十年以上もまえ、死んだ父の書斎においてであった。そこには約千冊の英独の哲学と神学の本が壁を覆う書架に竝べられていた。中学生であった私は、暇があると一人でそこに入って、辞書を引きながら読み漁った。

栴檀は双葉より芳し、とはこのことかも。

2021年3月19日金曜日

森有正の著書(古本)を二冊入手

 今日の「バッハを聴くプロジェクト」、実績。

Bach - The Art of Fugue, BWV 1080 [complete on Organ]

https://youtu.be/Lrb0dHKJBR4


バッハ オルガン作品 前奏曲とフーガ

https://youtu.be/DySTjfP-Q_c


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注文していた、森有正の古本2冊が到着。『経験と思想』(1977年発行)のカバーにかかったパラフィン紙(?)は劣化していたので、この写真を撮ったあと剥がした。


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森元斎、『アナキズム入門』(ちくま新書)を読み始めた。面白い。まだ第一章「プルードンの知恵」しか読んでいないが、何も知らなかったアナキズムのことがよく分かるような気がする。われわれが日常暮らしていく上では基本的に、資本や経済の論理は働かず、平等な助け合いの精神がもっとも働くという話は納得できる。この調子なら、ずっと感じてきた鬱陶しさが晴れるかも知れない。

鶴見俊輔は「アナキズムは、権力による強制なしに人間がたがいに助けあって生きてゆくことを理想とする思想」と『身振りにとしての抵抗』で述べているそうだ。

そして、数年前に神保町の小宮山書店ガレージで入手した、『パリ燃ゆ』全3巻が、これをきっかけに読めるといい。

2021年3月18日木曜日

Bachを聴くにあたって参考になることが、森有正の本にはたくさん含まれている


森有正の(手持ちの)著書を整理してみた。発行年や内容の年代。目次も掲載すべきだが、それはこれから。

途中で目についた、「音楽」に関する記述。

(1)『砂漠に向かって』、冒頭、1952年12月24日の教会でのミサの記述。

(2)『遥かなノートル・ダム』、207頁 「思索の源泉としての音楽」「およそ書物はそれがどんなに優れたものであっても、私ども一人一人の経験と生活とを豊かにし、明るくすることによってのみ意味がある……」ロラン・マニュエル『音楽のたのしみ』(吉田秀和訳)の紹介文。

(3)『木々は光を浴びて』、70頁 「暗く広い流れ」クラーク会館のパイプ・オルガン。小さいコラール前奏曲4つと大きいコラール前奏曲4つ、変ホ長調前奏曲とフーガ、ハ短調パッサカリアとフーガ、アラブレーヴェ、コラール変奏曲「汝、聖なる神」と9つの変奏、クープラン、「フーガの技法」と死のコラール「汝の玉座の前にかくて私は進み出る」

(4)『遠ざかるノートル・ダム』、145頁 「バッハをめぐって」 マタイ受難曲から見直され始めた(メンデルスゾーン)。「小オルガン曲集」24番「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」(コラール前奏曲)、クリスマスコラール「いと高き天より我は……」、「音楽の捧げもの」、4つの受難曲、ロ短調ミサ曲、「フーガの技法」とBWV 668 - Vor deinen Thron tret' ich hiermit

もちろん、『日記』にはたくさん、バッハの曲の話が出てくるだろうが、これは少しずつ整理していく。

なお、以下がバッハの絶筆だそうだ。

J.S. Bach - BWV 668 - Vor deinen Thron tret' ich hiermit

https://www.youtube.com/watch?v=52RdshARXdg

解説

http://nishikunn.net/nishikunn_wp/?p=33074

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今夜はARの定例会。

 

2021年3月17日水曜日

オルガンを弾くのは体力と精神力が必要そうだが森有正はどのように練習していたのか

バッハプロジェクト。

そろそろオルガンでの演奏も聴くことにする。森有正の日記を参考にするのもいいかと考え中。日記を読みながら彼の弾いた曲を聴いていく。

Bach: Transcriptions and Arrangements for Guitar
Devine, Graham Anthony
15曲 • 1時間4分 • Jun 06, 2011

https://music.amazon.co.jp/albums/B0051Q9X74

Bach: Trio Sonatas
Holm Vogel
9曲 • 1時間43分 • Mar 09, 2010

https://music.amazon.co.jp/albums/B004B75IJQ

Klosterkirche St. Gangolf, Klosterstraße in Münchenlohra, Großlohra
出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

