2020年11月25日水曜日

米国を離れる寸前のトーマス・マンの気持ちを推し量る鍵はカフカの『アメリカ』かも知れない

昨日から再び使い始めた古いiPhoneで読書メモを取る。しばらく読んでは、要所のメモをとるが、自動画面OFF機能は使わない設定にしておくと良いことを発見。毎回立ち上げ直すというストレスが減る。

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『トーマス・マン日記』をさらに読み進める。

1952年2月2日。
カリフォルニア州の15人の共産党指導者に対する裁判の始まり。

『クルル』の第3部第6章を書き進める。

2月3日。
夢。それと気づき、快く迎え、一緒に逍遙、非常に幸せというわけでもない。手首を掴み、組んだ腕の記憶が残る。

夜、モントゥ演奏会(ラジオ?)を楽しむ。『魔笛』序曲、『悲愴』のスケルツォ(第3楽章)、『牧神の午後』。(注 『魔の山』の最後の方の章「溢れる妙音」参照)

2月6日。
「小説を書き進める。」

イギリスではジョージ六世が死去。エリザベス二世がアフリカからロンドンヘ帰国の途に。

2月8日。
小説を書き進める。

2月10日。
小説を書き進める。晩、ヴィオラ奏者ウィリアム・プリムローズのチャイコフスキーを聴いて楽しむ。(注 『イタリアのハロルド』の吹き込みを高評価していた。 #私も聴いてみた。)

ポルトガルでは婦人は母娘であっても男性のエスコートなしには喫茶店に入れないとエーリカが文句をつけた小説の場面について話し合い。付き添い人を組み込む必要を認める。直ぐに老学者を考え出す。最終的には違う人物になったが。

2月11日。
庭の入り口に(売り家の)「標識」が取り付けられる。複雑な気分。

2月12日。
直腸の疾患と調子の狂った胃に悩まされる。

小説を少し書き進める。

2月13日。
第6章を書き進める。

2月14日。
朝食の際にベーコン片が食道上部に引っかかって不安になる。

小説を書き進める。

2月16日。
小説を書き進める。

午後、『没後十年の命日にあたりシュテファン・ツヴァイクについて』

2月17日。
『ツヴァイク』書き終わる。小説を書き進める。

2月19日。
小説第3部第5章終わりに向かう。

2月20日。新聞に『クルル』の恋人ズーズーのモデルに相応しい綺麗な写真を発見する。(注 アメリカのマヌカンの写真。文書館に保存されている。)

2月22日。
第3部第6章を書き終え、母と娘の肖像を書き直す。(注 母親の肖像にトーマス・マンは以前の直観資料、アンナ・パブロヴァとアントニア・デ・リーザイス男爵夫人の新聞写真にさらにもう一つの資料、アンナ・マニャーニの肖像を利用した。)

2月23日。
部屋の取り片づけ。

晩、Kとエーリカのために、完成した第6章を朗読。生き生きした表現を楽しむ。マダム・クックックは本物。……まず冒険を先に進めることにならないのは残念。

(#私も非常に残念。ヨーロッパ移住とのトレード・オフとなってしまったのか。)

2月25日。
『芸術家と社会』のための準備。

2月29日。
講演を書き進める。

カフカの『アメリカ』を読む。

(#この年に入ってからトーマス・マンはカフカの『アメリカ』を読み続けている。どんな気持ちで読んでいたのか? 前年の欧州旅行ではカフカの日記を読んでいたと思う。)

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『絶倫の人』も読む。ウェルズは絶倫を夢見る純真な人とも言える。

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夕方のAmちゃん。


夕方のHALくん。



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