2019年11月20日水曜日

「週刊ALL REVIEWS」にここまで書かせていただいた巻頭言をまとめてみた

「週刊ALL REVIEWS」に巻頭言を時々書いているが、いままでの分をまとめてみた。改めて、読み直すと、未熟なことがよくわかる。一方、これから何をどう書くかの参考になる。
(実際には、ALL REVIEWSの書評記事への埋め込みリンクもあるが、ここでは省略した。)

(メールマガジンの冒頭部分)



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週刊ALL REVIEWS Vol.22 (2019/11/4-2019/11/10)

通常、「月刊ALL REVIEWS」は友の会会員なら、YouTubeビデオで視聴できるし、その気になれば豪華な書斎兼用のノエマ・イマージュ・スタジオ(西麻布)などでの収録を観覧できる。11月9日に、高遠弘美・鹿島茂両先生の対談「『失われた時を求めて』を読む」を観覧させていただいた。直接両先生の貴重なお話を聞けるまたとない機会だった。

当日収録したビデオは、今回特別に一般にも開放されている。ご覧になることを強くオススメする。 (この文章の下にビデオへのリンクがある。)
(注:リンクはこれ
https://www.youtube.com/watch?v=VbWiJOTfnRs


光文社古典新訳文庫版で『失われた時を求めて』の完訳を目指しておられる、高遠弘美先生のお話はすべて、「完読」を目指す私の胸に突き刺さってきた。私としては、現在第6巻まで出ている、この本との貴重な出会いを大切にしながら、楽しみながら今後も読み続けたいと強く思った。

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一方、収容所の中という極限の状況で、手元に本がないままに、記憶のみで『失われた時を求めて』の連続講義を行ったという話が、書籍化されている。『収容所のプルースト』(著者:ジョゼフ・チャプスキ 翻訳:岩津 航)だが、この本について、高遠弘美先生の書評が二つ、ALL REVIEWSに収録されている。リンクはこの二つ。

https://allreviews.jp/review/2104
https://allreviews.jp/review/2045

どちらの書評も素晴らしい。これらの書評を読むと、『収容所のプルースト』を読みたくなる。それだけでなく、『失われた時を求めて』をも猛烈に読みたくなることは間違いない。実践した私が保証する。

実際にどう読むかについては鹿島茂先生の『「失われた時を求めて」の完読を求めて』を参考にするのが良い。(hiro)




週刊ALL REVIEWS Vol.21 (2019/10/28-2019/11/3)

濫読家hiroこと私の今朝の様子です。
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起床する前に、Twitterのタイムラインをチェックし、読書に関する情報を得るのが日課。今朝見つけたのは、青空文庫で新規リリースされた文章で島村抱月の「今の写生文」。そこに『セルボーンの博物學』という手紙形態の自然誌の本が紹介されている。著者は単に「ホワイト」とある。
読みたくなった。明治40年頃の文章なので、国会図書館デジタルライブラリーに相談してみる。寝床なので「帝國圖書館」という手軽な検索・読書アプリを使った。「セルボーンの博物學」で検索したがヒットしない。「博物誌」でもだめ。一般公開していないのだろう。念の為、「ホワイト」で検索したら100冊以上の本が検索できた。目的の本はなかったが、網にかかった本たちはどれも面白そうだ。ホイットマンの『自選日記』、とか『世界飛行機構造図解』とか…ホイットマンのは「ホワイトハウス」が、飛行機の本は「グラハム・ホワイト複葉機」が書誌に含まれているのでヒットしたらしい。
かくて、まったく関係ないが面白そうな別の本の読書にいそしむことになる。あいまいな語「ホワイト」でなく、正確な「ギルバート・ホワイト」で検索していたら、この寄り道は楽しめない。
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起きたあと、Amazonさんで調べたら、『セルボーンの博物誌』はいろいろな翻訳本が今でも出ている。近所の図書館で調べたらそのうちの一冊があったので借用することにした。そしてInternet Archiveで調べたら、『The essential Gilbert White of Selborne』という本の中に、『セルボーンの博物學』らしきものを発見。島村抱月は、きっと原書で読んだのだろう。(hiro)




