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2020年9月16日水曜日

書評の世界は奥深い

昨夜出た週刊ALL REVIEWS(メールマガジン)の巻頭言は私が書いた。以下にそのまま掲載しておく。(主に個人の記録のため。)


***

ALL REVIEWS友の会に所属しながら、書評のことは知っているようで知らない。これはクヤシイので月刊ALL REVIEWSの対談ビデオや書評本で、書評について勉強してみた。

8月の月刊ALL REVIEWSノンフィクション回、武田砂鉄さんとの対談のなかで鹿島茂さんが、書評についていろいろ語ってくださった。そのなかで心に残ったのは丸谷才一が述べたと言う新聞掲載書評の書き方三原則。いわく、

・マクラは三行で書く。

・要約はきちんとする。

・本をけなさない。

鹿島さんは、書評は書籍を通じて時代を知る一種のフィールド・ワークであるとも、おっしゃっていた。

鹿島さんの書かれた書評集を、ALL REVIEWSで探した。『歴史の風 書物の帆』が見つかった。ご近所の書店で売っていなかったし、最寄り図書館にもなかったので、電車二駅先の隣の市の図書館で借りてきた。

「まえがきに代えて」(実はALL REVIEWSに収録済み)に、書評の原則が書かれている。期せずして、さきほどの丸谷三原則の解説にもなっている。

・イントロは素人向けに書く、書評の目的は最終的に書店で本を買ってもらうためのものだから。

・引用は多めにする。引用だけになってもかまわない。ポイントを引用できると効果的だ。

・評価は同種の本と比べた相対評価とする。評価の際にフォルム(本の書き方)も重視する。

「歴史の風 書物の帆」という題名は美しいし、書評は時代の思潮を知るフィールド・ワークであるという事をうまく表現している。これは、小学館文庫版についている堀江敏幸さんの解説(これもALL REVIEWSに掲載済み)を読むと、エピグラムとして掲載されたベンヤミンの『パサージュ論』の一節に由来することが理解できる。元となった筑摩書房の単行本は1996年に発行されたが、昭和という時代に「航海」に出たたくさんの本という「帆」にどのような風が吹き付けたかが、収録された多数の書評を読むとよく分かる。もちろん、この中には本を買いに書店にすぐ行きたくなるような書評がたくさんある。

2020年、現在の大嵐のなかでも、たくさんの「帆」が厳しい風をはらんで、この世界の中で舞っている。鹿島さんのみならず、多くの書評家の方々の書評を読み、なるべく多くの帆の状況を調べたい。誰にでもできて、楽しい「フィールド・ワーク」だ。(hiro)

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数日前にAmazonで古本で注文しておいた『鷗外全集 第35巻』(岩波書店)が到着。「日記」を集めた巻だ。旧版の全集では3巻に分かれていたが、この新版(1975年)では1巻にまとめられている。そして、旧版にくらべ「北游日乗」が新たに収録されている。『鷗外選集』は持っているのだが、『選集』では、「北游日乗」、「独逸日記」、「小倉日記」、「委蛇録」の4編のみ。『全集』のほうが断然たくさんの日記が収録されているし、行間が広いので書き込みがしやすい。そして、45年前の本だが、状態は非常に良い。1,000円は買い物だ。


余談ながら、作家の個人全集が最近出ていないのは困る。電子出版でいいから、いや電子出版のほうが自由に検索できていいのだが、全集をぜひ出して欲しい。Webの形でも良い。

2020年9月10日木曜日

『歴史の風 書物の帆』という題名にも惹かれた


鹿島茂さんの 『歴史の風 書物の帆』(小学館文庫)を読む。「まえがき」に書かれた書評論が素晴らしい。

エピグラムと、あとがきで堀江敏幸さんが称している、冒頭のベンヤミンによる警句の引用が、本に関する卓抜な概念を与えてくれて、うっとりする。

「弁証法的思想家にとって肝要なのは、世界史の風を帆に受けることである。思考するとは、こうした弁証法的思想家にとっては帆を張ることを意味する。どのようにその帆を張るかが重要なのだ。」(ベンヤミン 『パサージュ論』 今村仁司他訳)

