ALL REVIEWSのオシゴト。OCRをまた一件。今日も順調だ。
***
『僕の読書法(植草甚一スクラップブック6)』の索引カードへの情報追加作業(その2)
*
ぼくの原体験は英語を覚えたことだ
( 『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』 『広辞苑』 『ビッグ・スリープ』 ノリス・ジョーンズ 『野性の呼び声』 『黒猫』 『ジャングルの野獣』 「英文学叢書」 「子規全集」 『吾輩は猫である』 「ニューヨーク雑学展」)
「衰亡記」などの初版を買った思い出
( 『衰亡記』 海潮書房 『夕暮れの噂』 『失われた地平線』 『レーベル』 『太陽がいっぱいの島』 『アングロ・サクソンの態度』 『ギルバート・ピンフォードの試練』 「アルバトロス双書」 『ラブデイ氏の外出』 「英語研究」 『汚れた肉体』 『黒いいたずら』 『特種』 『私の弟イブリン』 『幸福の追求』 )
パラピン紙のことから「フリーク・アウト」的なものへ
( 三松堂 『フリッツ・ザ・キャット』 『グリム・リーファー』 「エヴォ」 )
*
こうやって見ると、ほとんど読んだことのない本ばかりだ。植草先生の読書量は凄い。
***
『サピエンス全史』を「月間ALL REVIEWS友の会」(6月29日)までに、買うかどうかを決めるために『『サピエンス全史』をどう読むか』を借りて読んでいるが、関連書籍まで読みたくなって困る。ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』や、テイヤール・ド・シャルダンの『現象としての人間』など。後者については学生時代に買って、結局読まなかった邦訳本をまだ持っている。50年近くたったので、もう読めるかと思うので、暇を見つけて読むことにする。『サピエンス全史』を買うかどうかはまだ未定。ともかくまだ図書館では36人待ち…。
***
友人が映画「ニューヨーク図書館」を観て、関連本の『未来をつくる図書館』を紹介してくれた。これも借りてきた。映画は後回しにして、まずこの本から読もう。
***
『あなたに似た人』(ロアルド・ダール 1987年 早川書房)の冒頭作「味」の結末を読む。先日読んだ電子書籍のお試し版の続き。あっという間に終わった。やはり、思ったとおりの結果。話としては皮肉なサスペンスにあふれているが、結末はやや寂しくはないか。
ともかくロアルド・ダールは注目したい作家だ。もっと読んでみよう。
2019年6月6日木曜日
2019年6月5日水曜日
OLD REVIEWS試作版第十九弾…星新一の父星一執筆のSF『三十年後』の真面目な自序
偶然、今日見つけたので、本文はしっかりとは読んでいないが、真面目な星一の書いた「SF」のような小説『三十年後』の自序。後藤新平の妻への敬意が示されている。
***
三十年後に題す
數年前の或る春宵後藤男爵其夫人及び佐野博󠄁士夫婦、鶴見法學士夫婦を携へて、卒然星製藥會社の店頭に現はれしが、男は彼方此方に陳列しある藥品を見ること久うして遂󠄂に一語を發せず、 店員は其後藤男なるを知らずして其擧動を訝かりしが、男は突然店員に對して星は多くの藥を製造しつゝあり、余は「馬鹿につける」藥あるやを知らんと欲すと云ふ、店員は此奇問に接して一時惶惑せしも直ちに答へて、其は目下研究中に屬すと云ひたりき、此事ありて後數日、男爵及其友人、一夕の宴を張りし時、男爵、席上、語るに此事を以てし星の門下に豪傑あり、余之がために敗を取りしと云ふ、同座の添田博士,近藤廉平男、加藤正義、杉山茂丸の諸君、手を拍て近來の快事なりとす、 當夜、余、席末にありて曰く彼の店員の如きは云ふに足らず、余の店内には彼に優るもの少からずと、同座の諸縉紳、此店員の快答を賞すべしとなし、彼に贈るに書籍代若干を以てしたる事ありたりき。
其後男解夫婦は市中散歩の時、駕を余が店頭に枉げらるゝ數々なりしが、夫人は三月廿四日俄然病床に就き、男爵最善の看護も效なく四月八日逐󠄁に長逝し、余が店頭には最早や此崇高なる夫人の姿を再び見る可らざるに至りぬ。
夫人が初めて病を得たるは昨冬にありしも、議會開會中此事を男爵に知らしめなば男爵の心を煩さんことを恐れて之を秘し、 議會の終るを待ちて之を告けて徐ろに靜養せん覺悟なりし事は其重態となりて始めて夫人の語りしところに依りて知らる、 此間すらも夫人は男爵と晩餐の席を共にするや、 服裝を更むる間には數囘休息せずんば堪へ難き程の疲勞あるにも拘らず、男爵の容に接するや屹然として起󠄁ち少しも怠容を示さゞりしと云ふに至りては、 其如何に意志を以て疾病に對抗し來りしかを見るべし。思ふに男爵夫人は一身を以て夫に捧げしものにして余は未だ斯の如く崇高にして克己力ありし婦人を見ず、嗚呼夫人は實に理想的夫人なりしと云ふべし。
余は過去十八年間夫人の眷愛を受くること深く、余の一身寸分の進歩あるや夫人は實に之を喜び、余また夫人の眷愛に激勵せられ、一日も速に事業を遂󠄂げて夫人を喜ばさんと欲したりき、 然るに今や余の事業、未だ成らずして夫人既に逝󠄁く、余が中心の悲嘆それ如何ぞや、
茲に謹んで此書を夫人の靈前に供し余が感恩の微衷を表示す。
余が此書を著すや、江見水蔭君を煩はせしこと極めて多し。茲に此事を書して深く同君の勞を謝す。
大正七年四月二十七日
星一識
***
出典 星一『三十年後』 大正7年 新報知社
国会図書館デジタルコレクション(下の画像も)
***
真面目な序文にひきかえ、SFのような著作。もちろん星新一もこれを読んでいたのだろう。
星一に関しては、『百魔』(杉山茂丸)、『星一とヘンリー・フオード』(京谷大助)、『努力と信念の世界人星一評伝』(大山恵佐)が、ある、と『明治・父・アメリカ』(星新一)のはじめに書かれている。これらの内容は、『明治・父・アメリカ』の題材となった。
『百魔』と『星一とヘンリー・フオード』は国会図書館デジタルコレクションですぐ読める。『努力と信念の世界人星一評伝』は図書館内限定。
