システム開発に関わる研修では多くの場合、ある手法を用いて研修を進め演習も行います。ここでの間違った態度は技法にとらわれて技法の使い方にばかり論議してしまうことです。似たようなことはプレゼンテーションでも起きて、プレゼンテーション画面に使われたテクニックにのみ感心してしまう。結果としてプレゼン技法は頭にはいったがプレゼンで言われたことは忘れたと言うことになってしまったりします。
技法は手段にすぎず、それは論理を進めるためのツールにすぎません。演習である技法を使った図の書き方たとえば線の引き方がまっすぐがよいか曲線であるべきかといった些細なことに気を取られ、本筋のこの図の意味は誰も気にしていないといった状況はナンセンスそのものです。
この傾向は物理学や天文学の世界でもありそうです。数式の操作にのみ習熟し、複雑怪奇な計算はできるが、その数式の意味することはよくわかっていないというケースです。数式は強力な道具ですが、単なる数学だけでは現実の世界は説明できません。
テクノロジーが現代には必要不可欠ですが、テクノロジーだけでは十分ではありません。自分の思考を統合的に導くためのより深い思索が必要です。これには時間がかかりますが。
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