歴史の風を受けるための道具が書物であり、書物というたくさんの帆の様子を、手早く記述するのが書評というカメラ。帆の様子をたくさん記述すれば、歴史の風がどのように吹いたかがわかってくる。つまり、書評集として書評をたくさん集めれば、歴史を理解するためのフィールド・ワークとなる。

この本そのものに関しては、来週のARメルマガ巻頭言で取り上げる予定。

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心配なことがあり、急遽三軒茶屋に向かったが、着く前に問題解決。安心して、皿うどんを食べた。一層美味しかった。




2022年5月16日月曜日

PASSAGEで鹿島茂さんのサイン本『歴史の風 書物の帆』を購入した

 PASSAGE運営の方から棚主宛のメールが来た。ポイントは2つ。

1つ目は〈PASSAGE by ALL REVIEWS〉の営業時間が、明日(これを書いている今はもう今日だが)5月16日から、12時〜19時となること。

2つ目はPASSAGE新刊書仕入れシステムの(試験的)方法。

今日もそうだったが、明日も店舗運営の手伝いに行くので、1番目は重要な話だ。いままでは15時開始だったので昼食後でかけて間に合ったが、明日からは昼食前に出かけないといけない。途中で休憩時間をもらって遅い昼食をとることにする。それより、12時開始でお客様がどの程度増えるのかが、楽しみと言える。

PASSAGEで鹿島茂さんのサイン本『歴史の風 書物の帆』を購入した。書評を読んだり書いたりするには必読の本だろう。何回か図書館で借りて読んだが、やはり手元に置きたい本だ。


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今日も電車の往復で、『スターメイカー』を読む。「わたし」ははじめて訪れた奇妙な世界を離れ、そこで知り合った「哲学者」と別の世界を求めてふたたび旅に出る。「わたし」が経験する、肉体をはなれた精神の浮遊感覚は、自分がときどき見る夢の中の感覚と似ている気がする。精神の活力が鈍ると浮遊が困難になるところもそっくりだ。134ページまで進んだ。全部で400ページ以上あるのでまだまだ。

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出かける前に読んだ『編集者 漱石』はいよいよ佳境に入ってきた。亡き子規のやっていたことをなぞる漱石。文学だけでなく、絵の趣味までも。まだまだ子規の偉さにまでは達していないようだが、その模倣の延長上に「編集者」への道がひらけるのだろうか。『吾輩は猫である』で一躍有名になって、偏屈な漱石のもとにも、人が集まるようになった。自然とリーダーになりつつあり、リーダーの行動の一環として「編集」の技が必要になるのだろう。


2021年7月15日木曜日

やっと1回目の接種を受けて少し安心(安心してはいけないのだが)

15時。行きつけの内科クリニックに行き、1回目のコロナウイルスワクチン接種を受ける。すぐには感じなかったが、夜になって上腕の筋肉全体に軽いしびれ感。生活にはあまり支障なし。2回目は8月5日。

夕刻買い物に出たが、雲がなくなって夏の空になっていた。飛行機雲の先に細い月が見えた。


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以下は上記以前に書いたもの。


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これ、欲しい。『書評紙と共に歩んだ五〇年』。

https://www.amazon.co.jp/%E6%9B%B8%E8%A9%95%E7%B4%99%E3%81%A8%E5%85%B1%E3%81%AB%E6%AD%A9%E3%82%93%E3%81%A0%E4%BA%94%E3%80%87%E5%B9%B4-%E5%87%BA%E7%89%88%E4%BA%BA%E3%81%AB%E8%81%9E%E3%81%8F-%E4%BA%95%E5%87%BA-%E5%BD%B0/dp/4846011976