週刊ALL REVIEWS Vol.17 (2019/9/30-2019/10/6)

私事になるが、『失われた時を求めて』を本格的に読み始めて約一年になる。もちろん翻訳で。何回か挫折しているが、今回は高遠弘美先生の訳で、光文社古典新訳文庫のKindle版を5巻まで入手して読んだ。
今回、挫折せずにマドレーヌどころかずっと先まで読めたのは高遠先生の流麗な訳文と、読者に親切な巻頭・巻末解説と、脚注のおかげだ。脚注はKindle版の特徴で、本文との行き来が楽で、読みやすい。実は、途中で感想をつぶやいたら、高遠先生からゆっくり読むようにと助言をいただくというハプニングもあった。6巻以降の翻訳もゆっくりと、でも首を大いに長くして待っている。
集英社版の鈴木道彦抄訳『失われた時を求めて』の書評が今週の新着でALL REVIEWSに掲載された。それには、
「むしろ不惑の年齢を過ぎ、《失われた時》が多くなった中年以上の人間にこそふさわしい書物であろう。それはきっとプチット・マドレーヌのように《失われた時》を喚起する役割を果たすにちがいない。」
とあって、かなり感動した。
人生の良い伴侶のような読書経験をナビゲートしてくれるのも、書評の役割だろう。
なお、今週末10月12日の月刊ALL REVIEWSは高遠・鹿島両先生の対談。もちろん話題は新刊の『「失われた時を求めて」の完読を求めて 「スワン家の方へ」精読』。これも首を長くして待っている。(hiro)




週刊ALL REVIEWS Vol.14 (2019/9/9-2019/9/15)

『植草さんについて知っていることを話そう』(高平哲郎 2005年 晶文社)を読んだ。「お弟子」の高平さんがいろいろな人に取材して書いたもの。
担当編集者だった来生えつこさんが述べている日常生活の植草さんが可笑しい。原稿を受け取りに行くと股引(ももひき)をはいたまま応対する。原稿は書き上がった分、2、3枚だけを彼女に渡して残りをまた書き始める。複写機などもちろんないので渡した原稿は読み返せない、だから続きは「話は変わるが…」で書きはじめる。
平野甲賀さんは、植草さん宅でご馳走になった昼飯がコロッケ一個だったことがあると回想する。大皿にぽつんと乗っていて、すべり止めに刻んだキャベツが少々。
片岡義男さんが述べておられるように、植草さんの未発表の手書きの原稿(出版社の倉庫に大量にあるそうだ…まだ残っているのかやや心配…)を写真版で出版する件は、夢のような良い話だが、ぜひぜひ実現してほしい。できるならお手伝いをしたいくらいだ。声かけてください。
植草さんのことを書いた本には、『植草甚一の勉強』(本の雑誌社)もあり、ALL REVIEWSでその書評を読める。(hiro)


週刊ALL REVIEWS Vol.7 (2019/7/22-2019/7/28)

最近出版されたばかりの『三体』を読んで、長らく忘れていたSFへの情熱がまた燃え上がった。

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ALL REVIEWS 友の会限定YouTube番組「月刊ALL REVIEWS」で、2月のビデオ収録終了後に、ゲストの牧眞司さんと雑談をさせていただき、最近のおすすめSF作家を伺った。回答は、テッド・チャン、ケン・リュウ、そして、超ベストセラー『三体』の著者、劉慈欣など。

『三体』の日本語訳が出るのを心待ちにしていたが、7月になって、訳者のお一人である大森望さんのサイン本を八重洲ブックセンターで入手できた。帰りの電車で100ページを読み、翌日には全部読み終えて、なるほどこれは素晴らしいと思った。壮大なスケールの話だし、奔放なストーリーの設定においては過去の多くのSF名作への敬意にあふれている。訳文も読みやすい。

