2020年4月20日月曜日

アシモフの考えた「心理歴史学」で未来を占う

『ファウンデーション』邦訳版全7巻のまえがきあとがきを読んでみた。
私の所蔵している書籍とそれぞれで読んでみたもの。

1.『銀河帝国の興亡 1 (FOUNDATION 1951)』(1968 東京創元社) 解説(石川喬司)〈ファンデーションシリーズ 三冊〉の紹介。

2.『銀河帝国の興亡 2 (FOUNDATION AND EMPIRE 1952)』(1969 東京創元社)

3.『銀河帝国の興亡 3 (THE SECOND FOUNDATION 1953)』(1970 東京創元社)訳者(厚木淳)の解説、「レンズマンシリーズ」との対比。

4.『ファウンデーションの彼方へ(FAUNDATION'S EDGE 1982)]』(1984 早川書房) 著者あとがき。ファウンデーションシリーズ以外の作品群との関係。

5.『ファウンデーションと地球(FAUNDATION AND EARTH 1986)(1988 早川書房)著者の「まえがき」。ファウンデーションシリーズ執筆再開の裏話。

6.『ファウンデーションへの序曲(PRELUDE TO FOUNDATION 1988)』(1990 早川書房) 著者の「まえがき」。作品を「年代順に」並べてみている。

7.『ファウンデーションの誕生(FORWARD THE FOUNDATION 1993)』(1995 早川書房) 牧眞司さんの解説。アシモフが亡くなったことを伝える。この解説の直前にハリ・セルダンの死の記述がある。このとき死をさとっていたアシモフ。

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こうして並べてみると、『スター・ウォーズ』シリーズの構成は、『ファウンデーション』シリーズの影響を受けていることがわかる。

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今回は、「年代」的に古いものから読んでみることにした。つまり第6巻『ファウンデーションへの序曲』から。
「心理歴史学」を使って「ファウンデーション」に帝国崩壊後の復興を託した、ハリ・セルダンの活躍ぶりがおもしろく、昼寝がてら、30分で50頁以上読んでしまった。


2020年4月19日日曜日

『銀河帝国の興亡(ファウンデーション)』は未来予測の参考書になるか?

コロナ禍後の世界を予測するのはまだ早いが、気分転換にはなるので、A. C. クラークやアシモフの本を出して少しずつ読んでみた。クラークのは気宇壮大すぎて、今の気分ではついていけない気がした。アシモフのほうが少なくとも、「人類」の未来を語っているので、1万年後の話ではあるが、ついていける気がした。



積読解消になるので、『銀河帝国の興亡』7冊を読んでみることにする。正確には40年前から少しずつ読んではいた。しかし複雑な筋で登場人物も巻ごとに入れ替わるので、内容は正確には覚えていない。やはり積読本。

せっかくなので、Internet Archiveで英語版も冒頭だけだが見ようと思い、捜した。

大ベストセラーだったので、いろいろな版が借り出せる。なるべく古そうで、しかも印刷がなるべく鮮明なのを捜した。
これなど良さそうだ。



後で重版がかかったときアシモフが書き添えた序文(本文より序文のほうが文章がやさしい)がおもしろい。キャンベルのすすめで最初の3巻を書いた後、30年ほど経った後4巻以降を書くときの話。1981年にダブルデイ社の辣腕編集者が、もう小説は書きたくない、百科事典をひっくり返しながらひきこもってノンフィクション(科学解説本)を書くほうが楽だとごねるアシモフを説得する。前渡金(アドバンス)も15倍以上出すと。当時の5万ドなので大きい。さすがにアシモフも書く気になる。



この話はどこかで前に読んだことがあると思ったら。
以前読んだ『 I.ASIMOV 』に書いてあった。464頁。
https://hfukuchi.blogspot.com/2016/12/blog-post_7.html

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ところで、『銀河帝国の興亡』で起きた災厄は原子力発電所の爆発やそれをもきっかけとする反乱(?)だった。滅亡する帝国の文明の成果を後代に保存するために、「ハリ・セルダン」が「心理歴史学」を駆使して銀河系の両端の辺境に性格のちがう惑星国家を設置しておくという話だったような気がする。災厄後の復興はどのようなものだったかという観点で読み直してみたい。

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Internet Archiveは著作権が切れていない書籍も、貸し出しという形でだれでも読めるようになっている。物理的な本は古本などで購入しているのだろう。保有する本の冊数分が貸し出し対象だ。資金があればこんなことが出来る。日本でもどこかでやって欲しい。ブックオフみたいなところが金をクラウド・ファンディングで集めてやらないだろうか? どこでもいいので、やって欲しい。国会図書館は流石に無理だろうが。