***
Apple社の発表によれば、次のiOS13は私の持っている(息子のお下がりの)iPhone6Pをサポートしないらしい。そして、iPadのOSは独自OSとなるが、これも私の(息子のお下がりの)iPad Airをサポートしない(T_T)
来年車を手放すので、その余裕で新しいのを買えるかもしれないが、それまでは我慢かしら。Andoroidも選択肢に入れよう。
***
三十年後に題す
數年前の或る春宵後藤男爵其夫人及び佐野博󠄁士夫婦、鶴見法學士夫婦を携へて、卒然星製藥會社の店頭に現はれしが、男は彼方此方に陳列しある藥品を見ること久うして遂󠄂に一語を發せず、 店員は其後藤男なるを知らずして其擧動を訝かりしが、男は突然店員に對して星は多くの藥を製造しつゝあり、余は「馬鹿につける」藥あるやを知らんと欲すと云ふ、店員は此奇問に接して一時惶惑せしも直ちに答へて、其は目下研究中に屬すと云ひたりき、此事ありて後數日、男爵及其友人、一夕の宴を張りし時、男爵、席上、語るに此事を以てし星の門下に豪傑あり、余之がために敗を取りしと云ふ、同座の添田博士,近藤廉平男、加藤正義、杉山茂丸の諸君、手を拍て近來の快事なりとす、 當夜、余、席末にありて曰く彼の店員の如きは云ふに足らず、余の店内には彼に優るもの少からずと、同座の諸縉紳、此店員の快答を賞すべしとなし、彼に贈るに書籍代若干を以てしたる事ありたりき。
其後男解夫婦は市中散歩の時、駕を余が店頭に枉げらるゝ數々なりしが、夫人は三月廿四日俄然病床に就き、男爵最善の看護も效なく四月八日逐󠄁に長逝し、余が店頭には最早や此崇高なる夫人の姿を再び見る可らざるに至りぬ。
夫人が初めて病を得たるは昨冬にありしも、議會開會中此事を男爵に知らしめなば男爵の心を煩さんことを恐れて之を秘し、 議會の終るを待ちて之を告けて徐ろに靜養せん覺悟なりし事は其重態となりて始めて夫人の語りしところに依りて知らる、 此間すらも夫人は男爵と晩餐の席を共にするや、 服裝を更むる間には數囘休息せずんば堪へ難き程の疲勞あるにも拘らず、男爵の容に接するや屹然として起󠄁ち少しも怠容を示さゞりしと云ふに至りては、 其如何に意志を以て疾病に對抗し來りしかを見るべし。思ふに男爵夫人は一身を以て夫に捧げしものにして余は未だ斯の如く崇高にして克己力ありし婦人を見ず、嗚呼夫人は實に理想的夫人なりしと云ふべし。
余は過去十八年間夫人の眷愛を受くること深く、余の一身寸分の進歩あるや夫人は實に之を喜び、余また夫人の眷愛に激勵せられ、一日も速に事業を遂󠄂げて夫人を喜ばさんと欲したりき、 然るに今や余の事業、未だ成らずして夫人既に逝󠄁く、余が中心の悲嘆それ如何ぞや、
茲に謹んで此書を夫人の靈前に供し余が感恩の微衷を表示す。
余が此書を著すや、江見水蔭君を煩はせしこと極めて多し。茲に此事を書して深く同君の勞を謝す。
大正七年四月二十七日
星一識
***
出典 星一『三十年後』 大正7年 新報知社
国会図書館デジタルコレクション(下の画像も)
***
真面目な序文にひきかえ、SFのような著作。もちろん星新一もこれを読んでいたのだろう。
星一に関しては、『百魔』(杉山茂丸)、『星一とヘンリー・フオード』(京谷大助)、『努力と信念の世界人星一評伝』(大山恵佐)が、ある、と『明治・父・アメリカ』(星新一)のはじめに書かれている。これらの内容は、『明治・父・アメリカ』の題材となった。
『百魔』と『星一とヘンリー・フオード』は国会図書館デジタルコレクションですぐ読める。『努力と信念の世界人星一評伝』は図書館内限定。
***
Apple社の発表によれば、次のiOS13は私の持っている(息子のお下がりの)iPhone6Pをサポートしないらしい。そして、iPadのOSは独自OSとなるが、これも私の(息子のお下がりの)iPad Airをサポートしない(T_T)
来年車を手放すので、その余裕で新しいのを買えるかもしれないが、それまでは我慢かしら。Andoroidも選択肢に入れよう。
2019年6月4日火曜日
もう少し作業が進むと植草さんのコレット評もよめるぞ
ALL REVIEWSのオシゴト。OCRを一件。順調だ。
***
27インチ液晶ディスプレイのスタンドを、もともと付属の簡素なものに戻す。回転や上下動は出来ないが、コンパクトなので机の上が少し広くなる。ところで、この27インチ液晶は大きすぎるかと当初思ったが、老眼のすすんだ今では、手放せない。そして、校正などの仕事では複数ウィンドウをそれぞれ大きく映したいので、重宝している。今度は、テレビ用の39インチディスプレイも使ってみようと思っている。
***
『僕の読書法(植草甚一スクラップブック6)』の索引カードへの情報追加作業
*
わが道はすべて古本屋に通ず
(丸善支店 武内 南洋堂 三省堂 彰文堂 『遠いロンドンから』 ヒル店 『隠された頭』 大倉 一誠堂 『大いなる絶縁』 『文学と道徳』 松村 原 南海堂 島崎 書泉 進省堂 『鯨の内部』 『ヨギとコミサール』 長島 崇文荘 『人質』 巌松堂 『プラーター・ヴァイオレット』 『パリの陥落』 東書房 「ラドリオ(喫茶店)」)
(有文堂 『ミルトンへの妻』 山手書房 「ホリデイ」 一寒堂 「シアターアーツ」 「エラリイ・クイーン探偵雑誌」 「ポケット・ブック」 「シグネット・ブック」 『深紅の平原』 網野 永和堂 高橋文具店 『若き獅子たち』 フランソワ喫茶店 国際書店 「サミュエル・フレンチ戲曲雑誌」 誠和堂 「困惑と逆説」 博文堂 『彼女自身も驚いた』 立正堂 文光堂 山陽堂 勉強堂 文海堂 天保堂 鳩書房 有隣堂 江川書店)
本の話だとすぐ古本屋歩きのことになる
(ユッカ喫茶店 イエナ洋書店 「東京古書即売展目録」 『死刑宣告』 『月下の一群』『壁』『燃えつきた地図』「アート・シアター」)
…
本はどのように読むか
(『蚊とんぼスミス』 『飢え』 『土のめぐみ』 『野性の呼び声』 「タイム」 「ニューズウィーク」 「ニューヨーカー」 「ニューヨーク・レヴュー」 「アトランティック」 「ハーパーズ・マガジン」)
*
まだまだあるぞ!
