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2017年1月27日金曜日

盲目的な共産主義憎悪は危険とあの微温的なトーマス・マンも言っている

 「寛容」という言葉が大切であることは、学生時代に渡辺一夫先生に教えられた。著書で。

 ナチ・ドイツから亡命した先の米国から、また「亡命」をしなければならなかったトーマス・マン先生も

 「ヒステリックな、非合理的な、盲目の共産主義憎悪は危険を意味しており、この国共産主義よりもはるかに恐ろしい...早く正気に返らねば、よい結果を何一つ招きえないばかりか、最悪の事態に通じうる...」

と1951年4月に雑誌社の編集長との論争で述べている。(トーマス・マン全集別巻 728ページ 新潮社 1972年)

 同じ間違いををより広く深く繰り返していくのが人間の世界か?

 いや、一見無力に見える「寛容」の力を我々は信じていかなくてはいけない。歴史や政治を勉強するならここに気づかなくてはならないよ。クラウス・Jr君と思いながら、『Man of the World』の続きを読んでいきます。特に面白いことを見つけたら、またこのブログで報告します。

 今朝は「ディープネットワークを用いた大域特徴と局所特徴の学習による白黒写真の自動色付け」なる研究の成果を試してみた。

 要するに、昔の豪華客船の白黒写真をよりリアルにして見たいのです。手元の『世界の船 ’75』(83ページ 朝日新聞社)(白黒写真ばっかり!)のなかから、オリンピック号の写真をお借りして彩色してみました。なかなかいいです。もっとやってみます。


2017年1月19日木曜日

冬休みの宿題 読書感想文『ロマンの魔術師』(その2) 付録『戯作三昧』つき

 ルカーチの『ロマンの魔術師』を読み続ける。2番めの「太閤殿下」は読み飛ばす。1と論旨は同じかと。

 3番目の論文は「現代芸術の悲劇」で80ページ近い。長い。

78ページ。「トーマス・マンの発展のおよその足どりは、ゲーテのそれと興味ある並行性と、同時に対照性を見せている。」

 ゲーテはフランス革命を経験した、そしてマンはもちろんナチズムと連合国との抗争をそして共産主義の台頭も体験した。ルカーチはゲーテがその経験を活かして成長したのに対し、マンは体験を活かしきれず中途半端な状態を続けざるを得なかったと言っている。


 90ページ。「ヨゼフの教育とは、まさにこういう態度の克服なのである。」
 こういう態度とは、ドイツ国民にもある独善性のことと思う。そしてそれを「教育」するのは、ヨゼフに対してはエジプトなのだが、エジプト自体がその当時、健全な状態ではなく、「教育」は不十分に終わる。

 これは、亡命してきたマンに対する、米国の状態に通じるような気がした。ナチズムを倒し、日本を倒しても、共産主義の「脅威」をも倒すまでは、米国人は「教育」ができない。

 共産全体主義のソビエトを倒しても、他の共産主義国は残っているし、新たにISの「テロ集団」も倒さなければならない。米国はいつまでも、亡命民そして自国民の「教育」に苦慮する。が、これはあとの話だ。

 ともかく、論文執筆当時のルカーチにとってはトーマス・マンの態度は歯がゆいが、本人の状況を考えると同情の余地が十分ある、と考えたのではないか。
 このあと、4番目の論文は未完の小説「詐欺師フェーリクス・クルル」に関するものだが、ここでなんらかの思想的発展を、ルカーチが認めてくれるかが、興味深い。

(i読書を使用中のスクリーンショットです)


 ここまで読んで夜中になった。花粉症のかかりはじめで、体にアレルギー性の発疹がでていて、かゆい。眠れないので、導眠剤として、青空文庫を利用する。iOSのアプリで「青空文庫 i読書」というのがある。これで、「日替わりランダム100」という機能(上記のスクリーンショットご参考)を使って、なにか読むというのが今のお気に入り。

 今回は芥川の「戯作三昧」を推薦してきたので、読んでみた。滝沢馬琴が南総里見八犬伝を書いているときの挿話で、非常に面白いし、創作の醍醐味も伝わってくる。創作の苦しさもだが。
 八犬伝も読みたくなるが、我慢しないとここにもドロ沼が口を開けている。くわばらくわばら。

 よく寝られたので、今朝は花粉症の具合はかなり良い\(^o^)/