P.S. 上記の版本は私が借りているので、あと13日間読めません。他のを借りてください。

2020年4月18日土曜日

「高橋源一郎の飛ぶ教室」を聴いてサローヤンを思い出した\(^o^)/

「高橋源一郎の飛ぶ教室」という番組を、金曜日夜、NHKラジオでやっている。くだけた感じで良い本の紹介をしてくれるので時々、「聴き逃し」で聴いている。昨日放送分を、今日の午後昼寝しながら聴いた。(「聴き逃し」で聴けるのは一週間のみらしい。)

https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=6324_01

おもしろくて、起き直ってしまった。紹介された本は『霧中の読書』(荒川洋治さん みすず書房)で、おかげで読みたくなった。Amazonで調べたら一時的売り切れ状態。「飛ぶ教室」の放送の効果だろう。これはあとで手に入れることにした。

放送のなかで、高橋源一郎さんが読み上げたところ(書評部分)に興味をひかれて、起き直ったのである。その本の内容は大戦中にカリフォルニア、イタカに住む少年の物語。登場人物がすべて善人ばかり。

書名はあかされなかったが、これは昔読んだことがあると思い当たった。すぐには出てこなかったが、しばらく考えて、サローヤンだろうと見当をつけた。

昔、なにしろ高校2年生のときに、担任だった小林先生が使った「リーダー」の教科書に、サローヤン(サロイヤンと発音していた気が…)がとりあげられていた。小林先生の口癖は「リサイタルやるか?」で、サボったりすると、次回までに教科書の1ページを暗記させ、一人で暗唱させる。勉強にはなるので、良いことなのだが、やらされるのは大変なので、できるだけサボらないようにした。

サローヤンの訳書は手もとにない。買ってないかもしれない。該当しそうな本をInternet Archiveで捜した。My Name Is Aramではなく、Human Comedyの方だった。確かにいい人しか出てこない。サローヤンの人柄の為せる業だろう。少しだけ読んでみた。



ほのぼのとして、この時期に読むには最適。そして、高校生でもなんとか読めたくらいだが、非常にわかりやすい英文だ。挿絵もすばらしい。

なつかしい本を思い出させてくれた、高橋先生と荒川さんに大感謝だ。

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もうひとつ。高橋先生が拘置所に入っていたときに、よく本が読めた…という話にもうなずいた。われわれも今、拘置所に入っているようなものなので、たくさん本を読みたい。


2020年4月17日金曜日

40年前の百科事典で遊べるのも蟄居のおかげだ





昨日に続き、『万有百科大事典』を使って遊んだ。先日、月刊ALL REVIEWSで「論語」対話を現地で聴いた時、鹿島先生と出口先生が澁澤榮一の経済面の思想に影響を与えたとおっしゃっていた、空想社会主義者サン・シモンのことを調べてみた。

まずは『(総合)索引』で、「サン=シモン」を捜す。この百科事典の索引は人名の場合、かんたんな説明がある。ここでは
フランス 1760-1825 空想的社会主義者。産業者と科学者の支配する新社会建設を唱えた。

としてある。
簡便な人名事典になっているわけだ。そのあとに、ジャンル別に用意されているどの巻のどの頁にサン=シモンの見出し項目があるかが書いてある。ここでは4巻(哲学宗教巻)218頁、9巻(世界史巻)252頁。などとなっている。

他に参照すべき項目、「空想的社会主義」に関し、12巻(経済産業巻)241頁、と11巻(政治社会巻)「社会主義」の項目内の図版を参照しろと指示がある。



これら小項目と大項目を丁寧にみて行くとサン=シモンについての立体的な知識が得られる。これはなかなかうまい工夫といえる。

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実は、この『万有百科大事典』の前に、平凡社の『国民百科事典』が家にはあった。少年時代には、これを暇に任せて読んでいたものだ。本当は『世界大百科事典』にあこがれたが、読むという目的のためには全7巻の『国民百科事典』のほうが良かったのだろう。

『万有百科大辞典』は『国民百科事典』が火事で焼けてしまったので、父が買い直したらしい。私は大学や就職で家を離れたのであまり読まなかった。今回始めてじっくり目を通したというわけだ。新しい(!?)ものは改善されている、索引がその最たるものだ。この『総合索引』を作るにあたっては、百科事典としてははじめて本格的に電子計算機の助けを借りているという裏話が、索引巻のあとがきに書いてある。