***
先日見た映画「コレット」の影響で、『青い麦』を読みかえしたくなった。どこかから探し出す予定だが、フランス語のペーパーバックが出てきた。以前、アヴィニョンの古本店の均一本で見つけたもの。読めないが、一ページ目をOCRにかけて、Macに乗せて、辞書を引きながら読む。
うむむ。やはり堀口訳を探し出したい。
***
今日も夕焼けがきれいだった。
夕食はありあわせの「加賀太きゅうり」と豚ひき肉団子のスープ煮にした。さっぱりして美味しい。
***
27インチ液晶ディスプレイのスタンドを、もともと付属の簡素なものに戻す。回転や上下動は出来ないが、コンパクトなので机の上が少し広くなる。ところで、この27インチ液晶は大きすぎるかと当初思ったが、老眼のすすんだ今では、手放せない。そして、校正などの仕事では複数ウィンドウをそれぞれ大きく映したいので、重宝している。今度は、テレビ用の39インチディスプレイも使ってみようと思っている。
***
『僕の読書法(植草甚一スクラップブック6)』の索引カードへの情報追加作業
*
わが道はすべて古本屋に通ず
(丸善支店 武内 南洋堂 三省堂 彰文堂 『遠いロンドンから』 ヒル店 『隠された頭』 大倉 一誠堂 『大いなる絶縁』 『文学と道徳』 松村 原 南海堂 島崎 書泉 進省堂 『鯨の内部』 『ヨギとコミサール』 長島 崇文荘 『人質』 巌松堂 『プラーター・ヴァイオレット』 『パリの陥落』 東書房 「ラドリオ(喫茶店)」)
(有文堂 『ミルトンへの妻』 山手書房 「ホリデイ」 一寒堂 「シアターアーツ」 「エラリイ・クイーン探偵雑誌」 「ポケット・ブック」 「シグネット・ブック」 『深紅の平原』 網野 永和堂 高橋文具店 『若き獅子たち』 フランソワ喫茶店 国際書店 「サミュエル・フレンチ戲曲雑誌」 誠和堂 「困惑と逆説」 博文堂 『彼女自身も驚いた』 立正堂 文光堂 山陽堂 勉強堂 文海堂 天保堂 鳩書房 有隣堂 江川書店)
本の話だとすぐ古本屋歩きのことになる
(ユッカ喫茶店 イエナ洋書店 「東京古書即売展目録」 『死刑宣告』 『月下の一群』『壁』『燃えつきた地図』「アート・シアター」)
…
本はどのように読むか
(『蚊とんぼスミス』 『飢え』 『土のめぐみ』 『野性の呼び声』 「タイム」 「ニューズウィーク」 「ニューヨーカー」 「ニューヨーク・レヴュー」 「アトランティック」 「ハーパーズ・マガジン」)
*
まだまだあるぞ!
***
先日見た映画「コレット」の影響で、『青い麦』を読みかえしたくなった。どこかから探し出す予定だが、フランス語のペーパーバックが出てきた。以前、アヴィニョンの古本店の均一本で見つけたもの。読めないが、一ページ目をOCRにかけて、Macに乗せて、辞書を引きながら読む。
うむむ。やはり堀口訳を探し出したい。
***
今日も夕焼けがきれいだった。
夕食はありあわせの「加賀太きゅうり」と豚ひき肉団子のスープ煮にした。さっぱりして美味しい。
2019年6月3日月曜日
「本が好きになるコツは本の好きな友達をつくること」←『ぼくの読書法(植草甚一スクラップ・ブック6)』より
この本には心にしみる文章が多い。何度も読み返していると、逆にここに書かれたことを無意識になぞって生活しているような気がしてくる。
冒頭のインタビュー記事は、1973年9月25日朝日新聞に掲載された。インタビューアーは森本哲郎さん。最後のキメ台詞が、「本が好きになるコツは本の好きな友達をつくること」だ。
巻末の解説で、佐伯彰一さんが書いている通り、植草さんのは文章だけでなく、題名が秀逸。いつもまねしようと考えているが、うまくいかない。簡単に書いているようで、実はヘミングウェイのように、熟考を重ねて推敲されている。遅筆だったそうだ。月にペラ(200字詰め原稿用紙のこと、このコトバも知らない人が多くなった)400枚は書かないと生きていけないとおっしゃって、徹夜(して朝寝)を続けておられたようだが、最後の心筋梗塞はこの影響ではなかったのか。
そんな仕事の合間に「三日間だけ神保町のそばのホテルに泊りたい」と夢想したと、「本の話だとすぐ古本屋歩きのことになる」の最初に書いてある。私もこれをやってみるのが夢となった。いつになったらできるだろう。「夢」はできるだけ口にだすのが実現の早道だそうだから、ここにも書いておく。生活費を削って、貯金をして実現させてみたい。山の上ホテルが理想だが、他でもいい。
索引カードを作った。中身の文章の性格上、引用されている本の名前と書店の名前もここに追加しておきたい。たくさんあるので、これはすこしずつやっていく。
***
『ぼくの読書法(植草甚一スクラップ・ブック6)』の索引カード
***
ぼくの読書法(植草甚一スクラップ・ブック6)
著 植草甚一
税込価格823 円
読書のたのしみ
(『僧正殺人事件』)
1 洋書捜しと古本屋
わが道はすべて古本屋に通ず
(丸善支店 武内 南洋堂 三省堂 彰文堂 『遠いロンドンから』 ヒル店 『隠された頭』 大倉 一誠堂 『大いなる絶縁』 『文学と道徳』 松村 原 南海堂 島崎 書泉 進省堂 『鯨の内部』 『ヨギとコミサール』 長島 崇文荘 『人質』 巌松堂 『プラーター・ヴァイオレット』 『パリの陥落』 東書房 「ラドリオ(喫茶店)」)
本の話だとすぐ古本屋歩きのことになる
本はどのように買うか
本はどのように読むか
ぼくの原体験は英語を覚えたことだ
「衰亡記」などの初版を買った思い出
パラピン紙のことから「フリーク・アウト」的なものへ
アメリカ雑誌について書いたこと
ペンギン・ブックス三十五年の歩み
ベストセラー談義