今回の『三体』日本語版は、原作のほぼ25%のみで、来年以降、続きの日本語版が出版される。ああ、『三体』ロス。渇きを癒すため、ケン・リュウやテッド・チャンの作品を読み漁りはじめた。こうして、いままで途絶えていたSF読書熱が完全にぶり返した。

『三体』の解説(大森望さんによる)は、以下から参照できる。『三体』ロスが怖くなければ、本を購入するのがもちろんおすすめだ。(hiro)




週刊ALL REVIEWS Vol.6 (2019/7/15-2019/7/21)

いま旅行中の「シャーロキアン」が、今回この文章を書く予定でしたが、日程変更のため執筆時間がとれず、私(hiro)が急きょ代理をつとめます。よろしく。
個人的なALL REVIEWSとの関わりと楽しみ方を紹介します。

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ごく平凡な読書好き老人の私が、ALL REVIEWSに出会ったのは、2017年。鹿島茂さん @_kashimashigeruのツイートを読んで、ALL REVIEWSの存在を知り書評を読みはじめた。自ら求めて書評を読むのは初めてだった。有名書評家の書いた書評記事がたくさんある。存在すら知らなかった本を発見して、手に入れて読むのがこよなく楽しい。

2018年夏に、やはり鹿島茂さん @_kashimashigeruのツイートで、書評記事の校正を手伝う「サポートスタッフ」の募集を知り、大胆にも応募。たぶんなにかの間違いで採用された。ともかくいまも老骨に鞭打って頑張っている、いや楽しんでいる。サポートスタッフって、実際何をやるのか…は別の機会に。

2019年初め。ALL REVIEWS友の会が発足。早速会員になる。多くの読書好きの人たちと知り合って好きな本の話をすることは最高に楽しい。サラリーマンおよび隠居人生には味わえなかった楽しさだ。
そして、多くの書評家・作家の方々の話をビデオでも直接にでも聞くことが出来る。これは嬉しい。

読書とは受動的な娯楽と考えられていそうだが、私はそれ以上のものと考え始めている。
本の感想などの情報を、積極的に発信すると、それが数倍数十倍になって戻ってくる。
以前から読書記録ブログ(「りんかん老人読書日記」)は書いていた。これだけでも十分楽しい。が、友の会やサポートスタッフの仲間とオンライン・オフラインで読書についてあれこれ話し合ったり、イベントを企画して一緒に実行したりすると、至福の極みということになる。なんだか寿命も延びそうだ。(hiro)




vol2(2019/06/25配信)

「古稀の素人読者目線ながら、読書の喜びをぜひ伝えたいです。ALL REVIEWS友の会会員・同サポートスタッフでもあります。」と創刊号で自己紹介したhiroです。5週間に1回登場します。それでは…

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私のような素人読書老人にとって、ALL REVIEWSの書評ってどういう意味があるのだろうか。と、考えてみる梅雨の朝。

きのう、偶然入った下北沢の有名本屋さんで以前から欲しかった本を手に取った後に、そのまわりの本棚の本もたくさん読みたくなって驚いた。

ALL REVIEWSの書評はよりどりみどり。有名書評家さんの数千の書評がおさめられており、自分の気に入りそうな本を、リアル本屋内感覚で楽しく選べる。本屋さんには多くのあたらしい本が並んでいる。その中に突然飛び込むと、どれを選んでいいのか大いに迷う。老眼のせいもある。ALL REVIEWSを読んで選んでおいた本は有力な「水先案内本」となる。

昨日入手した本は『戦地の図書館』。数週間前に読んだ書評記事はこちら、『戦地の図書館――海を越えた一億四千万冊』、本を「読むこと」の意味を深く考えさせる一冊だろうと思う。雨降りなので、今日はこの本をじっくり読んでやろう。(hiro)

2019年11月19日火曜日

『プルウスト研究』、欲しいが、贅沢言わないで、国会図書館に行くべし

『プルウスト研究』という雑誌があったらしい。Twitterで情報が流れてきた。国会図書館(デジタル)で探してみたら、確かに存在していた。1934年頃。ただし、インターネット公開にはなっていない。書誌情報は読めるので眺める。目次には杉捷夫さんはじめ、そうそうたるメンバーが……。
みたいが、国会図書館にいくか、相模大野の図書館に行くしかない。ラーメン(覆麺)をからめて出かけるべきだろう。


