2017年6月4日日曜日

ワンダーランドは宝島! 「植草甚一自伝」が連載された

 自伝や日記を読むのが好きだ。もちろん、自伝や日記に本人のすべてが語られているからというわけばかりではない。逆に創作物の方に「自分」をさらけ出す人が多いだろう。

 自伝・日記を書くことで本人が自分を発展させていく姿に感銘を受ける。私も、このブログによって、知らない自分を見つけることがある。些細なことにせよ、知らない自分を探し出したい。



 「植草甚一スクラップブック」の40巻。1979年6月20日発行。晶文社。表紙は和田誠。月報には植草さんは病気で韮山で静養中とある。以下目次。

I 植草甚一自伝 9(ページ)
 1 最初は商人の息子という題にしよう
 2 小網町の電信柱に大阪甚兵衛はも料理とかいてあった
 3 こうしてぼくは嘘つきになった
 4 下町の不良少女と小学校のきれいな先生
 5 こうしてぼくは与太者にされた
 6 遠足のとき十国峠でヘビが出た
 7 ジャック・ロンドンの「野性の呼び声」と明治三十三年十月のニューヨークを想像してみた話
 8 ウォルター・スコットは学校で一番になれなかったけれど、ぼくはねえ、いつも一番だった
 9 大火事とボヤと友だちと遊ばなくなった中学生のころ
 10 「ムッシュ・ブルー」という喫茶店かバーをやると喜ぶだろうなあ
 11 臨時雇の先生と黒板にぶつかるチョークの音
 12 こんどいいものを見せるよとニューヨークで約束したんだ
II それでも自分が見つかった 133
解説 : 自在に楽しむことの文明批判
初出一覧

 初出一覧を見ると「それでも…」以外は、「ワンダーランド」のちの「宝島」誌に連載されたもの。この雑誌も押し入れを探せば保存してある。とくに最初は大判の雑誌だったので保管に苦労した。紙質が悪かったのだが、それは意図して選んだ紙だったからだろう。保管すること自体が、植草さんたちの意図には反しているのかもしれない。

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