2 おかしな本、おかしな人々
コレットとモナ・リザとエリア・カザンの話
おかしな世界には、おかしな人物がいつでも登場する
行動派のサリートレンチと幻想派のメアリー・ブキャナンの話
外部と内部との接触
翻訳や書き下しのこんな本を読んだ
3 本から世界を見ると
クーデターがやりたければ誰にだってできるというので読んでみた
本や雑誌の記事から見ると
4 文学に何が起ったか
ゴシック・ロマンの世界
ヨーロッパの文学を斜めに読んでみよう
「幸福の追求」という小説には惚れてしまった
文学世界になにが起ったか
解説 書物愛のダンディズム 佐伯彰一
***
ALL REVIEWSのオシゴト記録。OCR一件。
***
2019年6月2日日曜日
『ぼくの東京案内(植草甚一スクラップ・ブック19)』の索引カード
ぼくの東京案内(植草甚一スクラップ・ブック19)
著 植草甚一
税込価格823 円
目次
大正式散歩と昭和式散歩
1 いまの東京
経堂から新宿への繁華街を歩くとき
あるショッピングセンターで
新宿・ジャズ・若者
幻想の新宿散歩
新宿のソウル!
ブティックをのぞく一人の男
六本木界隈と新宿界隈
土曜の銀座と少女たち
バスと陸橋
わが日録
2 むかしの東京
ぼくはもう昔の東京を思い出すことはやめる
まず簡単に白己紹介をしておきますと……
思い出す新しがり屋のぜいたく
人形町を哀惜する人今やなし
カチューシャのドンドン焼き
昔の魚河岸のアズキアイス
池波正太郎の「食卓の情景」を読んで
小網町の路地のベイごま遊び
そのときの姉の声今も
ぼくの最初のコラージュ
四十六年まえに電車のなかで
谷譲次と「めりけんじゃっぷ」の群像
ぼくの教育放浪記
ぼくの大学
銀座の夜店と郵便切手
築地小劇場の頃などを思い出しながら
雑学でサラリーをもらっていた男
「春の調べ」で強く印象に残っているのは……
なぜぼくは東宝社員に採用されたか
3 ぼくの親しい友人たち
ぼくの交遊録
高橋邦太郎 狩野近雄 飯島正 丸木砂士 和田誠 丸山明宏 五木寛之 マッド・アマノ ポール・ウィリアムズ 麗門堂 ミッキー・カーチス ビリー・バンクス サイモン・モズレー 杉浦良三 渡辺貞夫
池波正太郎の二冊の本
『にっぽん怪盜伝』 『鬼平犯科帳』
池田満寿夫とぼく
五木寛之のよくスイングする文章
解説 自由人の原形 木島始
外部リンク
国立国会図書館サーチによる書誌
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007641880-00
カーリルで開く
***
ALL REVIEWSボランティアのオシゴトは、OCR一件。しばらく、一日一件くらいのペースで進めてみたい。あきたら、ストップする。
2019年6月1日土曜日
昭和酒場研究会出席後、ジョン・ウィルキンズを知る
昭和酒場研究会、あざみ野のすしや「タフ」にて開催。5名参加した。I田さんは欠席した(入院または回復が長引いているのだろう)。ここで御大に披露いただいた「オオミズアオ」の写真が素晴らしい。ご自分で撮影されたもの。
彼は、「かぶとむしマスター」にも認定されている。四国の山荘は昆虫の宝庫らしい。
***
植草甚一スクラップ・ブックの索引作りは今日はお休み。索引カードの内容の追加も考えなくてはならない。ということで、高山宏さんの『近代文化史入門』を読み返してみる。そこで、ジョン・ウィルキンズの名を知る。王立協会の実質初代総裁で、二進法表記で物を書く方向を推進しようとした。ライプニッツと同時代人だそうだ。コンピュータの歴史を学ぶ者はジョン・ウィルキンズを知るべきだと学魔はおっしゃる。だれも知らないのはけしからぬことであるらしい。
調べてみたいが、著作の翻訳がほとんどない。このサイトは貴重な一部翻訳が掲載されている。
写真版ならInternet Archiveにいくつか見つかった。古いもので読みにくい。デジタル化されたものを見つけたい。
彼は、「かぶとむしマスター」にも認定されている。四国の山荘は昆虫の宝庫らしい。
***
植草甚一スクラップ・ブックの索引作りは今日はお休み。索引カードの内容の追加も考えなくてはならない。ということで、高山宏さんの『近代文化史入門』を読み返してみる。そこで、ジョン・ウィルキンズの名を知る。王立協会の実質初代総裁で、二進法表記で物を書く方向を推進しようとした。ライプニッツと同時代人だそうだ。コンピュータの歴史を学ぶ者はジョン・ウィルキンズを知るべきだと学魔はおっしゃる。だれも知らないのはけしからぬことであるらしい。
調べてみたいが、著作の翻訳がほとんどない。このサイトは貴重な一部翻訳が掲載されている。
写真版ならInternet Archiveにいくつか見つかった。古いもので読みにくい。デジタル化されたものを見つけたい。
2019年5月31日金曜日
『植草甚一スクラップ・ブック』(全40巻)の個人用「索引カード」を作るつもり
『ユリイカ』で読んだ高山宏先生の文章に触発されて、『植草甚一スクラップ・ブック』の個人用「索引カード」を作ることにした。材料はもちろん保有する書籍の内容だが、インターネット上で誰でも見られる公開情報も作業効率をあげるために使う。
たとえばここ。
https://bookwalker.jp/series/192060/
どちらにせよ、最近知ったOCR」ソフト(無料)が重要なツールとなる。
植草甚一スクラップ・ブックの一覧(Wikipediaより)
1.『いい映画を見に行こう』 晶文社、1976、新装版2004.9。各・以下略
2.『ヒッチコック万歳!』 1976、2004.10
3.『ぼくの大好きな俳優たち』 1977、2005.2