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せっかくなので、この索引の内容がデジタルで手に入ると便利だが、まだ見つけていない。ないのかもしれない。

現代の百科事典はもちろん、全部デジタル化されており、画面上で簡単に上記のようなことが出来る。



しかし、この写真のように、何巻も広げて並べて読み比べる方が、理解が深くすすむような気もする。記憶力が衰えた老人の戯言だろうが。

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ところで、

コロナ禍のなかで皆が恐れているのは、罹患や経済の停滞だけでなく、これからの世界の様相がまったく変化してしまい、自分だけが取り残されてしまうかもしれないということではないのか。未来を予想するにはSFを読むのが最適だと思うが。

2020年4月16日木曜日

積読の解消は順調、今日は数キログラムくらいはかどった\(^o^)/

以前、放送大学の聴講生だったことがある。この科目を受講した。『宇宙・自然システムと人類』。講師のお一人が海部宣男先生。昨年4月13日に75歳で亡くなられた。

https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009347680-00


今年4月からの『天文月報』に海部先生の「ロングインタビュー」が連載されている。(今回の騒ぎの影響で、最新号もインターネット公開されているのだ。)
http://www.asj.or.jp/geppou/

それを読むと、子供の頃からの読書談が含まれていて、そこがオモシロイ。子供向けの科学分野の図鑑類、『シートン動物記』や『ガモフ全集』、サルトルなど、自分の趣味と一致していて懐かしさも覚える。先生とは5つ違い、年代も近い。

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運動を兼ねて、部屋の模様替えというか、本の配置換えをおこなった。数年前に父の遺品としてもらった『万有百科事典』を、閲覧しやすいところに引っ張り出した。究極の(大げさ)積読解消。一冊2キログラム近い書物20冊なので良い運動になった。



これも昔読んだ『アシモフ日記』のなかで、アシモフ先生が新しい仕事部屋に父譲りの百科事典を置いて悦に入るというくだりがあった。
https://hfukuchi.blogspot.com/2018/07/blog-post_26.html

もちろん、百科事典は飾りにするのでなく、アシモフ先生のように、過去の基本的知識の整理のために活用するつもりだ。『万有百科大事典』は1970年代前半に出たので、たとえば「村上春樹」は載っていない。「カート・ボ(ヴォ)ネガット」はかろうじて載っている。そんなものだ。限界をわかって使えば問題ない。

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今夜、全国に緊急事態宣言が出た。そして、国民一人一人に10万円を現金給付すると言っている。

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今夜は、鶏もも肉で甘酢丼を作った。旨い。


2020年4月15日水曜日

「隠者の文学」をキーワードとして記憶をたどってみた



たまたまなのだが、『辻邦生のために』(辻佐保子 中公文庫)をめくってみたら、25頁に

八四年に、コレージュ・ド・フランスで「隠者の文学」について講演をする…

とあった。これを五年ほど前に読んでいたので、昨年秋に古本屋さんの店頭で『陰者の文学』(石田義貞)を買ってしまったのだろう。おもしろい潜在意識(実はかすかな古い記憶)の導き。

そこで、記憶を補助するために書いてある自分のブログを検索してみるとこんな記事があった。
https://hfukuchi.blogspot.com/2017/11/blog-post_9.html

これらをきっかけに、今朝見つけた論文(クリックするとpdfがダウンロードされますのでご注意)
『辻邦生とパリ――1984 年~ 85 年パリ第三大学における日本文学論講義史料を中心に』によると、


…パリ 講義と講演 草稿 一九八四-八五年Ⓢ」と妻佐保子の筆跡でペン書きされている。表紙には、縦書きで「1 隠者の文学// 2 Le romancier face à ses personnages / 3 日本の美の根底にあるもの/ 4 日本の批評の現状 (1984-85)Ⓢ 」と佐保子の筆跡で書かれており、…

辻邦生の講義甩タイプ原稿の冒頭は
Je vais vous donner un cycle de sept conférences portant le titre “ De la vérité de la littérature de la vie cachée - la parole à l’épreuve de la solitude : Saïgyô et Bashô. ”

