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2021年6月21日月曜日

保苅瑞穂『モンテーニュ私記―よく生き、よく死ぬために』(筑摩書房)を読むと冒頭からしびれる

夏至の日の日没。この季節は晴れれば、空の色が美しい。

***

保苅瑞穂『モンテーニュ私記―よく生き、よく死ぬために』(筑摩書房)を読み始める。


最初から引き込まれる。

4頁。

「一日にわれわれは色々な時間を生きている。そのどの時間にもわれわれの精神は等しく働いているはずであり、夕日を眺めるにも、なにかについて本を書くにも、精神の働きに高下というものはない。そして、そうやって精神が様々に働くうちに時間が過ぎて行って、その、一日が暮れて行く。」

この付近の記述は吉田健一を思わせる。ともかく『エセー』への愛にみちている。

26頁。

「かれがあれだけ本を読み、勉強したのも、それによって知識やなにかの肩書きを得るためでなく、よく生きて、よく死ぬためだった。」

素晴らしい。この本は借り物だが、自分で買いたくなった。……

今、Amazonへ行き購入した。中古だが。

***

以下は「書評に関するメモ」の下書きの下書き。

*
1.書評捜しの基礎
国会図書館リサーチ・ナビの「書評を探す」は出発点。

ここを読むと書評探しの糸口が得られる。まずは、ここから各種サイトへ行ってみることを繰り返す。
時間をおいて、常に読み返すこと。

(*注
ここもいいかな。北海道大学図書館

書評の探し方
出版された書評集や、雑誌記事・新聞記事として掲載された書評を探す
各データベースで、「書評」「ブックレビュー」などの書評を示すキーワードを追加して検索します。
CiNii Article: 「書評」「ブックレビュー」などの書評を示すキーワードを追加して検索します。
Web of Science: まずキーワード検索し、ドキュメントタイプ「Book Review」で絞込みします。
Humanities Abstracts: 「文献タイプ」から「** Review(**にはBook, Entertainmentなどが入ります)」を選択します(場合によっては「** Criticism」なども)。複数選択可能です(OR検索になります)。
聞蔵IIビジュアル(朝日新聞): 「ナビ検索」を開き、「ジャンル」から「読書・書評」→読書・書評欄名のボタンをクリックします。
一覧画面が表示されますので、書名等のキーワードを追加して絞り込みます。
LexisNexis Academic: 左メニューの「ニュース(全分野)」を開き、「記事の種類」から「論評([対象])」をチェックして検索します。
書評データベース、及び書評を含むデータベース
「週刊読書人」( 新聞 / http://www.dokushojin.co.jp/ )

)

2.過去の書評を探す
JapanKnowledgeで「書評」をキーワードとして、日本大百科全書と世界大百科事典を引いてみる。日本大百科全書の記事は紀田順一郎さんが執筆しており、「石川達三のいう「書評は文化批評であり読書指導でもある」という性格が、いよいよ強く求められている。」という部分が印象に残る。

両者から書評に関して今後調べるべき雑誌等の名前を拾う。
たとえば、
『退読書歴』(柳田国男 書物展望社 1933) 国会図書館デジタルで読める。
『出版月評』
『史学雑誌』
『日本図書月評』
『日本読書新聞』
など。ほとんどは、国会図書館まで出向いて調べるしかなさそうだ。

ほかに、「《書物展望》とか《ブック・レヴュー》などの書評誌が大正時代に入って創刊されたが,あまり長くつづかず,第2次大戦後創刊の《読書展望》《書評》(いずれも1949休刊),《本と批評》《50冊の本》(いずれも1981休刊)なども存続できず,現在は《本の雑誌》など」、「週刊の《日本読書新聞》(1937創刊,1945復刊),《図書新聞》(1949創刊),《週刊読書人》(1958創刊),月2回の《ほるぷ図書新聞》(1968創刊)」も。

イギリスの《タイムズ文芸付録The Times Literary Supplement》,アメリカの《ニューヨーク・タイムズ書評紙The New York Times,Book Review》,フランスの《ヌーベル・リテレールNouvelles Literaires》も調べたい。こちらはかえって、インターネットが役に立つかも知れない。

(*注
文芸書以外の専門書の書評はそれぞれの専門誌の書評ページを観るのが良さそう。例えば、『天文月報 オンライン』。『季報唯物論研究』(国会図書館へ出向くか指定図書館へ行くこと)。『書評大全』(共同通信社)は図書館本館で読む。(禁帯出)県立図書館では帯出可。

