2020年2月23日日曜日

『論語』対談私的メモ(その2)…(孔子の頭の中の「体系」を知りたくなった。)

出口さんと鹿島さんの『論語』対談。昨日の手書きメモをそのままタイプした。昨日の続き。

16時36分。
鹿島:私なりに易しく言ってみる。「礼」とは宮廷の儀礼。孔子は礼儀作法を教えていた。ブライダル・マナーやセレモニー・マナーそして宮廷マナーの教師。母親はシャーマンで、母方の祖父に学んだのだろう。学び方はブッキシュ。「詩」(詩経)と「易」(易経)をオタッキーに勉強した。ただし「論語」ではシャーマニズムは嫌っており、その要素の部分は哲学的に理論武装している。
弟子には「考えろ」と教えている。つまり知識だけじゃ駄目と。いろいろな弟子がいた。顔回は可愛がっていて死の時のなげきは激しい。(『論語』参照)子路は駄目生徒だった。何回教えても身につかない。それらの弟子により受け取りがちがう。
勉強が好きなのは直系家族の特徴。そして直系なので祖父母の教育力が大きい。

出口:年寄りを手厚く扱って老年まで養う。群れ社会での生き残り・差別化戦略だ。血統と礼儀。平清盛と頼朝は福原と鎌倉に引っ込んで、(うるさい旧権力から離れて)政治を行った。義満も。
孔子は「礼」を創った。周の大物の夢を見たとして「礼」を記述。

鹿島:土地私有↔直系家族。代々続く。祖先崇拝。相続だけでなく、フィロソフィー(一般原理)に従った。

出口:戦国の七雄。中国は欧州より広大。一般化した原理は諸国に通用する。

鹿島:「勉強」する。孔子が引用したものは今では分からないものが多いが、文献学になっている。ニーチェの「道徳の系譜」に通ずる。聖書には新旧の話が含まれており、それを見分ける。見分けのルールを体系化する。「古い方」がいいのか?フィロソフィー。哲学は「考える」ルールである。文献学好き。哲学好き。

出口:孔子はルールを知っている。昔の文章を集めて整理する。他国に通用するものができた。(でも)総理大臣にはなれなかった。仕方ないのでルールを体系化して弟子に教える。(# 論語はあまり体系化されてないが、孔子の喋ったことまたは頭の中は体系化されていたのか。それを知りたい…これ質問すればよかった。)
プラトンにも似ている。プラトンもアカデメイアという学校を作った。(続く)

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ここまでで定刻17時。まだまとめの話が残っている。

出口さんの本、『人類500年史』も呼んでみたい。まだ完結してない。




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この本の前身、『「全世界史講義」 教養に効く人類5000年史」(新潮社)は近所の図書館にあったので、即日借り出せた。
書誌:
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I027011430-00

第2部第2章の「知の爆発」に孔子の事が書かれている。儒教はその後、中国ではメジャーな思想にはなり得なかった。昨日の話通り、重要なのは諸子百家で言えば「法家」。紙と墨で書かれた法律が重要な統治の手段となった。「法家」と「儒家」の関係は為政者の「本音」と「建前」。後に他の宗教たとえばキリスト教が入ってきても、儒教の先祖崇拝は当然のこととして認められた。大した宗教ではないと気に留めてもらえなかったのかも。日本ではどうだったか。

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