***

AR友の会の定例会参加のための準備としてメモを作った。もう少し見直したい。

インプット

  1. ARサイト、月刊AR、週刊AR
  2. TwitterのTL
  3. 電子メール
  4. 新聞(紙版が多い。デジタルも購読中だが…)
  5. 雑誌(最近買っていない、コロナ前なら病院待合室)
  6. テレビ(あさイチ、朝ドラ、夕方のニュース、大河ドラマ)
  7. 飲み会、喫茶店での会話
  8. 本の末尾の広告
  9. 書店、図書館、自宅の書棚に並んだ本の背中
  10. 自分のブログのバックナンバー
  11. 学生時代に勉強したこと
  12. 仕事の経験
  13. 読書そのもの
  14. 論文を読む
  15. Facebook
  16. 広告類
  17. 紙版の辞書や事典で引いている単語・事項の前後の単語・事項

アウトプット

  1. ブログ、自分のnote
  2. 週刊AR巻頭言
  3. AR公式note(お休み中)

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森有正関連で、今日読んだ本は、私の好みに合わなかった。注文済みの本人著書到着を待つことにした。


2021年3月16日火曜日

ひさびさに森有正に熱くなる

小林雅博さんの博士論文、

『森有正研究 : 「人間」と「思想」の意味、および「日本人の思想」との関連性』

約160頁を一日かけて読了。

https://serve.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1948&item_no=1&page_id=49&block_id=42

わかりやすい記述で、森有正の全体に目を配ってあり、読んでよかったと思わせる。これを参考にして、自分なりの年譜を作ってみた。西暦年号と、満年齢、主な出来事、著書を項目にしてみた。著書のところはまだ未完成だ。


森有正は一年のつもりで留学したが、ヨーロッパ文明の本質を自力で理解しようとしたため、日本に帰れなくなった。空海は日本に密教の教えを伝えるという使命感で戻ってきたが、森有正は自らを作り直そうとした以上、すぐには戻れない。結局1976年に戻ろうとしたところで倒れた。若いときに胸を患ったし、パリでの食うや食わずの学究生活がたたったのだろう。

この間、東大助教授の職をなげうち、アルバイトをしながら「仕事」にはげむ。日本ではエリート学者として業績もあげたが、パリでは一介の学徒として「仕事」をはじめた。

森有正のエッセーにはファンも多いが、文学的に評価はするものの、彼が苦闘しながら自分のなかに「文明を担える個人」を確立する稀有な過程を書いていることに気付いていない。昨日までの私がその好例だ。ここを気づかせてくれた点で、この論文はありがたい。読んでよかった。

読み終わった後、森有正の『経験と思想』(岩波書店)と、『生きることと考えること』 (講談社現代新書)を古本でだが注文した。図書館にはない(😡)。ともかく届くのが楽しみだ。明日は『どこへ向かって死ぬか 森有正と生きまどう私たち』を斜め読みする。


2021年3月15日月曜日

森有正については皆いろいろな見方をしていて面白い

ここは面白い。「Visual Dictionary Online」。

http://www.visualdictionaryonline.com/index.php

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片付けプロジェクト。以下のツイートをしてみた。多分手を挙げる人はないだろうけれど。捨てるための免罪符。

「天文月報」はバックナンバーがpdf化されてWeb上にあるので、2010年からの過去10年分を捨てることにします。引き取ってくれる方があれば無料でお譲りしたいです。3月17日までにDMください。

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小林雅博さんの博士論文
『森有正研究 : 「人間」と「思想」の意味、および「日本人の思想」との関連性』
を発見。長いので明日読む。

https://serve.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1948&item_no=1&page_id=49&block_id=42

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森有正の著作の索引について昨日から悩んでいるが、エッセーに関してだが、実際に手作業で作っている方がおられた。
すごい! 次のアドレスにあるutorinさんのブログ。

https://utorin.hatenadiary.org/

ありがたく、参考にさせていただく。

ところで、『バビロンの流れのほとりにて』以下の一連のエッセーが書き上がったら、森有正自身が索引をつけたいと思っていたらしい。辻邦生にそう言ったと、辻邦生が書いている。(『森有正 感覚のめざすもの』(筑摩書房)、35頁。)思索の生成の様子を知るためだそうだ。エッセー集が完結しなかったので、この話は立ち消えになったわけだ。残念。