*

『週刊読書人』の7月16日号をPDF版(363円)で購入して読んでみよう。

そして、『週刊読書人』の創刊以来の書評アーカイブの索引検索はこちらで出来る。

https://dokushojin.com/arcives/

ためしに「鹿島茂」で検索してみるとこの通り。


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今朝のBGMは以下のLP。

Five Concertos For Oboe And Strings
by Tomaso Albinoni; Pierre Pierlot; Orchestre Antiqua Musica; Jacques Roussel
His Master's Voice (36325)

https://archive.org/details/lp_five-concertos-for-oboe-and-strings_tomaso-albinoni-pierre-pierlot-orchestre-a/disc1/02.02.+Concerto+In+D+Major%2C+Op.7+No.6%3A+2nd+Movement%3A++Adagio.++3rd+Movement%3A++Allegro.mp3

***

三中さんの『読む・打つ・書く』についての巻頭言を考え始める。

まずは、自分のブログ記事から材料を拾い、一旦書いてその後追加を考える。

https://hfukuchi.blogspot.com/search?q=%E8%AA%AD%E3%82%80%E6%89%93%E3%81%A4%E6%9B%B8%E3%81%8F

最初に本の紹介を自分の「読者」という立場から書く。
その後、ブログ記事内容の抜粋。
最後に、おすすめ理由をまとめ直して書く。

午前11時。外は、通り雨。梅雨明けは近い。

***

斎藤美奈子さんの『文庫解説ワンダーランド』読み終えた。

「序にかえて」より

古典的書物の解説に求められる要素

①テキストの書誌、著者の経歴、本が書かれた時代背景などの「基礎情報」。

②本の特徴、要点、魅力などを述べた読書の指針になる「アシスト情報」。

③以上を踏まえたうえで、その本のいま読む意義を述べた「効能情報」。

「あとがき」より

文庫の解説文は「お口直し」である。固い本ならオブラート(甘めの解説)の役割の解説。甘い本なら辛めの解説。しつこい本には爽やかな解説。なるほど。

(玉石混交なので)読者は、メディアリテラシーを磨いて、解説をも批評的に読むのが最良の対抗策だろうとのこと。

*

『ロンドンで本を読む』で丸谷才一は(8頁)、書評には……

「紹介や評価とかよりももつと次元の高い機能もある。それは対象である新刊本をきつかけにして見識と趣味を披露し、知性を刺激し、あはよくば生きる力を更新することである。つまり批評性。……一冊の新刊書をひもといて文明の動向を占ひ、……世界を眺望する……」
ここを読むと鹿島茂さんの書評集の表題『歴史の風 書物の帆』を思い出す。

これもイギリスでの書評の長さのおかげだという。

しかし(10頁)。イギリスでは本があまり売れない。貸本屋が繁盛している。読者は貸本屋から本を借りるとき、そして貸本屋は本を仕込れるとき書評を参考とする。普通の読者が本を買うのはペーパーバックになってからだそうだ。少しがっかり。

このあと収録された大量の英国の書評を読んで勉強すべきだが、それはゆっくりと。


2021年7月8日木曜日

書評と書物と読者との三者の相互作用で読書ワールドは創造性溢れたものとなる

 書評・解説記事収集プロジェクト企画作業レポートを、「とにかく書く(打つ)」手法で作成中。一部を書き抜いてみる。

*

1.書評を広く収集する意味

一般読者にとって書評は、未知の書物を知り手にとって読むきっかけを作ってくれる重要なものである。読書の後も、書評を再読することにより、書物への理解が深まることになる。書評と書物と読者との三者の相互作用により読書ワールドは立体的になり、創造性溢れたものとなる。

ALL REVIEWSの理念つまり、「消費財と化している書物」を「ロング・セラーに変える」。そのために「明治以来活字メディアに発表されたすべての書評を閲覧可能にする書評アーカイブの構築を目指す」 https://allreviews.jp/about/ )を実現するために、現在入手可能な書評・書評関連記事をできるだけ広く収集し、プロジェクト・メンバーや一般読者がもっと楽しく広く書評を読めるようにする。自らも書評を「書く(打つ)」ことも付随的に出来るようにする。

(このあと、プロジェクトの作業内容や体制案など……ほとんど略。)

4.6 コミュニケーション・マネジメント

メンバー間でのコミュニケーションにより、収集作業の質の改善につながるよう、PLはコミュニケーション・マネジメントを入念に行う。(具体的には別途作成の、コミュニケーション・マネジメント・マニュアルによる。)