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Amazonプライム・ビデオで「ザ・ヘラクレス」をみた。この手の、古代の、ローマ兵士的な、奴隷にもなり、闘技場の試練も通り抜ける映画が、昔(55年以上前)好きだった。いまでも好きなのだろう、かなりたわいないこの「ザ・ヘラクレス」も面白かった。似たような映画をもっと、探して観ることにする。

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大先輩たちとの飲み会が、三軒茶屋くまちゃんで、あったので、出席。ついでなので、ALL REVIEWSのチラシも配る。関心度いまいち、なにより、年寄りには、字が小さくて読めないらしい。要改善。

2019年11月18日月曜日

ハンバーグ作りは人を思索的にする……わけないか

今夜作ったハンバーグステーキトマト風味煮込み。レシピはあさイチのを参考にした。赤ワインはなかったけれど。


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今回の古本フリーマーケット、初めて出店者側に立ってみて、いろいろ勉強になることが多かった。いい年をしながら世間知らずであるとも言える。

グループで一つの出店としたので、値付けが難しかった。極端に言えば失敗。出納の簡素化のため一律200円とし、午後2時に売れ残ったものを100円とした。この値段の具体的根拠に基づいた合意がどこにもない。本の入手価格や、古本としての市場価格、各人の経済的要求、顧客がいくらぐらい払えるのかなど。もちろん、テストケースの出店であり、楽しみ半分の商売であるので、固いことを言ってもしょうがないのではあるが。

個人で出店すれば、自分の判断で自由な値付けが出来たはずだ。会社に勤務していた時に、同じようなことで悩んだのを思い出した。個人と、企業の価格設定への考え方は違って当然なのだが、自分の考えはたいてい修正されるので、オモシロクない。フリーランスになってからも、価格は自由に決められないことが多かった。

そもそも、古本のフリーマッケトは、純粋な商売と考えるのが間違っているとしておいたほうが精神衛生上は良い。今回はまだフリマのコミュニティに慣れていなかったが、わずかながら出店者と本の話をするのが、非常にためになり、なにより楽しかった。そこには商売を超えたものがある。同じ趣味を持つ知らぬ同士が、俗を離れた会話をすることが可能。これは、この世知辛い世の中での楽園のようなものだ。そう考えると、交通費を払い、出店料も払い、本はあまり売れず、昼食も外食で、赤字なのに他の本を買ってしまうのも悪くない。

右のはほぼ新品。三巻だけだがこれには総索引がついている、そうだ。

どこに価値を見出すか、によって同じ物事なのに辛かったり楽しかったりする。こんなことを考えさせてくれる、古本フリーマーケットだった。

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「高い城の男」(シーズン4)、10話のうち、9話まで観てしまった。このシーズンは完全に主役交代で、スミス元帥がパラレルワールドを股にかけて大活躍。しかもさっき観た第9話で、大どんでん返しがやってきた。これから、最終10話を観る。シーズン5もきっとあるだろう。こちらも楽しみだ。さて10話を……。

2019年11月17日日曜日

古本フリーマーケットは一度経験すると癖になりそうだ

雑司が谷・鬼子母神通りのイベント「みちくさ市」の古本フリーマーケットにALL REVIEWSサポートスタッフ有志(4人)の一員として参加した。

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私は30冊出品することにした。小さめのリュックに収まるようにしたが、背負ってみると重い。手には展示用のダンボール二つを折りたたんだものを持つ。割にコンパクトなので、電車(座れた)や、駅のトイレ(!)に持ち込んでも大丈夫だった。