とあるので、私としても西行と芭蕉の関連は勉強しなくてはならない。

2020年4月14日火曜日

『隠者の文学』の次は、昭和40年代から積読状態の『蕪村俳句集』を読む



『隠者の文学』の残りを読んだ。

「連歌」。

当時(1500年前後)は大変な流行だった。心敬は「一天に満てり」といったほどだった。ところが、その後は「荒涼をきわめる沙漠」となっているという。

連歌は連句に道を譲った。哀しさを歌い合うのでなく、さとりを求める人の性なのだろう。

「茶」。
「わび茶のもつ不明な荒地も、隠者文学・芸道の考え方を取り入れることによって、ある程度まで、開拓できる…

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ある、データベースサイトで故郷のパノラマ図を見つけた。かなり有名な吉田初三郎が描いたものだ。
これを見ると瞬時に、子供のころの思い出が、くっきりと蘇る。
https://iiif.nichibun.ac.jp/YSD/detail/004819710.html

ともかく、この公開データベースは素晴らしい。「国際日本文化研究センター」http://db.nichibun.ac.jp/pc1/ja/

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西行の和歌のデータベースはないかと検索していてここを見つけた。

和歌の他、連歌や連歌連想語彙もある。他にも貴重なデータベースが盛りだくさん。すばらしい。

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でも、色々見ているうちに、『蕪村俳句集』(潁原退蔵編注)を先に読もうと思い立って、岩波文庫本を出してきた。

これは青空文庫で校正まち。はやく出ることを望みたい。
https://www.aozora.gr.jp/index_pages/list_inp1457_1.html

『蕪村全集』(潁原退蔵編)はここで読める。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1018320


『西行全集』もここ(国会図書館デジタル)にあるが、インターネット公開になっていない、見たくても休館中(T_T)


2020年4月13日月曜日

『隠者の文学―苦悶する美―』(石田義貞)で西行、長明、兼好を学ぶ



『隠者の文学―苦悶する美―』(石田義貞 1968年 塙新書)の内容メモ。昨日の続き。

隠遁者の例として、西行、長明、兼好がかなりの頁を割いて論じられている。

西行。(112頁〜)

あはれいかに草葉の露のこぼるらむ秋風たちぬ宮城野の原 
さっそうたる詩人西行…詩人なのか隠者なのか…かれを出家させたのは…無常をするどくとらえた詩人性…
風になびく富士の煙の空にきえてゆくへも知らぬわが思ひかな
六十九歳で陸奥へ旅行したときの歌で、慈円の『拾玉集』によると「是ぞ我が第一の自讃歌」と、西行みずからが言った…

125頁。
隠遁者としての西行の内部生活…無常…さびしさ…従順…感傷性…自然との関係…美的安心…

140頁。
(西行の)内部的の研究に情熱が注がるべき…

長明(142頁〜)
153頁。長明的隠遁。

長明は、社会的・人間的なもののすべてをすてながら、自己個人の現実的生だけは固執した。自己の生物的生命と、それにともなう内的愉悦をである。

兼好(158頁〜)
中世的無の思索にたえる骨ぶとの哲学者であるとともに、繊細な直覚をもつ文学者…

162頁。
山林の隠者から市井の隠者に変わる…


164頁。
隠遁の第一の要件…その底に無常をもつこと…第二の要件…信仰と美とをもつこと…第三…孤独を愛し閑寂を求める…兼好は…十分すぎるほど具備…

170頁。
西行は自然だけを見、長明は自己だけを見、兼好は人間だけを見ていた。

*

残りは「連歌」と「茶」。

***

朝から大雨だったが、かえってその方が空いているだろうと、かかりつけ医のところに定期診断を受けに行ってきた。案の定、開始時間ぴったりに行ったが客は私だけ。薬はいつもより多く出してもらった。

雨は終日ふり続いた。しかも寒い。

2020年4月12日日曜日

『隠者の文学―苦悶する美―』(石田義貞)は今読むのがふさわしい

『隠者の文学―苦悶する美―』(石田義貞 1968年 塙新書)を読み始めた。面白くなり、半分以上(144頁まで)進んだ。


上はいま手に入りやすいと思える講談社学術文庫版の書影。

私が購入したのはこれ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B000JA57QS/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_RtPKEb4RNKT43

この本は、昨年秋ALL REVIEWSのオフ会で神保町に行った時、どこかの古本店頭の均一本棚で買ったと思う。
石田義貞の経歴がすごい。1890年生まれ。苦学したあと、かなり高年齢になってから昭和女子大教授になった。

中世隠者が多く登場する。隠者のおこないのうち、美の追求を伴うのが隠遁であると、石田義貞は書いている(ようだ)。隠居老人を目指す私には良い行動の指針だ。したがってメモをとって勉強してみることにした。