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森有正が体験を経験に昇華させるにあたって使った方法は、論文ではなく、エッセーの形式で感覚でとらえたモノと自分の考えたコトを「書く」ことだった。これにならって私もひたすら書き続けなくてはならない。

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夕方、図書館に行き、片山恭一『どこへ向かって死ぬか 森有正と行きまどう私たち』(日本放送出版協会)を借りてきた。


以前観た、

https://youtu.be/FW_KTOyDMFY

を書籍化したものだろう。どんなものか、先に読んでみよう。

2021年3月14日日曜日

森有正の勉強を本格的に再開し失われた40年をぜひ取り戻したい

森有正関連の論文を少し読んでみた。

(1)「森有正著作目録」(高橋弘氏 1984年)

https://hokusei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=584&item_no=1&page_id=13&block_id=21

完全な書誌は出版されていない。研究された方(小黒庸光氏)はいるようだが、私はそれはまだ未見だ。森有正全集も完全ではないとのこと。

(2)「森有正の生活概念」(辻直人氏 2019年)

https://wako.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=4678&item_no=1&page_id=13&block_id=55

なぜ、森有正はパリから戻ってこなかったのか。それを追求した好論文。パリにいなくても、篤実に仕事をする人にはその人の住む場所が「パリ」であるということも納得できる。ヘミングウェイの『移動祝祭日』を思いだした。

そして、「書くこと」がここで大きな役割を果たしていること、パリに行ってから森有正の著述の中心が日記や書簡の形をとったエッセイになることの意味もわかってきた。

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アランの『定義集』で定義された用語と森有正のエッセー集を照らし合わせてみるという、昔考えついた計画。

https://hfukuchi.blogspot.com/2014/04/blog-post.html

これを実現させようと思い、少し試しにやってみた。ここで困ったことに気付いた。電子書籍版の『エッセイ集成』が販売停止になっている。私はApple Booksで数年前に『エッセー集成 1』しか買っていなかった。『2』以降が今は入手できない。紙の書籍でやると、能率が非常に悪くなる。対策を考えなくてはならない。

2以降の電子書籍版が欲しい……

Amazonなどを見ると、森有正の紙版の著作そのものがほとんど絶版になっている。近所の図書館には数冊しかない。1976年に亡くなったのだが、この歳月は長かったのだろう。仕事にかまけて勉強を怠った私も良くない。この反省の上で「失われた時」をこれから取り戻す努力をしなくてはならない。

2021年3月13日土曜日

高遠弘美先生のオンライン講座 「『失われた時を求めて』で挫折しないために」、二回目を視聴した

 Sレコード店から、電話が来た。昨日の今日、早い。結果は1500円のプラス。実はマイナスを予測していたので、聞き直してしまった。安くて申し訳ないとおっしゃっていたが、こちらは捨てるかどうか悩んだ末なので、大満足である。

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例年ならこの時期は花粉症は治まるのだが、今年はだめ。まだまだ頭が重い。

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午後2時からは、高遠弘美先生のプルースト講義の二回目を拝聴する。Zoomにより講義だが、前回同様、資料を画面共有していただき、要点がつかみやすい、良い講義だった。今回のテーマは「プルーストの文体」なのだが、フランス語が苦手なので時制の違いによるニュアンスの変化については、よくわからなかった。しかし、途中で聞かせていただいた、『失われた時を求めて』の朗読の録音では、素晴らしさが伝わってきた。マドレーヌのくだりのゲラにはほとんど直しが入っていないというのにも驚かされた。

講義の直前に、森有正先生訳の『定義集』(アラン著 みすず書房)のあとがきを読んだ。辻邦生さんと所雄章さん(編者)の対談で、経験と定義と体験について語っている。これも難しくてにわかには理解できないし、すぐに理解すべきものでもなさそうだ。ゆっくりと味わって、自分のものにしていくべき。

プルーストも性急に理解できるものではないし、そうすべきものでもない。今回のような機会を捉えながら、ゆっくりプルーストを楽しむというプロセスを踏んでいきたい。

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急いで、大雨の中を、買い物にでかけて、食事の支度はJにお願いして、みんなのつぶやき文学賞の発表会をYoutubeで視聴した。5時から8時過ぎまでかかった。出演した皆さんの受賞作紹介が上手なので、新たに4冊を図書館で予約してしまった。以前のも合わせると10冊近くこの関連で読むことになる。新しい小説は苦手な方なので、この機会を与えられたのは嬉しい限りだ。