10時に雑司が谷駅着。本部に行ってみた。一人で行くのは初めてで、案の定一回道に迷った。本部で参加料2000円を払い、出店者証をもらう。出店場所は本部(ある古本屋さんの出店するガレージ)のなか、机半分と椅子一脚が用意されていて、他の店(道端でなにもない)より、優遇されていた。早くに申し込んでくれたNさんのおかげ。ガレージのそばにお住まいの猫も挨拶に出てきた。如才ない……。
ブログ掲載の許可は本人(本猫)に直接得ました。


自分の本を並べ始めたら、Nさん、Sさん、Kさんもやってくる。全部で本は100冊。価格は相談して一律に200円とした。(実は私の駄本は200円では高いし、他の方の本は200円ではちと安い。)

売ると同時に、ALL REVIEWSのチラシも配布する。外を歩く人や、第2本部や他の出店者にも配る。出店者のかたは、ALL REVIEWSを知ってます、サイトを見ています、Twitterもフォローしてます、という方が半数くらい。

本の売れ行きはあまり良くない。特に私の本。昼前に『テルマエ・ロマエ』(6冊セット)を買い上げてくれた方がいて、助かった。もっとも、後でとりに来ると、預けて買い物にいらっしゃって、なかなか戻らないので、値引きしようと考えた時に困った。幸い、値引き時間の5分前にいらっしゃったので胸をなでおろす。我ながら、気が小さい。

昼食は二人ずつ行く。Nさんと2軒先のレトロな中華料理屋へ。昭和時代のようなワンタン麺を食べたが、懐かしく旨い。

結局、30冊のうち、11冊売れて、売上は1700円。交通費と昼食代でとんとん。でも、他の出店者の本も2冊400円で買ったので少し赤字。でも一日楽しんだので良かった。この古本市に来ている人は、お客さんも出店者もみな本を愛する人ばかり、その証拠に本の背中を見る目尻がみな下がっている。たくさん買おうとする人は、嬉しさで興奮している。

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昼間は姿をくらましたが(多分寝ていたのだろう)、夕方また挨拶に来た猫どのと別れて、帰途につく。売れ残った本は池袋駅前の古本屋さんで買い上げてもらった。Nさんは高額だったが、私のは310円。身軽になったので良しとする。
(追記。古本屋さんの名前は「古書往来座」。入り口にタイプライターと黒電話が置いてあって思わず買いそうになったが思いとどまった。余分な金を持っていたら危なかった。)

喫茶店で反省会のあと、地下鉄で帰路につく。捨てる機会のなかったダンボールが邪魔。Nさんのように靴箱にすれば良かった(ToT)

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足腰は疲れたが、オモシロイ一日だった。また、出店してみたい。どんな本が売れるかはまだわからないが、推理し、そして売れたときのワクワク感がたまらない。アドレナリンだかドーパミンだかが出るようだ。

2019年11月16日土曜日

『時間』(吉田健一)も『高い城の男』も、キーワードは時間。

『時間』(吉田健一 1976年 新潮社)を読んで見る。Twitterである方に教わったように、「プルウスト」の影響を受けている。数カ所に、言及がある。

たとえば、187頁。「併しプルウストは過去と現在の區別を固執して現在の前にあつたことは過去と見做してゐるから同じ五官の反應が過去と現在に共通であることで過去でも現在でもない時間が得られるという風に考えてゐる。そしてその區別だけ餘計であるがかうして忘却の後にそのうちから再現した狀況がまだ進行中の狀況では意識の働きが決定してゐなくて不確かであるのに對してさうした條件の下での夾雑物が全くないその狀況であるとすることは間違つてゐない。そこにはただ一つの時間の經過、持續があるだけである。」

時間は失われるのでなく、経過し、持続する。失われないので、時間は行きつ戻りつする。と考えて良いのだろう。そこは最新の時間論と同じなのかも知れない。

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こんなことをぼんやり考えながら、今朝までに届いたメールをチェックしていたら、『高い城の男』のシーズン4の視聴が可能になった旨の知らせが目に止まった。ここしばらく、待ちわびていたので、すべてを(大げさ!)捨てて、Amazonプライム・ビデオで観ることにした。