隠遁を考えるための「参考書」がたくさん例示される。たとえば……

10頁。『撰集抄』。人間を捨て、結果として号泣に満ちているのだと。当初、西行の自作と思われていたが、後には西行を仮託した作品だと言われているらしい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%92%B0%E9%9B%86%E6%8A%84

なお、同じ10頁にマックス・プランクが量子論を考える上で「人間離脱」(つまり常識からの離脱)が必要だと述べているということを挙げている……(*^^*)。

*

18頁。「隠者ということばの使用範囲」は以下のとおりだそうだ。なかなか好ましい分類。
A類。世間を捨てて仏教信仰にはいる。
(1)聖(ひじり)
(2)隠遁者
(3)俗に近い遁世者
B類。正業をすてて芸道にかくれ、または自由の逸民となるもの。
(1)主として芸道にかくれる
(2)世のすねもの、あぶれもの、遊び人、やくざ、博奕打、河原者等

Aの例。
19頁。『源家長日記』の慈円の項。僧侶もさらに隠遁。
西行のことば「すてたれどかくれて住まぬ人になればなほ世にあるに似たるなりけり」つまり隠れることが必須条件だ。

『徒然草』の「京に具覚坊とてなまめきたる」遁世者。「信濃前司行長」。

Bの例。
20頁。同朋衆。連歌師。茶人。西鶴の『近世優隠者』のやくざ、遊びにん。

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隠者文学。(21頁)
広義の隠者文学:広範、折口信夫は中世文学すべてを隠者文学と考えた。『女房文学から隠者文学へ』
https://www.aozora.gr.jp/cards/000933/card46958.html

22頁。狭義の隠者文学は隠遁詩人によるもの。「隠の生命がみずからを表現した文学」。その三様式は……
(1)西行様式。対象は大自然・万有・存在。
これはその後、隠者文学芸道の主流として継承される。
(2)長明様式。対象は自己の生活。
心敬の『ひとりごと』、宗長の『宇津山記』、芭蕉の『幻住庵記』・『嵯峨日記』に継承される。
(3)兼好様式。対象は人間生活。
ほとんど継承されていない。

2020年4月11日土曜日

頭のどこかでCOVID-19のことを考えている(T_T)



『芥川龍之介全集 2』(春陽堂書店 1967年)を今朝、出してきた。古い本なのに、まだ美しい。中性紙を使っているようで、頁も真っ白のまま。なぜ、出してきたかは、下記。

芥川の「スペイン風罹患」時の小島政二郎宛のハガキがTwitterで紹介された。


『芥川龍之介全集 2』699頁に掲載されている。その後の書簡を読んでいると「インフルエンザ」は何度かぶり返して芥川を悩ませたようだ。ハガキに俳句を書き添えるやり方が心憎い。

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ところで、この全集は生まれてはじめて自分で買った全集もの。高校生の時だ。買うきっかけは、国語の教科書。国語に限らず教科書や先生にはお世話になっていたと思う。

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水漏れを気にしながら、トイレで新聞を読む。

今日(土曜)の朝日新聞読書欄で気になる本をいくつか見つけた。こんなときは新聞を購読していてよかったと思う。デジタルにない良さ。

『遅いインターネット』(宇野常寛 幻冬舎) 書評は清田隆之。
書評で著者の考え方はよく分かった。
これは書評としては問題か、いや名書評か。

『航空の二〇世紀』(高田馨里編著 日本経済評論社) 書評は生井英孝。うむ、読みたい。
http://www.isc.meiji.ac.jp/~transfer/book/book_006.html


『河口慧海』(高山龍三 ミネルヴァ書房) (広告)

考えた。

本の読みたさ度。
A。即刻絶対読みたい。
B。読んでおきたい。
C。図書館などにあればいい。
D。関心がない。

読書欄に載った本の99%はD。
上の三冊はB。これらをひとまず読むと、AかCに変わるだろう。サイレントナイト、ホーリーナイト♪。

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水漏れは、以前より多くなったので、タオルでなく、缶をおいて水受けにする。3時間あたり100mlくらいか。一箇所近くにたれてくるので、広がるよりは、始末が良い。
水量を計った上で、水圧の調節やウォッシュレット電源断などの対策を考える。

有効な対策は問題に関するデータや事実を集めないと出てこない。コロナも…

***

ALL REVIEWSスタッフとしてはこの記事は哀しくもオモシロイ。
https://book.asahi.com/article/13284091