2022年1月12日水曜日

『誤作動する脳』(医学書院)を読了した、老人には「実用本」だ

樋口直美さんの『誤作動する脳』(医学書院)を、今日も「孫の子守り通勤」電車の中で読み、帰りはわざと緩行電車に乗って、読み終えた。


今日は、樋口さんのご著書の内容を見ながら、自分の「状況」と比べてみたい。

樋口直美さんは、コンビニのレジでの現金支払いに苦労するお話を、143頁でされている。これは歳を取るにつれ、私も経験している。このモンダイは電子マネーの使用で避けることができるが、現金を使うことは皆無にはならない。釣り銭を少なくしようとか、ピッタリの金額を出そうとすると、緊張する。緊張すると硬貨の種類を間違える、そもそも端数が何円だったかも忘れる、あげくのはて手が震えて硬貨を取り落とす。落とした硬貨がうまく拾えない。

緊張の原因は、以前の失敗を思い出すから。そしてそのときに周りの人が冷笑していたという誤解から生じる。

144頁にあるように、おおらかになれればいいが、そうは行かないのが面倒なところだ。

146頁。
とっさの場合に、自分の住所や電話番号や暗証番号を思い出せないという、お話。これも最近よくある。落ち着いて、時間をかければ思い出すのだが、その「落ち着き」を取り戻すことがなかなかできなくなったのは、なぜなのか。

148頁。
自分を頼ることをヤメルという解決法がある。なんでもメモにしておく、タイマーを多用する。『博士の愛した数式』で、まさに「博士」がやっていた手法だ。メモを書いたことを忘れさえしなければ良い方法と言えるだろう。149頁。

記憶の外部化でストレスを減らす。これも良い方法で、定評がある。ヘミングウェイは翌日書く小説の書き出しだけ決めて、あとは楽しく酒を飲んだというが、同じようなことは、サラリーマン時代によくやっていた。明日の仕事でやるべきことをリストにしておき、アフター5はそれを忘れて楽しむ、など。

160頁。
若い時は何でもないことだったが、映画館で、大画面(スクリーン)で、映画を見るのは疲れるというお話。ストリーミングサービスで、PCの画面で観るほうが、没入できるのだ。

177頁。
多忙な一日を終えて、布団に入って寝るときの幸福感。これも、毎日感じている。いま夜中の1時45分、明日も朝早く起きて出かけなければならないが、あと数分後に寝床に入ってこれを痛切に感じるだろう。

186頁。
「ねばならない」を放り出したい。定刻通り仕事場に到着しなければならない、を放棄して遅刻を認めてもらう。そうすれば楽だが、私も含め小心者はそれができない。(できるなら、昔からさっさとやっているし、毎日のブログ更新などしない。)。

203頁。
土井善晴さんの「味噌汁は、濃くてもおいしい、薄くてもおいしい」に感動する。ここ、全く同意。料理を美味しく作る、食べさせるというのは呪縛。

明日は、病気ではないにしても、いわゆる「老人ボケ」ではないかと密かに憂いている私としてこの本に書かれた苦悩と救いをどう考え、どう活かすかを考えたい。眠いので、ここまで。 

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