明日の(みちくさ古本市)の準備や、訪ねてきた息子の応対をそこそこにして、なんとか3話まで観た。

ますます、話は混沌としてきた。P. K. ディックもびっくりするだろう。

ナチス・ドイツ、日本帝国、占領された米国内のレジスタンス、ついに黒人共産主義勢力も登場し、過去と未来もいりまじり、パラレルワールドの描写もある。シーズン3まで観ていた私でも、ときどき混乱する。そこがオモシロイというべきなのだろう。10話まであるが、数日で観てしまいそう。

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明日出品する本のリストを作った。


2019年11月15日金曜日

『失われた時を求めて』と『夢の操縦法』、そして『パリ左岸』は無関係ではない。

『夢の操縦法』(エルヴェ・ド・サン=ドニ侯爵 立木鷹志訳 2012年 国書刊行会)を昨夜、下読み、つまり目次・冒頭・訳者の解説を読んでから、寝た。この本の主題は「夢の心理学」、明晰夢をいかに見るか、あるいは著者が見たか。

感化されやすい私は、すぐ明晰夢を見た。米国出張でゴルフを顧客とやるが、あまりにも下手なので皆に辟易され、自分でゴルフなどやりたくないと思い切って言い出す。

これだけで、この本を読む目的は達したと行ってもいい。でももっと読んで見る、もちろん。

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朝食の林檎は「北斗」。青森産。とにかく大きいのを買ってきたが、ミツがたっぷり。甘い。


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『パリ左岸』(アニエス・ポワリエ 木下哲夫訳 2019年 白水社)。ALL REVIEWS友の会のイベントで、著者の話を聞く機会があった。当然のように、この本を読みたくなったが、図書館には蔵書がなかった。そこで、一ヶ月前にリクエストを出した。タイミングが良い、つまり本が出たばかりで、どこの図書館にもなかったので、購入してもらえた。

ワクワクしながら、読み始めた。例によって、「訳者あとがき」から読み始めた。情報満載。とくに、参考のビデオが紹介されていて、それも少し見た。

ポワリエさんがパリのシェークスピア書店でやった、『Left Bank』の読書イベント。視聴回数は879回、それほど多くない……。
https://www.youtube.com/watch?v=msdjuu4BXZY&t=164s

比較のため、ALL REVIEWSのnote記事「【特別対談】アニエス・ポワリエ×鹿島茂 『パリ左岸 1940-50年』を語る」は、ここ。(ビデオではない。)
https://note.mu/allreviewsjp/n/n0bbfbe453f69

ジャック・ジョジャール(ナチスからルーブルの美術品を守った人物。)のドキュメンタリー映画の予告編
https://www.youtube.com/watch?v=MHtrGGH65Lc
(本に書かれたアドレスは今無効になっている。)

ホテル・ルイジアーヌの映画の予告編。
https://www.youtube.com/watch?v=n1LNaxjtcho

これらを見ているうちに、なぜか「去年マリエンバードで」のビデオも見てしまった。今年、4Kで作り直して、いま公開中らしい。
https://www.youtube.com/watch?v=ZuLUttPCfXQ

明晰夢のような映画。

1960年代の後半は、フランス映画が好きで、いろいろ見ていた。『パリ左岸』はこの時代以前を描いているが、「第3の道」と言う若者の絶対的な自由の末路がこんな映画にも現れていた。それを無意識ながら感じ取っていて、この手の映画が好きになったのだろうと思う。

同じ自由を夢見た学生運動も1970年後半には、フランスでも日本でも衰えていった。ただし、衰え方には相違がある。

2019年11月14日木曜日

世間を無視したい研究者にも時代(1933年)の荒波は押し寄せる(『量子の海 ディラックの深淵』)

11月9日の高遠弘美・鹿島茂両先生の対談「『失われた時を求めて』を読む」のYouTubeビデオ(ALL REVIEWS友の会会員以外にも一般公開中)は、今日も視聴数を伸ばし、800回を超えた。一時間半のビデオだが、内容が濃いので飽きずに観られるからだろう。