↑ここは大切。個人が頑張って作業するよりも、複数人が自発的にのんびり作業しながら、互いに情報交換する、ゆるい作業方法で何倍もの成果を上げたい。

ゆるい作業のアイデア(まだ不十分だが。)
(1)日常の読書活動で行っていく方法
・日常目にするSNS、新聞、雑誌などから書評情報を得る。(すでにARにあるものをは、気づいたら除くが、収集時はこだわらない。)
・読み終えた文庫本の解説を記録する。
・書評本、解説本(あまりない?)を読んだら、本の単位で記録しておく。
・対象本を読み終えたら(読んでいる最中でも)、読書のきっかけとなった書評を読み直して評価してみる。自分の理解が深まる。読んだ本の自分なりの書評を書くとよいが、そのとき、書評も評価対象とするとより理解が深まる。
・ARの書評一覧、書評家一覧はときどき参照すると良い。
(2)特定の媒体などを調べる方法
・文芸誌
・新闘
・専門誌
・国会図書館
・他の図書館

・書評、解説に関して知るためのおすすめ本(とりあえずの)
(1)鹿島茂『歴史の風書物の帆』(筑摩書房)
(2)豊崎由美『ニッポンの書評』(光文社新書)
(3)鹿島茂『解説屋稼業』(晶文社)
(4)三中信宏『読む・打つ・書く』(東京大学出版会) https://leeswijzer.hatenadiary.com/
(5)斎藤美奈子『文庫解説ワンダーランド』(岩波新書)
これらに関しては、順次プロジェクト内読書会を開催します。

***

夕食はピペラートなるもの(バスク地方の料理)を作ってみた。なかなかおいしい。


 食べ終わったころ、息子からLINEの電話。孫の体調がすぐれない(多分保育園でいただいた胃腸のウィルス感染症らしい。)ので、明日、ヘルプに来てくれないかとのこと。承諾して、このブログを書いていたら、孫の母親が勤務を休めるようになったので、お役御免となった。少し心配、少し安心。

***

明日はもっとアイデアを出したい。


2021年7月19日月曜日

書評集と書評サイトの積極的意味


長尾真先生の『デジタル時代の知識創造』のなかの一節をKindleで、今朝読む。以前からの私の夢と似たところがある話だ。

「図書館の書物の全体が人間頭脳における知識の構造に類似したものを形成し、ひとつひとつの本やその部分が知識の構造の中の適当なところに位置付けられることになるだろう。このような極端に進化した電子図書館を考えると、 1冊の本の著作者が知識構造全体のどの部分にどのような貢献をしたかということになり、表現の独自性を対象とした著作権という概念とは遠くかけ離れた世界が展開することになる。」(長尾真)

—『【全15巻合本版】角川インターネット講座 (角川学芸出版全集)』

これは、今の状況よりも数歩先を行く考え方である。AIの助けが必要だろうが、早くこうなってほしい。少し調べてみたいが、生きているうちにこのような世界に突入していくことを望む。なんらかの助力が可能ならしていきたい。ちなみに、このとき著作権はアイデアの使用権(貢献に応じた使用料の支払いを伴う)となるとされている。知的努力が正当に報われるようになるはず。

***


『歴史の風 書物の帆』に最後まで目を通す。最終部分の書評で取り上げられている荒俣宏、高山宏の知の巨人ぶりに感嘆し、著書全部を猛然と読みたくなる。書評なのだが、個人の評にもなっている好例。書評対象本だけでなく、著者の本をまるごと読みたくさせる技のすごさ。

「あとがきに代えて」に書評集を本で出す意味が書かれており、こちらにも納得した。良い書評を分野ごとに複数並べるとその分野の良いブックガイドになるというもの。これは昨日まで読んでいた三中さんの『読む・打つ・書く』の趣旨でもある。複数書評家の良い書評を分野別に並べるARにはこのようなすばらしさがもっとある。鹿島さんはこれをARで狙っていたのか。ここを強化する手伝いがわれわれ友の会会員にもできそうな気がしてきた。

