2020年8月30日日曜日

山陽は結局都会人になれ(なら)なかったし、荷風は下町っ子にあこがれたがなれなかった

今朝のリンゴ。「きおう」青森産。爽やかな味。


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『頼山陽とその時代』、とにかく今日で一回読み終えたことにする。

546頁。
『日本政記』、歴代天皇の事蹟。(『日本外史』は武家)

556頁。
『日本楽府』、『政記』の副産物。絶・律だけでない古体の詩。しかも即時・風景のみの当時の詩の材料とは異なる。

567頁。
『新策』と『通議』。政治経済論。

575頁。
『詩鈔』と『遺稿』。死を間近にして『詩鈔』の出版に心を砕く。

612頁。
『書後題跋』。批評家山陽の面目躍如。

641頁。
略年譜。

645頁。
頼家系図。

そのあと、索引。

奥付に押された「ns」の検印の朱が鮮やかだ。



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『荷風と東京 『断腸亭日常』私註』を、読み進める。

77頁付近。
荷風は、現在の目ではなく過去の目で東京をみていたらしい。明治の目ではなく江戸の目で、たとえば隅田川を見る。そこには実際にはない風景を見ようとする。そして『濹東綺譚』が生まれる。

79頁。
悲しいかな、でもやはり、荷風は下町の子にはなりきれない。大正9年、数年住んだ築地から、麻布市兵衛町に引っ越す。

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