2021年5月16日日曜日

クラークの姉妹作品『銀河帝国の崩壊』には『都市と星」のようなIoTのうんちくは出てこない

『三体3:死神永生』上下巻(5月25日に発売予定)を予約注文した!このシリーズはクラークの影響を受けているはずだ。

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クラークの『楽園の日々』(ハヤカワ文庫) をAppleBooks上で検索した。キーワードは『銀河帝国の崩壊』。

182頁。

「薄暮」(私の注 実はキャンベルの作品で1934年発表)は、わたし自身の生涯に大きなインパクトを与えたし、1937年に書きはじめた『銀河帝国の崩壊』に影響していることはまちがいない。46年にそれが完成すると、(いまはアスタウンディングの編集長になった)キャンベルに渡したが……

ともかく『銀河帝国の崩壊』は一年後にスタートリング・ストーリー誌に売れ、1948年に発表されて以来、ながらく絶版になったことがないーーそれを著者公認の最終的な決定版『都市と星』(1956)に吸収しようと努力したにもかかわらずだ。やはり前の作品のほうが好きだと言う人もあって、それに反論するのはあきらめた。

ここは興味深い。クラーク自身は、科学的考察を加えた『都市と星』のほうが、本来のクラークらしいハードSFだと言いたいのだろうが、情緒的な反応をする人々への説得はあきらめたということか。私も『銀河帝国の崩壊』を先に読んで感銘を受けたので、どちらが好きかと言われたら、こちらを取る。

ともかく、昨日の『都市と星』中のIoT話は、『銀河帝国の崩壊』にはほとんど出てこない。

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