4.『ハリウッドのことを話そう』 1976、2004.11
5.『サスペンス映画の研究』 1977、2005.3
6.『ぼくの読書法』 1976、2004.9
7.『J・Jおじさんの千夜一夜物語』 1976、2004.12
8.『江戸川乱歩と私』 1976、2004.12
9.『ポーノグラフィー始末記』 1977、2005.1
10.『J・J氏の男子専科』 1977、2004.11
11.『カトマンズでLSDを一服』 1976、2004.10
12.『モダン・ジャズのたのしみ』 1976、2004.9
13.『バードとかれの仲間たち』 1976、2004.11
14.『僕たちにはミンガスが必要なんだ』 1976、2005.1
15.『マイルスとコルトレーンの日々』 1977、2004.10
16.『映画はどんどん新しくなってゆく』 1977、2005.5
17.『アメリカ小説を読んでみよう』 1977、2005.4
18.『クライム・クラブへようこそ』 1978、2005.5
19.『ぼくの東京案内』 1977、2005.1
20.『ハーレムの黒人たち』 1978、2005.5
21.『ニュー・ロックの真実の世界』 1978、2005.2
22.『ぼくの好きな外国の漫画家たち』 1978、2005.3
23.『コーヒー一杯のジャズ』 1978、2004.12
24.『ファンキー・ジャズの勉強』 1977、2005.6
25.『ジャズの十月革命』 1977、2005.4
26.『ジャズは海を渡る』 1978、2005.7
27.『シネマディクトJの映画散歩 <イタリア・イギリス編>』 1978、2005.7
28.『シネマディクトJの映画散歩 <アメリカ編>』 1978、2005.4
29.『シネマディクトJの映画散歩 <フランス編>』 1978、2005.7
30.『シネマディクトJの誕生』 1979、2005.9
31.『探偵小説のたのしみ』 1979、2005.9
32.『小説は電車で読もう』 1979、2005.6
33.『ぼくのニューヨーク案内』 1978、2005.2
34.『アンクルJの雑学百科』 1980、2005.8
35.『ジャズ・ファンの手帖』 1979、2005.3
36.『JJ氏のディスコグラフィー』 1978、2005.6
37.『フリー・ジャズの勉強』 1979、2005.8
38.『「ジャズ・マガジン」を読みながら』 1980、2005.9
39.『植草甚一日記』 1980、2005.8
40.『植草甚一自伝』 1979、2005.10
別巻.『植草甚一の研究』 1980、2005.10。知人たちの回想記
***
索引カード内容の一例
植草甚一自伝(植草甚一スクラップ・ブック40) 文芸・小説
著: 植草甚一
823円(税込)
ぼくは下町の不良だった――つねに新しいことに興味を持ち、過去を振り返るのは年寄りの証拠というJ・J氏も、読者の強い期待に答えて、子供時代のことを書かないではすまされなくなった。甚一少年の青春を育んだ下町の情緒を伝える、自伝抄を一冊にする。
目次
1 植草甚一自伝
1 最初は商人の息子という題にしよう
2 小網町の電信柱に大坂甚兵衛はも料理とかいてあった
3 こうしてぼくは嘘つきになった
4 下町の不良少女と小学校のきれいな先生
5 こうしてぼくは与太者にされた
6 遠足のとき十国峠でヘビが出た
7 ジャック・ロンドンの「野生の呼び声」と明治三十三年十月のニューョークを想像してみた話
8 ウォルター・スコットは学校で一番になれなかったけれど、ぼくはねえ、いつも一番だった
9 大火事とボヤと友だちと遊ばなくなった中学生のころ10 「ムッシュ・ブルー」という喫茶店かバーをやると喜ぶだろうなあ
11 臨時雇の先生と黒板にぶつかるチョークの音
12 こんどいいものを見せるよとニューヨークで約束したんだ
2 それでも自分が見つかった
解説 自在に楽しむことの文明批判 鈴木志郎康
次の「カーリル・ウィジェット」を、全部につけるかどうかは未定。
カーリルで開く
***
植草さんの文章はほぼすべてリアルタイムで読み、その後の生き方や、文章の書き方に大きな影響を受けた。大袈裟に言うと、人生が変わった。
また、植草さんの取り上げた話題は、当時の文化を知るための貴重なものが揃っていると思う。
たとえばここ。
https://bookwalker.jp/series/192060/
どちらにせよ、最近知ったOCR」ソフト(無料)が重要なツールとなる。
植草甚一スクラップ・ブックの一覧(Wikipediaより)
1.『いい映画を見に行こう』 晶文社、1976、新装版2004.9。各・以下略
2.『ヒッチコック万歳!』 1976、2004.10
3.『ぼくの大好きな俳優たち』 1977、2005.2
4.『ハリウッドのことを話そう』 1976、2004.11
5.『サスペンス映画の研究』 1977、2005.3
6.『ぼくの読書法』 1976、2004.9
7.『J・Jおじさんの千夜一夜物語』 1976、2004.12
8.『江戸川乱歩と私』 1976、2004.12
9.『ポーノグラフィー始末記』 1977、2005.1
10.『J・J氏の男子専科』 1977、2004.11
11.『カトマンズでLSDを一服』 1976、2004.10
12.『モダン・ジャズのたのしみ』 1976、2004.9
13.『バードとかれの仲間たち』 1976、2004.11
14.『僕たちにはミンガスが必要なんだ』 1976、2005.1
