2022年2月1日火曜日

全力で仕事をするために全力で食べた池波正太郎の『銀座日記』は涙なしに読めない

 ALL REVIEWS友の会内の有志メンバーでアーシュラ・K・ル=グウィンの『 文体の舵をとれ』の練習問題の回答を書いてオンラインで合評会を行っていますが次回(2月)第2回のお題は以下の練習問題です皆様もいかがですかやってみるととても楽しいですよ合評会の司会はまわりもちにしようとしていますさきほど回答用フォームを作成してメンバーにアドレスをお知らせしたばかりです

〈練習問題②〉ジョゼ・サラマーゴのつもりで一段落~一ページ(三〇〇~七〇〇文字)で、句読点のない語りを執筆すること(段落などほかの区切りも使用禁止)。テーマ案:革命や事故現場、一日限定セールの開始直後といった緊迫・熱狂・混沌とした動きのさなかに身を投じている人たちの群衆描写。

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『池波正太郎の銀座日記(全)』を読み直していたが今回は途中で(気の毒になるるという理由で)投げ出さずに最後まで読んだ。精力的に書いていた池波正太郎は「職人」として鏤骨の文章を書くためのエネルギー源として食事にも大いに気を使った。その「食べる」ことも彼の文章の材料となっていた。うまずたゆまず前進した池波正太郎もそれがゆえに60歳を越すと心身の不調をこの作品中でも訴えるようになる。頑張りぬいたが、部屋の中でも頻繁に転ぶようになり、平成2年春に入院、急性白血病という診断だった。病の進行は早く5月3日午前3時になくなったという。享年67歳。この『銀座日記」はその貴重な記録である。粛然として読み終える。

執筆のためよく泊まり込んだ「山の上ホテル」の天ぷらが大好物だったし、これが食べられるかが健康のバロメーターだったようだ。

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こちらは、やっと普通に食べられるようになった。これからは(も?)根を詰めたシゴトや食事は避けるようにしよう。

https://www.ghibli.jp/works/porco/#frame


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