2021年8月20日金曜日

『読書人 読むべし』を使って書評記事探索の練習


朝読書。

『読書人 読むべし』は百目鬼恭三郎の「毒舌」で敬遠されると言うことだが、我慢して(?)読むと、快刀乱麻を断つ口調で読者の立場に立ちながら親切な読書案内をしてくれる。書評集としては、鹿島茂さんの『歴史の風 書物の帆』の元祖のような本なのである。取りあげられる本のジャンルを目次に従って挙げてみる。

日本の古典
飲食の本
歌舞伎の本
旅の本
探検記と地誌
神話
伝説と昔話
中国の古典
伝記
辞書

と幅広い。科学分野がないがこれはないものねだり。文系リベラル・アーツ好みの人には受けるラインアップだろう。

百目鬼(「どうめき」と読むのが正しいと今調べてわかった)の本はもっと読んでみたくなった。まずはご近所図書館へ。

なお、この本(新潮社昭和59年刊行)の巻末広告には

『新古今和歌集一夕話』(百目鬼恭三郎)
『現代の作家101人』(同)
『本のある生活』(高田宏)
『ブックストアで待ちあわせ』(片岡義男)

など魅力的な本の題名と解説が並んでいる。これも重要な情報源と有り難く眺める。

百目鬼恭三郎がどの雑誌に書いていたかは、国立国会図書館デジタル・コレクションで、全文検索してみると手がかりがつかめる。(ただし他に新聞関連を調べないといけない。)

朝日ジャーナル
英語青年
オール讀物
科学朝日
學鐙
季刊芸術
経済往来
芸術新潮
月刊自由民主
現代
広告月報
国文学:解釈と鑑賞
史学雑誌
自然と文化
週刊文春
週刊ポスト
小一教育技術
小五教育技術
小説新潮
小二教育技術
小四教育技術
小六教育技術
諸君!
書誌索引展望
新日本文学
新刊展望
新潮
新潮45
新聞研究
自警
総合教育技術
太陽
旅
短歌
短歌現代
知識
中央公論
東京人
波
文芸春秋
プレジデント
別冊文藝春秋
宝石
望星
ユリイカ
幼児と保育
リクルートキャリアガイダンス
レコード芸術
労働経済旬報

以上290件弱。国会図書館に行けば記事はほとんど全部読めるはず。このやり方で書評家の書いた記事を検索すると良い。

たとえば藤森照信さんの書いた雑誌記事ならこれ。


少し先が見えた。

#やはり国会図書館で泊まり込みの仕事したい。

***

休憩してLPで音楽を聴く。

Three Concertos For Viola D'Amore / Two Concertos For Mandolin
by Antonio Vivaldi; Max Goberman; New York Sinfonietta
Odyssey (32 16 0137 / 32 16 0138)
Publication date 1968

https://archive.org/details/lp_three-concertos-for-viola-damore-two-conc_antonio-vivaldi-max-goberman-new-york-sinf/disc1/01.01.+Concerto+In+D+Minor+For+Viola+D'Amore%2C+Strings+And+Harpsichord%2C+P.+288%3A+Allegro.mp3

*

窓から見える2軒先のアパートの屋根のメンテナンスを見学する。双眼鏡でも眺めさせていただく。屋根のてっぺん(「棟」というのだろうか)と軒先を修理している。最近の大雨と風で痛みが早そうだ。働いている人は暑い中で大変だろう。このあと、断熱材のようなシートを敷き詰めて、その上に重しとして屋根材を置いて、早く帰ってしまった。明日は土曜日だが仕事するのか、夜雨が降ったらどうするのかなどいらぬ心配をする。

***

巻頭言のラフ案に手を入れる。やはり最初の構想通り丸谷才一の書評集を題材に書評の基本勉強の成果を書くことにした。日曜夜までに提出可能とする。

***

渡辺一夫の『フランス・ルネサンス文芸思潮序説』(岩波書店)がひよっこり出て来た。本棚のすみで大きな本に隠れていた。1969年発行の第4刷、600円。学生時代にわくわくしながら読んだ本。モンテーニュについてもこの本で教えてもらったと思う。懐かしい。


***

夕方、注文していた古本、丸谷才一の書評集『山といえば川』(中公文庫)が届く。内容は明日。 

もう一冊、これは物置から発掘した本だが、『ぼくの血となり肉となった500冊そして血にも肉にもならなかった100冊』(立花隆)も。100冊の方はフィクション本のことかも?