先程の北大のページからの受け売り。
👇
CiNii Article: 「書評」「ブックレビュー」などの書評を示すキーワードを追加して検索します。

)

国会図書館リサーチ・ナビの引用:

戦前の書評を収録した例として、次のものがあります。

『書香』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(復刻版 緑蔭書房 1992 【Z21-B207】)
[範囲] 1930年~1938年
[備考] 「書評輯覧/書評展望」欄に、各種の新聞書評が要約・転載されています。索引はないので、刊行年から通覧します。

書評集のはじまりは、戸坂潤『読書法』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク【特501-202】(国立国会図書館デジタルコレクション)あたりとされていますが、これらの書評集に収録された書評を横断的に検索できる資料は、あまり見あたりません。国立国会図書館デジタルコレクションに目次データが採録されていれば、検索することができます。

(*注 『読書法』は青空文庫でも読める\(^o^)/
)


3-6.明治期~大正期の文芸書
明治期~大正期に、後刷りの末尾に書評が掲載される場合がありました。ただし、法定納本をもとにした当館蔵書に、そのような例は多くありません。

(例)乙羽生『累卵の東洋 : 政治小説』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク (5版 大橋又太郎 1899 【71-395x】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
巻末(跋と奥付の間)に約40点の書評が掲載されています。

ある著者が同じ出版社から出した別の本の巻末に、書評の転載が付けられる場合もありました。

(例)竹越与三郎『二千五百年史』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(訂補 二酉社 1916 【73-86ヘ】)(国立国会図書館デジタルコレクション)


具体的にはこうなっている。 「別の本」ではないが。





2021年6月20日日曜日

『解説屋稼業』(晶文社)は文庫本巻末などの「解説」ばかり集めたユニークな本

ARの「自発的」オシゴトとして、2つをやってみることにし、提案した。

(1)「過去から現在においてどのような書評が公開されていたかを調査/体系的な収集」と

(2)「(友の会の)コミュニティ・マネジメント」。

まずは、書評に関する調査とコミュニテイ・マネジメントの予備的試行とその評価をしてみよう。

「過去の書評情報」と「コミュニティ・マネジメント」を組み合わせるアイデアを思いついたが、これは両者が軌道に乗り始めたらしっかり考えたい。今考えているのは以下のような質問を手がかりにするというもの、「好きな書評(家)は、読みたい本(書評)は?」、「書評をさがす上で困っていることは?」、もっとありそう。

***

予約していた本を図書館で受け取る。今回も借りた理由を書いておく。

(1)嵐山光三郎『文人悪食』(マガジンハウス)

昨日のAR定例懇親会で紹介された本。

(2)鹿島茂『解説屋稼業』(晶文社)

昨日のAR定例懇親会で紹介された本。内容はかなりARにアップされているというが、あとがき代わりの「解説屋の解説」をはじめとする文章を紙の本でも読みたい。


(3)半藤一利『戦う石橋湛山』(東洋経済新報社)

稀有な政治家の考えやひととなりをしりたい。

(4)デイヴィッド・べロス『耳のなかの魚 翻訳=通訳をめぐる驚くべき冒険』(水声社)

同じ著者の『世紀の小説『レ・ミゼラブル』の誕生』が月刊ARの課題本だったことがある。

***

『2001:キューブリック、クラーク』(早川書房)を読み終えた。MGM関係者や試写を観に来たいわゆる映画専門家には、受けが悪かったが、若者中心の「新しい」観客には評判が良かったという。『白鯨」の例があがっていたが、『失われた時を求めて』も当初ジイドが評価しなかったのも思い出してしまった。

***

机上の模様替え。尊敬する方に倣って、コックピット風にした。


***

Jがワクチン接種(1回目)を受けてきた。体調問題なし。

2021年6月17日木曜日

書評の勉強はまずリソースから

JapanKnowledgeで「書評」をキーワードとして、日本大百科全書と世界大百科事典を引いてみる。日本大百科全書の記事は紀田順一郎さんが執筆しており、「石川達三のいう「書評は文化批評であり読書指導でもある」という(書評の)性格が、いよいよ強く求められている。」という部分が印象に残る。