15.『マイルスとコルトレーンの日々』 1977、2004.10
16.『映画はどんどん新しくなってゆく』 1977、2005.5
17.『アメリカ小説を読んでみよう』 1977、2005.4
18.『クライム・クラブへようこそ』 1978、2005.5
19.『ぼくの東京案内』 1977、2005.1
20.『ハーレムの黒人たち』 1978、2005.5
21.『ニュー・ロックの真実の世界』 1978、2005.2
22.『ぼくの好きな外国の漫画家たち』 1978、2005.3
23.『コーヒー一杯のジャズ』 1978、2004.12
24.『ファンキー・ジャズの勉強』 1977、2005.6
25.『ジャズの十月革命』 1977、2005.4
26.『ジャズは海を渡る』 1978、2005.7
27.『シネマディクトJの映画散歩 <イタリア・イギリス編>』 1978、2005.7
28.『シネマディクトJの映画散歩 <アメリカ編>』 1978、2005.4
29.『シネマディクトJの映画散歩 <フランス編>』 1978、2005.7
30.『シネマディクトJの誕生』 1979、2005.9
31.『探偵小説のたのしみ』 1979、2005.9
32.『小説は電車で読もう』 1979、2005.6
33.『ぼくのニューヨーク案内』 1978、2005.2
34.『アンクルJの雑学百科』 1980、2005.8
35.『ジャズ・ファンの手帖』 1979、2005.3
36.『JJ氏のディスコグラフィー』 1978、2005.6
37.『フリー・ジャズの勉強』 1979、2005.8
38.『「ジャズ・マガジン」を読みながら』 1980、2005.9
39.『植草甚一日記』 1980、2005.8
40.『植草甚一自伝』 1979、2005.10
別巻.『植草甚一の研究』 1980、2005.10。知人たちの回想記
***
索引カード内容の一例
植草甚一自伝(植草甚一スクラップ・ブック40) 文芸・小説
著: 植草甚一
823円(税込)
ぼくは下町の不良だった――つねに新しいことに興味を持ち、過去を振り返るのは年寄りの証拠というJ・J氏も、読者の強い期待に答えて、子供時代のことを書かないではすまされなくなった。甚一少年の青春を育んだ下町の情緒を伝える、自伝抄を一冊にする。
目次
1 植草甚一自伝
1 最初は商人の息子という題にしよう
2 小網町の電信柱に大坂甚兵衛はも料理とかいてあった
3 こうしてぼくは嘘つきになった
4 下町の不良少女と小学校のきれいな先生
5 こうしてぼくは与太者にされた
6 遠足のとき十国峠でヘビが出た
7 ジャック・ロンドンの「野生の呼び声」と明治三十三年十月のニューョークを想像してみた話
8 ウォルター・スコットは学校で一番になれなかったけれど、ぼくはねえ、いつも一番だった
9 大火事とボヤと友だちと遊ばなくなった中学生のころ10 「ムッシュ・ブルー」という喫茶店かバーをやると喜ぶだろうなあ
11 臨時雇の先生と黒板にぶつかるチョークの音
12 こんどいいものを見せるよとニューヨークで約束したんだ
2 それでも自分が見つかった
解説 自在に楽しむことの文明批判 鈴木志郎康
次の「カーリル・ウィジェット」を、全部につけるかどうかは未定。
カーリルで開く
***
植草さんの文章はほぼすべてリアルタイムで読み、その後の生き方や、文章の書き方に大きな影響を受けた。大袈裟に言うと、人生が変わった。
また、植草さんの取り上げた話題は、当時の文化を知るための貴重なものが揃っていると思う。
2019年5月30日木曜日
索引は大切と学魔高山宏先生もおっしゃっている
『ユリイカ6月臨時増刊号 総特集*書店の未来』掲載の、高山宏先生の「ヴンダーシュランクに書店の未来」を読んだ。索引の重要性と良い索引がないので、自分で作る話が書いてある。東大助手をされていた時代に、駒場の英文科書庫にこもって、レミントンの電動タイプライターで、5万冊の書籍の索引を作成した話。「索引」は場合によっては、リアル書店の書棚そのものかも知れないという。
素晴らしい「なるほど話」だが、私のこのブログも本を読んで自分の心に響くところを、書き込んであるので、「索引」と言えなくもない。そして、最近本の検索手段や索引などにこだわっているが、これはやはり自分で作らなくてはならないという、当たり前の話になってきて、とにかくこまめに読んで、こまめに書かなくてはいけないと、改めて思った。
***
ここ数日、ビデオの「ROME」を見ている。チョーがつく大衆娯楽作品だが、シーザーやアントニウスやオクタヴィアヌスの言動が、いかにもそれらしいと思わせる作りで飽きない。本題とは関係ないが、「ダウントンアビー」のトム・ブランソン役の役者もアグリッパ役で出ている。
影響で、『プルターク英雄伝』やモンテスキューの『ローマ人盛衰原因論』などを国会図書館デジタルで拾い読みする。なかなかこちらも面白い。
『虞美人草』の最初の方に、クレオパトラの死の話が出てくるが、これは『プルターク英雄伝』から引いているという註釈が、岩波文庫本に載っている。プロジェクト・グーテンベルグで見るとたしかに、それらしい節がある。「アントニーウス」の第84節。漱石の蔵書目録を見ると確かにプルタークの英訳版を持っていたようだ。
このあたりで、ピンときて、原二郎先生の先生の河野与一の著作を調べた。本邦初の、プルタークのギリシャ語からの翻訳が、やはり岩波から出ている。図書館で2冊ほど借りる手続きをした。「索引」は頭の中にできているらしいが、これを外化したいものだ。