ビデオへのリンク。

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夕方、また図書館に行き、新たに三冊借りた。
『夢の操縦法』は上記ビデオで紹介があったから。
『パリ左岸』は前回の月刊ALL REVIEWSの課題本。リクエストして新たに図書館で買ってもらった。一ヶ月かかったが。
『たゆたえども沈まず』は以前から読みたかった本。
これで今夜も眠れない。

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『量子の海 ディラックの深淵』をまた、続けて読む。やっと半分を超えた。
263頁。1932年。コッククロフトとウィルトンによる原子核破壊実験。E = mc^2が実証されてアインシュタインは喜んだ。
ディラックはこのころルーカス教授職へ推薦された。ニュートンに次ぐ年少の抜擢。
266頁。このあとのディラックの年収は、現在に直すと25万6千ポンド。レート130円とすると3000万円を超える。妹の大学の学費を4年分出してやってくれとの、母親の願いもかなえてあげた。ちょっと優しくなったわけだ。
7月末。パサデナでアンダーソンが霧箱で宇宙線由来の陽電子を発見したようだ、サイエンス誌に記事がのる。
274頁。キャベンディッシュ研でブラケットが宇宙線の霧箱撮影を「自動化」する。感に頼らなくても観測ができる。
でも、ディラックは実験にはあまり興味がない。このころの関心の対象は「ラグランジュ力学」。やはり、古典力学手法を量子力学に対応させたい。
276頁。ヒトラーの台頭、F. D. ルーズベルトの当選。にはさすがに関心を示す。
278頁。1933年1月。陽電子の存在は確実になった。一方ヒトラーが首相になり、アインシュタインは亡命する。
280頁。ディラックはフランス語とドイツ語ができた。フランス語を父親の専制への反発で喋らなくなり、今度はヒトラーへの反感でドイツ語会話をも捨てた。

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庶民の魚、98円のサンマを図書館の帰りに買い、焼き立てを食べる。旨い。

2019年11月13日水曜日

『書架記』に限って言えば吉田健一はプルーストを評価していると思う

高遠・鹿島両先生対談ビデオの余韻はまだ続く。



(1)図書館で、『神曲 地獄編』(寿岳文章訳)を借りてきた。どこが高遠先生のお気にいったのかを推測するのが楽しみ。

(2)『七世竹本住大夫 限りなき藝の道』も借りてきた。本当は購入したいところだが、手元不如意に付き。

(3)『書架記』(吉田健一 1982年 中公文庫)のうち、「プルウストの小説」を読む。最後から、三番目の文章、「本は繰り返して読めるように書くものであり、兎に角プルウストはそれが出来る…」を読むと、吉田健一はプルーストを評価していたと思える。鹿島先生のおっしゃった、吉田健一はプルーストを評価していなかった、というご意見の裏付けも探してみたいので、もっと吉田健一を読み込まないと…。

(4)最後のほうで、スティーブンソンが少しだけ言及されたが、これはこの本を読まないといけなさそうだ。『乳いろの花の庭から』(ふらんす堂)。

(4)ビデオ視聴回数は700回を超えた。昨日のメールレターやTweetの効果があったと信じたい。

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『量子の海…』は、貸し出し期限がせまったので、もう一度借り直した。
234頁。C. P. スノーの自伝小説『探求(The Search)』にディラックが登場する。ラザフォード研究所の内幕の暴露とともに。
236頁。父母の離婚の危機に、困惑。何も手を打たないが。
237頁。磁気単極子の理論。
246頁。1931年7月。父母は離婚に踏み切ろうとした。こんな愛のない家庭に育ったディラックが可愛そうだ。
248頁。サバティカルで、プリンストンに向かう。リヴァプールを7月31日に発つ。家族をほっておいて?プリンストンでの生活は優雅だった。
252頁。アンダーソンが宇宙線の霧箱実験で、陽電子らしきものを捉えた。

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寒い一日。本来なら閉じこもって読書するところだが、Jの仰せ付けにより花の苗の買い出しのドラーバーを務める。ホームセンターを二箇所回った。

2019年11月12日火曜日

『失われた時を求めて』の周りのことを調べるのは楽しすぎる、やめられない!おわらない!

