2017年5月25日木曜日

『猫のゆりかご』の読中記

 要するにまだ、読み始めたばかりです。例によって、というかこの本は、まったく内容を覚えていない。ひょっとして読まなかったのではないか。昨日に続き、自分の記憶(想起)能力に深刻な疑いを持たせる現象です。ともかく、古い本でも新しい本と同様に楽しめるのは得だ。

 原爆が広島に落ちされた日に、それを開発した科学者たちは何をしていたのか、というレポート本を書こうとする主人公(多分作者KVJの分身)が、仕事をはじめました。

 ある、科学者(ハニカー博士=故人)の息子(たまたま主人公と同窓生だった)に問い合わせの手紙を出し、情報を得て、裏を取りに、ハニカー博士の上司の管理職科学者の職場にインタビューに行く。そして科学に関する無知さをなじられるところまで読みました。

 まだ、序の口ですが主人公(KVJの分身)は、広島の惨事に関する「正しい」認識を持っていない。ただし、マッドサイエンティストに対する怒りだけは持っているようです。これでは、KVJの放射能症への認識はゼロと言えそうだ。

 しかし、ここまでに伏線らしき記述があります。このあと主人公は新興宗教「ボコノン教」に染まるらしく、そのほのめかしがあります。「ボコノン教」の教えに従う形で、原爆開発への怒りを表現するかもしれません。

 邦題「猫のゆりかご」はCat's Cradleの訳で、あやとりの意味らしい。猫はあやとりが好きなんでしょうか?文庫本表紙カバーのイラストは和田誠さん。


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