2020年3月11日水曜日

『若き日の日記』中の神谷美恵子の読書の量と質に驚く

『若き日の日記』を朝、寝床で読む。メモ用紙が近くにないので、昨夜使った血圧管理手帳の余白に覚えを書き込む。



124頁。1943年10月21日。
「空襲に備えて大切な本や物は新潟に送れとの父上のお言葉に従い…ギリシャ古典のものを」木箱にしまうのだが、「できた空所には日本文学のものなど並べてよろこんだ。」…「私の本道楽も、いわば友人代りの話相手なのだから許してもらってもいい…」

125頁。1943年10月23日。
「哲学的思索も、心理学的分析も、医学的実験も、結局、人間の極く小さな部分を小きざみに刻むに過ぎなかった。…あるがままの人間の姿を如実に描きだ(す)…小説の意義は大きい。人間探求という課題に対して、たくさんの観察材料をうず高く積み上げていくようなものだ。」

128頁。1943年11月11日。ベルグソンMatière et mémoire(『物質と記憶』)を読み終えて、日仏会館図書館で返し、かわりにL'Energie spirituelle(『精神のエネルギー』)を借りている。さすがだ。

130頁。1943年11月18日。
「夜日響のバッハのマトイス・パッションを聴きに行く。」「イエスを単なる教義の具象として扱わず、熱いハートを持った人間として生かしているバッハの大いさ!」
ここには戦争に怯える姿は微塵もない。

150頁。
「私のような人間にいちばんアフィニテート(親和性)のある理想主義思想乃至文学は、ドイツにこそその最も純粋な形に於て見出さるるではないか。」

一方、
「咳のため仲々眠り就けないので、例のように源氏物語を床の中で長い間読んでいた。この言葉は実に美しい。」


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『グッド・ワイフ』は昨夜、最後の2話を観た。やはり予想通り結末はついていない。シーズン8も作るつもりがあったのだろう。次のドラマを探したいところだが、少し休まないと体力が持たない(*^^*)

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午後、決死の思いで(半分嘘)、少し電車に乗り青葉台のブックファーストで『永遠のソール・ライター』を受け取ってきた。
今夜はこれを眺めて悦に入るつもり。


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帰ってきて、夕食支度前まで、「論語対談」の記事を下書きとしてnoteにアップした。


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