2017年5月24日水曜日

カート・ヴォネガット(・ジュニア)は、拾い読みでは済まなくなってきた

 偶然、潜在意識を考慮すると必然、再会したKV(J)の本。『屠殺場5号』だけで許してもらおうとしたが、やはりそうはいかない。

 昨日午後、駅前のマクドナルドで最後の部分と訳者後書きを読む。

 人生にはいろいろな局面がある。幸福な瞬間に意識を集中し、不幸な場面は無視せよ、とKVJは言う。永劫は幸福な瞬間にあるそうだ。スバラシイ。
 もっとも、主人公ビリーは人生のいろいろな瞬間を行ったり来たりできるので、上記の教訓を楽しめる。

 後書きには、ドレスデン爆撃と広島(長崎)を死者の人数で比較している作者は、広島(長崎)の放射能症を考慮したかという訳者(伊藤典夫さん)のコメントが含まれる。

 この件はやはり追求しなければいけない。

 KV(J)の著作はたくさんある。手元には1970年前後に出た邦訳本が数冊有るだけだ。全部読まないと気が済まないが、なにから読んでいけばいいのか。

 慶応出身の永野文香さんの論文(の査読記録)など参考にすると、まず『猫のゆりかご』(1979年 ハヤカワ文庫)から始めるといいようだ。幸い手元にあるし。広島に原爆が落ちた日に原爆を作ったひとは何をしていたのか主人公が調べて本を書こうとするというのが、この本の発端である。



 『屠殺場5号』以上に『猫のゆりかご』に関しては記憶が薄い。というか、まったく記憶にない。気合を入れて読むには好都合だ。

 脱線する。これほど記憶力が悪いと、心配になってくる。生きていく上で大切なことを、実はもう忘れ果てているのではないか。大丈夫なのか。前頭葉とか理性とかいう言葉が浮かんできたが、なんとなくぼんやりとして…

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