結果はこちらのページに発表されている。

https://tbaward.jp/

運営を一部手伝ったので、ともかく無事終了したのにホッとしている。


2021年3月12日金曜日

LPレコード100枚を中古レコード店に引き渡したがあと400枚ほど残っている

LPレコード100枚を梱包。ヤマト便に電話し、引取を依頼した。腰が痛い。2時間半ほど後に取りに来てくれた。このレコードは2年ほど前に友人のKさんが処分したいと言ったのを貰い受けたのだが、ほとんど聴くこともなく物置のこやしになっていた。Sレコード店で再び売られて誰かに聴いてもらえればその方が良い。

まだレコード棚に収まらないのが100枚以上ある。クラシックが主なので、クラシックは安いというSレコード店とは別の引取店を探そう。それとも、他のレコードを処分して、この100枚を棚に納めるか?

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Internet Archive Scholarはなかなか良さそう。アドレスをブログの読書環境ページに登録しよう。

https://scholar.archive.org/


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バッハ全曲を聞き倒すプロジェクト。

Bach: Transcriptions for Guitar
Judicael Perroy
16曲 • 1時間10分 • Jun 06, 2011

https://music.amazon.co.jp/albums/B0053UZV06


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江越弘人さんの『幕末の外交官 森山栄之助』(弦書房)を借りてきた。めくっていると『黒船』という作品に森山栄之助のことが出てくると書いてあるので、これも図書館システムで予約。

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いよいよ『三体Ⅲ 死神永生』が5月に出るらしい。待ち遠しい。

2021年3月11日木曜日

Yさんの定年お祝い会(オンライン)に出席

Yさん、定年お祝い会のスピーチ案。

「あの、失礼ですが、何年入社ですか?」昭和60年夏のある日藤が丘にて

教わったこと

酒の飲み方、酒の席への誘い方誘われ方

勉強の仕方

パソコン、UNIX

子供の育て方


「あの、失礼ですが、何年生まれですか?」

教えてほしいこと

定年後の暮らし方

孫の可愛がり方


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レコード買取店Sから、ダンボールが届いた。今週中にLPを100枚詰め込んで、来週早々に引き取ってもらう。今日は、Yさんの定年お祝い会(オンライン)なので100枚の選定は出来ず。

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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

バッハ :フランス風序曲(パルティータ) 序曲 BWV 831

https://enc.piano.or.jp/musics/38418#link


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読書

石川三四郎 『一自由人の放浪記』

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1173543





2021年3月10日水曜日

私の春の読書の定番は『虞美人草』だけでなく『バビロンの流れのほとりにて』も

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

The Art Of The Guitar
Andres Segovia & John Williams
19曲 • 1時間8分 • Dec 31, 2005

https://music.amazon.co.jp/albums/B0043N21U2

音がいい。

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『海の祭礼』読了。

幕末期、日本をとりまく状況、ロシア・イギリス・フランス・オランダ、そしてアメリカが日本を様々な思惑で、開国させようとする。

その中で、漂着をよそおって日本に「不法」入国したラナルド・マクドナルド(1824年生まれ)、彼から英語を学んだ通詞の森山栄之助(1820年生まれ)、開国を強硬にせまるマシュー・ペリー(1794年生まれ)、三者の姿を描き当時の日本開国の状況を活写する。面白かった。著者の吉村昭によると森山栄之助のことが一番調べられなかったという。確かに三人のうちで物語性が一番薄く描かれている。

かなり前に小島直記の『一期の夢』(実業之日本社)を買って、語り口が気に入らないという理由で積んであったので、これにも目を通すことにしたい。この本の主人公福地桜痴は森山栄之助の弟子だからだ。日本の英学史にも目をむけたいところ。

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春先の読書の定番は、『虞美人草』ともう1冊、森有正先生の『バビロンの流れのほとりにて』だ。思い出したので、本(昭和43年 筑摩書房)を取り出してきてめくってみた。冒頭は暗唱できるくらいだ。若いときの読書は生涯の読書を左右するとも、読める。この本はまさにそれに当たる。高校の現代国語の教科書で読んでゆるやかだが強い衝撃をうけた。それ以来この本を50年読んできたし、この本を媒介として多くの本を読み。欧州の文明の豊穣さに憧れた。バッハを聴き続けるのも森有正先生の影響だ。

