2021年6月25日金曜日

「埋もれた書評探し」はオモシロイ

まず、ここを読んだ。

https://allreviews.jp/about/

「オール・レビューズ」は、「原理的」には、明治以来活字メディアに発表されたすべての書評を閲覧可能にする書評アーカイブの構築を目指します。願わくは、「オール・レビューズ」を介して、より多くの読者が叡知の宝庫にアクセスされんことを!

 ここに書かれたことを「原理的」のレベルから、「なんとか」できそうなレベルにまで変更したいと思う。

そこに立ちはだかるのは、「著作権」の壁であり、経済性の壁である。この壁を打ち破るのではなく、法をおかさずにしかも見事に軽やかに迂回したい。専門家でない一般読者の立場で出来ることは実は非常に多彩である。それらを十分に活用していく。

書評を読む意味はなにか。

(1)読むべき本を知る。

(2)読むべき本の価値を知る。

(3)本と書評の存在する世界の文化を知る。

 *

世界とは「本」と「読者」から構成される集合体である。世界に含まれるすべての事物は「本」に投影されており、もっと言うと「本」のなかに存在している。

「本」とは、現在書店に満ち溢れているものだけではない。過去から現在にいたるすべての「書庫」に存在したものを含む。そのなかには今となっては実際に読むことのできない、その存在だけが言い伝えられている本も含む。われわれ「読者」は、そのすべてを読みたいと思い、そのすべてにアクセスする権利と方法を、この世界の始めから保有している。これは本と読者の宿命であり、すべての「本」を読むことは難易度は違うが必ずできる。

この真理のもとに、読者は「本」を読み、結果として楽しみ、ときには苦しみを獲得する。

急激に話を絞る。ALL REVIEWSの書評のジャンルは、以下のようである。ALL REVIEWSから転載。

「ジャンル一覧:文学・評論人文・思想社会・政治ノンフィクション歴史・地理ビジネス・経済投資・金融・会社経営・科学・テクノロジー医学・薬学・看護学・歯科学その他」

私は「科学・テクノロジー」分野に(も)興味を持っているが、ALL REVIEWSでは私が数えたところ現在112編の書評がWebで読める。

この分野の書評の数が少ない。少なすぎる。「科学」分野の書評はもっと読みたい。文句だけ言っていても仕方ないので、「自分で」科学書の書評を探すことにした。そもそも「科学・テクノロジー」分野の書評そのものはどのくらい存在するのか。どんな人が書いているのか。これは自分で数えないといけないのだろうか。おもしろそうなフィールドワークなので考えてみる。

とりあえず、思いつくのは以下の方々の書評。

新しいところでは

(1)須藤靖さん(現在朝日新聞で書評を書いておられる)
(2)海部宣男さん(残念ながら物故されたが、毎日新聞で丸谷イズムの書評家集団におられた)

この方たちの書評はこれらのサイトでチェック出来る。と書いてから(おいおい)、探してみたらにわかには見つからない。地道に探さないとだめなのか。明日探す。(孫と遊ぶ方が優先だが、空き時間に……)

古くは、まずすぐに思いつくのがこの二人。

(1)寺田寅彦
(2)中谷宇吉郎

寺田寅彦の書評はとりあえず「全集」(岩波書店)で調べる。とほんの少しだけだ。これも地道な作業が必要。

中谷宇吉郎さんのは最初から「地道」に調べた。

国会図書館デジタル・アーカイブで調べると例えば次の本(『科学小論集』、『日本の科学』)に掲載されている。


https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1871398

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1246542

これらは、書評の域を超えている。専門性の意味で。

https://www.aozora.gr.jp/cards/001569/card57860.html

こちらは書評というよりエッセイ。

https://www.aozora.gr.jp/cards/001569/card57274.html

そして、このあたりにも宝が眠っていた。雑誌『科学史研究』の書評記事連載。

https://dl.ndl.go.jp/search/searchResult?searchWordFulltext=%E6%9B%B8%E8%A9%95&featureCode=all&viewRestrictedList=0&fulltext=1&searchWord=%E6%9B%B8%E8%A9%95&facetOpenedNodeIds=1%3A01%7C4%3A14&filters=1%3A01%7C4%3A14

ここまで、「地道に」と言っていたのは無手勝流に「書評家名 書評」というキーワードでインターネット検索していたが、これでは21世紀が終わってしまうので、もっと頭を使わなくてはいけないのだろう。それがわかったのが今日の収穫。どう頭を使うかを自分なりに方法化し、コトバで記述しておきたい。

***

ついでに読んだ。(じつはこの「ついで」が楽しい、と言っていると怒られるが。)

子規の俳書年表には頭が下がり、涙が出る。

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/978849

獺祭書屋日記も。

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/978851


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