素晴らしい「なるほど話」だが、私のこのブログも本を読んで自分の心に響くところを、書き込んであるので、「索引」と言えなくもない。そして、最近本の検索手段や索引などにこだわっているが、これはやはり自分で作らなくてはならないという、当たり前の話になってきて、とにかくこまめに読んで、こまめに書かなくてはいけないと、改めて思った。
***
ここ数日、ビデオの「ROME」を見ている。チョーがつく大衆娯楽作品だが、シーザーやアントニウスやオクタヴィアヌスの言動が、いかにもそれらしいと思わせる作りで飽きない。本題とは関係ないが、「ダウントンアビー」のトム・ブランソン役の役者もアグリッパ役で出ている。
影響で、『プルターク英雄伝』やモンテスキューの『ローマ人盛衰原因論』などを国会図書館デジタルで拾い読みする。なかなかこちらも面白い。
『虞美人草』の最初の方に、クレオパトラの死の話が出てくるが、これは『プルターク英雄伝』から引いているという註釈が、岩波文庫本に載っている。プロジェクト・グーテンベルグで見るとたしかに、それらしい節がある。「アントニーウス」の第84節。漱石の蔵書目録を見ると確かにプルタークの英訳版を持っていたようだ。
このあたりで、ピンときて、原二郎先生の先生の河野与一の著作を調べた。本邦初の、プルタークのギリシャ語からの翻訳が、やはり岩波から出ている。図書館で2冊ほど借りる手続きをした。「索引」は頭の中にできているらしいが、これを外化したいものだ。
2019年5月29日水曜日
『ユリイカ6月臨時増刊号 総特集*書店の未来』掲載の、由井緑郎さんの「絶望からはじめよう」を読んだ
昨夜注文しておいた『ユリイカ6月臨時増刊号 総特集*書店の未来』が午前中に届いた。12時間かからないうちに手にすることが出来た。Amazon恐るべし。駅の書店に行ったら見つからなかったので、一層Amazonの実力が目立ってしまう。
この『ユリイカ』の特集は上記のような、書店の行末を案ずる内容だ。ALL REVIEWSを一手に運営されている由井緑郎(yui696)さんの文章「絶望からはじめよう」が掲載されている。既存の書店の「絶望的」な状況を正しく認識した上で、今後の生き残り策を考えようという趣旨。ALL REVIEWSで今考えられている、ALL REVIEWS Unlimited(本を売るために有効な有名書評家の書評を定額で書店に提供するシステム)も言及の対象となっている。他にも高山宏さんの文章など盛りだくさんで、昨夜はAmazonでこの分野(雑誌・逐次刊行物)のベストセラーとなっていた。1600円なら安い。
新刊書が売れないというのが、現在の定説だが、自分の立場でいうと原因は収入が少ないから…につきる。現役で働いているときは毎月何冊か本を買っていたが、年金のみが収入となった今は、図書館で借りて読書するというのが普通になった。財布の紐が緩むのは、今回のようにどうしても読みたくなる本に対してだけだ。
そもそも良い本が作られることがポイントだが、良い本を知らせてくれるシステムが無いといけない。苦しい中でも本を買うことに意味を見いだせるような仕組み作り…ALL REVIEWSはそのための重要なツールと成りうる。と、考えてボランティアでお手伝いをしているわけである。
***
先日、おめにかかった、泉麻人さんの本を一冊「借りて」きた。ノスタルジックでかつ面白そう。
2019年5月28日火曜日
OLD REVIEWS試作版第十八弾…内田魯庵『貘の舌』より「クリストチヤーチのトルストイ村」
クリストチヤーチのトルストイ村
▲トルストイと云へば、日本で一番廣まつた英譯本は英國のクリストチヤーチで出版された『フリー・エージ・プレス』といふ綠表紙の假綴本の三六版大の杜翁叢書だが、此のクリストチヤーチのトルストイ村の頭目はチエルトコフといふ露西亞人で、此の一群のトルストイヤンの英國移住に就ては面白い話がある、今から三十五六年前莫須科市にボスレドニツクといふ出版會社があつた。ピルコフ及びチエルトコフ夫妻の共同經營で、創業後忽ち成功して露國一流の出版書肆となった。然るにチエルトコフ夫人の妹はトルストイの子息と結婚して姻戚となった。其關係からしてトルストイ全集を出版した上にトルストイ宗の熱心な歸依者となって、盛んにトルストイ主義を宣傳すゐ目的で極めて安價な、前後に類の無い五錢とか三錢とか、甚だしきは二錢、一錢、五厘といふやうな、怎んな貧乏人にでも買へる低價でトルストイの小著を賣出した。其結果トルストイ主義は瞬く中に露國の隅から隅まで傳播したので、露西亞政府の驚くまい事か、周章狼狽して種々の手段を講じて百方妨碍した。が、少しも效が無いので、到頭トルストイの著述を一切出版する事を禁止して了つた。其飛沫がドストエフスキイやガルシンやポテーキンの著書にまで及んで、擧句の果は恐怖の餘りに脱線して露西亞正敎會の聖人と尊󠄁ばれているザドンスキーの說敎集は魯か聖書抄錄の山上垂訓の小册子まで禁止する滑稽沙汰となった。露西亞政府の神經的な眼からは神の言葉ですらが危險と見えたのであらう。恁うなると、チエルトコフ一派は手も足も出なくなって、寧そ外國へ移住しやうかと思ふ矢先にヅホポール事件が起つて露西亞政府の人道上の罪悪に對するトルストイの大彈劾となった。處が政府は肝腎の本尊󠄁のトルストイには手を着けないで、其思想を宣傳した門下のチエルトコフを初め一同を拿捕して國外退去を命じた。そこでチエルトコフ以下は皆英國へ逃げてクリストチヤーチに居住し、同志の露人十五名と謀って印刷業を初め、其の手初めに故國で禁止されたトルストイの小著を出版した。