両者から書評に関して今後調べるべき雑誌等の名前を拾う。

たとえば、

『退読書歴』(柳田国男 書物展望社 1933) 国会図書館デジタルで読める。

『出版月評』

『史学雑誌』

『日本図書月評』

『日本読書新聞』

など。ほとんどは、国会図書館まで出向いて調べるしかなさそうだ。また、国会図書館に泊まり込みたくなってきた。コロナ禍の今は、自由に行くことさえ、かなわないのだが。

ほかに、

「《書物展望》とか《ブック・レヴュー》などの書評誌が大正時代に入って創刊されたが,あまり長くつづかず,第2次大戦後創刊の《読書展望》《書評》(いずれも1949休刊),《本と批評》《50冊の本》(いずれも1981休刊)なども存続できず,現在は《本の雑誌》など」、「週刊の《日本読書新聞》(1937創刊,1945復刊),《図書新聞》(1949創刊),《週刊読書人》(1958創刊),月2回の《ほるぷ図書新聞》(1968創刊)」も。

イギリスの《タイムズ文芸付録The Times Literary Supplement》,アメリカの《ニューヨーク・タイムズ書評紙The New York Times,Book Review》,フランスの《ヌーベル・リテレールNouvelles Literaires》も調べたい。

こちらはかえって、インターネットが役に立つかも知れない。

***

『2001:キューブリック、クラーク』(早川書房)もどんどん読む。

冒頭の「人類の夜明け」の撮影で使われた特殊メークや、俳優たちの訓練と、その苦労話が面白い。キューブリックの苦労はその何百倍もであっただろう。彼の神経はどうなっていたのだろうか。常人には計り知れないところがある。

From Wikimedia Commons, the free media repository


2021年6月16日水曜日

『夢見る帝国図書館』(文藝春秋)を一気読み

『夢見る帝国図書館』(中島京子さん 文藝春秋)を一気読み。おもしろかった。素敵な本だった。


最初に出てくる話はこれについてだろうか。『帝国図書館設立案』を捜してみた。


あと、書中で引用されている本の一部は青空文庫で参照。


樋口一葉

https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person64.html

宮本百合子

https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person311.html#sakuhin_list_1


淡島寒月

https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person388.html

https://www.aozora.gr.jp/cards/000051/card47087.html

「図書館幻想」 宮沢賢治

https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card4884.html

「出世」 菊池寛

https://www.aozora.gr.jp/cards/000083/card500.html


***

BGMは以下の通り。アーティー・ショーはキューブリックの友人でクラークのSFのファンだった。それでキューブリックが『2001年』を作るときに、クラークを推薦したと、読みかけの本に書いてある。

Artie Shaw And His Gramercy Five Album #3
by Artie Shaw And His Gramercy Five
Clef Records (MG C-630)

https://archive.org/details/lp_artie-shaw-and-his-gramercy-five-album-3_artie-shaw-and-his-gramercy-five/disc1/02.03.+Dancing+On+The+Ceiling.mp3

 


Artie Shaw Plays Cole Porter And Irving Berlin
by Artie Shaw And His Orchestra
Lion Records (L70058)

https://archive.org/details/lp_artie-shaw-plays-cole-porter-and-irving-be_artie-shaw-and-his-orchestra/disc1/01.01.+What+Is+This+Thing+Called+Love.mp3


Artie Shaw Hour
by Artie Shaw And His Orchestra
Royale (1466)

https://archive.org/details/lp_artie-shaw-hour_artie-shaw-and-his-orchestra/disc1/01.01.+My+Heart+Belongs+To+Daddy.mp3


***

書評本の分類番号はまちまちである例。

(1)『世界を知る101冊 : 科学から何が見えるか』の分類は404

(2)『書評大全』は019.9


2021年6月15日火曜日

マイケル・ベンソン『2001:キューブリック、クラーク』(早川書房)は映画製作の裏話がわかって興味深い

マイケル・ベンソン『2001:キューブリック、クラーク』(早川書房)を読み始めた。これは面白い。あっという間に200頁まで読んでしまった。ただし、全体は600頁ほどあるので、まだ三分の一だ。キューブリックとクラークの一方に偏らない立場での記述が好ましい。二人とも超個性的なのだが、監督と原作者では、監督のほうがもちろん絶対に偉い。その証拠には、MGMに売れるまでは、キューブリックがクラークの給料を払っていた。何度も企画案を書いて持っていっては、キューブリックにダメ出しをされるクラークはそれでも、根気よくアイデアを出し続ける。二人の付き合いのきっかけはキューブリックがクラークに天体望遠鏡の購入のアドバイスを求めたこと。もちろん、これは口実だったのだが、仲良くなるきっかけになった。


