2017年8月1日火曜日

井上ひさし「自家製文章読本」は書きたい放題で面白い



 昨日発掘した「自家製文章読本」(1984年 新潮文庫)が意外に面白い。「意外」とは失礼だが、堅苦しい文章のお作法だけでなく、古今の文章や作家をなで斬りにしているからだ。

 そうして、この本をよむとページごとに、あるいはそれ以上に引用された本を読みたくなる。多分そこが井上ひさしの狙いだったのだろう。

 たとえば、
 谷崎潤一郎、三島由紀夫、中村真一郎、丸谷才一の「文章読本」
 芭蕉の「奥の細道」、「たけくらべ」、豊田利幸の反核論、アランの「芸術論集」、バルザックのすべて、志賀直哉の「暗夜行路」と「城の崎にて」、漱石の初期と後期の小説、世阿弥の「花鏡」、時枝誠記の「文章論の一課題」、鴎外の「寒山拾得」の「水が来た」の句。
 最初の30ページ強で、これだけの文章を読みたくなる。あと、200ページは残っているm(_ _)m

 井上ひさしご本人はその何倍かをこれを書くために読破しているのだろう。煙草を吸いながら。

 この本を昔、30歳代のとき、読んでもあまり感激しなかったのは、とてもかなわないと思ったからだろう。いまでもかなわないが、素直に感心できる。あるいは、感心するしか無いと分かるようになったらしい。

 身の回りの本を少し整理した。

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