處が誰云ふとなく、露國の無政府黨目が集團してダイナマイトを密造してゐると云ふ風說を立てたので、一時英國官憲の嫌疑を招いたが、まもなく素性が明かになってダイナマイトの製造でなくて平和な福音の印刷頒布であるといふ事が解つて來た。然るにチエルトコフはトルストイと姻戚である關係上、露西亞を退散する時杜翁の草稿を一切揃へて、未刋の原稿までも盡く携へて來た。此噂を傳聞して世界の各所から讓受けを申込み、中には莫大な報酬を以て釣らうとするものもあつた。が、チェルトコフは算盤を彈く普通の出版人で無い上に、杜翁の著書の出版の爲めに故國を追放されたのだから本國政府に反抗する意地にも自から出版して主義を宣傳する決心を固くし、算盤づくの相談は斷然拒絶して應じなかつた。渠は先づ、トルストイの禁書を露文で印刷して本國に密輸󠄁入する傍らトルストイ全書を英譯し、トルストイ主義の雜誌をも刊行して世界の隅々までトルストイ主義を傳道しやうとした。クリストチヤーチは一時トルストイ思想宜傅の根據地となって、其刊行物は洽く世界に廣布された。日本に輸入された部數だけでも、恐らく數萬を下らないだらう。トルストイの思想が日本の邊土にまで傳播したのは德富蘆花の力でも松井須磨子の藝術の爲めでもなくて、全く此のチエルトコフの刊行物のお庇である。
***
出典
内田魯庵 『貘の舌』 大正14年 春秋社
国会図書館デジタルコレクション(下の画像も)
***
あとがき
内田魯庵と丸善の事を調べているうちに発見した本。これも面白い。版面もきれいに画像化されているので、読みやすい。「莫須科」はモスクワのことか。
ところで、丸善の社史である『丸善百年史』の全文がここに公開されている。
素晴らしい。
http://pub.maruzen.co.jp/index/100nenshi/index.html
▲トルストイと云へば、日本で一番廣まつた英譯本は英國のクリストチヤーチで出版された『フリー・エージ・プレス』といふ綠表紙の假綴本の三六版大の杜翁叢書だが、此のクリストチヤーチのトルストイ村の頭目はチエルトコフといふ露西亞人で、此の一群のトルストイヤンの英國移住に就ては面白い話がある、今から三十五六年前莫須科市にボスレドニツクといふ出版會社があつた。ピルコフ及びチエルトコフ夫妻の共同經營で、創業後忽ち成功して露國一流の出版書肆となった。然るにチエルトコフ夫人の妹はトルストイの子息と結婚して姻戚となった。其關係からしてトルストイ全集を出版した上にトルストイ宗の熱心な歸依者となって、盛んにトルストイ主義を宣傳すゐ目的で極めて安價な、前後に類の無い五錢とか三錢とか、甚だしきは二錢、一錢、五厘といふやうな、怎んな貧乏人にでも買へる低價でトルストイの小著を賣出した。其結果トルストイ主義は瞬く中に露國の隅から隅まで傳播したので、露西亞政府の驚くまい事か、周章狼狽して種々の手段を講じて百方妨碍した。が、少しも效が無いので、到頭トルストイの著述を一切出版する事を禁止して了つた。其飛沫がドストエフスキイやガルシンやポテーキンの著書にまで及んで、擧句の果は恐怖の餘りに脱線して露西亞正敎會の聖人と尊󠄁ばれているザドンスキーの說敎集は魯か聖書抄錄の山上垂訓の小册子まで禁止する滑稽沙汰となった。露西亞政府の神經的な眼からは神の言葉ですらが危險と見えたのであらう。恁うなると、チエルトコフ一派は手も足も出なくなって、寧そ外國へ移住しやうかと思ふ矢先にヅホポール事件が起つて露西亞政府の人道上の罪悪に對するトルストイの大彈劾となった。處が政府は肝腎の本尊󠄁のトルストイには手を着けないで、其思想を宣傳した門下のチエルトコフを初め一同を拿捕して國外退去を命じた。そこでチエルトコフ以下は皆英國へ逃げてクリストチヤーチに居住し、同志の露人十五名と謀って印刷業を初め、其の手初めに故國で禁止されたトルストイの小著を出版した。處が誰云ふとなく、露國の無政府黨目が集團してダイナマイトを密造してゐると云ふ風說を立てたので、一時英國官憲の嫌疑を招いたが、まもなく素性が明かになってダイナマイトの製造でなくて平和な福音の印刷頒布であるといふ事が解つて來た。然るにチエルトコフはトルストイと姻戚である關係上、露西亞を退散する時杜翁の草稿を一切揃へて、未刋の原稿までも盡く携へて來た。此噂を傳聞して世界の各所から讓受けを申込み、中には莫大な報酬を以て釣らうとするものもあつた。が、チェルトコフは算盤を彈く普通の出版人で無い上に、杜翁の著書の出版の爲めに故國を追放されたのだから本國政府に反抗する意地にも自から出版して主義を宣傳する決心を固くし、算盤づくの相談は斷然拒絶して應じなかつた。渠は先づ、トルストイの禁書を露文で印刷して本國に密輸󠄁入する傍らトルストイ全書を英譯し、トルストイ主義の雜誌をも刊行して世界の隅々までトルストイ主義を傳道しやうとした。クリストチヤーチは一時トルストイ思想宜傅の根據地となって、其刊行物は洽く世界に廣布された。日本に輸入された部數だけでも、恐らく數萬を下らないだらう。トルストイの思想が日本の邊土にまで傳播したのは德富蘆花の力でも松井須磨子の藝術の爲めでもなくて、全く此のチエルトコフの刊行物のお庇である。
***
出典
内田魯庵 『貘の舌』 大正14年 春秋社
国会図書館デジタルコレクション(下の画像も)
***
あとがき
内田魯庵と丸善の事を調べているうちに発見した本。これも面白い。版面もきれいに画像化されているので、読みやすい。「莫須科」はモスクワのことか。
ところで、丸善の社史である『丸善百年史』の全文がここに公開されている。
素晴らしい。
http://pub.maruzen.co.jp/index/100nenshi/index.html
登録:
投稿 (Atom)

