装幀は栃折久美子さん


2021年3月9日火曜日

ラナルド・マクドナルドは幕末の日本を訪れた「ガリバー」かも

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

Tatyana Ryzhkova, Top 10 (2016)
Tatyana Ryzhkova
12曲 • 59分 • Jun 01, 2016

https://music.amazon.co.jp/albums/B01GVI5MD4


Ana Vidović - The Croatian Prodigy
Ana Vidović
14曲 • 59分 • May 31, 2013

https://music.amazon.co.jp/albums/B00KZDPLM4


The Art Of The Guitar
Andres Segovia & John Williams
19曲 • 1時間8分 • Dec 31, 2005

https://music.amazon.co.jp/albums/B0043N21U2


バッハとギターの相性がいい。

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Ranald MacDonald顕彰碑(長崎市)
From Wikimedia Commons, the free media repository
Jump to navigationJump to search


ラナルド・マクドナルドのことを調べてみた。

こんなページを発見。『マクドナルド友の会(FOM)』

http://friendsofmacdonald.com/


論文。『ラナルド・マクドナルドの生徒たち The students of Ranald MacDonald』
石原 千里 Ishihara Chisato

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeigakushi1969/1991/23/1991_23_57/_article/-char/ja/


論文。『英学史から見た幕末期における異言語の衝撃と日本の対応』

https://rikkyo.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=5782&item_no=1&page_id=13&block_id=49


『海の祭礼』を読み続ける。

246頁。
rとlのちがいの発音、子音の発音が蘭語風。これらをラナルドに直されるが森山たちは最後までできなかったようだ。文法などはお手の物だったらしいが。

296頁。
プレブル号で出帆。ラナルドは米国に帰った。もっと日本にいたかっただろう。

物語の主人公は森山だけになった。自分も興味の対象を森山にも広げることにした。


2021年3月8日月曜日

ラナルド・マクドナルドのことは吉村昭の『海の祭礼』(文春文庫)を読むとよくわかる


吉村昭の『海の祭礼』(文春文庫)を読み始める。先日の大河ドラマで知った、ラナルド・マクドナルドのことを知りたくて借り出したが、読み物としても一級品だ。

最初は、当時の異国船の来航状況一般。(私はこの記述はヴィクトル・ユゴー的に冗長でいらないと思った。)

19頁。
ストーリーが具体的になる。嘉永元年(1848年)一人の異国人が小舟で利尻島に漂着。アイヌの人々に助けられる。非常の場合なので、海に追い返すことはされず、保護の対象となる。

この異国人はすぐに日本の言葉を覚えようと努力をはじめる。

52頁。
現地の責任者が、異国人の名を尋ねてみると、「ラナルド・マクドナルド」と言った。「マキドン」と記録された。

80頁。
少し戻ったストーリーで、ラナルドは捕鯨船に乗り込み、日本近海へ向かう。捕鯨の描写は『白鯨』を思い出させる。

143頁。
松前藩により、マキドンは長崎へ船で護送される。

156頁。
通詞森山との出会い。森山はオランダ語の通詞だが、英語も独学していて、少し理解した。

今日は、163頁まで。


2021年3月7日日曜日

漱石の女性観とそれを作品にどう表現したかを調べたい

『三四郎』に関する論文を少しだけ読んでみた。三四郎はもちろん野々宮さんも振ってしまう美禰子のことをテーマにした論文もある。

そして、ジャン・バティスト・グルーズの「少女の頭部像」(図)が美禰子に似ているとか、広田先生の引っ越しの手伝い中に三四郎と美禰子が仲良く見ていたジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの『人魚』の絵は美禰子が三四郎を誘う手段だったという話題もあった。

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの『人魚』
ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

『虞美人草』の藤尾の描き方が類型的で、美禰子はそれよりも複雑な人格として描かれている。その後の漱石の作品では女性はもっと、時代に即して、かつ「女性」らしく描かれていくのだそうだ。

漱石は女性をどう捉えていたのか。当時の常識からは当たり前と言っていいのかわからないが、やはり男性に従属するべきものと考えて、作品中に登場させていなかっただろうか。これは全作品を検討し直す必要がありそうだ。他に、鏡子夫人のことも考える必要がある。一緒に、森鴎外と鴎外夫人のことも考えてみたい。