#猫ビルにも泊まり込みたいなあ。

2021年8月8日日曜日

丸谷才一『いろんな色のインクで』はこの本そのものを読むことがとても愉しい書評集

書評集の題名には趣向が凝らされているようだ。

鹿島茂さんの『歴史の風 書物の帆』という題名については以前書いた。

https://hfukuchi.blogspot.com/search?q=%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81%AE%E9%A2%A8%E3%80%80%E6%9B%B8%E7%89%A9%E3%81%AE%E5%B8%86

この書評集を読んで書いた以上の考察が、私を書評の勉強に駆り立てた。

前回読んだ丸谷才一の『蝶々は誰からの手紙』。蝶は三好達治の詩を思わせ、同じ詩でヨットの帆も連想させる。安西冬衛の詩も少し思い出す。

この書評集の冒頭の「はしがき」に並んだ様々な色のインク瓶のことが出てくるが、これは今回読む『いろんな色のインクで』に呼応する。そして帯の言葉にも「手紙」が登場している。なお、装丁はもちろん和田誠。「はしがき」のインクと筆記具の話も趣き深い。


本文冒頭は……

「I 書評のレッスン」

「藝のない書評は書評ぢゃない」

挑戦的な題名だが、丸谷さんの書評を知っている人にはそうでもなく、内容は丁寧な書評の書き方の手引きになっている。書評ファン必読。

その後の「実例」書評。ふたつ。

「マンゾーニ『いいなづけ』の書評を書き直す」

「カズオ・イシグロ『日の名残り』の書評に書き足す」

*

「II 74の書評」

スバラシイ書評満載。いくつも読みたくなる本が紹介される。たとえば、

「ミセス・ブラウンの配色」では『マティス・ストーリーズ 残酷な愛の物語』。

「辺境のキリスト教」では『聖者と学僧の島』。

「文学的伝説」では『失われた世代、パリの日々』。

ここまでしか読んでいないが、まだまだ読みたくなりそうだ。

*

「書評集」そのものが読んで楽しいことを再認識させてくれる、古本で安く買ったのだがすごいコストパフォーマンス。


2021年7月11日日曜日

書評の存在価値はまず読書案内

書評の存在価値を再度考えて見ることにした。


鹿島茂さんの著書で、題名が素敵な『歴史の風 書物の帆』(筑摩書房)、この本のまえがきにはいかに書評を書くかについての重要な示唆があり自分の巻頭言でも一度取り上げた。

https://allreviews.jp/review/1908

https://allreviews.jp/review/3680

あとがきには、「書評とは、書評する人間のほうが価値を評価される「人評」でもあるのだ。」とある。しそしてそのあとに、「書評集」の価値は「便利な読書案内」になるところともある。あるジャンルでまとまっていれば「思いのほか重宝な本になる」とも書いてある。読者が書店に見当たらない旧刊などの「本を注文で取り寄せるさいの参考資料になる」とも。

ARのジャンル別書評のページに、当該ジャンルの書評のありかたとえば書評集の書誌を紹介する手もあると気づく。そして、ARの書評を個別の読者の読書行動の好みに従って検索し提示出来るようにもしたい。たとえば、ある著者、ある書評家、あるジャンル、あるキーワード、ある時代・地域。経験豊かな書店主や図書館の司書が行ってくれるようなおすすめ機能も必要。ここにAIを入れる?

