2017年6月11日日曜日

羽田空港変わりなし、円城塔氏の「誤字」を読む

 息子様が6月恒例の香港旅行に出発。カメラ機材が重いとかおっしゃるので、車でお送りした。6時少し前に出発し、7時前に到着。日曜の朝なので高速道路は空いていた。空港ターミナルの駐車場も。

 ここ数年この時期、紫陽花の飾り付けが国際線出発ターミナルの上階で行われている。今日も綺麗だった。屋上でいつものごとく発着する飛行機を眺める。観光客とおぼしき老人たちの一人が「築地市場」と書かれたTシャツを着ていらっしゃる。「築地市場」は観光にはずいぶん役立っているようだ。



 帰宅後しばらくしてから、駅前の書店に行き、「新潮 7月号」を求める。



 円城塔氏の「文字禍シリーズ」の最新作「誤字」を読むためだ。相変わらず、既成の文学の範疇を逸脱したような書きっぷり、さっぱり要領を得ないが、そこは作者の狙い通りなのだろう。わからないところに朱線を引いて、意味をしらべながら読み直してもムツカシイ。すぐ分かる小説よりは読み応えがある。頭の体操になる。

 この雑誌には他にも面白そうな記事が満載。村上春樹先生の「騎士団長殺し」の解説まで載っている。「騎士団長殺し」は読みさしたまま、数ヶ月放ったままにしているが、この解説を読んで、また読書を再開したい。これは、出版社の狙い通りだろう。

 「騎士団長殺し」は、難解なので従来の作品より売上が上がらないらしい。「誤字」もそうだが、「わかりにくい」作品が劣っているとはいえないと思う。しかし、商売となるとそうもいかない。みかけの易しさを装うしか無いのかもしれない。作家と出版社はつらい。分かる人が分かればいいと思えるアマチュアの立場がいい。

 昨日巻き起こった、ヒッチコック熱はまだ醒めていない。「鳥」も観てしまった。サスペンスの中の(ブラック)ユーモア。イギリス人らしい。

 近所のカラスが少し怖くなったが、夕方、曇り空の下を飛び回るツバメの姿は好ましい。今年は少し数が多いようだ。

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