現代の作家の、たとえば村上春樹さんが女性をどう描いているかも、一緒に見直すべきかとも思う。


2021年3月6日土曜日

歯固めの 石白くして 春浅し

12時頃、息子夫婦と六ヶ月の孫がやってきた。正月以来なのだが、この家にもう慣れて来た様子だ。お食い初めセットというのを息子夫婦が注文し、届いている。赤飯を電子レンジで温め、蛤のお吸い物をガスで温める。焼鯛も電子レンジで温める。追加でサンドウィッチと鶏肉・牛肉(少々)のステーキを用意し、ケーキも先日注文しておいたのを取ってきた。

真ん中が歯固め石

長老が儀式を執り行うと、お食い初めセットに添付のパンフレットに書いてあったので、私がパンフレットの指示通り、歯固め石を使いながら、食べさせる真似をする。孫本人は食べ物に興味津々らしく、手を出してきて、蛤汁など危なくて困った。早々に儀式は切り上げた。その後、十分粥の上澄みだけ、スプーンでなめさせた。喜んで、スプーンを離さない。

大人が4人いたが、一人ずつ抜けて孫を抱っこして、残り三人が食べる。これをローテーションする。


食事後、息子が抱いて、一緒に散歩に連れ出したら、あっという間に寝てしまった。

夜、7時頃まで遊んでいただき、駅まで送り、めでたく本日は終了。孫は来てよし帰ってよしで、疲れた。でも、抱いていると体も心も温かくなった。また遊びに来てほしいぞ。

2021年3月5日金曜日

『虞美人草』の藤尾のファンは多い、と思う

 『虞美人草』に関する論文をいくつか読んでみた。

https://ci.nii.ac.jp/search?q=%E8%99%9E%E7%BE%8E%E4%BA%BA%E8%8D%89&range=2&sortorder=1&count=20&start=1

藤尾は昔から読者に人気があったらしい。一方、詩的情趣はもっているものの、冷たい女だと生みの親の漱石は嫌っていたらしい。明治40年7月19日付けの小宮豊隆あての手紙には、

藤尾という女にそんな同情をもつてはいけない。あれは嫌な女だ。詩的であるが大人しくない。徳義心が欠乏した女である。あいつを仕舞に殺すのが一篇の主意である。うまく殺せなければ助けてやる。然し助かれば猶々藤尾なるものは駄目な人間になる。……小夜子といふ女の方がいくら可憐だか分りやしない。

と書いているのだが、これでは藤尾が可愛そうだ。でも漱石は内心は藤尾に敬意を持っていたのが、最終章の美しい描写でわかる。虞美人草という言葉も最終章でやっと出てくる。

『三四郎』の美禰子も藤尾に似ていると思うが、もっと同情をもって描いていると思う。

論文を読んでいると、『虞美人草』を皆いろいろに解釈しているので、興味深い。27型液晶ディスプレイをこたつの上(手前)に置いて、首までこたつに入って寝ながら読むのは、行儀が悪いが楽だし、内容が頭によく入る。やめられない。

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夕方、図書館に行って、『プルーストへの扉』と『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』を借りてきた。実はこの2冊はすでに自分で買って読んでいるのだが、良い本なのでぜひ地元の皆様にも読んでほしいと思い、先日図書館にリクエストして購入していただいた。私はすぐ図書館に返すので、大和市の方はどうぞ借り出していただきたい😊






2021年3月4日木曜日

確定申告完了祝でステーキを焼く

確定申告と青色申告取りやめ届出書などを提出しに、午後、税務署に行ってきた。提出締切はまだだし、午後なので空いているだろうと思って出かけたが、税務署の前庭は人がいっぱい。?……と思って様子を見ると整理券のようなものを持って、待っている人々だった。どうも税理士に相談しながら申告書を作るのが目的の人らしい。かまわず、中に突入しようとしたら、入り口で係の人に止められた。体温測定と手の消毒をしろとのこと、もっともなことだった。体温は35.9度。入ると、提出窓口はガラ空き、1分もしないうちに提出できた。書類も簡単に調べていたが問題無しで、拍子抜けするほど早く済んだ。