三中信宏さんの『読む・打つ・書く』では書評を書く(彼によると「打つ」)ことの効用が示されるが、そのなかには他の書評を「読む」ことも「作業工房」中で行うべきであると。

書評の役割の一つはブックガイドだろうが、高山宏『近代文化史入門 超英文学講義』(講談社学術文庫)の巻末には典型的なブックガイドが載っており、たくさんの書籍が紹介されている。この本を読み終えたら高山マジックによりこのブックガイドで列挙された本を読みたく=買いたくなるだろう。一般読者にとってはマニアックだが良書(と思える……)揃いで、少し前に出版されたいて近所の書店や地元図書館にもあまり置いていない。このブックガイドのような役割を、ARの書評(または書評のグループ)に担わせたい。

キュレーションだ。松岡正剛さんの千夜一夜のページ( https://1000ya.isis.ne.jp/ )のようなイメージ。この千夜一夜ページの域に達するのは不可能に近く大変だろうが、ゴールは同じかもしれない。

集団で作業することも考えて『共読する方法の学校 インタースコア』(春秋社)も参考にしたい。

ARの「関連(書評)記事」の作られ方も調べなくてはならない。

2022年7月17日日曜日

棚主としての活動を本格化していきたい

 以下はメルマガ巻頭言の梗概であり、明日中にはまとめないといけないです。


***

4ヶ月たってようやく一棚店主としてどう振る舞うべきか考えるようになった。書棚の構成、値付け、販売先への考慮など。考えるのが必要だし、少しずつ工夫をこらすのが楽しく思える。

そんな折に、7月3日に日比谷図書文化館で行われた、荒俣宏さんと鹿島茂さんの対談『天使はほほえみ、悪魔はささやく-終わりのない古書探しの旅(2)』を切っ掛けに反町茂雄の事績を調べようと思いたった。

その翌日偶然虔十書林さんで入手したのが、『一古書肆の思い出』全5巻のうち4巻まで。まず『一古書肆の思い出 1 修行時代』を読んだ。反町茂雄は、「修行時代」を終えるにあたって丁稚からたたきあげた、なつかしの職場の一誠堂を離れて独立し、無店舗で目録を用いた通信販売を開業する。

その前の修業過程、店員としての成長過程が描かれており、一棚だけではあるが、古書を「販売」している自分としては、おおいに勉強になる。

反町茂雄が重視したのは、古書店界隈と学者界隈に知人を作り、知識を吸収すること。

このあとも読むのが楽しみな本。これを機会に鹿島茂さんの『神田神保町書肆街考』も読むことにした。

*

脇村義太郎の『東西書肆街考』は既読だったがまた読み直してみる。

https://allreviews.jp/column/5758

で紹介されたこの本↓

https://allreviews.jp/column/5758

読みたい。手配済み。

https://allreviews.jp/video/5797

観た。面白かった。身近に。

***


『歴史の風 書物の帆』(鹿島茂さん)

「書評を纏めてみれば、至って便利な読書案内ができあがるということである。とりわけ、フランスの社会史や文化史の紹介には、意識的に力を入れてきたので、この方面のガイド・ブックが皆無の状況では、思いのほか重宝な本になるのではないかと思い至った。新刊本が書店に「滞在」する期間が最長でニカ月というような現在の読書状況では、新刊本の書評が本に収録されて、「旧刊本」の書評になっていても、それは逆に、本を注文で取り寄せる際の参考資料になるだろう。」

↓

われわれの書棚は「書評集」でもある。その評価をもとに値付けする。反町茂雄はそれを真剣に生涯かけてやった。インターネットの驚異とその恩恵。

2021年7月9日金曜日

『読む・打つ・書く』の教え通り文章を「打つ」と驚くほど捗るのがありがたい

今日のBGM。

Sonata In B Minor - Sonata In A Minor, Op.143
by Emil Gilels; Franz Liszt; Franz Schubert
RCA Victor Red Seal (LSC-2811)

https://archive.org/details/lp_sonata-in-b-minor-sonata-in-a-minor-op14_emil-gilels-franz-liszt-franz-schubert/disc1/01.01.+Sonata+In+B-Minor+-+I.mp3