高遠・鹿島両先生対談ビデオをとりあえず、観おわった。

今日の気付き事項。
(1)高遠先生の好きな文学者の一人が、寿岳文章。なかでもダンテの『神曲』の序文がお気に入り、とのことなので、興味がわき、『神曲:地獄編』(集英社)を図書館で予約した。
ここは、参考サイト。
https://koujitsuan.kyoto/%E2%80%8Efamily/bunshou

(2)(よく聞き取れなかったのだが、少し探して、)ジュール・バルベー・ドールヴィイの『悪魔のような女たち』が鹿島先生により参考書として紹介されていた。書評はここ。
https://allreviews.jp/review/1654

(3)夢と現実がないまぜのプルースト文学に関する参考書。『夢の操縦法』(エルヴェ・ド・サン=ドニ)。
https://allreviews.jp/review/748
図書館で予約。

(4)ビデオ内容とは無関係ながら、トーマス・マンは『失われた時を求めて』を読んでいたのか、が気になり、日記にあたってみた。
1937年年末(12月31日)、1938年年始(1月11日)の日記に「Swann's Way」を寝床で読んだと言う記述がある。面白かったのか、具合が悪かったのか、睡眠薬を服用して寝る合間だ。スイスに半分亡命した状態で滞在していただろうから、疲れているのは無理ない。むしろ、『ワイマルのロッテ』を書きながら、息抜きで読んでいたのだろう。「Swann’s Way」は英訳本なのだろうか、まだしらべがつかない。

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週刊ALL REVIEWSメールレター最新版がさっき出た。今回の巻頭言は私担当で、当然ながら、上記対談ビデオの話題で書いた。

ビデオは一般公開してあるが、現在視聴回数は666回。ALL REVIEWSとしては記録破りではないか。このメールレターで、もっと増えることを望みたい。


2019年11月11日月曜日

50年前からプルーストは読みたくて読めなかった、しかし失われた50年ではない

高遠先生と鹿島先生の『失われた時を求めて』対談の衝撃はすごい。今日も続いている。
(YouTubeビデオの人気は衰えず、500回以上観られている。)

手持ちの関連資料を漁ってみた。『増補決定版 現代日本文學全集 梶井基次郎・三好達治・堀辰雄集』(1973年 筑摩書房)には、「プルウスト雜記」(1932年)と神西清の解説文が載っている。前者を読んで、プルウストという人がいて、すごい小説を書いたのだなと学生の私は初めて知った。神西清は堀辰雄は「フローラ型」の作家だと言っているのだが、なんのことかはよくわからなかった。後に、堀辰雄の「フローラとフォーナ」(1933年)という文章を読んで少し納得した。



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『世界文學体系52 プルースト』(1960年 筑摩書房)はその後に、古本で手に入れた。淀野隆三と井上究一郎訳の「スワン家のほうへ」を読み始めたが、途中でストップして以来40年ほど挫折状態。今回の高遠先生訳でやっと軌道に乗った。もう落ちたくない。閑話休題。

この本の月報に「(プルースト)研究書目・参考文献」(2頁)がついているのに初めて気づいた。一番目の項目に重徳泗水の[「彼女の眠り」(《明星》4月 大12)]が載っている。高遠先生に教えていただいたことが、実際に載っていたのでわけもなくうれしい。




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週刊ALL REVIEWS、メールレターの巻頭言を書いた。『収容所のプルースト』の話題にも触れた。明日の夜9時に発刊。まだの方は、無料購読の手続きをしてください。購読手続きはこの(PC)画面の右上にあります。


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追記
夜9時のNHKニュースで、「AIでくずし字を解読」という報道をみた。素晴らしい。体験してみたい。未発掘の資料がぞくぞくと出て、そして誰でも読めるようになるといい。

追記その2
ビデオに出てくる、『プルウスト随筆』(堀田周一 訳 1930年 森彩雲堂)も国会図書館デジタルコレクションにあるがインターネット非公開(ToT)