2020年8月23日日曜日

頼山陽の叔父である頼杏坪という方も面白い人だ

今日はマンションの理事会があり、『頼山陽とその時代』の読書の時間がとれなかった。
そのかわりに、『草枕』の一節、温泉宿の老人と和尚の対話を思い出す。


「これが春水の替え蓋」と老人は綸子で張った薄い蓋を見せる。 

上に春水の字で七言絶句が書いてある。

「なるほど。春水はようかく。ようかくが、書は杏坪の方が上手じゃて」

「やはり杏坪の方がいいかな」 

「山陽が一番まずいようだ。どうも才子肌で俗気があって、いっこう面白うない」

「ハハハハ。和尚さんは、山陽が嫌いだから、今日は山陽の幅を懸け替えて置いた」


『草枕』は好きな作品で、いままで何度も読み返しているが、この部分に大きな注意を払ったことはない。でも、頭の片隅に山陽というキーワードで残っていたのだろう。今回『頼山陽とその時代』をマジメに読んでいたら、ここを思い出した。頭の中の「索引」はよく出来ていると感嘆。

叔父の頼杏坪は、父親の春水より、山陽に「影響」を与えたと中村真一郎先生はおっしゃっているのだが……このあたりをゆるやかに追求するのは面白そうだ。


これを国会図書館DLで見つけたが……読むべきか?

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991723


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