***

Facebookで片岡義男さんの書いた書評が読めるサイトを再発見。もちろん著作も読める。有料。

https://kataokayoshio.com/categories/book-review

***


三中信宏さんの『読む・打つ・書く: 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々』に関する話を再来週号(7月20日)のARメルマガ巻頭言に書くことにした。通常なら書き始めるのには早いけれど、この本の教えに従ってどんどん書き(打ち)始めることにする。「打つ」のニュアンスはこの場合ぴったりだ。ライターズ・ブロック(と言えるほど高級なものは書けないのだが)を打ち破るのには、この本の教えの通りにどんどん打つのが良いと思うようになった。この本を読んだ効用はこれに尽きるような気がする。

もちろん、読書論も執筆論も面白いのだが。今、ここでどう面白かったか書けと言われると難しい。本を読み直さないと忘れている。まあ、数日前からこのブログで感想を書いているので、それを読み直せば良さそうだ。そして、本への書き込みを眺め、目次と索引と文献リストを見直せば良い。と、書いたこの事自体が読書論と執筆論の要諦だったかもしれない。忘れたことを思い出すきっかけにも、書く(打つ)ことが役立つ。

***

巻頭言以外にも、コミュニケーション・マネジメントについて書くについて、『読む・打つ・書く』の「ひたすら打て」を実行。実に役に立つアイデアだ。

***

雨だが、図書館に行き4冊借り出した。

(1)『失われたものたちの本』
著者名 ジョン・コナリー/著 田内 志文/訳
出版者 東京創元社
出版年月 2015.9

ジョン・コナリーを読むのは2冊目。1冊目は『キャクストン私設図書館』だった。面白く読んだ。

(2)『文庫解説ワンダーランド 岩波新書 新赤版』  

著者名 斎藤 美奈子/著
出版者 岩波書店
出版年月 2017.1

(3)『歴史の風書物の帆』

著者名 鹿島 茂/著
出版者 筑摩書房
出版年月 1996.1

(4)『ニッポンの書評 光文社新書』  

著者名 豊崎 由美/著
出版者 光文社
出版年月 2011.4

これら3冊はARのオシゴトに必要な本。(4)は三中さんが『読む・打つ・書く』で取り上げていることもあり、借りてきた。

2020年9月9日水曜日

荷風、露伴、鷗外がつながった

『荷風と東京『斷腸亭日乗』私註』(川本三郎)、ラスト。

488頁。
昭和20年3月10日。偏奇館炎上。日乗と草稿の入った革包のみを持って避難。蔵書が焼けてひときわ激しい炎が上がるのを見る。

ここは、自分にも火事の経験があるので、共感する。自分は、悲しいと言うよりも、虚しい気分だった。

489頁。
その後、各地を転々とするが、日記は書き続ける。

トーマス・マンを思わせる。二人共、日記を書くことにより平静を保てたのではないか。

490頁。
避難先でも、花に目をやり、本も買っている。

492頁。
岡山の古本屋で、菊池三溪の「虞初新誌」を買う。鷗外の影響だとか。フランス語の本も買う。

これだろうか?

494頁。
成島柳北を読む。「硯北日録」を写す。

以前の随筆に柳北の話が……

497頁。
文人趣味による日乗の文体。それが偏奇館炎上の後の荷風を支える。

502頁。
市川の地にも次第に慣れ、慰めを見つけていく。

507頁。
自炊。

508頁。
「葛飾土産」

510頁。
露伴も近くに住んでいた。「曠野評釈」を読む。露伴は昭和22年7月30日に亡くなる。80歳。告別式の門外で黙礼して帰る。

551頁。
中村眞一郎『永井荷風研究』(新潮社 昭和31年)https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000436017-00

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昨日行けなかった、相模大野図書館に行ってきた。炎天下。駅からの近道であった伊勢丹デパートの通り抜けが、デパート閉鎖でできなくなった。迂回する。駐車場や公園を通るが、なぜか、香港の九龍公園を思い出させる。

『断腸亭の経済学』、『鷗外・啄木・荷風 隠された闘い』、『歴史の風 書物の帆』、『摘録 断腸亭日乗』など借りる。

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帰って、シャワーを浴び、昼寝をしながら、『鷗外の坂』を読み進む。弟篤次郎の話が愛しい。