2011年6月12日日曜日

地球・火星・金星の気象モデルの講義を聞いて思うこと

今朝の放送大学講義は、地球の気象環境モデルに関して。大きなファクターは太陽からのエネルギー放射(の受け取り)と地球からの惑星放射のバランス、そして大気の温室効果と大気中の気流や海洋中の海流の対流効果。明快なお話だった。
もちろんこれは現在分かっていること(データが取れていること)をまとめて、ストーリーとして描かれた科学的なモデルである。理論の科学性は単にそれが誰かの主観で正しいか判断できることではなく、その反証可能性による。異なるデータが出てくればモデルは(つまり理論は)造り直さねばならない。
火星については地球に比べて、データが少ないのでまだまだモデルは地球のそれに比べ不完全である。新しい宇宙船が火星に到達するたびにモデルは大幅に書きなおされる。金星に関してはモデルの相対的不完全さがもっと大きく実はほとんど判っていないとも言える。
われわれがビジネスおよびビジネスシステムに関して作るモデルに関しても同じようなことが言えそうだ。人によってはどこかに正解があって、それを直感で理解し書き下ろそうと考える、これが失敗のもとなのではないか。
せめて火星レベルぐらいまでデータを集める努力をして、モデルを慎重に組み立てる必要がある。金星レベルのデータ理解のもとに無理やりモデルを作ってしまうケースが多そうだ。この場合、地球モデルを下敷きにしてしまうのが世の常だろうが、多分使い物にならない。地球と金星はまったく条件が異なるし、地球モデルがいかに組み立てられているかを理解していないからである。
ところで講義された今村先生ってすごい秀才タイプの風貌でした。(勝手なこと言ってすみません。)

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