来年は電子申請にするつもりなので、税務署通いも今年限りだろう。やや寂しい気もする。

家に帰って、お茶を飲んで昼寝。ひさしぶりにゆっくりした気分だ。

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私の文庫本の表紙はもっと地味

春の定番読書アイテム、『虞美人草』と『草枕』(どちらも文庫本)を出してめくってみた。過去のブログにもこの2冊のことが書いてある。まずこれを読んでから、今年の読書に入るつもり。『虞美人草』のこの文庫本は1976年3月30日に三鷹の三省堂で400円で買ったこともわかる。
👇
https://hfukuchi.blogspot.com/search?q=%E8%99%9E%E7%BE%8E%E4%BA%BA%E8%8D%89

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夜は、お祝いと称して、買い置きの冷凍肉で一人前150グラムのビーフステーキを焼く。美味しかった。



2021年3月3日水曜日

『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』(祥伝社)をぜひ書店で手に取ってほしい(なぜかはブログで……)



昨日発行された週刊ARメルマガの巻頭言を担当し、『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』の紹介を書いた。以下の通り。

 

『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』(祥伝社)を購入したので、早速「後ろから」読んだ。後ろからと言うのには理由がある。本の最後の【Special Thanks】の項に自分の名前が載っているか早く確かめたかったからだ。この本は、月刊ALL REVIEWSで行われた、鹿島茂さんと豪華ゲストたちとの多くの対談のなかから6つを選んで書籍化したもので、対談後の文字起こしをALL REVIEWS友の会やサポートスタッフの仲間たちが手分けして行ない、私は、鹿島さんと出口治明さんとの「論語」に関する対談の文字起こしのうち3分の1をお手伝いしたからだ。なお、この部分には今話題の渋沢栄一への言及もたくさんある。

奥付の手前のページに他の仲間と一緒に名前が載っている。些細なことなのだが、自分としては誇らしい。一方、本文を読んで気付いた。文字起こし後の文章と比べると、プロの編集者の手が入ったものは、実に読みやすい。「プロの技、恐るべし」である。素人の私としてはその編集の技を分析できたのがとても良い経験になった。この経験ができたのはALL REVIEWS友の会に入っていたおかげだ。

もちろん、本の内容にも目を通した。鹿島茂さんとゲストの対談書評の対象書籍は、次の通り。『NETFLIXコンテンツ帝国の野望』『絶滅の人類史』『論語』『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』『9条入門』。これで、絶対にこの6冊の本を読みたくなる。しかもそれぞれの対談記事の後には何冊かの関連お勧め本のリストが付いている。したがって、この本を1冊読むと、数十冊の本が読みたくなるわけだ。次に本屋さんに行くのが楽しみになる。

最後に読んだ、この本のまえがき(鹿島茂さん)の一節が心に残る。

「ゲストの方々とのトークは本当に刺激的で、ひとりで対象本を読んでいたのでは気づきもしなかった観点や切り口が示されて驚くことがあります。これぞまさしく、対談書評の醍醐味でしょう。」

ALL REVIEWSには多くの対談書評や鼎談書評が収録されている。一味違うこれらの書評を読むのも楽しみになってくる。(hiro)


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朝食前に、『透明性』(マルク・デュガン 早川書房)を読了した。前半の盛り上がりに比べて後半はそうでもない。最後に「どんでん返し」が続くが、これは必要だったのか。技巧に走りすぎた気がするが、フランス人の著者の特性か、それを望むフランスの読者に合わせたのか。私から見ると、最後まで直球で勝負してほしかったと思う。テーマの重要性を考慮して星3つというところか。近未来描写が皮肉っぽいのも「フランス」的。

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昼食前後、3時間ぐらいかけて確定申告書を作った。e-tax使用。数年前に使ったらあまりの遅さにキレたのだが、今回はレスポンスもよく、意外と簡単にすんだ。面倒なのは健保から来ている医療費明細書に記載されていない11月・12月分明細を別紙に追加するところ。あとはあまり問題ない。完成したデータはダウンロードしておくと、来年の入力が楽であるとのこと。そうした。

なお、Macの場合ChromeでなくSafariを使えというのがイケてないが、特に問題は起きなかった。

自分で税務署に行く派なので、確定申告書を印刷して今日は終了。明日は青色申告廃止届けなどを書いて、できれば午後税務署に行ってみるつもりだ。やはり疲れた。読書に移行したい。


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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