クラークの『失われた宇宙の旅 2001』(ハヤカワ文庫)も、これを機会に読み直したい。そして写真入りのメーキング本もあったような気がしたが、とりあえず見つからない。図書館で借りたのだったろうか。思い出せない。

***


図書館で5冊借りてきた。なぜ借りたかの覚えを書いておく。

(1)『モンテーニュ私記 よく生き、よく死ぬために』 保苅 瑞穂/著 筑摩書房
昨日まで読んでいた『モンテーニュの書斎 『エセー』を読む』の関連本。

(2)『夢見る帝国図書館』 中島 京子/著 文藝春秋
国会図書館好きとしては見逃せない。一昨年の出版から2年経ってやっと借り出せた。

(3)『77冊から読む科学と不確実な社会』 海部 宣男/著 岩波書店

(4)『世界を知る101冊 科学から何が見えるか』 海部 宣男/著 岩波書店
この2冊は、科学書の書評の勉強のため借り出した。

(5)『堀辰雄全集 第7巻上 ノオト』 堀 辰雄/著 筑摩書房
『堀辰雄全集』を購入すべきか、何冊か読んで判断したい。

***

『三体III』に関するメルマガ巻頭言を書いたが、今夜送信された。

2021年6月13日日曜日

植草甚一さんの書く引用だらけの文章は書評と言えるのだろうか

 今朝、AR友の会のSlackで有益な情報をもらった。UTokyo OCW(OpenCourseWare)。

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/about/


早速、柴田元幸さんの講義を聴いた。

https://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture_1188/

「幸福の追求(pursuit of happiness) 」の話。米国で言う幸福は日本で言う小市民的家庭的幸福ではなさそうだ。個人が自己実現を果たす(ときには他を蹴落として)のが幸福かも知れない。ともかく、小説になるのは主人公が幸福になる前まで。

思い出したので、学生時代の愛読書、植草甚一さんの『僕は散歩と雑学がすき』(晶文社)を出してきて、『幸福の追求』という小説の紹介記事を読んでみた。この作品では「幸福の追求」があきらかに皮肉られている。



ところで、植草甚一さんの引用が多い書評の書き方も参考になると思い始めた。


参考

https://1000ya.isis.ne.jp/0081.html

2021年6月6日日曜日

『私的読食録』(プレジデント社)は面白すぎてなかなか読みきれない「食べ物」本の書評集

今朝、土曜日の朝日新聞夕刊を読んだ。毎月第一土曜日に富永京子さんが「モジモジ系時評」を連載中だ。新聞のコラムを書くのは、海に流した瓶詰めの手紙のようなもので、いつか「目指す人」に届けばいい、とのこと。思わず膝を打ってしまった。

今、時々書いているメルマガの「巻頭言」も、読者からのフィードバックは皆無に近い。それでもいつかどこかである読者に読んでもらって、返事をもらわないまでも、何かその人の心を打つことができたらいい。徒労と思わずに済む。

***

夕食用の買い物ついでに、図書館に行ってきた。持ち帰ってきたのは6冊。いや、間違って自分の本『文学部唯野教授』(岩波書店)を持っていってしまったので、計7冊。食材と合わせるといつもの買い物袋にはいらず、エコノミーバッグも動員した。重かったが、両肩に荷物をぶら下げると、バランスは取りやすい。

あとになると忘れるので、なぜ借りようと思ったかをメモしておく。

(1)『穂村弘ワンダーランド』(沖積舎)、穂村弘の「ニューウェーブ」短歌を勉強したかった。きっかけは新聞夕刊の記事。

(2)『モンテーニュの書斎』(講談社)、『エセー』を日記のお手本として参考にするため。

(3)『民主主義を信じる』(青土社)、6月度月刊ARの課題本。

(4)『はじめてのウィトゲンシュタイン』(NHK出版)、これもきっかけは新聞記事。

(5)『私的読食録』(プレジデント社)、AR定例会「食べ物」の参考書。

(6)『アーカイブの思想』(みすず書房)、索引テーマ系の本。

食の観点からの秀逸な書評集だ。

(5)と(6)は借り出し期間を延長しても読みきれず、また借り直してきた。このぐらいになると、全部読んでいなくても、読んだような気になる。自前積ん読本と同じ様になる。そういえば、『文学部唯野教授』も長らく読んでいない。