Bach: Sonatas for Violin and Harpsichord No. 4-6
Leonid Kogan and Karl Richter
13曲 • 52分 • Oct 23, 2007

https://music.amazon.co.jp/albums/B00431EFJ4


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Ranald MacDonaldについて調べを進める。

https://archive.org/details/ranaldmacdonaldn0000macd/page/14/mode/1up

https://archive.org/details/ranaldmacdonaldn0000macd/page/76/mode/1up

図書館で、『海の祭礼』 (文春文庫)を借りることにした。



2021年3月2日火曜日

マルク・デュガン『透明性』(中島さおり訳 早川書房)を読み始めたら面白くてやめられない

確定申告プロジェクト再始動

本日の実績。以下を集める。

(1)源泉徴収票(厚生年金、企業年金)

(2)医療費明細

(3)社会保険料、健康保険料納付通知

すでに入手する度に、一つの引き出しに放り込んであったので、確認・整理するだけ。しかしこれだけで頭が痛くなったので、今日はこれだけ。明日、11月と12月の医療費明細書を抜き出しておけば、明後日には申告書を作れそうだ。手近かな空き箱に関連書類をまとめておいた。

こんな日は読書しよう。毎年のことだが、確定申告が終ると本当の春が来るような気がする。そして『虞美人草』を読みたくなる。クリシェに陥っているかもだが。

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今朝の朝日新聞の記事(「オードリー・タン氏とアナキズム」について)に触発されて、アナキズムについて調べたくなった。オードリー・タン氏の本は図書館ではすごい人気ですぐには借りられそうもない。入門書(森元斎『アナキズム入門』(ちくま新書))を借りることにした。石川三四郎とアナキズムについての本も。鶴見俊輔の「方法としてのアナキズム」も捜すか。外は雨模様。

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どうも花粉症らしく痛い頭を抱えて、『透明性』(マルク・デュガン 早川書房)を読む。一気に100頁読めた。淡々とした語り口の会話の少ない文章は、A. C. クラークを思わせる。ユートピアなのかディストピアなのかわからない近未来描写に、いぶし銀のような魅力が感じられる。アナキズムの匂いもする。

読み終わってはいないが、オススメ本になりそうだ。

2021年3月1日月曜日

装幀の良い本はたいてい内容もよいが、装幀が悪いからと言って内容が良くないとはかぎらない

今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。

Bach: Piano Works イェルク・デームス

Bach: Piano Workshttps://music.amazon.co.jp/albums/B00DRF506O?do=play&trackAsin=B00DRF50K0&ref=dm_sh_AuM2AWXKvv4f1hOZuVTcGMUt0

Four Suites for Orchestra
by Johann Sebastian Bach; Otto Klemperer; Philharmonia Orchestra

https://archive.org/details/lp_four-suites-for-orchestra_johann-sebastian-bach-otto-klemperer-philh/disc1/01.01.+Suite+No.+1+In+C+Major.mp3


L'Art De La Fugue
by Johann Sebastian Bach Decca (411 907)

https://archive.org/details/lp_lart-de-la-fugue_johann-sebastian-bach/disc1/01.04.+L'Art+De+La+Fugue+-+No+4.mp3

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『語前語後』読了。カバーの絵が素敵、とJが言っていた。装幀だけでなく内容も良い。この短く区切った文章の書き方は参考になる。

https://allreviews.jp/review/4672

『ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる』読了。経営者として東さんは失格。人を見る目がなく、適材適所で人を使うことが出来ない。しかし、「知の観客」をつくるという考え方には賛同できる。哲学者としては優秀なのだろう。

https://allreviews.jp/review/5345

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『トーマス・マン日記 1933−1934』を読み続ける。1933年3月、旅券を当局に取り上げられており、ミュンヘンには帰れずスイスを旅する暗い毎日。夫婦とも精神的に参って睡眠薬に頼る。

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4年前の今日の日記(ブログ)を読む、胆嚢摘出の手術直後で「食べる」ことに慎重になっている。脂っこいものや肉などは、少しずつ時間をかけるべきだと、自分で書いている。これを最近忘れていた。初心忘るべからず。

https://hfukuchi.blogspot.com/2017/03/sketchpad.html

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明日のメルマガ巻頭言は昨日Slackにあげて、仲間に読んでもらい指摘された問題点を直した。なんとか読めるようなものになってきた。他の手を煩わすのは申し訳ないが、精神的に余裕がなかったので許してもらうことにしよう。